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閲覧履歴

ヘブスブリン筋注用200単位

血漿分画製剤

1瓶 8855円

作成又は改訂年月

**
2021年10月改訂
(第20版)D18
*
2021年1月改訂

日本標準商品分類番号

876343

日本標準商品分類番号等

1990年9月
1985年12月

薬効分類名

血漿分画製剤

承認等

ヘブスブリン筋注用200単位

販売名コード

6343423X1042

承認・許可番号

22100AMX01665
Hebsbulin I.M.200 units

薬価基準収載年月

2009年8月
(健保等一部限定適用)

販売開始年月

1985年11月

貯法・使用期限等

貯法
凍結を避け10℃以下に保存
有効期間
検定合格の日から2年(最終有効年月日は瓶ラベル及び外箱に表示)

基準名

生物学的製剤基準
乾燥抗HBs人免疫グロブリン

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること

*組成

有効成分〔1瓶中〕
抗HBs抗体 200国際単位
添加物〔1瓶中〕
グリシン 21.9mg,D-マンニトール 10mg,塩化ナトリウム 6mg,ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール 0.2mg,水酸化ナトリウム 適量,塩酸 適量
添付溶剤
日局 注射用水 1mL
備考
抗HBs抗体は,ヒト血液に由来する.
(採血国:米国,採血の区別:非献血)

*性状

性状・剤形
白色〜淡黄色の凍結乾燥製剤である.本剤を添付溶剤で溶解するとき,1mL中に抗HBs抗体200国際単位を含有する無色ないし黄褐色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる.
pH
6.4〜7.2
浸透圧比
約2(生理食塩液に対する比)
※本剤1瓶を添付溶剤に溶かした水溶液
ヘブスブリン筋注用1000単位

販売名コード

6343423X2049

承認・許可番号

22100AMX01666
Hebsbulin I.M.1000 units

薬価基準収載年月

2009年8月
(健保等一部限定適用)

販売開始年月

1986年11月

貯法・使用期限等

貯法
凍結を避け10℃以下に保存
有効期間
検定合格の日から2年(最終有効年月日は瓶ラベル及び外箱に表示)

基準名

生物学的製剤基準
乾燥抗HBs人免疫グロブリン

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること

*組成

有効成分〔1瓶中〕
抗HBs抗体 1,000国際単位
添加物〔1瓶中〕
グリシン 109.5mg,D-マンニトール 49mg,塩化ナトリウム 29mg,ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール 1mg,水酸化ナトリウム 適量,塩酸 適量
添付溶剤
日局 注射用水 5mL
備考
抗HBs抗体は,ヒト血液に由来する.
(採血国:米国,採血の区別:非献血)

*性状

性状・剤形
白色〜淡黄色の凍結乾燥製剤である.本剤を添付溶剤で溶解するとき,1mL中に抗HBs抗体200国際単位を含有する無色ないし黄褐色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる.
pH
6.4〜7.2
浸透圧比
約2(生理食塩液に対する比)
※本剤1瓶を添付溶剤に溶かした水溶液

特殊記載項目

本剤は,貴重な人血液を原料として製剤化したものである.原料となった血液を採取する際には,問診,感染症関連の検査を実施するとともに,製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し,感染症に対する安全対策を講じているが,人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため,疾病の治療上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にとどめること.(「使用上の注意」の項参照)

禁忌

本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
HBs抗原陽性者(ただし,新生児に投与する場合でやむを得ない場合には,HBs抗原検査の結果を待たずに投与することが可能である.)

原則禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

・HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防:
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)で溶解し,通常,成人に対して,1回5〜10mL(1,000〜2,000国際単位)を筋肉内に注射する.
必要に応じて増量するか又は同量を繰り返す.
小児には,体重1kg当たり0.16〜0.24mL(32〜48国際単位)を用いる.
投与の時期は事故発生後7日以内とする.なお,48時間以内が望ましい.
・新生児のB型肝炎予防(原則として,沈降B型肝炎ワクチンとの併用):
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)で溶解し,初回注射量は0.5〜1.0mL(100〜200国際単位)を筋肉内に注射する.初回注射の時期は生後5日以内とする.
なお,生後12時間以内が望ましい.
また,追加注射には,体重1kg当たり0.16〜0.24mL(32〜48国際単位)を投与する.
・HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防
・新生児のB型肝炎予防(原則として,沈降B型肝炎ワクチンとの併用)

*用法及び用量

・HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防:
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)で溶解し,通常,成人に対して,1回5〜10mL(1,000〜2,000国際単位)を筋肉内に注射する.
必要に応じて増量するか又は同量を繰り返す.
小児には,体重1kg当たり0.16〜0.24mL(32〜48国際単位)を用いる.
投与の時期は事故発生後7日以内とする.なお,48時間以内が望ましい.
・新生児のB型肝炎予防(原則として,沈降B型肝炎ワクチンとの併用):
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)で溶解し,初回注射量は0.5〜1.0mL(100〜200国際単位)を筋肉内に注射する.初回注射の時期は生後5日以内とする.
なお,生後12時間以内が望ましい.
また,追加注射には,体重1kg当たり0.16〜0.24mL(32〜48国際単位)を投与する.

使用上の注意

慎重投与

IgA欠損症の患者〔抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある.〕
溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある.〕
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,持続性の貧血を起こすことがある.〕

重要な基本的注意

患者への説明:本剤の使用にあたっては,疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが,血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを,患者に対して説明し,理解を得るよう努めること.
本剤の原材料となる血液については,HBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体,抗HIV-2抗体陰性であることを確認している.更に,プールした試験血漿については,HIV-1,HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し,適合した血漿を本剤の製造に使用しているが,当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する.本剤は,以上の検査に適合した高力価の抗HBs抗体を含有する血漿を原料として,Cohnの低温エタノール分画で得た画分からポリエチレングリコール4000処理,DEAEセファデックス処理等により抗HBs人免疫グロブリンを濃縮・精製した製剤であり,ウイルス不活化・除去を目的として,製造工程において60℃,10時間の液状加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理を施しているが,投与に際しては,次の点に十分注意すること.
血漿分画製剤の現在の製造工程では,ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため,本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので,投与後の経過を十分に観察すること.
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない.しかしながら,製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの,理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので,投与の際には患者への説明を十分行い,治療上の必要性を十分検討の上投与すること.
ショック等重篤な副作用を起こすことがあるので,注意して使用し,経過を十分観察すること.

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
非経口用生ワクチン(麻疹ワクチン,おたふくかぜワクチン,風疹ワクチン,これら混合ワクチン,水痘ワクチン等)本剤の投与を受けた者は,生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので,生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期すること.また,生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は,投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい.本剤の主成分は免疫抗体であるため,中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある.

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例数1,366例中4例(0.29%)5件の副作用が認められた.その内訳は,発疹,悪寒,けん怠感,膨疹,疼痛の各1件(0.07%)であった.(再審査終了時)

重大な副作用

ショック(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,悪寒,嘔気,発汗,腰痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと.

その他の副作用

過敏症注)
0.1%未満
発疹等
過敏症注)
頻度不明
発熱
注射部位
0.1%未満
疼痛
注射部位
頻度不明
腫脹,発赤,硬結
その他の副作用の注意
上記のような症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発現した場合には,適切な処置を行うこと.
注)このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない.感染した場合には胎児への障害(流産,胎児水腫,胎児死亡)が起こる可能性がある.〕

**臨床検査結果に及ぼす影響

本剤には供血者由来の各種抗体(各種感染症の病原体又はその産生物質に対する免疫抗体, 自己抗体等)が含まれており,投与後の血中にこれら抗体が一時検出されることがあるので,臨床診断には注意を要する.

適用上の注意

投与経路
筋肉内注射にのみ使用すること.決して静脈内に注射してはならない.
筋肉内注射
筋肉内注射にあたっては,組織・神経などへの影響を避けるため,下記の点に注意すること.
同一部位への反復注射は行わないこと.また,低出生体重児,新生児,乳児,幼児,小児には特に注意すること.
神経走行部位を避けるよう注意すること.
注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり,血液の逆流をみた場合は,直ちに針を抜き,部位を変えて注射すること.
調製時
溶解時に著しい沈殿が認められるものは投与しないこと.
本剤はチメロサールその他の保存剤を含有していないので,一度溶解したものは1時間以内に使用し,残液は再使用しないこと.
投与時
新生児の注射量が1mLの場合には,0.5mLずつ2カ所に分けて注射すること.
沈降B型肝炎ワクチンを併用する場合には異なる注射部位とすること.
アンプルカット時
添付溶剤の容器は,ワンポイントカットアンプルを使用しているので,丸印を上にして下方向へ折ること.なお,アンプルカット時の異物混入を避けるため,エタノール綿等で清拭しカットすること.

*薬物動態

本剤を健康成人に投与し,抗HBs抗体価を経時的に観察した成績によると,抗HBs抗体価200国際単位/mLのもの10mLを筋肉内に注射した場合,投与後2日目で抗HBs抗体価が最高(PHA法で16〜32倍)に達する.抗体価の血中半減期は約3週であった1)

臨床成績

HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防2)
HBs抗体陰性の医療従事者でHBs抗原陽性血液汚染事故後の309例に本剤を10mL(一部は5mL)注射した.HBe抗原汚染が確実な48例を含む308例はB型肝炎の発症を免れた.HBs抗原陽転・発症例はただ1例であり,これは血液透析に従事している30歳の看護師で,汚染注射針による刺傷後72時間以内(51時間目)に本剤10mLを投与したが,33週でHBs抗原が陽転し,トランスアミナーゼの上昇を伴い,典型的なB型肝炎を発症した.
新生児のB型肝炎予防3)
HBs抗原陽性の母親から生まれた児818例に対し,延べ1,817回注射された.うち生後6カ月以上経過観察された735例中713例がHBe抗原陽性の母親から生まれた児で,うち25例は本剤単独投与,他はHBワクチンが併用された.
生後6カ月以上経過観察された735例における成績ではキャリア化率3.3%,HBs抗原陽性率6.0%,感染予防率94.0%であり,本剤単独投与よりHBワクチン併用でより優れた成績を示した.
HBe抗原陽性の母親から生まれた児713例に対する成績においてもキャリア化率3.4%,HBs抗原陽性率6.2%,感染予防率93.8%を示し,本剤単独投与よりHBワクチンとの併用でより高い有効率を示すことが証明された.
本剤初回注射時期では,全体の86.7%が生後48時間以内に開始されたが,生後48時間以降に開始されたものとの間にキャリア化率,HBs抗原陽性率,感染予防率で差はみられなかった.HBV感染の成立時期を考慮すれば可能な限り早期に投与することが望ましいが,何らかの理由で投与が遅れた場合も投与を試みるべきであると考えられた.

薬効薬理

血中に入ったB型肝炎ウイルス(HBV)は肝細胞に取り込まれ増殖する.本剤を投与すると,血中に存在しているHBVは肝細胞に取り込まれる前に血流中で抗HBs抗体により中和処理される.なお,HBVが肝細胞に侵入した後では,本剤を受動免疫として投与しても効果は期待できない.

取扱い上の注意

記録の保存:本剤は特定生物由来製品に該当することから,本剤を投与した場合は,医薬品名(販売名),その製造番号(ロット番号),投与した日,投与を受けた患者の氏名,住所等を記録し,少なくとも20年間保存すること.

包装

ヘブスブリン筋注用200単位 1瓶
溶剤(日局 注射用水 1mL)添付
ヘブスブリン筋注用1000単位 1瓶
溶剤(日局 注射用水 5mL)添付

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
鍵谷昌男 他:基礎と臨床 1985;19(13):6475-6480
2
市田文弘 他:基礎と臨床 1982;16(2):757-775
3
白木和夫 他:肝胆膵 1986;12(4):639-651

*文献請求先

一般社団法人 日本血液製剤機構 くすり相談室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-1
電話0120-853-560

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*製造販売元
一般社団法人 日本血液製剤機構
東京都港区芝浦3-1-1

保険適用(給付上)の注意

1
「HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防」の目的で使用した場合の取扱い
保険給付については,下記のとおりであるので,その取扱いについては十分ご留意ください.
(1)汚染の原因(適用範囲):負傷し,HBウイルス感染の危険が極めて高いと判断され,縫合,消毒,洗浄等の処置及び本製剤の注射が行われた場合
業務上:労災保険適用,業務外:健康保険等適用
(2)汚染の原因(適用範囲):既存の負傷にHBs抗原陽性血液が付着し,HBウイルス感染の危険が極めて高いと判断され,縫合,消毒,洗浄等の処置及び本製剤の注射が行われた場合
業務上:労災保険適用,業務外:健康保険等適用
2
「新生児のB型肝炎予防」の目的で使用した場合の取扱い
1995年4月1日より,下記の診療については健康保険で給付されます.
1)HBs抗原陽性の妊婦に対する
・HBe抗原検査
2)HBs抗原陽性の妊婦から出生した乳児に対する
・HBs抗原・抗体検査
・抗HBs人免疫グロブリン投与及びB型肝炎ワクチン接種
(平成7年3月31日付保険発第53号)
なお,妊婦に対するHBs抗原検査は妊婦健康診査の内容に含めて実施されます.
(平成9年4月1日付児発第251号)

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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