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閲覧履歴

キイトルーダ点滴静注100mg

─抗悪性腫瘍剤─ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体

1瓶 214498円

添付文書番号

4291435A2025_1_15

企業コード

170050

作成又は改訂年月

2022年11月改訂
(第14版)

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

─抗悪性腫瘍剤─ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体

承認等

販売名

キイトルーダ点滴静注100mg

販売名コード

4291435A2025

販売名英字表記

KEYTRUDA Injection 100mg

販売名ひらがな

きいとるーだ

承認番号等

承認番号
22800AMX00696000

販売開始年月

2017年2月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃保存
有効期間
24箇月

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)製剤

警告

  1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  2. 間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

キイトルーダ点滴静注100mg
有効成分
(1バイアル中)
ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)注1)注2)  100mg/4mL
添加剤
L-ヒスチジン(1.2mg)、L-ヒスチジン塩酸塩水和物(6.8mg)、精製白糖(280mg)、ポリソルベート80(0.8mg)
注1)本剤は遺伝子組換え技術により、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。マスター・セル・バンクの凍結保存用溶液中に、ウシ胎児血清を使用している。
注2)本剤は注射液吸引時の損失を考慮して、過量充填されているので、実充填量は106.25mg/4.25mLである。

製剤の性状

キイトルーダ点滴静注100mg
剤形注射剤(バイアル)
pH5.2~5.8
浸透圧比約0.9(生理食塩液対比)
性状
無色~微黄色で澄明~乳白色の液

効能又は効果

  • 悪性黒色腫
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
  • がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌
  • がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)
  • 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
  • 腎細胞癌における術後補助療法
  • 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌
  • 根治切除不能な進行・再発の食道癌
  • 治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌
  • PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
  • ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法
  • がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌
  • がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)
  • 進行又は再発の子宮頸癌
注)条件付き早期承認対象

効能又は効果に関連する注意

〈悪性黒色腫〉
  1. 臨床試験に組み入れられた患者の病期等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
  1. 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  2. 本剤を単独で投与する場合には、PD-L1の発現が確認された患者に投与すること。PD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合(TPS)について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知すること。十分な経験を有する病理医又は検査施設において、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  3. 臨床試験に組み入れられた患者のEGFR遺伝子変異又はALK融合遺伝子の有無等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫〉
  1. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌〉
  1. 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
  2. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
  3. 本剤の手術の補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
〈がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
  1. 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、MSI-Highが確認された進行・再発の固形癌患者に投与すること。検査にあたっては、関連学会のガイドライン等の最新の情報を参考に、先行の化学療法等によるMSI検査結果への影響及び検査に用いる検体の採取時期について確認し、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  2. 結腸・直腸癌以外の固形癌の場合、本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。また、二次治療において標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。
  3. 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  4. 臨床試験に組み入れられた患者のがん種等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
〈腎細胞癌における術後補助療法〉
  1. 臨床試験に組み入れられた患者の病期等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌〉
  1. 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  2. 本剤単独投与の延命効果は、PD-L1発現率(CPS)により異なる傾向が示唆されている。CPSについて、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
  3. 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
  1. がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌に対して、本剤を単独で投与する場合には、PD-L1発現率(CPS)について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PD-L1の発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  2. 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
〈治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸癌〉
  1. 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、MSI-Highが確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  2. 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
〈PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌〉
  1. PD-L1発現率(CPS)について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PD-L1の発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
〈ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法〉
  1. 臨床試験に組み入れられた患者の再発高リスクの定義等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉
  1. 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
  2. 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  3. 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
〈がん化学療法後に増悪したTMB-Highを有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
  1. 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、TMB-Highが確認された患者に投与すること。検査にあたっては、関連学会のガイドライン等の最新の情報を参考に、先行の化学療法等によるTMB検査結果への影響及び検査に用いる検体の採取時期について確認し、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  2. 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。また、二次治療において標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。
  3. 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  4. 臨床試験に組み入れられた患者のがん種等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
〈進行又は再発の子宮頸癌〉
  1. 本剤の有効性は、PD-L1発現率(CPS)により異なる傾向が示唆されている。CPSについて、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
  2. 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法及び用量

〈悪性黒色腫〉
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸癌、がん化学療法後に増悪したTMB-Highを有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、進行又は再発の子宮頸癌〉
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。
〈腎細胞癌における術後補助療法〉
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。投与期間は12ヵ月間までとする。
〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
フルオロウラシル及びシスプラチンとの併用において、通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌に対しては、本剤を単独投与することもできる。
〈ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法〉
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。投与回数は、3週間間隔投与の場合、術前薬物療法は8回まで、術後薬物療法は9回まで、6週間間隔投与の場合、術前薬物療法は4回まで、術後薬物療法は5回までとする。
〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉
レンバチニブメシル酸塩との併用において、通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。

用法及び用量に関連する注意

〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
  1. 本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。
〈再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌〉
  1. 本剤の用法及び用量は「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、選択すること。
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
  1. 併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。
〈PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌〉
  1. 併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。
〈ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法〉
  1. 本剤の用法及び併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。
〈進行又は再発の子宮頸癌〉
  1. 併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。
〈悪性黒色腫、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、腎細胞癌における術後補助療法、治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸癌、がん化学療法後に増悪したTMB-Highを有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
  1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
〈効能共通〉
  1. 本剤投与により副作用が発現した場合には、下表を参考に、本剤を休薬又は中止すること。
    副作用
    程度
    処置
    間質性肺疾患
    Grade 2の場合
    Grade 1以下に回復するまで、本剤を休薬する。
    12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合には、本剤を中止する。
    Grade 3以上又は再発性のGrade 2の場合
    本剤を中止する。
    大腸炎/下痢
    Grade 2又は3の場合
    Grade 1以下に回復するまで、本剤を休薬する。
    12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合には、本剤を中止する。
    Grade 4又は再発性のGrade 3の場合
    本剤を中止する。
    肝機能障害
    • AST若しくはALTが基準値上限の3~5倍又は総ビリルビンが基準値上限の1.5~3倍に増加した場合
    • 腎細胞癌患者でのアキシチニブとの併用における初回発現時では、AST又はALTが基準値上限の3倍以上10倍未満に増加し、かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍未満の場合
    Grade 1以下に回復するまで、本剤を休薬する。
    12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合には、本剤を中止する。
    • AST若しくはALTが基準値上限の5倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合
    • 肝転移がある患者では、AST又はALTが治療開始時にGrade 2で、かつベースラインから50%以上の増加が1週間以上持続する場合
    • 腎細胞癌患者でのアキシチニブとの併用における初回発現時では、AST若しくはALTが基準値上限の10倍以上、又は3倍超かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍以上に増加した場合
    本剤を中止する。
    腎機能障害
    Grade 2の場合
    Grade 1以下に回復するまで、本剤を休薬する。
    12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合には、本剤を中止する。
    Grade 3以上の場合
    本剤を中止する。
    内分泌障害
    • Grade 2以上の下垂体炎
    • 症候性の内分泌障害(甲状腺機能低下症を除く)
    • Grade 3以上の甲状腺機能障害
    • Grade 3以上の高血糖
    • 1型糖尿病
    Grade 1以下に回復するまで、本剤を休薬する。
    12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合には、本剤の中止を検討する。
    Infusion reaction
    Grade 2の場合
    本剤の投与を直ちに中止する。1時間以内に回復する場合には、投与速度を50%減速して再開する。
    Grade 3以上の場合又は再発性のGrade 2の場合
    本剤を直ちに中止し、再投与しない。
    上記以外の副作用
    • Grade 4又は再発性のGrade 3の副作用
    • Grade 3以上の心筋炎、脳炎、ギラン・バレー症候群
    • 副作用の処置としての副腎皮質ホルモン剤をプレドニゾロン換算で10mg/日相当量以下まで12週間以内に減量できない場合
    • 12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合
    以下の場合を除き、本剤を中止する。
    再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者においてGrade 4の血液毒性が発現した場合は、Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
    GradeはNCI-CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)v4.0に準じる。

重要な基本的注意

  1. 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。
  2. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。
  3. 甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害があらわれることがあるので、内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を定期的に行うこと。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。
  4. 劇症肝炎、肝不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎があらわれることがあるので、肝機能検査を定期的(特にアキシチニブとの併用投与時は頻回)に行い、患者の状態を十分に観察すること。
  5. 1型糖尿病があらわれることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。
  6. 腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察すること。
  7. 筋炎、横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行うこと。
  8. 重症筋無力症があらわれることがあるので、筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害等の観察を十分に行うこと。
  9. 心筋炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと。
  10. ぶどう膜炎等の重篤な眼障害があらわれることがあるので、眼の異常の有無を定期的に確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者
    免疫関連の副作用が発現又は増悪するおそれがある。
  2. 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
    間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。
  3. 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者
    本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病が発現するおそれがある。
  4. 結核の感染又は既往を有する患者
    結核を発症するおそれがある。

生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤の投与中及び本剤投与後一定期間、適切な避妊法を用いるよう指導すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。妊娠マウスに抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体を投与すると、流産率が増加することが報告されていることから、妊娠中の女性に対する本剤の投与は、胎児に対して有害な影響を及ぼす可能性がある。また、ヒトIgGは母体から胎児へ移行することが知られている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 間質性肺疾患(3.5%)
  2. 大腸炎(2.2%)、小腸炎(0.1%)、重度の下痢(2.3%)
    腸炎から穿孔、イレウスに至る例が報告されている。持続する下痢、腹痛、血便等の症状が認められた場合には、本剤の投与中止等の適切な処置を行うこと。
  3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.1%未満)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、多形紅斑(0.1%)
  4. 類天疱瘡(0.1%未満)
    水疱、びらん等が認められた場合には、皮膚科医と相談すること。
  5. 神経障害
    末梢性ニューロパチー(4.4%)、ギラン・バレー症候群(0.1%未満)等の神経障害があらわれることがある。
  6. 劇症肝炎、肝不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎
    劇症肝炎(頻度不明)、肝不全(0.1%未満)、AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(15.1%)、肝炎(1.2%)、硬化性胆管炎(0.1%未満)があらわれることがある。
  7. 甲状腺機能障害
    甲状腺機能低下症(15.4%)、甲状腺機能亢進症(5.9%)、甲状腺炎(1.2%)等の甲状腺機能障害があらわれることがある。
  8. 下垂体機能障害
    下垂体炎(0.6%)、下垂体機能低下症(0.3%)等の下垂体機能障害があらわれることがある。
  9. 副腎機能障害
    副腎機能不全(1.2%)等の副腎機能障害があらわれることがある。
  10. 1型糖尿病
    1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)(0.4%)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがある。1型糖尿病が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  11. 腎障害
    腎不全(1.6%)、尿細管間質性腎炎(0.2%)、糸球体腎炎(0.1%未満)等の腎障害があらわれることがある。
  12. 膵炎(0.4%)
  13. 筋炎(0.3%)、横紋筋融解症(頻度不明)
  14. 重症筋無力症(0.1%)
    重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。
  15. 心筋炎(0.2%)
  16. 脳炎(0.1%)、髄膜炎(0.1%)
  17. 重篤な血液障害
    免疫性血小板減少性紫斑病(0.1%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)、赤芽球癆(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)等の重篤な血液障害があらわれることがある。
  18. 重度の胃炎(0.1%)
    免疫反応に起因すると考えられる重度の胃炎があらわれることがある。異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  19. ぶどう膜炎(0.2%)
  20. 血球貪食症候群(頻度不明)
  21. 結核(0.1%未満)
  22. Infusion reaction(3.0%)
    アナフィラキシーを含むInfusion reactionが認められた場合には、本剤の投与中止等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

その他の副作用

10%以上
1~10%未満
1%未満
血液及びリンパ系障害
好中球減少、貧血、血小板減少
白血球減少、リンパ球減少、発熱性好中球減少症
好酸球増加症
耳及び迷路障害
耳鳴、回転性めまい
内分泌障害
血中TSH増加
血中TSH減少
眼障害
眼乾燥、流涙増加
霧視、フォークト・小柳・原田病
胃腸障害
悪心、下痢、嘔吐
口内炎、便秘、口内乾燥、腹痛、消化不良、上腹部痛、胃食道逆流性疾患
口腔内痛、胃炎、腹部膨満、嚥下障害、口腔内潰瘍形成、鼓腸
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労、無力症
発熱、粘膜の炎症、倦怠感、末梢性浮腫、悪寒、インフルエンザ様疾患
疼痛、浮腫、胸痛
感染症及び寄生虫症
肺炎
尿路感染、結膜炎、上気道感染、口腔カンジダ症
代謝及び栄養障害
食欲減退
低マグネシウム血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、リパーゼ増加、脱水、高血糖、アミラーゼ増加、低リン酸血症
低カルシウム血症、高トリグリセリド血症、高カリウム血症、高コレステロール血症、血中コレステロール増加、高尿酸血症
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、筋肉痛、四肢痛、背部痛、筋痙縮
筋力低下、骨痛、関節炎、筋骨格痛、筋骨格硬直
精神・神経障害
味覚異常、頭痛、末梢性感覚ニューロパチー、浮動性めまい、錯感覚、不眠症
感覚鈍麻、嗜眠、多発ニューロパチー
腎及び尿路障害
蛋白尿、血中クレアチニン増加
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
発声障害、呼吸困難、咳嗽、鼻出血
しゃっくり、口腔咽頭痛、鼻漏、肺塞栓症、労作性呼吸困難、胸水
皮膚及び皮下組織障害
そう痒症、発疹、脱毛症
手掌・足底発赤知覚不全症候群、斑状丘疹状皮疹、皮膚乾燥、尋常性白斑、紅斑、ざ瘡様皮膚炎
湿疹、皮膚炎、そう痒性皮疹、爪変色、じん麻疹、皮膚色素過剰、乾癬、斑状皮疹、丘疹性皮疹、皮膚病変、皮膚色素減少、多汗症、寝汗、光線過敏性反応、丘疹、毛髪変色
血管障害
高血圧、ほてり
低血圧、潮紅
その他
体重減少
血中LDH増加、体重増加、血中CK増加、サルコイドーシス

適用上の注意

薬剤調製前の注意
  1. バイアルを振盪しないこと。
  2. バイアルを常温に戻し、希釈前に保存する場合には、遮光で、25℃以下で24時間以内に使用すること。
  3. 調製前に、粒子状物質や変色の有無を目視により確認すること。微粒子が認められる場合には、バイアルを廃棄すること。
薬剤調製時の注意
  1. 必要量(4mL以内)をバイアルから抜き取り、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液の点滴バッグに注入し、最終濃度を1~10mg/mLとする。点滴バッグをゆっくり反転させて混和すること。過度に振盪すると、半透明から白色のタンパク質性の粒子がみられることがある。不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。バイアル中の残液は廃棄すること。
  2. 希釈液は凍結させないこと。
  3. 本剤は保存料を含まない。希釈液をすぐに使用せず保管する場合には、希釈から投与終了までの時間を、25℃以下で6時間以内又は2~8℃で96時間以内とすること。希釈液を冷所保存した場合には、投与前に点滴バッグを常温に戻すこと。
薬剤投与時の注意
  1. 本剤の投与にあたっては、インラインフィルター(0.2~5μm)を使用すること。
  2. 同一の点滴ラインを使用して他の薬剤を併用同時投与しないこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
  2. 臨床試験において、本剤による治療後に同種造血幹細胞移植が実施された症例で、重篤な移植片対宿主病等の移植関連合併症が認められた。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    国内第Ⅰ相試験(KEYNOTE-011試験)で、日本人の進行性固形がん患者に本剤2又は10mg/kgを単回静脈内持続投与注12)したときの、血清中濃度推移を図1に、薬物動態パラメータを表1に示す。クリアランス及び分布容積の幾何平均値は用量間(2及び10mg/kg)で概して同様であった。
    図1 日本人患者の血清中濃度推移(平均±標準偏差)(KEYNOTE-011試験)
    表1 本剤2又は10mg/kgを単回投与したときの薬物動態パラメータの要約統計量(KEYNOTE-011試験)
    Cmax
    (μg/mL)
    Tmax注1)
    (day)
    AUC0-28day
    (μg・day/mL)
    t1/2
    (day)
    CL
    (mL/day/kg)
    Vz
    (mL/kg)
    本剤
    2mg/kg
    (3例)
    47.4
    (18.6)
    0.223
    (0.00208-0.233)
    507
    (20.0)
    18.4
    (56.1)注2)
    2.46
    (44.7)
    65.3
    (21.3)
    本剤
    10mg/kg
    (7例)
    250
    (23.2)
    0.00903
    (0.000694-0.232)
    2219
    (32.4)
    18.1
    (68.4)注2)
    2.93
    (56.5)
    76.5
    (34.4)
    幾何平均(幾何変動係数[%])
    注1)中央値(範囲)
    注2)Tlastを超えるt1/2を有する患者1例を平均値に含む
  2. 反復投与
    〈悪性黒色腫〉
    国内第Ⅰ相試験(KEYNOTE-041試験)で、日本人の根治切除不能な悪性黒色腫患者に本剤2mg/kgを3週間間隔で反復静脈内持続投与注12)したときの、初回(サイクル1)及び投与後21週(サイクル8)の血清中濃度推移を図2に、サイクル1及びサイクル8の薬物動態パラメータを表2に示す。サイクル8における、本剤のトラフ濃度及びAUC0-21dayの幾何平均は、それぞれ24.5μg/mL及び797μg・day/mLであった。本剤のトラフ濃度はサイクル8(21週)までにおおむね定常状態に到達した。
    図2 日本人患者のサイクル1及びサイクル8の血清中濃度推移(平均±標準偏差)(KEYNOTE-041試験)
    表2 本剤2mg/kgを3週間間隔で投与したときの薬物動態パラメータの要約統計量(KEYNOTE-041試験)
    Cmax
    (μg/mL)
    Ctrough
    (μg/mL)
    AUC0-21day
    (μg・day/mL)
    CL
    (mL/day/kg)
    サイクル1(42例)
    40.9
    (28.1)
    11.3注3)注4)
    (19.0)
    393注3)
    (18.2)
    NA
    サイクル8(28例)
    61.8
    (24.5)
    24.5注5)注6)
    (48.8)
    797注5)
    (32.4)
    2.51注5)
    (32.4)
    幾何平均(幾何変動係数[%])
    注3)41例
    注4)サイクル2投与前の血清中濃度
    注5)25例
    注6)サイクル9投与前の血清中濃度
    NA:該当なし
    〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
    国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-024試験)で、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(薬物動態解析対象152例、日本人21例を含む)に、本剤200mgを3週間間隔で反復静脈内持続投与したときの、日本人及び外国人患者における血清中トラフ濃度推移を図3に示す。初回(サイクル1)のCmaxの幾何平均(幾何変動係数)は67.5μg/mL(23%)で、投与後21週(サイクル8)のトラフ濃度注7)の幾何平均(幾何変動係数)は30.6μg/mL(50%)であった。
    注7)サイクル8投与前の血清中濃度
    図3 日本人及び外国人患者の血清中トラフ濃度推移(平均±標準偏差)(KEYNOTE-024試験)
  3. 母集団薬物動態解析
    本剤200mgを3週間間隔(Q3W)又は400mgを6週間間隔(Q6W)で投与したときの母集団薬物動態解析に基づく薬物動態パラメータと海外第Ⅰ相試験(KEYNOTE-555試験)にて本剤400mgをQ6Wで投与したときの実測値に基づく薬物動態パラメータを比較した結果は、表3のとおりであった。母集団薬物動態解析には、国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(KEYNOTE-010試験)、国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-024試験)、海外第Ⅰ相試験(KEYNOTE-001試験)、海外第Ⅱ相試験(KEYNOTE-002試験)及び海外第Ⅲ相試験(KEYNOTE-006試験)に組み入れられた患者2,993例のデータ(うち日本人は83例)を含む。
    表3 本剤投与後の薬物動態パラメータの要約
    用法・用量
    Cmax
    (μg/mL)
    Cavg
    (μg/mL)
    Ctrough
    (μg/mL)
    サイクル1
    200mg Q3W注8)
    59.1
    (58.5, 59.7)
    27.9
    (27.7, 28.1)
    18.1注9)
    (17.8, 18.3)
    400mg Q6W注8)
    123
    (122, 124)
    32.4
    (32.0, 32.7)
    10.6注9)
    (10.4, 10.8)
    400mg Q6W
    (実測値)
    136.0注10)
    (135.6, 136.4)
    NA
    14.9注11)
    (14.4, 15.4)
    定常状態
    200mg Q3W注8)
    92.8
    (91.7, 94.1)
    50.4
    (49.8, 51.0)
    30.9
    (30.5, 31.4)
    400mg Q6W注8)
    148
    (146, 149)
    50.7
    (50.1, 51.3)
    20.3
    (19.8, 20.9)
    注8)2,993例×100回のシミュレーションにより算出した幾何平均値の中央値(2.5%点, 97.5%点)
    Cavg:平均血清中濃度
    注9)サイクル2投与前の血清中濃度
    注10)56例の幾何平均値(95%信頼区間)
    注11)41例の幾何平均値(95%信頼区間)
    NA:該当なし

PharmacokineticsEtc

本剤の有効性及び安全性に対する曝露-反応解析の結果、本剤200mgをQ3Wで投与した際と本剤400mgをQ6Wで投与した際の有効性及び安全性に明確な差異はないと予測された。
注12)本剤の承認用法及び用量は、通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈悪性黒色腫〉
  1. 国内第Ⅰ相試験(KEYNOTE-041試験)
    化学療法歴のない又はイピリムマブを含まない2レジメンまでの化学療法歴を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者42例(有効性解析対象37例)を対象に、本剤2mg/kg 3週間間隔投与注9)の有効性及び安全性が検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目である奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は、24%(95%信頼区間:12~41)であった。
    安全性解析対象例42例中34例(81.0%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、そう痒症6例(14.3%)、斑状丘疹状皮疹6例(14.3%)及び倦怠感5例(11.9%)であった。
  2. 海外第Ⅱ相試験(KEYNOTE-002試験)
    イピリムマブによる治療歴を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象に、本剤2mg/kg 3週間間隔投与注9)及び10mg/kg 3週間間隔投与注9)の有効性及び安全性が、化学療法(ダカルバジン、テモゾロミド、カルボプラチン、パクリタキセル又はカルボプラチン+パクリタキセル)を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤は化学療法と比較して、PFSを有意に延長した(表1、図1及び図2)。
    本剤2mg/kg 3週間間隔投与注9)の安全性解析対象例178例中121例(68.0%)、及び本剤10mg/kg 3週間間隔投与注9)の安全性解析対象例179例中133例(74.3%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、本剤2mg/kgの3週間間隔投与注9)で疲労40例(22.5%)、そう痒症37例(20.8%)及び発疹21例(11.8%)、本剤10mg/kgの3週間間隔投与注9)で疲労52例(29.1%)、そう痒症42例(23.5%)、下痢19例(10.6%)及び発疹18例(10.1%)であった。
    表1 有効性成績(KEYNOTE-002試験)
    本剤2mg/kg
    Q3W
    (180例)
    本剤10mg/kg
    Q3W
    (181例)
    化学療法
     
    (179例)
    OS
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    13.4
    (11.0, 16.4)
    14.7
    (11.3, 19.5)
    11.0
    (8.9, 13.8)
    ハザード比注2)
    (95%信頼区間)
    P値注3)
    0.86
    (0.67, 1.10)
    0.1173
    0.74
    (0.57, 0.96)
    0.0106
    PFS注1)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    2.9
    (2.8, 3.8)
    2.9
    (2.8, 4.7)
    2.7
    (2.5, 2.8)
    ハザード比注2)
    (95%信頼区間)
    P値注3)
    0.57
    (0.45, 0.73)
    <0.0001
    0.50
    (0.39, 0.64)
    <0.0001
    注1)RECISTガイドライン1.1版に基づく独立した放射線科医及び腫瘍専門医による評価
    注2)層別Cox比例ハザードモデルによる化学療法との比較
    注3)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与
    図1 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-002試験)
    図2 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-002試験)
  3. 海外第Ⅲ相試験(KEYNOTE-006試験)
    イピリムマブによる治療歴のない又はイピリムマブを含まない1レジメンまでの化学療法歴を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象に、本剤10mg/kg 3週間間隔投与注9)及び10mg/kg 2週間間隔投与注9)の有効性及び安全性が、イピリムマブを対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤はイピリムマブと比較して、OS及びPFSを有意に延長した(表2、図3及び図4)。
    本剤10mg/kg 3週間間隔投与注9)の安全性解析対象例277例中202例(72.9%)、及び本剤10mg/kg 2週間間隔投与注9)の安全性解析対象例278例中221例(79.5%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、本剤10mg/kg 3週間間隔投与注9)で疲労53例(19.1%)、下痢40例(14.4%)、そう痒症39例(14.1%)、発疹37例(13.4%)、関節痛32例(11.6%)、悪心31例(11.2%)、無力症31例(11.2%)及び尋常性白斑31例(11.2%)、本剤10mg/kg 2週間間隔投与注9)で疲労58例(20.9%)、下痢47例(16.9%)、発疹41例(14.7%)、そう痒症40例(14.4%)、無力症32例(11.5%)及び悪心28例(10.1%)であった。
    表2 有効性成績(KEYNOTE-006試験)
    本剤10mg/kg
    Q3W
    (277例)
    本剤10mg/kg
    Q2W
    (279例)
    イピリムマブ
     
    (278例)
    OS注4)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (NE, NE)
    NE
    (NE, NE)
    NE
    (13, NE)
    ハザード比注5)
    (95%信頼区間)
    P値注6)
    0.69
    (0.52, 0.90)
    0.00358
    0.63
    (0.47, 0.83)
    0.00052
    PFS注7)注8)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    4.1
    (2.9, 6.9)
    5.5
    (3.4, 6.9)
    2.8
    (2.8, 2.9)
    ハザード比注5)
    (95%信頼区間)
    P値注6)
    0.58
    (0.47, 0.72)
    <0.00001
    0.58
    (0.46, 0.72)
    <0.00001
    注4)中間解析時のデータ:2015年3月3日カットオフ
    注5)層別Cox比例ハザードモデルによるイピリムマブとの比較
    注6)層別ログランク検定
    注7)RECISTガイドライン1.1版に基づく独立した放射線科医及び腫瘍専門医による評価
    注8)中間解析時のデータ:2014年9月3日カットオフ
    Q3W:3週間間隔投与、Q2W:2週間間隔投与、NE:Not Estimated
    図3 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-006試験)
    図4 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-006試験)
    注9)悪性黒色腫の場合、本剤の承認用法及び用量は、通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
  4. 国際共同第Ⅲ相試験(EORTC-1325-MG/KEYNOTE-054試験)
    完全切除後のステージⅢ[ⅢA期(リンパ節転移1mm超)、ⅢB期及びⅢC期]の悪性黒色腫患者(日本人15例を含む)を対象に、術後補助療法として本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラセボを対照として検討された。全患者集団で、本剤はプラセボと比較して、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)を有意に延長した(表3及び図5)。
    安全性解析対象例509例中396例(77.8%)(日本人9例中5例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労143例(28.1%)、下痢94例(18.5%)、そう痒症85例(16.7%)、甲状腺機能低下症73例(14.3%)、悪心58例(11.4%)及び関節痛51例(10.0%)であった。
    表3 有効性成績(EORTC-1325-MG/KEYNOTE-054試験)
    本剤200mg
    Q3W
    (514例)
    プラセボ
     
    (505例)
    RFS注10)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (NE, NE)
    20.4
    (16.2, NE)
    ハザード比注11)
    (98%信頼区間)
    P値注12)
    0.57
    (0.43, 0.74)
    <0.0001
    注10)中間解析時のデータ:2017年10月2日カットオフ
    注11)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボとの比較
    注12)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated
    図5 RFSのKaplan-Meier曲線(EORTC-1325-MG/KEYNOTE-054試験)
  5. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-716試験)
    完全切除後のステージⅡB期又はⅡC期の悪性黒色腫患者(日本人3例を含む)を対象に、術後補助療法として本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラセボを対照とした二重盲検試験で検討された。1回目の中間解析(2020年12月4日データカットオフ)において、全患者集団で、本剤はプラセボと比較して、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)を有意に延長した(表4及び図6)。
    安全性解析対象例483例中400例(82.8%)(日本人2例中2例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、そう痒症117例(24.2%)、疲労102例(21.1%)、下痢90例(18.6%)、関節痛78例(16.1%)、発疹76例(15.7%)及び甲状腺機能低下症75例(15.5%)であった(2回目の中間解析、2021年6月21日データカットオフ)。
    表4 有効性成績(KEYNOTE-716試験)
    本剤200mg
    Q3W
    (487例)
    プラセボ
     
    (489例)
    RFS注13)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (22.6, NE)
    NE
    (NE, NE)
    1年RFS率[%]
    (95%信頼区間)
    90.5
    (87.1, 93.0)
    83.1
    (79.0, 86.5)
    ハザード比注14)
    (95%信頼区間)
    P値注15)
    0.65
    (0.46, 0.92)
    0.00658
    注13)1回目の中間解析時のデータ:2020年12月4日カットオフ
    注14)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボとの比較
    注15)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated
    図6 RFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-716試験)
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-189試験)
    化学療法歴のない、EGFR遺伝子変異陰性及びALK融合遺伝子陰性の切除不能な進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺癌患者616例(日本人10例を含む)を対象に、本剤200mg、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤の併用療法3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラセボ、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤の併用療法を対照とした二重盲検試験で検討された。両群とも、プラチナ製剤(シスプラチン又はカルボプラチン)は担当医師が患者ごとに選択し、投与は最大4コースまでとした。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤とペメトレキセドナトリウム水和物の併用投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤の併用療法はプラセボ、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤の併用療法と比較して、OS及びPFSを有意に延長した(表5、図7及び図8)。
    安全性解析対象例405例中372例(91.9%)(日本人4例中3例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、悪心187例(46.2%)、貧血154例(38.0%)、疲労134例(33.1%)、好中球減少症101例(24.9%)及び食欲減退84例(20.7%)であった。
    表5 有効性成績(KEYNOTE-189試験)
    本剤200mg Q3W、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤注20)
    (410例)
    プラセボ、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤注21)
    (206例)
    OS注16)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (NE, NE)
    11.3
    (8.7, 15.1)
    ハザード比注17)
    (95%信頼区間)
    P値注18)
    0.49
    (0.38, 0.64)
    <0.00001
    PFS注16)注19)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    8.8
    (7.6, 9.2)
    4.9
    (4.7, 5.5)
    ハザード比注17)
    (95%信頼区間)
    P値注18)
    0.52
    (0.43, 0.64)
    <0.00001
    注16)中間解析時のデータ:2017年11月8日カットオフ
    注17)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボ、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤の併用療法との比較
    注18)層別ログランク検定
    注19)RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated
    注20)本剤200mg、ペメトレキセドナトリウム水和物500mg/m2、シスプラチン75mg/m2又はカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量の順にQ3W(各コースの1日目に投与)で4コース投与後、本剤200mg及びペメトレキセドナトリウム水和物500mg/m2をQ3Wで投与した。
    注21)プラセボ、ペメトレキセドナトリウム水和物500mg/m2、シスプラチン75mg/m2又はカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量の順にQ3W(各コースの1日目に投与)で4コース投与後、プラセボ及びペメトレキセドナトリウム水和物500mg/m2をQ3Wで投与した。
    図7 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-189試験)
    図8 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-189試験)
  2. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-407試験)
    化学療法歴のない、切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌患者559例(日本人50例を含む)を対象に、本剤200mg、カルボプラチン及びパクリタキセル又はパクリタキセル(アルブミン懸濁型)(nab-パクリタキセル)の併用療法3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラセボ、カルボプラチン及びパクリタキセル又はnab-パクリタキセルの併用療法を対照とした二重盲検試験で検討された。両群とも、パクリタキセル又はnab-パクリタキセルは、担当医師が患者ごとに選択し、投与は最大4コースまでとした。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤、カルボプラチン及びパクリタキセル又はnab-パクリタキセルの併用療法はプラセボ、カルボプラチン及びパクリタキセル又はnab-パクリタキセルの併用療法と比較して、OS及びPFSを有意に延長した(表6、図9及び図10)。
    安全性解析対象例278例中265例(95.3%)(日本人22例中22例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、脱毛症126例(45.3%)、貧血123例(44.2%)、好中球減少症97例(34.9%)、悪心85例(30.6%)、血小板減少症81例(29.1%)及び下痢61例(21.9%)であった。
    表6 有効性成績(KEYNOTE-407試験)
    本剤200mg Q3W、カルボプラチン及びパクリタキセル又はnab-パクリタキセル注26)
    (278例)
    プラセボ、カルボプラチン及びパクリタキセル又はnab-パクリタキセル注27)
    (281例)
    OS注22)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    15.9
    (13.2, NE)
    11.3
    (9.5, 14.8)
    ハザード比注23)
    (95%信頼区間)
    P値注24)
    0.64
    (0.49, 0.85)
    0.0008
    PFS注22)注25)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    6.4
    (6.2, 8.3)
    4.8
    (4.2, 5.7)
    ハザード比注23)
    (95%信頼区間)
    P値注24)
    0.56
    (0.45, 0.70)
    <0.0001
    注22)中間解析時のデータ:2018年4月3日カットオフ
    注23)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボ、カルボプラチン及びパクリタキセル又はnab-パクリタキセルの併用療法との比較
    注24)層別ログランク検定
    注25)RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated
    注26)本剤200mg、パクリタキセル200mg/m2又はnab-パクリタキセル100mg/m2、カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量の順にQ3W(本剤、カルボプラチン及びパクリタキセルは各コースの1日目に投与、nab-パクリタキセルは各コースの1、8、15日目に投与)で4コース投与後、本剤200mgをQ3Wで投与した。
    注27)プラセボ、パクリタキセル200mg/m2又はnab-パクリタキセル100mg/m2、カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量の順にQ3W(プラセボ、カルボプラチン及びパクリタキセルは各コースの1日目に投与、nab-パクリタキセルは各コースの1、8、15日目に投与)で4コース投与後、プラセボをQ3Wで投与した。
    図9 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-407試験)
    図10 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-407試験)
  3. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-042試験)
    化学療法歴のない、EGFR遺伝子変異陰性、ALK融合遺伝子陰性及びPD-L1陽性(TPS≧1%)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(日本人93例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラチナ製剤を含む化学療法を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)とされ、本剤はプラチナ製剤を含む化学療法と比較して、OSを有意に延長した(表7及び図11)。
    安全性解析対象例636例中399例(62.7%)(日本人47例中34例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は甲状腺機能低下症69例(10.8%)であった。
    表7 有効性成績(KEYNOTE-042試験)(PD-L1発現がTPS≧1%の患者)
    本剤200mg Q3W
    (637例)
    プラチナ製剤を含む化学療法
    (637例)
    OS注28)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    16.7
    (13.9, 19.7)
    12.1
    (11.3, 13.3)
    ハザード比注29)
    (95%信頼区間)
    P値注30)
    0.81
    (0.71, 0.93)
    0.002
    注28)中間解析時のデータ:2018年2月26日カットオフ
    注29)層別Cox比例ハザードモデルによるプラチナ製剤を含む化学療法との比較
    注30)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与
    図11 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-042試験)(PD-L1発現がTPS≧1%の患者)
  4. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-024試験)
    化学療法歴のない、EGFR遺伝子変異陰性、ALK融合遺伝子陰性及びPD-L1陽性(TPS≧50%)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(日本人40例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラチナ製剤を含む化学療法を対照として検討された。
    なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)とされ、本剤はプラチナ製剤を含む化学療法と比較して、PFS及びOSを有意に延長した(表8、図12及び図13)。
    安全性解析対象例154例中113例(73.4%)(日本人21例中20例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、下痢22例(14.3%)、疲労16例(10.4%)及び発熱16例(10.4%)であった。
    表8 有効性成績(KEYNOTE-024試験)(PD-L1発現がTPS≧50%の患者)
    本剤200mg Q3W
    (154例)
    プラチナ製剤を含む化学療法
    (151例)
    PFS注31)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    10.3
    (6.7, NE)
    6.0
    (4.2, 6.2)
    ハザード比注32)
    (95%信頼区間)
    P値注33)
    0.50
    (0.37, 0.68)
    <0.001
    OS注34)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (NE, NE)
    NE
    (9.4, NE)
    ハザード比注32)
    (95%信頼区間)
    P値注33)
    0.60
    (0.41, 0.89)
    0.005
    注31)RECISTガイドライン1.1版に基づく独立中央判定
    注32)層別Cox比例ハザードモデルによるプラチナ製剤を含む化学療法との比較
    注33)層別ログランク検定
    注34)中間解析時のデータ:2016年5月9日カットオフ
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated
    図12 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-024試験)(PD-L1発現がTPS≧50%の患者)
    図13 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-024試験)(PD-L1発現がTPS≧50%の患者)
  5. 国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(KEYNOTE-010試験)
    プラチナ製剤を含む化学療法歴注35)を有するPD-L1陽性(TPS≧1%)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(日本人91例を含む)を対象に、本剤2mg/kg 3週間間隔投与注38)及び10mg/kg 3週間間隔投与注38)の有効性及び安全性が、ドセタキセルを対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤はドセタキセルと比較して、OSを有意に延長した(表9及び図14)。
    本剤2mg/kg 3週間間隔投与注38)の安全性解析対象例339例中215例(63.4%)(日本人28例中22例を含む)、及び本剤10mg/kg 3週間間隔投与注38)の安全性解析対象例343例中226例(65.9%)(日本人34例中30例)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、本剤2mg/kg 3週間間隔投与注38)で疲労46例(13.6%)、食欲減退46例(13.6%)及び悪心37例(10.9%)、本剤10mg/kg 3週間間隔投与注38)で疲労49例(14.3%)及び発疹44例(12.8%)であった。
    注35)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、プラチナ製剤を含む化学療法による治療歴に加え、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴を有する患者が組み入れられた。
    表9 有効性成績(KEYNOTE-010試験)(PD-L1発現がTPS≧1%の患者)
    本剤2mg/kg
    Q3W
    (344例)
    本剤10mg/kg
    Q3W
    (346例)
    ドセタキセル
     
    (343例)
    OS
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    10.4
    (9.4, 11.9)
    12.7
    (10.0, 17.3)
    8.5
    (7.5, 9.8)
    ハザード比注36)
    (95%信頼区間)
    P値注37)
    0.71
    (0.58, 0.88)
    <0.001
    0.61
    (0.49, 0.75)
    <0.001
    注36)層別Cox比例ハザードモデルによるドセタキセルとの比較
    注37)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与
    図14 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-010試験)(PD-L1発現がTPS≧1%の患者)
    注38)切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合、本剤の承認用法及び用量は、通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。
〈再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫〉
  1. 国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-087試験)
    再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者(210例、日本人10例を含む)の以下の3つのコホートを対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が検討された。
    • 自家造血幹細胞移植施行後に、ブレンツキシマブ ベドチンによる治療を受けた患者(コホート1)
    • 自家造血幹細胞移植非適応であり、かつブレンツキシマブ ベドチンによる治療を受けた患者(コホート2)
    • 自家造血幹細胞移植施行後に、ブレンツキシマブ ベドチンによる治療(一次治療又は救援化学療法の一環としてのブレンツキシマブ ベドチンによる前治療は含まない)を受けていない患者(コホート3)
    なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。
    主要評価項目である奏効率[改訂IWG criteria(2007)に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は、表10のとおりであった。
    なお、事前に設定された閾値奏効率は、いずれのコホートも20%であった。
    安全性解析対象例210例中144例(68.6%)(日本人10例中8例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、甲状腺機能低下症26例(12.4%)及び発熱22例(10.5%)であった。
    表10 有効性成績(KEYNOTE-087試験)
    コホート1
    (69例)
    コホート2
    (81例)
    コホート3
    (60例)
    例数
    (%)
    完全奏効(CR)
    15(21.7)
    18(22.2)
    13(21.7)
    部分奏効(PR)
    35(50.7)
    35(43.2)
    27(45.0)
    安定(SD)
    13(18.8)
    9(11.1)
    13(21.7)
    進行(PD)
    3(4.3)
    17(21.0)
    7(11.7)
    評価不能
    3(4.3)
    2(2.5)
    0
    奏効率(CR+PR)(%)
    (95%信頼区間)
    72.5
    (60.4, 82.5)
    65.4
    (54.0, 75.7)
    66.7
    (53.3, 78.3)
〈がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-045試験)
    プラチナ製剤を含む化学療法歴注39)を有する局所進行性又は転移性の尿路上皮癌患者542例(日本人52例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル又はvinflunine)注40)を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤は化学療法と比較して、OSを有意に延長した(表11及び図15)。
    安全性解析対象例266例中162例(60.9%)(日本人30例中16例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、そう痒症52例(19.5%)、疲労37例(13.9%)及び悪心29例(10.9%)であった。
    注39)①プラチナ製剤を含む化学療法(一次治療)後に疾患進行を認めた患者及び②プラチナ製剤を含む化学療法による術前・術後補助化学療法後12ヵ月以内に再発した患者が組み入れられた。
    注40)本邦ではvinflunineは未承認であるため、パクリタキセル又はドセタキセルのいずれかを選択した。
    表11 有効性成績(KEYNOTE-045試験)
    本剤200mg
    Q3W
    (270例)
    化学療法
     
    (272例)
    OS注41)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    10.3
    (8.0, 11.8)
    7.4
    (6.1, 8.3)
    ハザード比注42)
    (95%信頼区間)
    P値注43)
    0.73
    (0.59, 0.91)
    0.002
    PFS注41)注44)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    2.1
    (2.0, 2.2)
    3.3
    (2.3, 3.5)
    ハザード比注42)
    (95%信頼区間)
    P値注43)
    0.98
    (0.81, 1.19)
    0.416
    注41)中間解析時のデータ:2016年9月7日カットオフ
    注42)層別Cox比例ハザードモデルによる化学療法との比較
    注43)層別ログランク検定
    注44)RECISTガイドライン1.1版に基づく独立中央判定
    Q3W:3週間間隔投与
    図15 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-045試験)
〈がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
  1. 国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-164試験 コホートA)
    フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン及びイリノテカンによる化学療法歴のある切除不能な局所進行又は転移性のミスマッチ修復(MMR)欠損又はMSI-Highを有する結腸・直腸癌患者61例(日本人7例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目である奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は表12のとおりであった。
    安全性解析対象例61例中35例(57.4%)(日本人7例中5例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、関節痛10例(16.4%)、悪心9例(14.8%)、下痢8例(13.1%)、無力症7例(11.5%)及びそう痒症7例(11.5%)であった。
    表12 有効性成績(KEYNOTE-164試験 コホートA)
    61例
    例数
    (%)
    完全奏効(CR)
    0
    部分奏効(PR)
    17(27.9)
    安定(SD)
    14(23.0)
    疾患進行(PD)
    28(45.9)
    評価不能(NE)
    2(3.3)
    奏効率(CR+PR)(%)
    (95%信頼区間)
    27.9(17.1, 40.8)
  2. 国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-158試験)
    一次治療として標準的な化学療法歴のある切除不能な局所進行又は転移性のミスマッチ修復(MMR)欠損又はMSI-Highを有する固形癌患者94例(日本人7例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が検討された。MSI-Highと診断された後に本試験に登録された83例(グループK)における主要評価項目である奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は表13のとおりであった。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。
    安全性解析対象例94例中58例(61.7%)(日本人7例中5例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労11例(11.7%)及びそう痒症11例(11.7%)であった。
    表13 有効性成績(KEYNOTE-158試験)
    グループK
    83例注45)
    例数
    (%)
    完全奏効(CR)
    4(4.8)
    部分奏効(PR)
    25(30.1)
    安定(SD)
    20(24.1)
    疾患進行(PD)
    24(28.9)
    評価不能(NE)
    10(12.0)
    奏効率(CR+PR)(%)
    (95%信頼区間)
    34.9(24.8, 46.2)
    注45)日本人3例を含む
    本試験に登録された94例におけるがん種別の奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は表14のとおりであった。
    表14 がん種別の有効性成績(KEYNOTE-158試験)
    がん種
    例数(%)
    奏効(CR+PR)
    [奏効率(%)]
    94例
    子宮内膜癌
    24(25.5)
    13(54.2)
    胃癌
    13(13.8)
    6(46.2)
    小腸癌
    13(13.8)
    4(30.8)
    膵癌
    10(10.6)
    1(10.0)
    胆道癌
    9(9.6)
    2(22.2)
    副腎皮質癌
    3(3.2)
    1(33.3)
    中皮腫
    3(3.2)
    0
    小細胞肺癌
    3(3.2)
    2(66.7)
    子宮頸癌
    2(2.1)
    1(50.0)
    神経内分泌腫瘍
    2(2.1)
    0
    甲状腺癌
    2(2.1)
    0
    尿路上皮癌
    2(2.1)
    1(50.0)
    脳腫瘍
    1(1.1)
    0
    卵巣癌
    1(1.1)
    0
    前立腺癌
    1(1.1)
    0
    後腹膜腫瘍
    1(1.1)
    1(100)
    唾液腺癌
    1(1.1)
    1(100)
    肉腫
    1(1.1)
    1(100)
    精巣腫瘍
    1(1.1)
    0
    扁桃癌
    1(1.1)
    1(100)
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-426試験)
    化学療法歴のない、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者861例(日本人94例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与とアキシチニブ開始用量として5mg 1日2回投与の併用療法の有効性及び安全性が、スニチニブ50mg 1日1回4週間投与後2週間休薬を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤とアキシチニブの併用投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤とアキシチニブの併用療法は、スニチニブ単独投与と比較してOS及びPFSを有意に延長した(表15、図16及び図17)。
    安全性解析対象例429例中413例(96.3%)(日本人44例中44例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、下痢210例(49.0%)、高血圧179例(41.7%)、甲状腺機能低下症135例(31.5%)、疲労130例(30.3%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群119例(27.7%)、ALT増加102例(23.8%)、発声障害98例(22.8%)、AST増加97例(22.6%)、食欲減退94例(21.9%)及び悪心91例(21.2%)であった。
    表15 有効性成績(KEYNOTE-426試験)
    本剤200mg Q3W、アキシチニブ注50)
    (432例)
    スニチニブ注51)
     
    (429例)
    OS注46)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (NE, NE)
    NE
    (NE, NE)
    ハザード比注47)
    (95%信頼区間)
    P値注48)
    0.53
    (0.38, 0.74)
    0.00005
    PFS注46)注49)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    15.1
    (12.6, 17.7)
    11.0
    (8.7, 12.5)
    ハザード比注47)
    (95%信頼区間)
    P値注48)
    0.69
    (0.56, 0.84)
    0.00012
    注46)中間解析時のデータ:2018年8月24日カットオフ
    注47)層別Cox比例ハザードモデルによるスニチニブとの比較
    注48)層別ログランク検定
    注49)RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
    注50)本剤200mgをQ3W、アキシチニブ開始用量として5mg(経口)をbidで投与した。
    注51)スニチニブ50mgを4週間qd経口投与後2週間休薬した。
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated、bid:1日2回、qd:1日1回
    図16 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-426試験)
    図17 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-426試験)
  2. 国際共同第Ⅲ相試験(E7080-307/KEYNOTE-581試験)
    化学療法歴のない根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者注52)712例(日本人73例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与とレンバチニブ20mg 1日1回投与の併用療法の有効性及び安全性が、スニチニブ50mg 1日1回4週間投与後2週間休薬を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤とレンバチニブの併用療法は、スニチニブ単独投与と比較してPFSを有意に延長した(表16及び図18)。
    安全性解析対象例352例中341例(96.9%)(日本人42例中42例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、下痢192例(54.5%)、高血圧184例(52.3%)、甲状腺機能低下症150例(42.6%)、食欲減退123例(34.9%)、口内炎113例(32.1%)、疲労113例(32.1%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群99例(28.1%)、蛋白尿97例(27.6%)、悪心94例(26.7%)、発声障害87例(24.7%)、発疹77例(21.9%)及び無力症71例(20.2%)であった。
    注52)腫瘍組織において組織学的又は細胞学的に淡明細胞が確認された患者が対象とされた。
    表16 有効性成績(E7080-307/KEYNOTE-581試験)
    本剤200mg Q3W、レンバチニブ注56)
    (355例)
    スニチニブ注57)
     
    (357例)
    PFS注53)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    23.9
    (20.8, 27.7)
    9.2
    (6.0, 11.0)
    ハザード比注54)
    (95%信頼区間)
    P値注55)
    0.39
    (0.32, 0.49)
    <0.0001
    注53)RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
    注54)層別Cox比例ハザードモデルによるスニチニブとの比較
    注55)層別ログランク検定によるP値(両側)
    注56)本剤200mgをQ3W、レンバチニブ20mg(経口)をqdで投与した。
    注57)スニチニブ50mgを4週間qd経口投与後2週間休薬した。
    Q3W:3週間間隔投与、qd:1日1回
    図18 PFSのKaplan-Meier曲線(E7080-307/KEYNOTE-581試験)
〈腎細胞癌における術後補助療法〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-564試験)
    腎摘除術又は腎部分切除術後の再発リスクが高い注61)淡明細胞型腎細胞癌患者994例(日本人59例を含む)を対象に、術後補助療法として本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、プラセボを対照とした二重盲検試験で検討された。主要評価項目は無病生存期間(DFS)とされ、本剤はプラセボと比較して、DFSを有意に延長した(表17及び図19)。
    安全性解析対象例488例中386例(79.1%)(日本人27例中18例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労99例(20.3%)、そう痒症91例(18.6%)、甲状腺機能低下症86例(17.6%)、下痢77例(15.8%)、発疹73例(15.0%)及び甲状腺機能亢進症50例(10.2%)であった。
    表17 有効性成績(KEYNOTE-564試験)
    本剤200mg
    Q3W
    (496例)
    プラセボ
     
    (498例)
    DFS注58)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    NE
    (NE, NE)
    NE
    (NE, NE)
    2年DFS率[%]
    (95%信頼区間)
    77.3
    (72.8, 81.1)
    68.1
    (63.5, 72.2)
    ハザード比注59)
    (95%信頼区間)
    P値注60)
    0.68
    (0.53, 0.87)
    0.0010
    注58)中間解析時のデータ:2020年12月14日カットオフ(DFSは治験担当医師による評価)
    注59)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボとの比較
    注60)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与、NE:Not Estimated
    図19 DFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-564試験)
    注61)以下の(i)又は(ii)の患者が組み入れられた。
    (i)術後の病理組織学的診断により下記のいずれかに該当する患者(GradeはFuhrman分類)
    ・pT2、Grade 4又は肉腫様変化を伴う、N0かつM0
    ・pT3/4、Grade問わず、N0かつM0
    ・pT問わず、Grade問わず、N1かつM0
    (ii)M1 no evidence of disease(M1 NED)であり、原発巣及び遠隔転移巣ともに、腎摘除術時点又は腎摘除術後1年以内のいずれかの時点で完全切除可能であった患者
〈再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-048試験)
    化学療法歴のない、再発又は転移性の頭頸部扁平上皮癌注71)患者882例(日本人67例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与、プラチナ製剤及び5-FU併用療法、又は本剤200mg 3週間間隔投与単独療法の有効性及び安全性が、セツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法を対照として検討された。プラチナ製剤(シスプラチン又はカルボプラチン)は担当医師が選択し、プラチナ製剤及び5-FUの投与は最大6コースまでとした。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤とプラチナ製剤及び5-FUの併用投与又は本剤の単独投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤、プラチナ製剤及び5-FU併用療法はセツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法と比較して、OSを有意に延長した(表18及び図20)。また、本剤の単独療法はセツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法と比較して、OSは非劣性を示した(表19及び図21)。
    本剤、プラチナ製剤及び5-FU併用療法において、安全性解析対象例276例中263例(95.3%)(日本人25例中25例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血133例(48.2%)、悪心124例(44.9%)、好中球減少症91例(33.0%)、疲労84例(30.4%)、粘膜の炎症77例(27.9%)、血小板減少症75例(27.2%)、嘔吐75例(27.2%)、口内炎67例(24.3%)及び食欲減退62例(22.5%)であった。本剤単独療法において、安全性解析対象例300例中175例(58.3%)(日本人23例中17例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労43例(14.3%)及び甲状腺機能低下症39例(13.0%)であった。
    表18 本剤併用療法の有効性成績(KEYNOTE-048試験)
    本剤200mg Q3W、プラチナ製剤及び5-FU注72)
    (281例)
    セツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU注73)
    (278例)
    OS注62)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    13.0
    (10.9, 14.7)
    10.7
    (9.3, 11.7)
    ハザード比注63)
    (95%信頼区間)
    P値注64)
    0.77
    (0.63, 0.93)
    0.00335
    注62)中間解析時のデータ:2018年6月13日カットオフ
    注63)層別Cox比例ハザードモデルによるセツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法との比較
    注64)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与
    図20 本剤併用療法のOSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-048試験)
    表19 本剤単独療法の有効性成績(KEYNOTE-048試験)
    本剤200mg Q3W
    (301例)
    セツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU注73)
    (300例)
    OS注65)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    11.6
    (10.5, 13.6)
    10.7
    (9.3, 11.7)
    ハザード比注66)
    (95%信頼区間)
    P値注67)
    0.85
    (0.71, 1.03)
    0.00014
    注65)中間解析時のデータ:2018年6月13日カットオフ
    注66)層別Cox比例ハザードモデルによるセツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法との比較
    注67)層別ログランク検定(非劣性P値)
    Q3W:3週間間隔投与
    図21 本剤単独療法のOSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-048試験)
    CPS[PD-L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値]に関する部分集団に基づき、CPS別に解析を行った。
    表20 本剤単独療法のOS注68)の有効性成績(KEYNOTE-048試験、PD-L1発現状況別)
    PD-L1発現
    投与群
    例数
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    ハザード比
    (95%信頼区間)
    CPS<1
    本剤200mg Q3W
    44
    7.9
    (4.7, 13.6)
    1.37
    (0.86, 2.20)注69)
    セツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU注73)
    45
    11.3
    (9.1, 15.9)
    1≦CPS<20
    本剤200mg Q3W
    124
    10.8
    (9.0, 12.6)
    0.90
    (0.68, 1.18)注69)
    セツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU注73)
    133
    10.1
    (8.7, 12.1)
    CPS≧20
    本剤200mg Q3W
    133
    14.9
    (11.6, 21.5)
    0.61
    (0.45, 0.83)注70)
    セツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU注73)
    122
    10.7
    (8.8, 12.8)
    注68)中間解析時のデータ:2018年6月13日カットオフ
    注69)非層別Cox比例ハザードモデルによるセツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法との比較(探索的な解析)
    注70)層別Cox比例ハザードモデルによるセツキシマブ、プラチナ製剤及び5-FU併用療法との比較
    Q3W:3週間間隔投与
    注71)頭頸部癌の原発巣は口腔、中咽頭、下咽頭及び喉頭。
    注72)本剤200mg、シスプラチン100mg/m2又はカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量及び5-FU 1000mg/m2/day(4日間持続点滴投与)の順に3週間間隔で6コース投与後、本剤200mgを3週間間隔で投与した。
    注73)セツキシマブ(初回400mg/m2、2回目以降250mg/m2)、シスプラチン100mg/m2又はカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量及び5-FU 1000mg/m2/day(4日間持続点滴投与)の順に3週間間隔(セツキシマブのみ1週間間隔)で6コース投与後、セツキシマブ250mg/m2を1週間間隔で投与した。
〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-590試験)
    化学療法歴のない根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌及び食道腺癌並びに食道胃接合部(Siewert分類typeⅠ)の腺癌患者749例(日本人141例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与、5-FU及びシスプラチン併用療法の有効性及び安全性が、プラセボ、5-FU及びシスプラチン併用療法を対照として二重盲検試験で検討された。シスプラチンの投与は最大6コースまでとした。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤と5-FU及びシスプラチンの併用投与又は本剤の単独投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤、5-FU及びシスプラチン併用療法はプラセボ、5-FU及びシスプラチン併用療法と比較して、OS及びPFSを有意に延長した(表21、図22及び図23)。
    安全性解析対象例370例中364例(98.4%)(日本人74例中73例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、悪心233例(63.0%)、食欲減退145例(39.2%)、貧血143例(38.6%)、疲労135例(36.5%)、好中球数減少135例(36.5%)、嘔吐110例(29.7%)、下痢97例(26.2%)、好中球減少症96例(25.9%)、口内炎96例(25.9%)及び白血球数減少89例(24.1%)であった。
    表21 有効性成績(KEYNOTE-590試験)
    本剤200mg Q3W、5-FU及びシスプラチン注78)
    (373例)
    プラセボ、5-FU及びシスプラチン注79)
    (376例)
    OS注74)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    12.4
    (10.5, 14.0)
    9.8
    (8.8, 10.8)
    ハザード比注75)
    (95%信頼区間)
    P値注76)
    0.73
    (0.62, 0.86)
    <0.0001
    PFS注77)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    6.3
    (6.2, 6.9)
    5.8
    (5.0, 6.0)
    ハザード比注75)
    (95%信頼区間)
    P値注76)
    0.65
    (0.55, 0.76)
    <0.0001
    注74)中間解析時のデータ:2020年7月2日カットオフ
    注75)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボ、5-FU及びシスプラチン併用療法との比較
    注76)層別ログランク検定
    注77)治験担当医師による評価
    Q3W:3週間間隔投与
    注78)本剤200mg、シスプラチン80mg/m2及び5-FU 800mg/m2/day(5日間持続点滴投与)の順に3週間間隔で6コース投与後、本剤200mg及び5-FU 800mg/m2/day(5日間持続点滴投与)を3週間間隔で投与した。
    注79)プラセボ、シスプラチン80mg/m2及び5-FU 800mg/m2/day(5日間持続点滴投与)の順に3週間間隔で6コース投与後、プラセボ及び5-FU 800mg/m2/day(5日間持続点滴投与)を3週間間隔で投与した。
    図22 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-590試験)
    図23 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-590試験)
  2. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-181試験)
    一次治療として標準的な化学療法歴のある根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌及び食道腺癌患者628例(日本人152例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル又はイリノテカン)を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)とされ、主解析対象として設定された(i)PD-L1陽性(CPS注80)≧10)集団、(ii)扁平上皮癌集団及び(iii)ITT集団におけるOSの結果は事前に規定された基準を満たさなかった。一方、事前規定された解析対象ではないものの、PD-L1陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の患者167例(日本人77例を含む)において以下の有効性成績が得られた(表22及び図24)。
    PD-L1陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の患者における安全性解析対象例85例中55例(64.7%)(日本人40例中26例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労10例(11.8%)及び食欲減退10例(11.8%)であった。
    注80)PD-L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値
    表22 有効性成績(KEYNOTE-181試験)[PD-L1陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の患者]
    本剤200mg Q3W
    (85例)
    化学療法
    (82例)
    OS
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    10.3
    (7.0, 13.5)
    6.7
    (4.8, 8.6)
    ハザード比注81)
    (95%信頼区間)
    0.64
    (0.46, 0.90)
    注81)層別Cox比例ハザードモデルによる化学療法との比較
    Q3W:3週間間隔投与
    図24 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-181試験)[PD-L1陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の患者]
〈治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-177試験)
    化学療法歴のない(術後補助療法を除く)治癒切除不能な進行・再発のミスマッチ修復(MMR)欠損又はMSI-Highを有する結腸・直腸癌患者307例(日本人22例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が、担当医師の選択する化学療法[5-FU・ホリナート・オキサリプラチン療法(mFOLFOX6)、mFOLFOX6とベバシズマブ若しくはセツキシマブとの併用療法、5-FU・ホリナート・イリノテカン療法(FOLFIRI)、又はFOLFIRIとベバシズマブ若しくはセツキシマブとの併用療法]を対照として検討された。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)とされ、本剤は化学療法と比較してPFSを有意に延長した(表23及び図25)。
    安全性解析対象例153例中122例(79.7%)(日本人12例中10例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、下痢38例(24.8%)、疲労32例(20.9%)、そう痒症21例(13.7%)、悪心19例(12.4%)、AST増加17例(11.1%)、発疹17例(11.1%)、関節痛16例(10.5%)及び甲状腺機能低下症16例(10.5%)であった。
    表23 有効性成績(KEYNOTE-177試験)
    本剤200mg
    Q3W
    (153例)
    化学療法注85)
     
    (154例)
    PFS注82)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    16.5
    (5.4, 32.4)
    8.2
    (6.1. 10.2)
    ハザード比注83)
    (95%信頼区間)
    P値注84)
    0.60
    (0.45, 0.80)
    0.0002
    注82)RECISTガイドライン1.1版に基づく独立中央判定
    注83)Cox比例ハザードモデルによる化学療法との比較
    注84)ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与
    図25 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-177試験)
    注85)化学療法の各レジメンは以下のとおり投与した。
    mFOLFOX6:
    オキサリプラチン85mg/m2、ホリナート400mg/m2又はレボホリナート200mg/m2、5-FU 400mg/m2(急速静注)、5-FU 2400mg/m2(46~48時間持続静注)を2週間間隔で投与した。
    FOLFIRI:
    イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2、ホリナート400mg/m2又はレボホリナート200mg/m2、5-FU 400mg/m2(急速静注)、5-FU 2400mg/m2(46~48時間持続静注)を2週間間隔で投与した。
    ベバシズマブ:
    5mg/kgを2週間間隔で投与した。
    セツキシマブ:
    初回は400mg/m2、2回目以降は250mg/m2を1週間間隔で投与した。
〈PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-355試験)
    転移・再発乳癌に対する全身性の前治療歴のない転移・再発又は局所進行性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の乳癌患者847例(日本人87例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与+化学療法(ゲムシタビン及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセル)の併用療法の有効性及び安全性が、プラセボ+化学療法(ゲムシタビン及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセル)の併用療法を対照とした二重盲検試験で検討された。両群とも、ゲムシタビン及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセルは、担当医師が患者ごとに選択した。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)とされ、本剤+化学療法の併用療法はプラセボ+化学療法の併用療法と比較して、PD-L1陽性(CPS注86)≧10)の患者323例(日本人28例を含む)においてPFSを有意に延長した(表24及び図26)。
    PD-L1陽性(CPS≧10)の患者における安全性解析対象例219例中212例(96.8%)(日本人19例中19例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血107例(48.9%)、悪心90例(41.1%)、好中球減少症87例(39.7%)、脱毛症76例(34.7%)、疲労64例(29.2%)、好中球数減少52例(23.7%)、下痢48例(21.9%)、ALT増加47例(21.5%)及び嘔吐44例(20.1%)であった。
    注86)PD-L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値
    表24 有効性成績(KEYNOTE-355試験)[PD-L1陽性(CPS≧10)の患者]
    本剤200mg Q3W+化学療法注90)
    (220例)
    プラセボ+化学療法注91)
    (103例)
    PFS注87)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    9.7
    (7.6, 11.3)
    5.6
    (5.3, 7.5)
    ハザード比注88)
    (95%信頼区間)
    P値注89)
    0.65
    (0.49, 0.86)
    0.0012
    注87)RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
    注88)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボ+化学療法との比較
    注89)層別ログランク検定
    Q3W:3週間間隔投与
    注90)本剤200mg Q3W(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法(担当医師が患者ごとに選択)を併用した[ゲムシタビン1000mg/m2及びカルボプラチンAUC 2mg・min/mL相当量(1コース21日間、各コースの1、8日目に投与)、パクリタキセル90mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)又はnab-パクリタキセル100mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)]。
    注91)プラセボQ3W(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法(担当医師が患者ごとに選択)を併用した[ゲムシタビン1000mg/m2及びカルボプラチンAUC 2mg・min/mL相当量(1コース21日間、各コースの1、8日目に投与)、パクリタキセル90mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)又はnab-パクリタキセル100mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)]。
    図26 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-355試験)[PD-L1陽性(CPS≧10)の患者]
〈ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-522試験)
    ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスク注95)の周術期の乳癌患者1,174例(日本人76例を含む)を対象に、術前薬物療法としての本剤と化学療法との併用療法、及び術後薬物療法としての本剤単独療法注96)の有効性及び安全性が、術前薬物療法としてのプラセボと化学療法との併用療法、及び術後薬物療法としてのプラセボ投与注97)を対照とした二重盲検試験で検討された。主要評価項目の一つは無イベント生存期間(EFS)とされ、術前の本剤と化学療法との併用療法及び術後の本剤単独投与は、術前のプラセボと化学療法との併用療法及び術後のプラセボ投与と比較してEFSを有意に延長した(表25及び図27)。
    安全性解析対象例783例中774例(98.9%)(日本人45例中45例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、悪心495例(63.2%)、脱毛症471例(60.2%)、貧血429例(54.8%)、好中球減少症367例(46.9%)、疲労330例(42.1%)、下痢238例(30.4%)、ALT増加204例(26.1%)、嘔吐200例(25.5%)、無力症198例(25.3%)、発疹196例(25.0%)、便秘188例(24.0%)、好中球数減少185例(23.6%)、AST増加157例(20.1%)であった。
    表25 有効性成績(KEYNOTE-522試験)
    術前薬物療法/術後薬物療法
    本剤と化学療法との併用療法/本剤注96)
    (784例)
    プラセボと化学療法との併用療法/プラセボ注97)
    (390例)
    EFS注92)
    3年EFS率(%)
    (95%信頼区間)
    84.5
    (81.7, 86.9)
    76.8
    (72.2, 80.7)
    ハザード比注93)
    (95%信頼区間)
    P値注94)
    0.63
    (0.48, 0.82)
    0.00031
    注92)中間解析時のデータ:2021年3月23日カットオフ
    注93)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボと化学療法との併用療法/プラセボとの比較
    注94)層別ログランク検定
    注95)術前薬物療法を開始する前に、画像診断又は臨床診断によりTNM分類でT1cかつN1~2、又はT2~4かつN0~2に該当する遠隔転移を有しない患者が対象とされた。なお、TNM分類について、治験実施計画書第1版ではAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)第7版が、治験実施計画書改訂第2版以降はAJCC第8版が用いられた。
    注96)術前薬物療法として本剤200mg 3週間間隔投与(Q3W)(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法を併用し、術後薬物療法として本剤200mg Q3W(各コースの1日目に投与)を9コース投与した[パクリタキセル80mg/m2 1週間間隔投与(QW)(1コース21日間、各コースの1、8、15日目に投与)及びカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量Q3W(1コース21日間、各コースの1日目に投与)又はAUC 1.5mg・min/mL 相当量QW(1コース21日間、各コースの1、8、15日目に投与)を4コース、その後ドキソルビシン塩酸塩60mg/m2 Q3W又はエピルビシン塩酸塩90mg/m2 Q3W(1コース21日間、各コースの1日目に投与)及びシクロホスファミド(無水物換算)600mg/m2 Q3W(1コース21日間、各コースの1日目に投与)を4コース投与。ドキソルビシン又はエピルビシンは、治験担当医師が患者ごとに選択した]。
    注97)術前薬物療法としてプラセボQ3W(各コースの1日目に投与)と注96)と同一の化学療法を併用し、術後薬物療法としてプラセボQ3W(各コースの1日目に投与)を9コース投与した。
    図27 EFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-522試験)
〈がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-775/E7080-309試験)
    プラチナ製剤を含む化学療法歴のある切除不能な進行・再発の子宮体癌患者827例(日本人104例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与とレンバチニブ20mg 1日1回投与の併用療法の有効性及び安全性が、化学療法(ドキソルビシン又はパクリタキセル)を対照として検討された。化学療法は担当医師が患者ごとに選択した。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤とレンバチニブの併用療法は、化学療法と比較してOS及びPFSを有意に延長した(表26、図28及び図29)。また、無作為化前に選択された化学療法群の薬剤[①ドキソルビシン(605例)又は②パクリタキセル(222例)]別の部分集団解析を事後的に実施した結果、化学療法群に対する本剤とレンバチニブの併用療法群のPFSのハザード比(95%信頼区間)は、それぞれ①0.47(0.39, 0.58)及び②0.85(0.61, 1.20)であった。また、OSのハザード比(95%信頼区間)は、それぞれ①0.49(0.39, 0.61)及び②1.40(0.93, 2.12)であった。
    安全性解析対象例406例中395例(97.3%)(日本人52例中51例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、高血圧249例(61.3%)、甲状腺機能低下症222例(54.7%)、下痢171例(42.1%)、悪心158例(38.9%)、食欲減退151例(37.2%)、疲労113例(27.8%)、蛋白尿105例(25.9%)、嘔吐98例(24.1%)、体重減少91例(22.4%)、関節痛87例(21.4%)及び手掌・足底発赤知覚不全症候群84例(20.7%)であった(2021年2月8日データカットオフ)。
    表26 有効性成績(KEYNOTE-775/E7080-309試験)
    本剤200mg Q3W、レンバチニブ注102)
    (411例)
    化学療法注103)
     
    (416例)
    OS注98)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    18.3
    (15.2, 20.5)
    11.4
    (10.5, 12.9)
    ハザード比注99)
    (95%信頼区間)
    P値注100)
    0.62
    (0.51, 0.75)
    <0.0001
    PFS注101)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    7.2
    (5.7, 7.6)
    3.8
    (3.6, 4.2)
    ハザード比注99)
    (95%信頼区間)
    P値注100)
    0.56
    (0.47, 0.66)
    <0.0001
    注98)中間解析時のデータ:2020年10月26日カットオフ
    注99)層別Cox比例ハザードモデルによる化学療法との比較
    注100)層別ログランク検定
    注101)RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
    注102)本剤200mgをQ3W、レンバチニブ20mg(経口)をqdで投与した。
    注103)ドキソルビシン塩酸塩60mg/m2をQ3W、又はパクリタキセル80mg/m2を各コース(1コース28日間)の1、8、15日目に投与した。
    Q3W:3週間間隔投与、qd:1日1回
    図28 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-775/E7080-309試験)
    図29 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-775/E7080-309試験)
〈がん化学療法後に増悪したTMB-Highを有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
  1. 国際共同第Ⅱ相試験(KEYNOTE-158試験 グループA~J)
    化学療法歴注104)のある進行・再発の固形癌患者注105)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性が検討された。本剤の有効性は、TMBスコア注106)が10以上の場合をTMB-Highと事前に定義し、解析計画に従って、グループA~Jに登録された固形癌患者に対して解析を行った。TMB-Highを有する102例(日本人6例を含む)及びTMB-Highを有しない689例(日本人71例を含む)における、主要評価項目である奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は表27のとおりであった。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。
    グループA~Jに登録されTMB-Highを有すると判定された安全性解析対象例105例中67例(63.8%)(日本人6例中5例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労17例(16.2%)、甲状腺機能低下症13例(12.4%)、無力症13例(12.4%)、食欲減退11例(10.5%)及びそう痒症11例(10.5%)であった。
    注104)一次治療として標準的に実施されている化学療法並びに日常診療で用いられている手術及び放射線療法を含む治療に抵抗性又は不耐容の患者を組み入れることとされた。
    注105)各グループにおいて、それぞれ以下の患者が組み入れられた。
    A:肛門癌(扁平上皮癌)、B:胆道癌(胆嚢及び胆管の腺癌、ただしファーター膨大部腫瘍を除く)、C:肺、虫垂、小腸、結腸、直腸及び膵臓由来の神経内分泌腫瘍(高分化型又は中分化型神経内分泌腫瘍)、D:子宮内膜癌(肉腫又は間葉系腫瘍を除く)、E:子宮頸癌(扁平上皮癌)、F:外陰癌(扁平上皮癌)、G:小細胞肺癌、H:中皮腫、I:甲状腺癌、J:唾液腺癌(肉腫又は間葉系腫瘍を除く)
    注106)5%以上のアレル頻度で検出された同義変異及び非同義変異から、生殖細胞系列の変異及び既知又は機能的意義があると考えられる変異を除いた百万塩基あたりの変異の数(mutations/megabase)。
    表27 有効性成績(KEYNOTE-158試験)
    TMB-High
    102例
    Non TMB-High
    689例
    例数(%)
    完全奏効(CR)
    4(3.9)
    11(1.6)
    部分奏効(PR)
    26(25.5)
    32(4.6)
    安定(SD)
    14(13.7)
    228(33.1)
    Non-CR/Non-PD注107)
    0
    3(0.4)
    疾患進行(PD)
    48(47.1)
    349(50.7)
    評価不能(NE)
    10(9.8)
    66(9.6)
    奏効率(CR+PR)(%)
    (95%信頼区間)
    29.4(20.8, 39.3)
    6.2(4.6, 8.3)
    注107)中央判定で登録時点では測定病変なしとされ、治験薬投与後にNon-CR/Non-PDと評価された患者
    TMB-Highを有する102例(日本人6例を含む)及びTMB-Highを有しない689例(日本人71例を含む)における、がん種別の奏効率[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)]は表28のとおりであった(2019年6月27日データカットオフ)。
    表28 がん種別の有効性成績(KEYNOTE-158試験)
    TMB-High
    Non TMB-High
    がん種
    例数
    奏効(CR+PR)
    [奏効率(%)]
    例数
    奏効(CR+PR)
    [奏効率(%)]
    102例
    689例
    小細胞肺癌
    34
    10(29.4)
    42
    4(9.5)
    子宮頸癌
    16
    5(31.3)
    59
    7(11.9)
    子宮内膜癌
    15
    7(46.7)
    67
    4(6.0)
    肛門癌
    14
    1(7.1)
    75
    8(10.7)
    外陰癌
    12
    2(16.7)
    60
    2(3.3)
    神経内分泌腫瘍
    5
    2(40.0)
    82
    1(1.2)
    唾液腺癌
    3
    1(33.3)
    79
    3(3.8)
    甲状腺癌
    2
    2(100)
    78
    3(3.8)
    中皮腫
    1
    0
    84
    9(10.7)
    胆道癌
    0
    63
    2(3.2)
    -:推定不可
〈進行又は再発の子宮頸癌〉
  1. 国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-826試験)
    根治的治療の適応がなく、化学療法歴のない(化学放射線療法としての投与歴は除く)進行又は再発の子宮頸癌患者617例(日本人57例を含む)を対象に、本剤と他の抗悪性腫瘍剤(パクリタキセル及びプラチナ製剤±ベバシズマブ)との併用療法注117)の有効性及び安全性が、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)を対照とした二重盲検試験で検討された。なお、617例の患者の63%がベバシズマブの投与を受けた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法はプラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法と比較してOS及びPFSを有意に延長した(表29、図30及び図31)。
    安全性解析対象例307例中298例(97.1%)(日本人35例中35例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、脱毛症171例(55.7%)、貧血149例(48.5%)、悪心104例(33.9%)、下痢76例(24.8%)、末梢性ニューロパチー75例(24.4%)、疲労70例(22.8%)、末梢性感覚ニューロパチー69例(22.5%)、好中球減少症68例(22.1%)及び嘔吐63例(20.5%)であった。
    表29 有効性成績(KEYNOTE-826試験)
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    (308例)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    (309例)
    OS注108)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    24.4
    (19.2, NE)
    16.5
    (14.5, 19.4)
    ハザード比注109)
    (95%信頼区間)
    P値注110)
    0.67
    (0.54, 0.84)
    0.0003
    PFS注108)注111)
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    10.4
    (9.1, 12.1)
    8.2
    (6.4, 8.4)
    ハザード比注109)
    (95%信頼区間)
    P値注110)
    0.65
    (0.53, 0.79)
    <0.0001
    注108)中間解析時のデータ:2021年5月3日カットオフ
    注109)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法との比較
    注110)層別ログランク検定
    注111)RECISTガイドライン1.1版に基づく治験担当医師判定
    NE:Not Estimated
    図30 OSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-826試験)
    図31 PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-826試験)
    CPS[PD-L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値]に関する部分集団に基づき、CPS別に解析を行った(中間解析時のデータ:2021年5月3日データカットオフ)。
    表30 OSの有効性成績(KEYNOTE-826試験、PD-L1発現状況別)
    PD-L1発現
    投与群
    例数
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    ハザード比注112)
    (95%信頼区間)
    CPS<1
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    35
    19.0
    (12.6, 21.4)
    1.00
    (0.53, 1.89)注113)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    34
    18.9
    (11.7, 21.3)
    1≦CPS<10
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    115
    24.4
    (18.2, NE)
    0.67
    (0.46, 0.97)注113)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    116
    15.9
    (13.4, 23.5)
    CPS≧10
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    158
    NE
    (19.1, NE)
    0.61
    (0.44, 0.84)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    159
    16.4
    (14.0, 25.0)
    注112)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法との比較
    注113)探索的な解析
    NE:Not Estimated
    表31 PFS注114)の有効性成績(KEYNOTE-826試験、PD-L1発現状況別)
    PD-L1発現
    投与群
    例数
    中央値[月]
    (95%信頼区間)
    ハザード比注115)
    (95%信頼区間)
    CPS<1
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    35
    8.1
    (6.1, 12.6)
    0.94
    (0.52, 1.70)注116)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    34
    8.2
    (6.2, 10.4)
    1≦CPS<10
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    115
    11.2
    (8.3, 15.3)
    0.68
    (0.49, 0.94)注116)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    116
    8.2
    (6.3, 10.0)
    CPS≧10
    本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注117)
    158
    10.4
    (8.9, 15.1)
    0.58
    (0.44, 0.77)
    プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法注118)
    159
    8.1
    (6.2, 8.8)
    注114)RECISTガイドライン1.1版に基づく治験担当医師判定
    注115)層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法との比較
    注116)探索的な解析
    注117)本剤200mg 3週間間隔投与(Q3W)(各コースの1日目に投与)と以下の抗悪性腫瘍剤(治験担当医師が患者ごとに選択)のいずれかを併用した。
    ・パクリタキセル175mg/m2及びプラチナ製剤(シスプラチン50mg/m2又はカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量)の順にQ3W(各コースの1日目に投与、シスプラチンは各コースの1日目又は2日目に投与)で投与。
    ・パクリタキセル175mg/m2、プラチナ製剤(シスプラチン50mg/m2又はカルボプラチンAUC 5mg・min/mL相当量)及びベバシズマブ15mg/kgの順にQ3W(各コースの1日目に投与、シスプラチンは各コースの1日目又は2日目に投与)で投与。
    注118)プラセボQ3W(各コースの1日目に投与)と注117)と同一の抗悪性腫瘍剤(治験担当医師が患者ごとに選択)のいずれかを併用した。

薬効薬理

作用機序
本薬はヒトPD-1に対する抗体であり、PD-1とそのリガンド(PD-L1及びPD-L2)との結合を阻害することにより、腫瘍特異的な細胞傷害性T細胞を活性化させ、腫瘍増殖を抑制すると考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)
(Pembrolizumab(Genetical Recombination))
分子量
約149,000
本質
遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトPD-1抗体の相補性決定部、並びにヒトIgG4のフレームワーク部及び定常部からなり、H鎖228番目のアミノ酸残基がProに置換されている。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される447個のアミノ酸残基からなるH鎖2本及び218個のアミノ酸残基からなるL鎖2本で構成される糖タンパク質である。

取扱い上の注意

  1. 凍結を避けること。
  2. 外箱開封後は遮光して保存すること。

承認条件

  1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
〈根治切除不能な悪性黒色腫、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌〉
  1. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
〈がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
  1. がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形癌患者を対象に実施中の2つの第Ⅱ相試験について、終了後速やかにその結果を医療現場に提供すること。
  2. MSI-Highを有する固形癌のうち結腸・直腸癌を除く固形癌の有効性に関する情報が限られていることから、製造販売後、使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を十分に把握するとともに、本剤の有効性及び安全性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

1バイアル(4mL)

主要文献

1
Ribas A, et al. Lancet Oncol. 2015;16:908-18.
2
Robert C, et al. N Engl J Med. 2015;372:2521-32.
3
Gandhi L, et al. N Engl J Med. 2018;378:2078-92.
4
Paz-Ares L, et al. N Engl J Med. 2018;379:2040-51.
5
Mok TSK, et al. Lancet. 2019;393:1819-30.
6
Reck M, et al. N Engl J Med. 2016;375:1823-33.
7
Herbst R, et al. Lancet. 2016;387:1540-50.
8
Bellmunt J, et al. N Engl J Med. 2017;376:1015-26.
9
Motzer R, et al. N Engl J Med. 2021;384:1289-1300.
10
Choueiri TK, et al. N Engl J Med. 2021;385:683-94.
11
Sun J, et al. Lancet. 2021;398:759-71.
12
André T, et al. N Engl J Med. 2020;383:2207-18.
13
Cortes J, et al. Lancet. 2020;396:1817-28.
14
Schmid P, et al. N Engl J Med. 2022;386:556-67.
15
Makker V, et al. N Engl J Med. 2022;386:437-48.
16
Colombo N, et al. N Engl J Med. 2021;385:1856-67.

文献請求先及び問い合わせ先

MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961

製造販売業者等

製造販売元
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先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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