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インクレミンシロップ5%

鉄欠乏性貧血治療剤

1mL 6.2円

添付文書番号

3222012Q1030_1_05

企業コード

530258

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873222

薬効分類名

鉄欠乏性貧血治療剤

承認等

販売名

インクレミンシロップ5%

販売名コード

3222012Q1030

販売名英字表記

INCREMIN Syrup 5%

販売名ひらがな

いんくれみんしろっぷ5%

承認番号等

承認番号
21900AMX01295

販売開始年月

1965年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

一般的名称

溶性ピロリン酸第二鉄

禁忌(次の患者には投与しないこと)

鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰症を起こすおそれがある。]

組成・性状

組成

インクレミンシロップ5%
有効成分
1mL中溶性ピロリン酸第二鉄  50mg
鉄として  6mg
添加剤
ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、D-ソルビトール、香料、バニリン、エタノール、黄色5号、塩酸、水酸化ナトリウム

製剤の性状

インクレミンシロップ5%
pH4.5~6.0
色・剤形
芳香と甘味のあるだいだい色で粘稠性のある澄明なシロップ剤

効能又は効果

鉄欠乏性貧血

用法及び用量

通常次の量を1日量とし、3~4回に分けて経口投与する。
年 齢
シロップとして
(mL)
1歳未満
2~4
1~5歳
3~10
6~15歳
10~15
なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 1日量は以下のとおりである。
    年 齢
    溶性ピロリン酸
    第二鉄として(mg)
    鉄として
    (mg)
    1歳未満
    100~200
    12~24
    1~5歳
    150~500
    18~60
    6~15歳
    500~750
    60~90
  2. 下痢、吐乳等を起こしやすい低出生体重児、新生児又は乳児に投与する場合、初め少量から開始し、身体の様子を見ながら徐々に通常1日量まで増量すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 消化性潰瘍、慢性潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸疾患のある患者
    症状を増悪させるおそれがある。
  2. 発作性夜間血色素尿症の患者
    溶血を誘発することがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン
ミノサイクリン
相互に吸収を阻害し、効果が減弱するおそれがある。
両剤の服用間隔を2~4時間とすること。
本剤とテトラサイクリン系抗生物質が消化管内で難溶性のキレートを形成して、両剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下する。
制酸剤
本剤の吸収が阻害され、効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をあけること。
消化管pH上昇により、鉄の溶解性が減少する。また、難溶性塩を形成し、鉄の消化管吸収が阻害されると考えられる。
セフジニル
ニューキノロン系抗菌剤
オフロキサシン
シプロフロキサシン
塩酸塩水和物
ノルフロキサシン
これらの薬剤の吸収を阻害し、効果を減弱させるおそれがあるので、投与間隔をあけること。
キレートを形成し、吸収を阻害すると考えられる。
甲状腺ホルモン製剤
レボチロキシンナトリウム
リオチロニンナトリウム
甲状腺ホルモン製剤の吸収を阻害し、効果を減弱させるおそれがあるので、投与間隔をあけること。
難溶性の複合体を形成し、吸収を阻害すると考えられる。
タンニン酸を含有する食品
本剤の吸収が阻害され、効果が減弱するおそれがある。
不溶性の塩を形成し、吸収が阻害されると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、便秘、胃部不快感
皮 膚
光線過敏症
過敏症
発疹、蕁麻疹、そう痒

臨床検査結果に及ぼす影響

潜血反応で偽陽性となることがある。

過量投与

  1. 症状
    主な症状は胃粘膜刺激による悪心、嘔吐、腹痛、血性下痢、吐血等の消化器症状である。また、頻脈、血圧低下、チアノーゼ等がみられる。重症の場合は、昏睡、ショック、肝壊死、肝不全に至ることがある。
  2. 処置
    服用初期には催吐、胃洗浄が有効である。その他に下剤、鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う。血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には、昇圧剤、輸液等による対症療法を行う。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤の投与により、一過性に歯又は舌が着色(黒色等)することがある。
  2. 本剤の投与により、一過性に便が黒色を呈することがある。
非臨床試験に基づく情報
  1. 動物実験において、鉄剤と大量のアロプリノールとの併用で、肝の鉄貯蔵量が増加したとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

本剤の2mL/kg(鉄として12mg/kg)をビーグル犬に、単回経口投与したときの外因性の血清鉄の平均血清中濃度は、投与2時間後に平均最高血清中濃度211.5μg/dLを示し、以後下図のような推移を示した。
図 インクレミンシロップ単回経口投与後の血清鉄濃度
(ビーグル犬)
Cmax
(μg/dL)
AUC
(μg・hr/dL)
T1/2
(hr)
217.6±10.3
2031±139
6.5±1.1
平均値±S.E.(n=10)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    鉄欠乏性貧血患者を対象に国内7施設で総計149例について実施された臨床試験において有効率は77.9%(116/149)であり、副作用及び臨床検査値の異常は認められなかった,,,,,,
    なお、年齢別有効率は下記のとおりである。
    1歳未満……………74.4%(61/82)
    1~5歳……………82.4%(42/51)
    6~15歳……………81.3%(13/16)

薬効薬理

作用機序
赤血球造血での構成要素として使用され、鉄欠乏性貧血の症状を改善する。
造血作用
瀉血により貧血状態にしたラットに、ピロリン酸第二鉄を混餌投与した実験では、対照群に比し血色素量、組織鉄の増加が認められた。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
溶性ピロリン酸第二鉄(Ferric Pyrophosphate,Soluble)
分子式
Fe4(P2O73・4Na3C6H5O7
分子量
1777.49
性状
淡緑色透明な薄片又は顆粒状の砕片で、光により変化する。水溶液(1→10)は弱酸性である。水に溶けやすく、エタノールにほとんど溶けない。

取扱い上の注意

  1. 0℃を下回る場合、D-ソルビトールの結晶が析出することがある。
  2. 光により変色することがあるので、他の容器に分割して使用する場合には遮光して保存すること。

包装

250mL[ガラス瓶(褐色)]

主要文献

1
西村昻三 他:薬理と治療.1982;10(11):6583-6591
2
竹下茂夫:薬理と治療.1982;10(8):4995-5001
3
岡本健治 他:薬理と治療.1982;10(8):4987-4993
4
西田五郎:薬理と治療.1982;10(10):6065-6069
5
能勢 修:薬理と治療.1982;10(10):6055-6063
6
山田忠正 他:基礎と臨床.1982;16(12):6935-6940
7
木下敏子 他:佼成医誌.1982;7(1):64-68
8
滝野義忠 他:日本血液学会雑誌.1957;20(6):455-464

文献請求先及び問い合わせ先

アルフレッサ ファーマ株式会社 製品情報部
〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号
TEL 06-6941-0306 FAX 06-6943-8212

製造販売業者等

製造販売元
アルフレッサ ファーマ株式会社
大阪市中央区石町二丁目2番9号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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