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エンペシドトローチ10mg

口腔カンジダ症治療剤

1錠 299円

添付文書番号

6290700E1031_1_05

企業コード

630004

作成又は改訂年月

2023年8月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87629

薬効分類名

口腔カンジダ症治療剤

承認等

販売名

エンペシドトローチ10mg

販売名コード

6290700E1031

販売名英字表記

Empecid troche 10mg

販売名ひらがな

えんぺしどとろーち10mg

承認番号等

承認番号
22000AMX02420000

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
60ヵ月

一般的名称

クロトリマゾール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

エンペシドトローチ10mg
有効成分
1錠中日局クロトリマゾール  10mg含有
添加剤
ブドウ糖、結晶セルロース、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

エンペシドトローチ10mg
剤形トローチ剤
色調白色~微黄白色
外形
大きさ
大きさ(直径)
15.9mm
大きさ(厚さ)
4.0mm
質量1.0g
識別コード

効能又は効果

HIV感染症患者における口腔カンジダ症(軽症、中等症)

効能又は効果に関連する注意

  1. 食道カンジダ症に対する本剤の有効性は認められていない。
  2. HIV感染症患者における口腔カンジダ症に対してのみ適用を考慮すること。本剤は口腔内での局所適用であるので、食道カンジダ症及び全身性の深在性真菌症には効果が期待できない。

用法及び用量

通常、成人には1回1錠(クロトリマゾールとして10mg)を1日5回口腔内投与する(起床から就寝までの間に、3~4時間毎に使用する)。
本剤は口腔内で唾液により徐々に溶解しながら用いるもので、噛み砕いたり、呑み込んだり、強くしゃぶったりせずに、完全に溶解するまで口腔内に留めて使用すること。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤の使用に際しては、投与開始後7日を目安としてさらに継続投与が必要か判定し、投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。さらに、本剤の投与期間は原則として14日間とすること。
  2. 他の経口抗真菌剤との併用時の安全性は確立していない。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 他のイミダゾール系抗真菌剤に対して薬物過敏症の既往歴のある患者

妊婦

妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬(イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール)において、乳汁中に移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
免疫抑制剤
タクロリムス水和物
タクロリムス水和物の血中濃度が上昇することが報告されている。
本剤がタクロリムス水和物の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇等
消化器
嘔気、嘔吐、腹痛
口腔
口内乾燥、口腔疼痛
口内灼熱感
皮膚
そう痒

過量投与

  1. 症状
    外国において過量投与(クロトリマゾール60~100mg/kg/日)により抑うつ、見当識障害、傾眠、視覚障害があらわれたとの報告がある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
逆転写酵素阻害剤及びプロテアーゼ阻害剤などのエイズ治療薬との薬物相互作用について検討した成績はない。

薬物動態

血中濃度

健康成人12例に10mgトローチを口腔内投与した場合、血漿中には未変化体及び非活性代謝物(カルビノール体)が定常状態でそれぞれ4.1ng/mL及び19ng/mLと低濃度検出されたが、蓄積性は認められなかった(外国人データ)。

分布

健康成人12例に10mgトローチを口腔内投与した場合、服用後速やかに治療に十分な唾液中濃度が得られ、投与3時間後においても2μg/mLのクロトリマゾール濃度が維持されていた(外国人データ)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅱ相試験
    HIV感染者における口腔カンジダ症8例を対象に本剤10mg錠を1回1錠、1日5回14日間口腔内投与した。集計対象症例6例の有効性については、自他覚症状の推移による「臨床症状改善度」及び真菌の消長による「真菌学的効果」、これらを総合的に評価した「総合臨床効果」で評価が行われ、臨床症状改善度は、「消失」4例、「改善」1例、「不変」1例で臨床改善率は5/6例(83.3%)であった。真菌学的効果は、「真菌消失」5例、「判定不能」1例で、「判定不能」の1例を除いた5症例における消失率は5/5例(100.0%)であった。
    集計対象症例8例中1例(12.5%)に副作用が認められ、傾眠、倦怠感各1件(12.5%)であった。
  2. 海外臨床試験
    米国において免疫低下状態の患者における口腔カンジダ症を対象に実施された比較試験を含む12試験を実施した。有効性評価対象例57例中、有効以上は28例(49.1%)、やや有効以上は55例(96.5%)であった。
    安全性評価対象例166例中13例(7.8%)に副作用が認められ、主な副作用は嘔気6件(3.6%)、嘔吐3件(1.8%)、肝酵素上昇3件(1.8%)等であった。

薬効薬理

作用機序
クロトリマゾールは真菌細胞の細胞膜、核膜等の膜系構造のリン脂質分子に特異的親和性を持って結合し、その透過性を変化させ、抗真菌作用を示す,
抗真菌作用
クロトリマゾールはCandida属の病原真菌に対して強い抗真菌作用を有する。各種Candida属の臨床分離株に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりである(in vitro)。
菌種
MIC
Candida
albicans
glabrata
tropicalis
krusei
≦0.015~4μg/mL
0.25~2μg/mL
≦0.015~4μg/mL
0.03~0.5μg/mL

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クロトリマゾール(Clotrimazole)
化学名
1-[(2-Chlorophenyl)(diphenyl)methyl]-1H-imidazole
分子式
C22H17ClN2
分子量
344.84
性状
本品は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品はジクロロメタン又は酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
142~145℃

包装

70錠[瓶、バラ]

主要文献

1
社内資料: 薬物動態
2
岩田和夫他: 日本細菌学雑誌. 1973; 28: 513-521
3
山口英世他: 日本細菌学雑誌. 1974; 29: 379-385
4
Plempel M, et al.: Arzneim-Forsch. 1972; 22: 1280-1289
5
社内資料: 薬効薬理(in vitro

文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001大阪市北区梅田二丁目4番9号
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製造販売業者等

製造販売元
バイエル薬品株式会社
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先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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