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オゼックス点眼液0.3%

広範囲抗菌点眼剤

1mL 90.9円

作成又は改訂年月

**
2018年10月改訂
(第11版)
*
2018年1月改訂
(第10版)

日本標準商品分類番号

871319

日本標準商品分類番号等

2014年9月

薬効分類名

広範囲抗菌点眼剤

承認等

販売名

オゼックス点眼液0.3%

販売名コード

1319751Q1020

承認・許可番号

21800AMZ10003
OZEX ophthalmic solution

薬価基準収載年月

2006年4月

販売開始年月

2006年5月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
製造後3年 (外箱等に表示。使用期限内であっても開封後は速やかに使用すること。)

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分
トスフロキサシントシル酸塩水和物
含量
(1mL中)
3mg
(トスフロキサシンとして2.04mg)
添加物
硫酸アルミニウムカリウム水和物、ホウ砂、塩化ナトリウム、pH調整剤

性状

色・剤形無色澄明、無菌水性点眼剤
pH4.9〜5.5
浸透圧比0.9〜1.1 (生理食塩液に対する比)

一般的名称

トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液

禁忌

本剤の成分及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

〈適応菌種〉
トスフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス (コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス (ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌
〈適応症〉
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎 (角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

用法及び用量

通常、成人及び小児に対して1回1滴、1日3回点眼する。
なお、疾患、症状により適宜増量する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
2
小児においては、成人に比べて短期間で治療効果が認められる場合があることから、経過を十分観察し、漫然と使用しないよう注意すること。

使用上の注意

副作用

承認時までの臨床試験で、総症例数620例〔成人539例、小児81例 (乳幼児62例、新生児11例を含む)〕のうち、副作用は成人15例 (2.42%) に認められ、発現件数は16件であった。主な副作用は、眼刺激6件、点状角膜炎等の角膜障害4件であった。
承認後の特定使用成績調査で、総症例数1,426例〔成人956例、小児470例 (乳幼児362例、新生児73例を含む)〕のうち、副作用は成人6例、乳幼児1例の合計7例 (0.49%) に認められ、発現件数は8件であった。主な副作用は、眼瞼炎2件、角膜沈着物1件、発疹1件であった。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

過敏症
(0.5%未満)
発疹※1
過敏症
(頻度不明)
発赤、蕁麻疹
(0.5〜1%未満)
眼刺激、点状角膜炎等の角膜障害
(0.5%未満)
眼痛、眼瞼炎、霧視、眼の充血、眼そう痒症、霰粒腫、角膜沈着物※1
(頻度不明)
異物感、結膜炎(結膜充血・浮腫等)
※1:発現頻度は、承認後の特定使用成績調査の結果に基づく。
以上のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

適用上の注意

点眼用にのみ使用すること。
薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意するよう指導すること。
原則として配合変化が認められる点眼液との併用は避けること (〔取扱い上の注意〕の項参照)。

その他の注意

本剤の有効成分がソフトコンタクトレンズに付着し、レンズが白濁するとの報告がある1,2)

薬物動態

1
血中濃度及び結膜嚢内濃度3)
健康成人眼に本剤を1回1滴、1日3回14日間点眼したとき、最終点眼1.5時間後の血清中トスフロキサシン濃度は定量限界 (<0.0347μg/mL) 以下であった。また、健康成人眼に本剤を1回1滴、1日8回14日間点眼したとき、点眼14日目の初回点眼24時間後の血清中トスフロキサシン濃度は定量限界 (<0.0347μg/mL) 以下で、結膜嚢内濃度は2.0μg/mLであった。
2
動物における眼組織内移行
  (参考: ウサギ、イヌ)
1
結膜嚢内濃度4)
本剤を有色ウサギに1回40μL点眼したときの結膜嚢内トスフロキサシン濃度は、点眼5分後で168μg/mL、4時間後では3.31μg/mLであり、6時間後では0.670μg/mLであった。
2
眼組織内濃度
1
14C標識トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液0.3%を有色ウサギに1回40μL点眼したとき、点眼1時間後には硝子体を除く各眼組織に広く分布し、放射能濃度は、眼瞼結膜で436 ng eq./g、眼球結膜で128 ng eq./g、前房水で89.3 ng eq./mL及び角膜で1,800 ng eq./gを示した。また、メラニン含有組織である虹彩・毛様体及び脈絡膜・網膜は1時間後でそれぞれ421 ng eq./g及び249 ng eq./g、24時間後ではそれぞれ3,250 ng eq./g及び759 ng eq./gを示した4)
2
14C標識トスフロキサシントシル酸塩水和物をビーグル犬に20mg/kgの投与量で1日1回14日間反復経口投与したとき、脈絡膜・色素上皮及び虹彩・毛様体の放射能濃度は、投与終了12時間後に322 μg eq./g及び425 μg eq./gを示し、投与終了360日後まで徐々に減少した4)
3
幼若ウサギを用いた13週間反復点眼による眼毒性試験において、本剤投与群の眼瞼結膜、角膜、脈絡膜・色素上皮及び虹彩・毛様体内トスフロキサシン濃度は、成熟ウサギに本剤を39週間反復点眼した場合と比較して平均値で1.4〜2.3倍とやや高値を示した。一方、眼球結膜及び前房水の薬剤濃度は幼若ウサギと成熟ウサギでほぼ同様な値を示した5)

臨床成績

1
疾患別臨床効果6〜8)
外眼部感染症の患者304例を対象に実施した本剤の第III相比較試験、一般臨床試験の各疾患別臨床効果は表1のとおりであった。
2
適応菌種別臨床効果6〜8)
上記症例より分離された適応菌種別臨床効果は表2のとおりであった。
3
眼科周術期の無菌化療法に対する効果9,10)
<治験時>
眼手術予定患者を対象に実施された術前無菌法における抗菌効果は、評価対象例数64例中無菌化例数は47例 (無菌化率73.4%) であった。なお、1日点眼量及び点眼期間は、1回1滴、1日5回、2日間であった。
<市販後>
眼科周術期の無菌化療法における術後判定時の抗菌効果は、評価対象例数103例中無菌化例数は98例(無菌化率95.1%)であった。
表1
疾患名有効率 (有効以上)
臨床試験全体
(小児臨床試験を含む)
有効率 (有効以上)
小児臨床試験
眼瞼炎90.0% (9/10)
涙嚢炎93.8% (15/16)100% (5/5)
麦粒腫97.8% (45/46)100% (6/6)
結膜炎94.4% (187/198)97.6% (40/41)
瞼板腺炎87.0% (20/23)100% (1/1)
角膜炎 (角膜潰瘍を含む)100% (11/11)※2
※2: 角膜潰瘍4例を含む
表2
菌種有効率※3 (有効以上)
ブドウ球菌属94.1% (128/136)
レンサ球菌属100% (16/16)
肺炎球菌100% (10/10)
モラクセラ属 (モラクセラ (ブランハメラ)・カタラーリス)100% (4/4)
コリネバクテリウム属98.7% (77/78)
エンテロバクター属100% (1/1)
セラチア属100% (4/4)
インフルエンザ菌100% (35/35)
シュードモナス属100% (3/3)
緑膿菌100% (3/3)
ステノトロホモナス (ザントモナス)・マルトフィリア66.7% (2/3)
アシネトバクター属100% (2/2)
アクネ菌86.8% (79/91)
※3: 複数の菌種が検出された場合は、各々の菌種に1例として算入

薬効薬理

1
抗菌作用11〜13)
本剤の活性本体であるトスフロキサシンの抗菌スペクトルは広範囲に及び、in vitro でブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌、モラクセラ属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス (コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス (ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起因菌に対して強い抗菌力を示す。
2
作用機序14)
細菌のDNAの高次構造を変換するDNA gyrase及びtopoisomerase IVに作用し、DNA複製を阻害することにより、殺菌的に作用する。
3
実験的眼感染症に対する治療効果15)
ウサギの角膜実質に緑膿菌あるいは表皮ブドウ球菌の臨床分離株を接種して作成した眼感染症モデルに対して、本剤は治療効果を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般名:
トスフロキサシントシル酸塩水和物
(Tosufloxacin Tosilate Hydrate)
略号:
TFLX (トスフロキサシン)
化学名:
7-[3(RS)-3-Aminopyrrolidin-1-yl]-1-(2,4-difluorophenyl)-6-fluoro-4-oxo-1,4-dihydro-1,8-naphthyridine-3-carboxylic acid mono-4-toluenesulfonate monohydrate
構造式:
分子式:
C19H15F3N4O3・C7H8O3S・H2O
分子量:
594.56
性状:
白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。N , N -ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール (99.5) にほとんど溶けない。
メタノール溶液 (1→100) は旋光性を示さない。
融点:
約254℃ (分解)

取扱い上の注意

主な点眼液との配合変化
本剤1mLと配合薬剤1mLをガラス管に入れ、ミキサーで10秒間混合し、外観変化を観察16,17,18)
*配合変化あり※4
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%、ニフラン点眼液0.1%、ジクロード点眼液0.1%、ブロナック点眼液0.1%、点眼・点鼻用リンデロンA液、リザベン点眼液0.5%、インタール点眼液2%、タチオン点眼用2%、ミドリンM点眼液0.4%、キサラタン点眼液0.005%、チモプトール点眼液0.25%、チモプトールXE点眼液0.5%、トルソプト点眼液1%、ミケラン点眼液2%、リズモンTG点眼液0.5%、フラビタン点眼液0.05%、レスキュラ点眼液0.12%※5
*配合変化なし
トブラシン点眼液0.3%、ザジテン点眼液0.05%、ムコゾーム点眼液0.5%、カタリン点眼用0.005%、ミドリンP点眼液、サンコバ点眼液0.02%
※4:混合直後または室温で1時間放置後に外観変化(白濁)が認められたもの。白濁は、本剤の溶解機構であるトスフロキサシンとアルミニウムイオンのキレート平衡が、他の点眼液中のエデト酸、クエン酸、リン酸などにより影響をうけ、有効成分が析出するためと推測された。
*※5:本剤2mLと配合薬剤2mLをガラス管に入れ、ミキサーで10秒間混合し、外観変化を観察

包装

オゼックス点眼液0.3%: 5mL×5本、5mL×10本

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
日東メディック 社内資料(ソフトコンタクトレンズに対する影響)
2
日東メディック 社内資料(ソフトコンタクトレンズに対する影響)
3
北野周作ほか:あたらしい眼科,23 別巻,47-54,2006
4
福島容子ほか:あたらしい眼科,23 別巻,26-32,2006
5
木澤和夫ほか:あたらしい眼科,23 別巻,37-40,2006
6
北野周作ほか:あたらしい眼科,23 別巻,68-80,2006
7
北野周作ほか:あたらしい眼科,23 別巻,95-110,2006
8
北野周作ほか:あたらしい眼科,23 別巻,118-129,2006
9
北野周作ほか:あたらしい眼科,23 別巻,111-117,2006
10
秦野寛ほか:眼科手術,23, 314-320,2010
11
富山化学 社内資料(抗菌活性)
12
五島瑳智子ほか:Chemotherapy,36(S-9),36-58,1988
13
富山化学 社内資料(抗菌活性)
14
神山朋子ほか:あたらしい眼科,23 別巻,3-11,2006
15
水永真吾ほか:あたらしい眼科,23 別巻,18-25,2006
16
富山化学 社内資料(配合変化試験)
17
富山化学 社内資料(配合変化試験)
*18
富山化学 社内資料(配合変化試験)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2−16−4
品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840
FAX 03-6717-1414

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売元
富士フイルム富山化学株式会社
東京都中央区京橋二丁目14番11号
販売
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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