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エバスチンOD錠10mg「ZE」

持続性選択H1受容体拮抗剤

1錠 25.3円

添付文書番号

4490019F3071_1_09

企業コード

380087

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

持続性選択H1受容体拮抗剤

承認等

販売名

エバスチンOD錠5mg「ZE」

販売名コード

4490019F3071

販売名英字表記

Ebastine OD TABLETS

承認番号等

承認番号
22000AMX00393

販売開始年月

2008年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
エバスチン口腔内崩壊錠

販売名

エバスチンOD錠10mg「ZE」

販売名コード

4490019F4078

販売名英字表記

Ebastine OD TABLETS

承認番号等

承認番号
22000AMX00392

販売開始年月

2008年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
エバスチン口腔内崩壊錠

一般的名称

エバスチン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

エバスチンOD錠5mg「ZE」
有効成分
1錠中、日局 エバスチン  5mg
添加剤
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、カルメロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、タウマチン、香料、三二酸化鉄
エバスチンOD錠10mg「ZE」
有効成分
1錠中、日局 エバスチン  10mg
添加剤
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、カルメロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、タウマチン、香料

製剤の性状

エバスチンOD錠5mg「ZE」
剤形素錠(口腔内崩壊錠)
色調淡紅色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
6.5mm
大きさ(厚さ)
2.3mm
質量100mg
識別コードZE15、5
エバスチンOD錠10mg「ZE」
剤形素錠(口腔内崩壊錠)
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.0mm
大きさ(厚さ)
3.1mm
質量200mg
識別コードZE16、10

効能又は効果

  • 蕁麻疹
  • 湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症
  • アレルギー性鼻炎

用法及び用量

通常、成人には、エバスチンとして1回5~10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

高齢者では、1日1回5mgから投与するなど注意すること。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に注意させること。
〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 長期ステロイド療法を受けている患者
    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。

肝機能障害患者

  1. 肝機能障害又はその既往歴のある患者
    肝機能異常があらわれるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

本剤は、主として代謝酵素CYP2J2及びCYP3A4で代謝される。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エリスロマイシン
本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が約2倍に上昇することが報告されている。
カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。
イトラコナゾール
本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が上昇することが報告されている。
カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。
リファンピシン
本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が低下することが報告されている。
カレバスチンの代謝が促進されると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、浮腫、じん麻疹
循環器
動悸
血圧上昇
精神神経系
眠気、倦怠感
頭痛、めまい、しびれ感
不眠
消化器
口渇
胃部不快感、鼻・口腔内乾燥
下痢、舌炎
嘔気・嘔吐、腹痛
肝臓
AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇
泌尿器
排尿障害、頻尿
その他
胸部圧迫感
ほてり
好酸球増多、体重増加、月経異常、脱毛、味覚異常、BUNの上昇、尿糖

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤はアレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は、本剤を投与しないこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 本剤は舌の上にのせて唾液を湿潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    エバスチンは、経口投与後、初回通過効果を強く受け、ほとんどがカレバスチンに代謝される。健康成人にエバスチン錠(普通錠)5mg(5例)、10、20注)、40mg注)(各6例)を空腹時1回経口投与後、未変化体であるエバスチンは、40mg注)投与1時間後にのみ14ng/mLが検出された。
    注)本剤の承認された1日通常用量は5~10mgである。
  2. 生物学的同等性試験
    〈エバスチンOD錠5mg「ZE」〉
    エバスチンOD錠5mg「ZE」とエバステルOD錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして5mg)健康成人男子に絶食後、水あり及び水なし単回経口投与して血漿中カレバスチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
    薬物動態パラメータ
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC(0→72)
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    t1/2
    (hr)
    水あり投与
    エバスチンOD錠5mg「ZE」
    1547.7±611.9
    61.0±22.3
    5.0±1.5
    19.6±2.7
    エバステルOD錠5mg
    1504.4±715.9
    58.6±29.9
    5.6±2.2
    18.4±3.5
    水なし投与
    エバスチンOD錠5mg「ZE」
    1418.6±525.3
    53.5±17.4
    4.7±1.0
    20.4±8.1
    エバステルOD錠5mg
    1454.7±497.2
    57.3±20.6
    4.6±1.3
    19.3±3.0
    (水あり投与:Mean±S.D., n=15)
    (水なし投与:Mean±S.D., n=16)
    水あり投与時の血漿中カレバスチン濃度推移
    水なし投与時の血漿中カレバスチン濃度推移
    〈エバスチンOD錠10mg「ZE」〉
    エバスチンOD錠10mg「ZE」とエバステルOD錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エバスチンとして10mg)健康成人男子に絶食後、水あり及び水なし単回経口投与して血漿中カレバスチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
    薬物動態パラメータ
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC(0→72)
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    t1/2
    (hr)
    水あり投与
    エバスチンOD錠10mg「ZE」
    3175.9±750.2
    118.0±27.2
    5.7±2.3
    19.0±3.1
    エバステルOD錠10mg
    3139.4±880.9
    114.1±28.2
    5.7±1.4
    20.1±3.0
    水なし投与
    エバスチンOD錠10mg「ZE」
    3233.9±614.7
    121.6±25.2
    5.4±1.2
    17.9±2.1
    エバステルOD錠10mg
    2911.6±603.9
    105.2±22.0
    5.5±1.3
    18.3±2.1
    (Mean±S.D., n=16)
    水あり投与時の血漿中カレバスチン濃度推移
    水なし投与時の血漿中カレバスチン濃度推移
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

吸収

  1. 吸収率
    約90%(ラット)

分布

  1. 血漿・血清蛋白結合率
    エバスチン:99.9%以上(in vitro、ヒト血清、平衡透析法)
    カレバスチン:97.4~97.7%(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)

代謝

  1. 主な代謝産物
    カレバスチン(活性あり)
  2. 代謝経路
    エバスチンはtert-ブチル基の逐次酸化でカルボン酸体であるカレバスチンに代謝され、さらに、フェニル基の4位の水酸化とそれに続く3位のメトキシ化、酸化的N-脱アルキル化、エーテル結合の切断及び抱合を受けることが認められている(外国人データ)。
  3. 代謝酵素
    カレバスチンへの代謝には主としてCYP2J2、CYP3A4が、また未変化体の酸化的N-脱アルキル化にはCYP3A4が関与する,

排泄

(健康成人、1回経口投与)
投与量
(mg)
試料採取時間
(h)
尿中排泄率(投与量に対する%)
エバスチン
カレバスチン
5
0~72
0.1
1.7
10
0~72
0.0
1.8
また、エバスチン(methoxy-14C)10mgを1回経口投与後、放射能は72時間までの尿中に投与量の63%、48時間までの糞便中に投与量の16%が排泄された(外国人データ)。

薬物相互作用

  1. エリスロマイシン
    (健康成人8例にエバスチン10mgを1日1回14日間反復経口投与、8日目よりエリスロマイシン1,200mg/日を併用経口投与)
    測定日
    カレバスチン
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (h)
    t1/2
    (h)
    AUC0~24
    (ng・h/mL)
    試験7日目
    (単独投与最終日)
    244±15
    5±1
    17.2±0.4
    4,092±181
    試験14日目
    (併用投与最終日)
    514±27
    5±1
    21.6±0.9
    9,492±581
    平均値±標準誤差

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    エバスチン錠(普通錠)の二重盲検比較試験,,,及び一般臨床試験,,,,,,における有効性についての承認用量における評価症例数は934例であり、これらの臨床成績は次のとおりである。
    対象疾患
    改善率
    慢性じん麻疹
    75%(277/369)
    湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
    71%(188/264)
    アレルギー性鼻炎
    通年性アレルギー性鼻炎
    スギ花粉症

    54%(137/253)
    50%(24/48)

薬効薬理

作用機序
エバスチンのアレルギー反応に対する抑制作用は、主代謝物であるカレバスチンによる末梢性のヒスタミンH1受容体拮抗作用を主体とする。また、高濃度でヒスタミン遊離抑制作用も認められる(in vitro)。
抗アレルギー作用
エバスチンは、経口投与により、ヒスタミン誘発皮膚反応(ラット)、受動皮膚アナフィラキシー(PCA)反応(モルモット)、実験的アレルギー性鼻炎(ラット)を抑制し、そのPCA反応抑制作用は長時間持続した。
ヒスタミンH1受容体拮抗作用
エバスチンの活性代謝物であるカレバスチンは、モルモット摘出気管標本及び回腸標本におけるヒスタミン誘発収縮を濃度依存的に抑制し、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示した。エバスチンは、モルモット摘出気管標本で作用を示さなかった(in vitro)。
ヒスタミン遊離抑制作用
カレバスチンは、高濃度で感作ラットの腹腔肥満細胞からの抗原誘発ヒスタミン遊離及びヒト末梢血好塩基球からの抗ヒトIgE抗体誘発ヒスタミン遊離を抑制した(in vitro)。
ヒスタミン誘発皮内反応試験
健康成人を対象としたヒスタミン誘発皮内反応試験において、エバスチン5、10mgの経口投与で、膨疹及び紅斑を用量依存的に抑制し、投与後24時間においてもプラセボに比し有意に抑制した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エバスチン(Ebastine)(JAN)
化学名
1-[4-(1,1-Dimethylethyl)phenyl]-4-[4-(diphenylmethoxy)piperidin-1-yl]butan-1-one
分子式
C32H39NO2
分子量
469.66
性状
エバスチンは白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に帯黄白色となる。
化学構造式
融点
84~87℃

取扱い上の注意

アルミピロー開封後は遮光して保存すること。

包装

〈エバスチンOD錠5mg「ZE」〉
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
〈エバスチンOD錠10mg「ZE」〉
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]

主要文献

1
Yamaguchi T, et al.: Arzneim-Forsch/Drug Res. 1994; 44: 59-64
2
水山和之ほか: 新薬と臨床. 2008; 57(7): 1212-1219
3
水山和之ほか: 新薬と臨床. 2008; 57(7): 1220-1227
4
Fujii T, et al.: Arzneim-Forsch/Drug Res. 1994; 44: 527-538
5
第十八改正日本薬局方解説書. 廣川書店; 2021: C-993-997
6
橋爪孝典: Progress in Medicine. 2003; 23: 282-287
7
Hashizume T, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 2002; 300: 298-304
8
長澤絋一ほか: 臨床医薬. 1995; 11: 1213-1226
9
久木田 淳ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 55-72
10
馬場駿吉ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 125-145
11
久木田 淳ほか: 臨床医薬. 1994; 10: 895-912
12
馬場駿吉ほか: 臨床医薬. 1994; 10: 1143-1162
13
久木田 淳ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 43-53
14
久木田 淳ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 89-102
15
久木田 淳ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 73-88
16
馬場駿吉ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 113-124
17
馬場駿吉ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 177-188
18
馬場駿吉ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 163-176
19
馬場駿吉ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 147-161
20
薬王郁久ほか: 日本薬理学雑誌. 1994; 103: 121-135
21
久木田 淳ほか: 臨床医薬. 1994; 10(Suppl.1): 103-111

文献請求先及び問い合わせ先

全星薬品工業株式会社 医薬情報部
〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1-2-7
0120-189-228
TEL 06-6630-8820
FAX 06-6630-8990

製造販売業者等

製造販売元
全星薬品工業株式会社
大阪市阿倍野区旭町1-2-7
発売元
全星薬品株式会社
堺市堺区向陵中町2-4-12

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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