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テクネピロリン酸キット

放射性医薬品/心疾患診断薬・骨疾患診断薬

1回分 3168円

添付文書番号

4300408D1029_2_01

企業コード

651410

作成又は改訂年月

2021年5月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/心疾患診断薬・骨疾患診断薬

承認等

販売名

テクネピロリン酸キット

販売名コード

4300408D1029

販売名英字表記

Techne Pyrophosphate Kit

販売名ひらがな

てくねぴろりんさんきっと

承認番号等

承認番号
15300AMZ00530000

販売開始年月

1978年5月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃保存
有効期間
製造日から24箇月間

一般的名称

ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液(放射性医薬品基準)

組成・性状

組成

テクネピロリン酸キット
有効成分
1バイアル中 ピロリン酸ナトリウム(結晶) 20mg
添加剤
1バイアル中 塩化スズ(Ⅱ)二水和物 4mg、塩酸 適量

製剤の性状

テクネピロリン酸キット
外観
ピロリン酸ナトリウム(結晶):凍結乾燥された白色の粉末
調製後注射液(ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液):無色澄明の液
pH
調製後注射液:4.5~5.5
浸透圧比
調製後注射液:約1(生理食塩液に対する比)

効能又は効果

  • 心シンチグラムによる心疾患の診断
  • 骨シンチグラムによる骨疾患の診断

用法及び用量

〈心シンチグラフィ〉
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、日局「生理食塩液」2~4mLを加え、よく振り混ぜた後、約半量を被検者に静注し、約30分後に放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」370~740MBqを静注し、シンチレーションスキャナ又はシンチレーションカメラを用いて静注直後より速やかにディテクタを体外より胸部に向けて撮影することによりRIアンギオカルジオグラムを得、またRIアンギオカルジオグラフィ終了後に撮影することにより心プールシンチグラムを得る。
〈骨シンチグラフィ〉
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」1~9mLを加えよく振り混ぜた後、室温に5分間放置する。
調製されたピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液185~555MBqを被検者に静注し、1~6時間後にシンチレーションスキャナ又はシンチレーションカメラを用いてディテクタを体外より骨診断箇所に向けて走査又は撮影することにより骨シンチグラムを得る。

重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
皮膚発赤、そう痒感
循環器
血圧低下、動悸、顔面紅潮
呼吸器
喘鳴
消化器
嘔気、嘔吐
その他
発熱

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。
  2. 本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。
  3. 調製後は、放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
  4. 本品は調製後6時間以内に投与すること。
薬剤投与時の注意
〈心シンチグラフィ〉
  1. 99mTc-in vivo赤血球標識法施行時、三方活栓の使用など99mTcO4が被検者へ静注される前にSn-ピロリン酸と接触すると、標識率の低下や腎への集積を認めることがある 。
〈骨シンチグラフィ〉
  1. 99mTc-ピロリン酸は静注後速やかに尿中へ排泄されるため、多量の水分摂取や頻回排尿はシンチグラムに好結果をもたらす 。

薬物動態

分布

  1. Sn-ピロリン酸は赤血球表面に99mTcとの結合を可能とする準備状態を作り 、その後99mTcO4を投与すると、30分後には標識率は96%になり5時間経過しても標識率は低下せずかえって上昇する傾向が認められる 。99mTc-ピロリン酸の集積は静注後正常骨部で3時間後に、また病変骨部で4時間前後にピークを示し、病変骨部は正常骨部に比して緩やかに減少する 。また正常骨部に対する病変骨部の集積比は1.1~23.1の範囲である 。
  2. 吸収線量
    MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
    〈心シンチグラフィ〉
    臓器
    吸収線量(mGy/37MBq)
    全身

    肝臓
    脾臓
    腎臓
    睾丸
    卵巣
    0.12
    0.15
    0.22
    0.09
    1.16
    0.27
    0.16
    〈骨シンチグラフィ〉
    臓器
    吸収線量(mGy/37MBq)
    全身

    肝臓
    脾臓
    腎臓

    睾丸
    卵巣
    0.15
    0.12
    0.21
    1.22
    1.40
    0.15
    0.59
    0.38
    (自社データ)

排泄

〈心シンチグラフィ〉
99mTcの尿中への排泄は3時間後までで投与量の10%であり、その大部分は初期に排泄される 。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈心シンチグラフィ〉
  1. 国内臨床試験
    各種疾患患者の心シンチグラフィを行い、明瞭なイメージが得られたものを有効例とした場合の有効率(有効例数/症例数)は次のとおりである。
    疾患名
    有効例数/症例数
    有効率
    狭心症
    心筋梗塞
    心房中隔欠損症
    弁膜疾患
    動脈瘤
    大動脈炎症候群
    シャント疾患
    脚ブロック
    高血圧症
    心不全
    冠不全(疑い)
    動脈硬化症
    僧帽弁狭窄
    心筋症
    その他(正常例を含む)
    87/87
    28/28
    22/22
    15/15
    12/12
    9/9
    8/8
    7/7
    7/7
    6/6
    6/6
    6/6
    5/5
    5/5
    60/60
    283/283
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    全283例に対し、副作用は認められなかった。
〈骨シンチグラフィ〉
  1. 国内臨床試験
    各種疾患患者に骨シンチグラフィを行い、以下のような有効率(有効例数/症例数)を得た。
    疾患名
    有効例数/症例数
    有効率
    原発性骨腫瘍
    転移性骨腫瘍
    その他の骨疾患
    その他
    85/85
    176/176
    368/368
    71/71
    700/700
    100%
    100%
    100%
    100%
    100%
    全700 例に対し、副作用は認められなかった。

薬効薬理

測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
集積機序
〈心シンチグラフィ〉
  1. Sn-ピロリン酸は赤血球表面に99mTcとの結合を可能とする準備状態を作る 。
〈骨シンチグラフィ〉
  1. 99mTc-ピロリン酸の正常骨部に対する病変骨部の集積比は1.1~23.1の範囲である 。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 ピロリン酸テクネチウム(99mTc)
調製前の化合物:ピロリン酸ナトリウム・十水塩
・分子式:
Na4P2O7・10H2O
・分子量:
446.06
・化学構造式:
核物理学的特性(99mTcとして)
  • 物理的半減期:6.015時間
  • 主なγ線エネルギー:141keV(89.1%)
  • 減衰表:
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    -3
    -2
    -1
    0
    1
    2
    3
    4
    5
    6
    7
    8
    9
    10
    141.3
    125.9
    112.2
    100
    89.1
    79.4
    70.8
    63.1
    56.2
    50.1
    44.6
    39.8
    35.4
    31.6
    11
    12
    13
    14
    15
    16
    17
    18
    19
    20
    21
    22
    23
    24
    28.2
    25.1
    22.4
    19.9
    17.8
    15.8
    14.1
    12.6
    11.2
    10.0
    8.9
    7.9
    7.1
    6.3

包装

2バイアル、10バイアル

主要文献

1
楢橋晋一,ほか:核医学. 1986;23:505-511
2
仙田宏平,ほか:臨床放射線. 1975;20:301-308
3
浅原 朗:交通医学. 1981;35:125-135
4
朝倉浩一,ほか:核医学. 1978;15:943-951

文献請求先及び問い合わせ先

PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話番号 0120-383-624

製造販売業者等

製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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