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ガスロンN・OD錠2mg

粘膜防御性胃炎・胃潰瘍治療剤

1錠 15.1円

添付文書番号

2329020F3020_1_07

企業コード

530263

作成又は改訂年月

2021年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872329

薬効分類名

粘膜防御性胃炎・胃潰瘍治療剤

承認等

販売名

ガスロンN・OD錠2mg

販売名コード

2329020F3020

販売名英字表記

Gaslon N・OD Tablets

承認番号等

承認番号
21900AMX00509000

販売開始年月

2007年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

販売名

ガスロンN・OD錠4mg

販売名コード

2329020F4026

販売名英字表記

Gaslon N・OD Tablets

承認番号等

承認番号
22100AMX01898000

販売開始年月

2009年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

イルソグラジンマレイン酸塩口腔内崩壊錠

組成・性状

組成

ガスロンN・OD錠2mg
有効成分
1錠中
日本薬局方イルソグラジンマレイン酸塩  2mg
添加剤
乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、香料、グリセリン、デキストリン
ガスロンN・OD錠4mg
有効成分
1錠中
日本薬局方イルソグラジンマレイン酸塩  4mg
添加剤
乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、香料、グリセリン、デキストリン

製剤の性状

ガスロンN・OD錠2mg
剤形円形の錠剤
色調白色
外形
表面
裏面
側面
識別コード255
直径(mm)
8.1
厚さ(mm)
2.5
重さ(mg)
160
ガスロンN・OD錠4mg
剤形片面に割線を施した円形の錠剤
色調白色
外形
表面
裏面
側面
識別コード256
直径(mm)
8.1
厚さ(mm)
2.5
重さ(mg)
160

効能又は効果

  • 胃潰瘍
  • 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
    急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

用法及び用量

通常成人イルソグラジンマレイン酸塩として1日4mg(ガスロンN・OD錠2mg:2錠、ガスロンN・OD錠4mg:1錠)を1~2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

低用量(例えば2mg/日)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%未満
頻度不明
消化器
便秘、下痢、嘔気・嘔吐
肝臓
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP、ビリルビン等の上昇
皮膚
発疹
そう痒感、発赤、湿疹、多形滲出性紅斑、浮腫性紅斑
その他
胸部圧迫感
発熱

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 本剤は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で飲み込むこと。
  3. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
健康成人における本剤の血漿中からの消失半減期は約150時間である。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男子4名にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを単回経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与後約3.5時間で最高値(Cmax)に達し、その後、約150時間の消失半減期で減少した。
    健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを単回経口投与した後の未変化体の血漿中濃度(平均値±標準偏差、n=4)
    薬物動態パラメータ
    Tmax(hr)
    Cmax(μg/mL)
    t1/2(hr)
    AUC0-∞(μg・hr/mL)
    3.5±1.9
    0.154±0.034
    152±47
    23.0±5.0
    平均値±標準偏差、(n=4)
  2. 反復投与
    〈健康成人〉
    健康成人男子6名にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを1日1回、28日間反復経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与14日以降ほぼ定常状態となった。投与終了後血漿中濃度は緩やかに減少し、消失半減期は約170時間であった。
    健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを1日1回28日間反復経口投与した場合の未変化体の血漿中濃度(平均値±標準偏差、n=6)
    〈胃潰瘍患者〉
    胃潰瘍患者10名にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを4週間から8週間1日1回あるいは2回に分割経口投与した場合、健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを反復投与した場合と同様に投与後約2週間で定常状態に達していた。
  3. 生物学的同等性
    健康成人男子にガスロンN・OD錠2mg(口腔内崩壊錠:OD錠2mg)(水で服用又は水なしで服用)及びガスロンN錠2mg(普通錠)(水で服用)を空腹時に単回経口投与した場合、生物学的に同等であることが確認された。
    1. OD錠2mgを水で服用した場合
      普通錠2mg及びOD錠2mgを水で服用した場合の血漿中イルソグラジン濃度
      薬物動態パラメータ
      投与量
      (mg)
      Tmax
      (hr)
      Cmax
      (μg/mL)
      t1/2
      (hr)
      AUC0-504hr
      (μg・hr/mL)
      OD錠2mg
      (水で服用)
      2
      1.53
      ±1.47
      0.0798
      ±0.0214
      140
      ±49
      10.2
      ±2.70
      普通錠2mg
      (水で服用)
      2
      1.42
      ±1.22
      0.0711
      ±0.0202
      141
      ±55
      9.60
      ±2.61
      平均値±標準偏差(n=19)
    2. OD錠2mgを水なしで服用した場合
      普通錠2mgを水でOD錠2mgを水なしで服用した場合の血漿中イルソグラジン濃度
      薬物動態パラメータ
      投与量
      (mg)
      Tmax
      (hr)
      Cmax
      (μg/mL)
      t1/2
      (hr)
      AUC0-504hr
      (μg・hr/mL)
      OD錠2mg
      (水なしで服用)
      2
      4.75
      ±7.62
      0.0686
      ±0.0167
      128
      ±51
      8.30
      ±2.23
      普通錠2mg
      (水で服用)
      2
      3.19
      ±5.88
      0.0629
      ±0.0173
      133
      ±43
      7.73
      ±2.05
      平均値±標準偏差(n=16)

分布

  1. 作用部位への移行性
    14C-イルソグラジンを静脈内投与した後の胃粘膜での放射能濃度は血漿中より高かった(ラット)。
  2. 蛋白結合
    14C-イルソグラジンの1%ヒト血清アルブミンに対する結合率は62.4%であった。

代謝

健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを経口投与した場合、尿中主代謝物は、イルソグラジンのm-OH体の抱合体であり、この他p-OH体の抱合体及びN-oxide体が検出された。なお、これらの代謝物の薬理作用・毒性は未変化体と比較して、著しく弱いかほとんど認められなかった。

排泄

健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを経口投与した場合、80時間までの尿中排泄率は未変化体が1.77%、m-OH体の抱合体が3.54%、p-OH体の抱合体が0.79%およびN-oxide体が0.94%であった。

PharmacokineticsEtc

「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドラインについて」に従い、ガスロンN・OD錠2mgとガスロンN・OD錠4mgの生物学的同等性を保証するために、両製剤の溶出挙動を比較した。溶出挙動について同等性の判定を行った結果、ガイドラインの判定基準に適合し、両製剤の溶出挙動は同等であると判定した。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈胃潰瘍〉
  1. 国内臨床試験
    国内165施設において胃潰瘍(病期:A1~H1)と診断された症例を対象として行われた臨床試験の結果、投与8週間における内視鏡判定での治癒率は62.6%(311/497例)であった。また全般改善度では、中等度改善以上74.4%(406/546例)であった。
    なお、二重盲検比較試験においても有効性が認められている。
〈急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期〉
  1. 国内臨床試験
    国内201施設において急性胃炎又は慢性胃炎の急性増悪期と診断された症例を対象として行われた臨床試験の結果、全般改善度は中等度改善以上85.2%(283/332例)であった,,,,,,
    なお、二重盲検比較試験においても有効性が認められている。
    疾患名
    内視鏡判定(治癒率)
    改善率(中等度改善以上)
    胃潰瘍
    311/497(62.6%)
    406/546(74.4%)
    急性胃炎・慢性
    胃炎の増悪期
    -
    283/332(85.2%)
注)ガスロンN錠(普通錠)・細粒のデータ

薬効薬理

作用機序
胃粘膜障害物質(胃酸等)による胃粘膜表層上皮細胞の細胞間間隙開大や胃粘膜血流低下を抑制することにより細胞防御作用を示す。これらの作用には本剤の胃粘膜内cAMP増加作用や細胞間コミュニケーション活性化作用(組織の共役促進による粘膜抵抗力及びバリア機能の増強)が関与すると考えられている。
実験潰瘍に対する作用
水浸拘束ストレス潰瘍(ラット),、エタノール潰瘍(ラット)、Shay潰瘍(ラット),、インドメタシン潰瘍(ラット),,、ヒスタミン潰瘍(モルモット)・(ラット)、アスピリン潰瘍(ラット)、モノクロラミン潰瘍(ラット)、虚血再灌流胃粘膜障害(ラット)等の急性実験潰瘍や酢酸胃潰瘍(ラット)及び電気焼灼潰瘍(イヌ)等の慢性実験潰瘍に対し、1~10mg/kgの低用量で用量依存的に抗潰瘍作用を示す。
実験胃炎に対する作用
エタノール誘起胃炎及びタウロコール酸誘起萎縮性胃炎並びにアンモニア誘起胃粘膜障害に対し、用量依存的に抑制又は治癒促進効果を示す(ラット)。
細胞防御作用
  1. 0.2N塩酸の胃内注入で発生する胃粘膜上皮の剥離脱落を防止し細胞間間隙の開大を抑制する(ラット)。
  2. 無水エタノール経口投与による胃粘膜損傷に対し、胃粘膜上皮細胞の剥離脱落を抑制する(ラット)。
  3. 0.2N塩酸、エタノール等の胃粘膜障害物質の胃粘膜内透過を抑制する(ラット),
胃粘膜血流改善作用
酢酸潰瘍辺縁粘膜血流量を用量依存的に増加させ(イヌ)、モノクロラミンによる胃粘膜血流の低下を抑制する(ラット)。
抗炎症作用
  1. 各種刺激剤によるヒト活性化好中球からの活性酸素産生を抑制する(in vitro)。
  2. 虚血再灌流胃粘膜障害においてTNF-αの産生を抑制し、MPO活性を指標とした炎症性細胞の胃粘膜への浸潤を抑制する(ラット)。
  3. ヒト胃粘膜上皮細胞とH. pyloriの共培養系において炎症性サイトカインであるIL-8、RANTESの産生を濃度依存的に抑制する(in vitro)。
細胞間コミュニケーション活性化作用
ウサギ胎児胃粘膜培養上皮細胞を用いたDye Coupling法において、細胞間コミュニケーション活性化作用を示す(in vitro)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
イルソグラジンマレイン酸塩(Irsogladine Maleate)(JAN)
化学名
6-(2, 5-Dichlorophenyl)-1, 3, 5-triazine-2, 4-diamine monomaleate
分子式
C9H7Cl2N5・C4H4O4
分子量
372.16
性状
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、味はやや苦い。
本品は酢酸(100)又はエチレングリコールにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
分配係数
1.4[n-オクタノール・第1液(pH1.2)]
54.0[n-オクタノール・第2液(pH6.8)]

取扱い上の注意

アルミピローの開封後は湿気を避けて保存すること。

包装

〈ガスロンN・OD錠2mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、1000錠[10錠(PTP)×100]、バラ500錠[瓶、バラ]
〈ガスロンN・OD錠4mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、1000錠[10錠(PTP)×100]、バラ500錠[瓶、バラ]

主要文献

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Ando T, et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res. 1986;36(Ⅱ)(8):1221-8
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上田房雄ほか:応用薬理. 1986;32(5):861-72
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三好秋馬ほか:消化器科. 1986;5(1):100-20
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三好秋馬ほか:臨床医薬. 1993;9(2):333-55
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鵜浦雅志ほか:新薬と臨床. 1992;41(11):2461-74
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隅井浩治ほか:基礎と臨床. 1992;26(14):5447-57
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児玉 正ほか:新薬と臨床. 1992;41(11):2477-94
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文献請求先及び問い合わせ先

日本新薬株式会社 製品情報担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
フリーダイヤル 0120-321-372
TEL 075-321-9064
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製造販売業者等

製造販売元
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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