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モニラック原末

生理的腸管機能改善・高アンモニア血症用剤

1g 6.5円

添付文書番号

3999001B2047_1_04

企業コード

450045

作成又は改訂年月

2019年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872359

薬効分類名

生理的腸管機能改善・高アンモニア血症用剤

承認等

販売名

モニラック原末

販売名コード

3999001B2047

販売名英字表記

MONILAC Powder

販売名ひらがな

もにらっくげんまつ

承認番号等

承認番号
21800AMX10338

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ラクツロース

禁忌(次の患者には投与しないこと)

ガラクトース血症の患者[本剤はガラクトース(1%以下)及び乳糖(1%以下)を含有する。]

組成・性状

組成

モニラック原末
有効成分
1g中
結晶性ラクツロース 1000mg
(結晶性ラクツロースは、ラクツロース(C12H22O11)97.0%以上を含有する。)

製剤の性状

モニラック原末
剤形散剤
色調白色~微黄色

効能又は効果

  • 高アンモニア血症に伴う下記症候の改善
    精神神経障害、手指振戦、脳波異常
  • 産婦人科術後の排ガス・排便の促進
  • 小児における便秘の改善

用法及び用量

〈高アンモニア血症に伴う症候の改善及び産婦人科術後の排ガス・排便の促進〉
通常、成人1日量19.5~39.0gを高アンモニア血症の場合3回、産婦人科術後の排ガス・排便の目的には朝夕2回に分けて経口投与する。
年齢、症状により適宜増減する。
〈小児における便秘の改善〉
小児便秘症の場合、通常1日0.33~1.30g/kgを3回に分けて経口投与する。
投与量は便性状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)
消化器系副作用が増強される可能性がある。
α-グルコシダーゼ阻害剤により増加する未消化多糖類及びラクツロースは、共に腸内細菌で分解されるため、併用により腸内ガスの発生や下痢等が増加する可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
消化器
下痢注2)
悪心、嘔吐、腹痛、腹鳴、鼓腸、食欲不振等
注1)発現頻度は市販後調査を含む。
注2)水様便が惹起された場合には減量するか、又は投与を中止すること。

薬物動態

血中濃度

健康成人5例にラクツロースシロップ剤30mL(ラクツロースとして19.5g)を経口投与した結果、吸収されたラクツロースは4時間で最高血中濃度(平均56.8μg/mL)となり、12時間後の血中にはほとんど検出されなかった。
また、7~10歳の健康小児4例にラクツロースシロップ剤0.5mL/kg(ラクツロースとして325mg/kg)を経口投与した結果、吸収されたラクツロースは4時間で最高血中濃度(平均85.5μg/mL)となった。

吸収

健康成人5例にラクツロースシロップ剤30mL(ラクツロースとして19.5g)を経口投与した結果、ラクツロースの吸収は極めて微量であった。
また、7~10歳の健康小児4例にラクツロースシロップ剤0.5mL/kg(ラクツロースとして325mg/kg)を経口投与した結果、成人の場合と同様ラクツロースとしての吸収は極めて微量であった。

排泄

健康成人5例にラクツロースシロップ剤30mL(ラクツロースとして19.5g)を経口投与した結果、尿中排泄は0~4時間で最高(93.0±30.6mg/4hr)となり、12時間で投与量の0.65%が未変化のまま排泄された。
また、7~10歳の健康小児4例にラクツロースシロップ剤0.5mL/kg(ラクツロースとして325mg/kg)を経口投与した結果、尿中排泄は0~4時間で最高(50.9±26.2mg/4hr)となり、12時間で投与量の1.01%が未変化のまま排泄された。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈高アンモニア血症に伴う精神神経障害、手指振戦、脳波異常の改善〉
  1. 国内臨床試験
    評価対象35例中の臨床症状有効率は94.3%(33/35例)であり、副作用は悪心が1例に認められた。
〈産婦人科術後の排ガス・排便の促進〉
  1. 国内臨床試験
    評価対象46例中の排ガスに関する有効率は50.0%(23/46例)、排便に関する有効率は89.1%(41/46例)であり、副作用は下痢が2例、腹痛と嘔気が各1例に認められた。
〈小児における便秘の改善〉
  1. 国内臨床試験
    評価対象19例中の排便に関する改善率は63.2%(12/19例)、随伴症状改善率は57.9%(11/19例)であり、これらより評価した総合改善率は73.7%(14/19例)であった。副作用は下痢が1例に認められた。

薬効薬理

作用機序
  1. ヒト消化管粘膜にはラクツロースを単糖類に分解する酵素がないので、経口投与されたラクツロースの大部分は消化吸収されることなく下部消化管に達し、細菌による分解をうけて有機酸(乳酸、酢酸等)を生成しpHを低下させた。その結果、pH値酸性側で十分生育できるLactobacillusは増加し、Bacteroides、E. coli等は減少した,
  2. 下部消化管に達したラクツロースは、その浸透圧作用により緩下作用を発揮するが、さらにウサギ腸管を用いた実験によりラクツロースの分解により生成した有機酸が腸管運動を亢進させることが示された。
  3. ヒト腸管ではpHが高いほどアンモニアの腸管吸収率の高いことが認められているが、ラクツロースの分解によって生成した有機酸により腸管内pHが低下するため、腸管でのアンモニア産生及びアンモニアの腸管吸収が抑制され、血中のアンモニアが低下した,
  4. ヒトの高アンモニア血症等の肝障害に対しては、多くの場合食事性蛋白の制限を必要とするがラクツロースの経口投与により蛋白摂取の増量が可能となり、血清アルブミン値の改善が認められた。
エネルギー量
  1. 本剤は1gあたり約2kcalのエネルギーを有するので、1日量19.5~39.0gのエネルギー量は39~78kcalに相当する。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ラクツロース(Lactulose)(JAN)
化学名
β-D-Galactopyranosyl-(1→4)-D-fructose
分子式
C12H22O11
分子量
342.30
性状
結晶性ラクツロースは、白色~微黄色の結晶性の粉末である。
水及びホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

着色度が進むことがあるので、高温を避けて保存すること。

包装

200g(プラスチック容器)
6.5g(分包)×84包(21包×4)
9.8g(分包)×56包(14包×4)

主要文献

1
日野原好和, 他. 応用薬理. 1974;8(4):417-20.
2
小林昭夫, 他. 小児科臨床. 1977;30(8):1419-23.
3
林茂樹, 他. 診療と新薬. 1999;36(5):383-97.
4
矢島正純, 他. 臨床婦人科産科. 1997;51(12):1359-64.
5
辻敦敏, 他. 小児科診療. 1998;61(3):451-9.
6
Hoffmann K, et al. Klin Wochenschr. 1964;42(3):126-30.
7
Hoffmann K, et al. Schweiz Med Wochenschr. 1969;99(16):608-9.
8
柿本守夫, 他. 産婦人科の世界. 1978;30(5):531-9.
9
Vince A, et al. Gut. 1973;14(3):171-7.
10
Castell DO, et al. Gastroenterology. 1971;60(1):33-42.
11
満谷夏樹, 他. 肝臓. 1973;14(12):761-71.

文献請求先及び問い合わせ先

中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706
Fax:0120-189705
https://www.chugai-pharm.co.jp/

製造販売業者等

製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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