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エポエチンアルファBS注750「JCR」

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤

1瓶 509円

添付文書番号

3999427A1026_1_11

企業コード

530210

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤

承認等

販売名

エポエチンアルファBS注750シリンジ「JCR」

販売名コード

3999427G1029

販売名英字表記

Epoetin Alfa BS Injection syringe [JCR]

販売名ひらがな

えぽえちんあるふぁびーえすちゅう750しりんじ「じぇいしーあーる」

承認番号等

承認番号
22200AMX00238

販売開始年月

2010年5月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃、禁凍結保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

エポエチンアルファBS注1500シリンジ「JCR」

販売名コード

3999427G2025

販売名英字表記

Epoetin Alfa BS Injection syringe [JCR]

販売名ひらがな

えぽえちんあるふぁびーえすちゅう1500しりんじ「じぇいしーあーる」

承認番号等

承認番号
22200AMX00239

販売開始年月

2010年5月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃、禁凍結保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

エポエチンアルファBS注3000シリンジ「JCR」

販売名コード

3999427G3021

販売名英字表記

Epoetin Alfa BS Injection syringe [JCR]

販売名ひらがな

えぽえちんあるふぁびーえすちゅう3000しりんじ「じぇいしーあーる」

承認番号等

承認番号
22200AMX00240

販売開始年月

2010年5月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃、禁凍結保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

エポエチンアルファBS注750「JCR」

販売名コード

3999427A1026

販売名英字表記

Epoetin Alfa BS Injection [JCR]

販売名ひらがな

えぽえちんあるふぁびーえすちゅう750「じぇいしーあーる」

承認番号等

承認番号
22200AMX00241

販売開始年月

2010年6月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃、禁凍結保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品 注4)
注4)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又は他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤に過敏症の患者

組成・性状

組成

エポエチンアルファBS注750シリンジ「JCR」
有効成分
エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]  750国際単位(IU)
添加剤
グリシン  0.5mg
ポリソルベート80  0.025mg
リン酸二水素ナトリウム水和物  1.56mg
等張化剤
pH調節剤
容量
1シリンジ0.5mL
エポエチンアルファBS注1500シリンジ「JCR」
有効成分
エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]  1500国際単位(IU)
添加剤
グリシン  1mg
ポリソルベート80  0.05mg
リン酸二水素ナトリウム水和物  3.12mg
等張化剤
pH調節剤
容量
1シリンジ1mL
エポエチンアルファBS注3000シリンジ「JCR」
有効成分
エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]  3000国際単位(IU)
添加剤
グリシン  2mg
ポリソルベート80  0.1mg
リン酸二水素ナトリウム水和物  6.24mg
等張化剤
pH調節剤
容量
1シリンジ2mL
エポエチンアルファBS注750「JCR」
有効成分
エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]  750国際単位(IU)
添加剤
グリシン  0.5mg
ポリソルベート80  0.025mg
リン酸二水素ナトリウム水和物  1.56mg
等張化剤
pH調節剤
容量
1バイアル0.5mL
本剤の有効成分エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞で生産される。

製剤の性状

エポエチンアルファBS注750シリンジ「JCR」
剤形注射剤(ガラスシリンジに液剤を充填したキット)
pH6.3~6.7
浸透圧比約1(生理食塩液対比)
性状
無色澄明の液
エポエチンアルファBS注1500シリンジ「JCR」
剤形注射剤(ガラスシリンジに液剤を充填したキット)
pH6.3~6.7
浸透圧比約1(生理食塩液対比)
性状
無色澄明の液
エポエチンアルファBS注3000シリンジ「JCR」
剤形注射剤(ガラスシリンジに液剤を充填したキット)
pH6.3~6.7
浸透圧比約1(生理食塩液対比)
性状
無色澄明の液
エポエチンアルファBS注750「JCR」
剤形注射剤(バイアル)
pH6.3~6.7
浸透圧比約1(生理食塩液対比)
性状
無色澄明の液

効能又は効果

  • 透析施行中の腎性貧血
  • 未熟児貧血

効能又は効果に関連する注意

〈透析施行中の腎性貧血〉
  1. 本剤の投与は貧血症に伴う日常生活活動の支障が認められる患者に限定すること。なお、投与対象はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)未満を目安とする。
  2. 本剤の投与に際しては、腎性貧血であることを確認し、他の貧血症(失血性貧血、汎血球減少症、アルミニウム蓄積症等)には投与しないこと。
〈未熟児貧血〉
  1. 本剤の投与は未熟児貧血に限定すること。なお、投与対象はヘモグロビン濃度で12g/dL(ヘマトクリット値で36%)未満を目安とする。また、未熟児貧血におけるヘモグロビン濃度の低下は急速であるため、未熟児貧血発症早期より本剤を投与することが望ましい。

用法及び用量

〈透析施行中の腎性貧血〉
投与初期は、エポエチンアルファ(遺伝子組換え)[後続1]として、通常、成人、1回3000国際単位を週3回、できるだけ緩徐に静脈内投与する。貧血改善効果が得られたら、維持量として、通常、成人、1回1500国際単位を週2~3回、あるいは1回3000国際単位を週2回投与する。貧血改善効果の目標値はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後とする。なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、維持量での最高投与量は、1回3000国際単位、週3回投与とする。
〈未熟児貧血〉
通常、エポエチンアルファ(遺伝子組換え)[後続1]として、1回200国際単位/kgを週2回皮下投与する。ただし、未熟児早期貧血期を脱し、ヘモグロビン濃度が10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後で臨床症状が安定したと考えられる場合は投与を中止すること。なお、貧血症状の程度により適宜増減する。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。
〈透析施行中の腎性貧血〉
  1. ショック等の反応を予測するため十分な問診をすること。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量を静脈内に注入し、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい。
  2. 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的(投与初期には週1回、維持投与期には2週に1回程度)に観察し、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で12g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で36%以上を目安とする)にならないように十分注意すること。必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること。
  3. 本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症が報告されているので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与すること。特に、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は徐々に上昇させるよう注意すること。また、投与中止後もヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が上昇する場合があるので、観察を十分行うこと。
  4. 本剤投与により抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤投与中に貧血の改善がない、あるいは悪化する場合等は同疾患を疑うこと。
  5. 本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、食事管理を適切に行うこと。
  6. 本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントや血液透析装置内の血流量には十分注意すること。このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること。
〈未熟児貧血〉
  1. ショック等の反応を予測するため親・兄姉のアレルギー歴等について十分な問診をすること。なお、投与開始時には、本剤の少量を皮内に注入し、異常反応の発現しないことを確認して投与することが望ましい。
  2. 本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で13g/dL以上あるいはヘマトクリット値で39%以上を目安とする)にならないように十分注意すること。必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること。
  3. 本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はそれらの既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者
    観察を十分に行うこと。血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。
  2. 高血圧症の患者
    血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症があらわれるおそれがある。
  3. 薬物過敏症の既往歴のある患者
  4. アレルギー素因のある患者
  5. 脳室内出血及び脳実質内出血を有する未熟児
    脳内出血を増悪する可能性がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で、胎児・出生児の発育の遅延が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行、並びに出生児の発育の遅延が報告されている。

小児等

新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること。一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    ショック、アナフィラキシー(じん麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)があらわれることがある。
  2. 高血圧性脳症、脳出血(いずれも頻度不明)
    急激な血圧上昇により、頭痛・意識障害・痙攣等を示す高血圧性脳症、高血圧性脳出血があらわれることがある。
  3. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞(いずれも頻度不明)
  4. 赤芽球癆(頻度不明)
    抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤への切替えは避けること。
  5. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
血圧上昇
動悸
皮膚
そう痒感
発疹
ざ瘡
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、Al-P上昇
ビリルビン上昇
肝機能異常
消化器
嘔気・嘔吐
食欲不振、下痢
腹痛
感覚器系
頭痛、発熱
熱感・ほてり感、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、不眠
めまい、口内苦味感
血液
好酸球増多、顆粒球減少a)、血小板増多a)
白血球増多
その他
血清カリウム上昇、くる病a)
BUN上昇、尿酸上昇、クレアチニン上昇、浮腫
眼底出血(網膜動脈血栓症、網膜静脈血栓症等)、脾腫増大、鼻出血
a)未熟児貧血での報告

副作用の共通の注釈

注)発現頻度は使用成績調査を含む。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
他剤との混注は行わないこと。
薬剤投与時の注意
〈エポエチンアルファBS注シリンジ〉
プランジャーロッドの無理な操作はしないこと。またバックストップは、投与終了後まで外さないこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. エリスロポエチン製剤を投与した未熟児貧血患児において、因果関係は認められないものの未熟児網膜症の発症に関与することを示唆する報告がある。
  2. 心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持した群注)では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある。
  3. 保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定した患者注)では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある。
  4. 2型糖尿病で腎性貧血を合併している保存期慢性腎臓病患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者注)とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある。
  5. がん化学療法又は放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間の短縮が認められたとの報告がある,
  6. 放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は局所再発のリスクが増加したとの報告がある,
  7. プラセボを投与されたがん化学療法による貧血患者注)に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある。
  8. がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験で、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある。
注)これらの患者への投与は、本邦では承認外である。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    〈本剤〉
    1. 健康成人への静脈内投与
      健康成人男性に本剤300、1500及び3000国際単位(以下IU)を単回静脈内投与したとき、血漿中濃度は投与量に依存して増大した。また、血漿中濃度は緩徐に減少し、300IU投与では投与24時間後に、1500及び3000IU投与では投与48時間後にほぼ投与前値に復した。また、投与72時間後までの尿中排泄率は300、1500及び3000IU投与でそれぞれ0.37、0.88及び1.78%であった。
      健康成人男性における単回静脈内投与時の血漿中エリスロポエチン濃度推移(平均値±標準偏差)
      健康成人男性における単回静脈内投与時の薬物動態パラメータ
      C0(mIU/mL)
      AUC0-∞(mIU・hr/mL)
      t1/2(hr)
      CL(L/hr)
      Vss(L)
      300IU(n=6)
      105.57±32.72
      659.55±401.61
      17.10±20.36
      0.57±0.29
      8.45±4.64
      1500IU(n=6)
      499.27±84.34
      2656.60±588.78
      9.18±4.15
      0.57±0.10
      4.18±0.62
      3000IU(n=6)
      1051.87±181.36
      6777.87±992.30
      6.00±2.59
      0.45±0.05
      2.88±0.41
      平均値±標準偏差
    2. 透析施行中の腎性貧血患者への静脈内投与
      血液透析施行中の腎性貧血患者に本剤1500及び3000IUを単回静脈内投与したとき、血漿中濃度はいずれの用量においても1相性の消失パターンで推移し、いずれの用量においてもエスポー®注射液と同様の推移を示した。
      透析施行中の腎性貧血患者における単回静脈内投与時の血漿中エリスロポエチン濃度推移(平均値±標準偏差)
      透析施行中の腎性貧血患者における単回静脈内投与時の薬物動態パラメータ
      C0(mIU/mL)
      AUC0-∞(mIU·hr/mL)
      t1/2(hr)
      CL(L/hr)
      Vss(L)
      本剤1500IU(n=13)
      501.65±141.02
      3398.1±799.0
      6.65±1.76
      0.46±0.10
      3.78±1.03
      エスポー®注射液1500IU(n=13)
      522.18±117.04
      4377.9±1237.6
      8.08±6.42
      0.37±0.09
      3.18±0.78
      本剤3000IU(n=11)
      1110.70±250.97
      9575.1±2627.0
      7.45±1.83
      0.34±0.10
      2.98±0.54
      エスポー®注射液3000IU(n=11)
      1338.31±275.39
      11576.1±2759.7
      7.36±1.37
      0.27±0.07
      2.57±0.50
      平均値±標準偏差
    3. 健康成人への皮下投与
      健康成人男性に本剤1500及び3000IUを単回皮下投与したとき、血漿中濃度はいずれの用量においてもエスポー®注射液と同様の推移を示した。
      健康成人男性における単回皮下投与時の血漿中エリスロポエチン濃度推移(平均値±標準偏差)
      健康成人男性における単回皮下投与時の薬物動態パラメータ
      Cmax(mIU/mL)
      Tmax(hr)
      AUC0-∞(mIU·hr/mL)
      t1/2(hr)
      本剤1500IU(n=16)
      20.68±7.40
      12.56±2.94
      917.3±406.5
      27.94±17.94
      エスポー®注射液1500IU(n=16)
      22.66±6.88
      11.44±3.50
      1059.2±542.2
      29.75±21.45
      本剤3000IU(n=16)
      32.97±9.92
      12.75±4.58
      1518.0±565.9
      37.08±24.92
      エスポー®注射液3000IU(n=16)
      40.88±14.11
      11.81±2.56
      1494.0±402.7
      23.80±10.78
      平均値±標準偏差
    〈エスポー®注射液〉
    1. 健康成人
      健康成人男性7例に300IUを単回静脈内投与したときの血漿中濃度は、投与後、t1/2 0.4時間及び7.0時間の2相性の消失を示した。
      エスポー及びプラセボを静脈内投与したときの血漿中濃度推移
    2. 透析施行中の腎不全患者
      透析施行中の腎不全患者11例に300IUを単回静脈内投与したときの血漿中濃度は、健康成人とほぼ同様の推移を示し、t1/2は6.0時間であった。1500IU(8例)又は3000IU(12例)を静脈内投与したときのt1/2はそれぞれ5.9時間又は7.5時間であり、投与量の増加に伴い血漿中からの消失はやや緩やかとなった。
      エスポーを静脈内投与したときの血漿中濃度推移
    3. 未熟児
      極小未熟児3例に200IU/kgを単回皮下投与したとき、Cmaxは434.0mIU/mLを示し、t1/2は10.4時間であった。
      エスポーを皮下投与したときの血清中濃度推移

分布

〈エスポー®注射液〉
  1. 組織移行性
    1. 静脈内投与
      雄性ラットに125I-エポエチン アルファ 60IU/kgを静脈内投与したとき、骨髄、甲状腺、血液、腎臓、脾臓、肺、肝臓及び副腎に高い放射能が認められた。
    2. 皮下投与
      雄性ラットに125I-エポエチン アルファ 200IU/kgを皮下投与したとき、骨髄、脾臓、腎臓及び血漿に高い放射能が認められた。

排泄

〈エスポー®注射液〉
健康成人男性7例に300IUを単回静脈内投与したとき、投与後24時間までに投与量の0.88%が尿中へ排泄された。極小未熟児2例に200IU/kgを皮下投与したとき、投与後48時間までに投与量の0.18%が排泄された。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈本剤〉〈透析施行中の腎性貧血〉
  1. 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験
    血液透析施行中の腎性貧血患者329例(本剤群166例、エスポー®注射液群163例)を対象とした二重盲検比較試験において、本剤又はエスポー®注射液を24週間静脈内投与した結果、主要評価項目であるヘモグロビン濃度変化量は、本剤群0.13±0.73g/dL(平均値±標準偏差、以下同様)、エスポー®注射液群0.08±0.81g/dL、変化量の差は0.05g/dL(両側95%信頼区間:-0.12、0.22)であり、両側95%信頼区間が同等性の許容域(-0.5g/dL以上0.5g/dL以下)の範囲内であったことから、本剤とエスポー®注射液の同等性が検証され、本剤の1回1500又は3000IUの週2~3回投与は、エスポー®注射液の同用量と同等の貧血改善効果を有することが確認された。副作用発現頻度は本剤投与群で23.5%(39/166例)、エスポー®注射液投与群で15.3%(25/163例)であった。本剤投与群で発現した主な副作用は血圧上昇6例(3.6%)及び好酸球増多4例(2.4%)であった。
    透析施行中の腎性貧血患者におけるヘモグロビン濃度推移(平均値±標準偏差)
  2. 国内第Ⅲ相長期投与試験
    血液透析施行中の腎性貧血患者143例を対象とした長期投与試験において、本剤投与により長期に亘り安定した貧血改善維持効果が確認された。副作用発現頻度は23.8%(34/143例)であった。主な副作用は血圧上昇8例(5.6%)、頭痛、高血圧及びそう痒症各3例(2.1%)であった。
〈エスポー®注射液〉〈透析施行中の腎性貧血〉
  1. 国内一般臨床試験及び国内二重盲検比較試験
    透析施行中の腎性貧血患者650例に対して、エポエチン アルファ(遺伝子組み換え)注射剤1500~3000IUを毎透析終了時に静脈内投与したとき、貧血改善効果は602例に認められ、その有効率は92.6%であった。8週間投与におけるヘマトクリットの上昇は1500IU投与群で平均6.4%、3000IU投与群で平均8.4%であった。腎性貧血の改善に伴い自他覚症状(動悸、息切れ、皮膚粘膜の蒼白など)の改善が認められた,,,,,
〈未熟児貧血〉
  1. 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験
    未熟児貧血患児72例に対して、エポエチン アルファ(遺伝子組み換え)注射剤200IU/kgを週2回皮下投与したとき、貧血改善効果は62例に認められ、その有効率は86.1%であり、最低ヘモグロビン濃度低下抑制効果及び輸血回避効果が認められた,,各試験の副作用発現頻度は以下のとおりであった。
    • 国内後期第Ⅱ相試験における副作用の発現は認められなかった。
    • 国内第Ⅲ相非盲検比較試験の副作用発現頻度は2.8%(1/36例)であった。認められた副作用は、血圧上昇であった。
    • 国内第Ⅲ相一般臨床試験の副作用発現頻度は3.8%(1/26例)であった。認められた副作用は、血圧上昇であった。

その他

〈エスポー®注射液〉
  1. 輸血量に及ぼす影響
    国内第Ⅱ相試験から移行した透析施行中の腎性貧血患者を対象とした長期投与試験において、エポエチン アルファ(遺伝子組み換え)注射剤投与開始前3ヵ月と試験期間48週の輸血量を比較した結果、輸血を受けていた症例は40例から6例に減少し、総輸血量も236単位から20単位に減少した。

薬効薬理

作用機序
本剤は、主に骨髄中の赤芽球系前駆細胞に発現しているhEPO受容体に結合し、赤血球への分化・増殖を促進する。
エリスロポエチン受容体への作用
〈本剤〉
  1. ヒトエリスロポエチン受容体発現細胞であるBaF/EPOR細胞を用いた受容体結合試験において、本剤はヒトエリスロポエチン受容体に対して高い親和性を示した(in vitro)。
  2. ヒトエリスロポエチン依存性増殖能を示すBaF/EPOR細胞において、濃度依存的な細胞増殖作用を示した(in vitro)。また、ヒト骨髄赤芽球系前駆細胞において、後期赤芽球前駆細胞(CFU-E)及び前期赤芽球前駆細胞(BFU-E)のコロニー数を濃度依存的に増加させた(in vitro)。
正常及び病態モデル動物に対する作用
〈本剤〉
  1. 正常ラットへの単回静脈内及び単回皮下投与により網状赤血球数を用量依存的に増加させた。また、週3回の3週間静脈内投与により持続的にヘモグロビン濃度を上昇させた,
  2. 5/6腎臓摘出により作製した腎性貧血モデルラットにおいて、週3回の3週間静脈内投与により持続的にヘモグロビン濃度を上昇させた,
造血作用
〈エスポー®注射液〉
エポエチン アルファ(遺伝子組み換え)注射剤を正常ラットに静脈内投与したとき、用量及び投与回数に依存して顕著な造血効果が認められた。また、部分腎摘出ラット、ゲンタマイシン誘導腎障害ラット及び遺伝性囊胞腎マウスを用いた腎性貧血モデルで、エポエチン アルファ(遺伝子組み換え)注射剤の静脈内投与により、顕著な貧血改善が認められた,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エポエチン カッパ(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]Epoetin Kappa(Genetical Recombination)[Epoetin Alfa Biosimilar 1]
本質
エポエチン カッパは、遺伝子組換えヒトエリスロポエチンであり、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される。エポエチン カッパは、165個のアミノ酸残基からなる糖たん白質(分子量:約28,000)である。

取扱い上の注意

<エポエチンアルファBS注シリンジ>
  1. できるだけ使用直前までピロー包装からシリンジを取り出さないこと。外箱開封後は遮光して保存すること。
  2. シリンジ先端部のフィルム・チップキャップが外れている、またはシリンジの破損等の異常が認められるときは使用しないこと。

包装

〈エポエチンアルファBS注750シリンジ「JCR」〉
0.5mL[10シリンジ]
〈エポエチンアルファBS注1500シリンジ「JCR」〉
1mL[10シリンジ]
〈エポエチンアルファBS注3000シリンジ「JCR」〉
2mL[10シリンジ]
〈エポエチンアルファBS注750「JCR」〉
0.5mL[10バイアル]

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文献請求先及び問い合わせ先

キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター
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