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ユーパスタコーワ軟膏

褥瘡・皮膚潰瘍治療剤

1g 16.4円

添付文書番号

2699801V1106_1_09

企業コード

270072

作成又は改訂年月

2022年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87269

薬効分類名

褥瘡・皮膚潰瘍治療剤

承認等

販売名

ユーパスタコーワ軟膏

販売名コード

2699801V1106

販売名英字表記

U-PASTA KOWA Ointment

販売名ひらがな

ゆーぱすたこーわなんこう

承認番号等

承認番号
21800AMX10403

販売開始年月

1991年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

精製白糖ポビドンヨード

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ユーパスタコーワ軟膏
有効成分
100g中
精製白糖 70.0g
ポビドンヨード 3.0g
添加剤
マクロゴール400、濃グリセリン、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ペクチン、水素添加大豆リン脂質、ヨウ化K、クエン酸、水酸化Na

製剤の性状

ユーパスタコーワ軟膏
性状
褐色の軟膏剤(水溶性軟膏剤)である。

効能又は効果

褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤による治療は保存的治療であることに留意し、症状の改善傾向が認められない場合は外科的療法等を考慮すること。
  2. 熱傷潰瘍に本剤を使用する場合、本剤の対象は熱傷後の二次損傷により生じた熱傷潰瘍であるので、新鮮熱傷に対しては他の適切な療法を考慮すること。

用法及び用量

症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。
潰瘍面を清拭後、1日1~2回ガーゼにのばして貼付するか、又は患部に直接塗布しその上をガーゼで保護する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 甲状腺機能に異常のある患者
    ポビドンヨード投与により血中ヨウ素値の調節ができず、甲状腺ホルモン関連物質に影響を与える可能性がある。

腎機能障害患者

  1. 腎不全のある患者
    ポビドンヨード投与により血清中総ヨウ素濃度が著しく高くなることが報告されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。長期にわたる広範囲の使用は避けること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。長期にわたる広範囲の使用は避けること。

小児等

新生児にポビドンヨードを使用し、甲状腺機能低下症を起こしたとの報告がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、じん麻疹等があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
ヨード疹注2)
皮膚注3)
疼痛、発赤、刺激感、皮膚炎、そう痒感
甲状腺
血中甲状腺ホルモン値(T3、T4値等)の上昇あるいは低下などの甲状腺機能異常注2)
注1)発現頻度は使用成績調査を含む。
注2)ポビドンヨードで報告がある。
注3)これらの症状が強い場合には使用を中止すること。

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 眼科用に使用しないこと。
  2. 他剤と混合して使用しないこと。
  3. 患部の清拭消毒を行うこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 膣内にポビドンヨードを使用し、血中無機ヨウ素値及び血中総ヨウ素値が上昇したとの報告がある。
  2. 本剤はヨウ素含有製剤であるので、大量使用及び長期連用時には甲状腺機能の変動に注意すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 白糖
    1. 単回塗布
      14Cで標識した白糖を用いて調製した本剤100mgをラット皮膚欠損創に4時間及び損傷皮膚に24時間単回塗布(各4匹)したとき、それぞれ塗布後1時間以内に最高血中濃度53及び105μg eq./mLに達し、以後速やかに減少した。
  2. ヨウ素
    1. 単回塗布
      本剤100mgをラット皮膚欠損創に10時間、損傷皮膚及び熱傷潰瘍にそれぞれ24時間単回塗布(各4匹)したとき、ヨウ素の最高血中濃度は皮膚欠損創及び損傷皮膚で塗布後1時間に3.2及び5.1μg/mLを示し、熱傷潰瘍では塗布後6時間に1.85μg/mLを示した。また塗布終了時までのAUCはそれぞれ21.7、74.1、23.6μg・hr/mLであった,
    2. 反復塗布
      本剤100mgをラット損傷皮膚に14日間反復塗布(4匹)したとき、ヨウ素の最高血中濃度は1日目の塗布後1時間に6.1μg/mLを示し、4日目以降低下した。

吸収

  1. 白糖
    14Cで標識した白糖を用いて調製した本剤100mgをラット皮膚欠損創及び損傷皮膚に単回塗布したとき、白糖は速やかに経皮吸収され、その吸収は皮膚欠損創よりも損傷皮膚の方が大きかった。
  2. ヨウ素
    本剤100mgをラット正常皮膚、皮膚欠損創、損傷皮膚及び熱傷潰瘍に単回塗布したとき、ヨウ素の経皮吸収は正常皮膚ではほとんど認められず、熱傷潰瘍、皮膚欠損創、損傷皮膚の順に増加した,

分布

  1. ヨウ素
    本剤100mgをラット皮膚欠損創に単回塗布したとき、甲状腺内ヨウ素濃度の上昇は観察されなかった,。また、本剤100mgをラット損傷皮膚に14日間反復塗布したとき、甲状腺内ヨウ素量は若干の増加を示し、4日目以降ほぼ同レベルを推移したが、投与終了3ヵ月後には塗布前値となった。

排泄

  1. 白糖
    14Cで標識した白糖を用いて調製した本剤100mgをラット皮膚欠損創及び損傷皮膚に単回塗布したとき、両者とも呼気及び糞中にほとんど排泄されず、大部分が尿中に排泄され、その大半が塗布後4時間以内に排泄された。
  2. ヨウ素
    本剤100mgをラット皮膚欠損創及び損傷皮膚に単回塗布したとき、大部分が尿中に排泄され、その大半が塗布後1~2日に排泄された,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈褥瘡〉
  1. 国内臨床試験
    褥瘡患者に本剤を原則1日1~2回、1~52週間塗布した結果、本剤の有効率(有効以上)は66.1%(216/327例)であり、褥瘡面積の50%以上の縮小が59.1%(192/325例)の症例に認められた。主な症状別改善率は肉芽形成で73.4%、表皮形成で70.0%であった。そのうち、国内比較臨床試験(78例)において有用性が認められ、細菌検査を実施した試験において、細菌の消失は38.8%(26/67例)に認められた,,,,,,,,,,
〈皮膚潰瘍〉
  1. 国内臨床試験
    皮膚潰瘍患者に本剤を原則1日1~2回、1~18週間塗布した結果、本剤の種々の皮膚潰瘍に対する有効率(有効以上)は79.3%(142/179例)であり、潰瘍面積の50%以上の縮小が73.0%(130/178例)の症例に認められた。主な症状別改善率は肉芽形成で84.4%、膿性分泌物の改善で84.4%であった。そのうち、国内比較臨床試験(50例)において有用性が認められ、細菌検査を実施した試験において、細菌の消失は62.5%(35/56例)に認められた,,,,,

薬効薬理

作用機序
本剤に含まれるポビドンヨードは殺菌作用を有している。また、本剤に含まれる白糖の創傷治癒作用は、局所的浸透圧の上昇による浮腫軽減及び線維芽細胞の活性化に基づくと考えられている。
創傷治癒作用
  1. 本剤をラット欠損創及び皮膚潰瘍モデルに塗布した結果、肉芽新生及び表皮再生促進とともに治癒日数の短縮を、また糖尿病マウスの欠損創において肉芽組織及び血管数の増加を認めた,,
  2. 本剤をラット切創モデルに塗布した結果、創耐張力の増加を認めた。
  3. 白糖の創傷治癒過程に対する影響
    1. 70%白糖水溶液をラット欠損創モデルに塗布し、治癒過程を検討した結果、表皮においては分裂期表皮細胞数の増加が、真皮においては創傷早期に線維芽細胞の増殖を促進させるヒアルロン酸の増加が認められた。
    2. 80%白糖水溶液をラット切創モデルに塗布し、治癒過程を組織学的に検討した結果、創傷部の浮腫が軽度で、新生血管及び線維芽細胞に富み、膠原線維の再生を伴う発達した肉芽組織が認められた。
殺菌作用
本剤は褥瘡・皮膚潰瘍面から分離された臨床分離株(細菌3種(P. aeruginosa, S. aureus, S. epidermidis)、真菌1種(C. albicans))及び保存標準株(細菌5種(P. aeruginosa, S. aureus, E. coli, K. pneumoniae, B. subtilis)、真菌1種(A. niger))に対して殺菌作用を示した,

有効成分に関する理化学的知見

精製白糖
一般的名称
精製白糖(Sucrose)
化学名
β-D-Fructofuranosyl α-D-glucopyranoside
分子式
C12H22O11
分子量
342.30
性状
白色の結晶性の粉末、又は光沢のある無色あるいは白色の結晶である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
化学構造式
ポビドンヨード
一般的名称
ポビドンヨード(Povidone-Iodine)
化学名
Poly[1-(2-oxopyrrolidin-1-yl)ethylene]iodine
分子式
(C6H9NO)nxI
性状
暗赤褐色の粉末で、僅かに特異なにおいがある。水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。1.0gを水100mLに溶かした液のpHは1.5~3.5である。
化学構造式

取扱い上の注意

  1. 直射日光又は高温を避けて保存すること。
  2. 開封後は乾燥を防ぐため密栓して保存すること。

包装

プラスチック容器:100g、500g
チューブ:30g×10、100g、100g×10

主要文献

1
Danziger Y, et al.: Arch Dis Child. 1987; 62: 295-6.
2
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3
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甲重雄他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 21-30.
5
阿部晴康他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 31-42.
6
阿部晴康他.: 薬理と治療. 1991; 19: 3855-62.
7
今村貞夫他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 255-80.
8
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9
今村貞夫他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 119-32.
10
KT-136皮膚潰瘍研究班.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 133-46.
11
大谷清他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 147-56.
12
松井千尋他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 157-75.
13
青山久他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 177-90.
14
平本力他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 191-206.
15
海塚安郎他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 207-28.
16
古田勝経他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 229-36.
17
荒金兆典他.: 皮膚. 1989; 31: 102-8.
18
KT-136関西地区研究班.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 237-54.
19
江藤義則他.: 薬理と治療. 1991; 19: 3843-50.
20
江藤義則他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 7-14.
21
江藤義則他.: 薬理と治療. 1991; 19: 3835-41.
22
石重明他.: 日本皮膚科学会雑誌. 1996; 106: 403-8.
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江藤義則他.: 皮膚科紀要. 1987; 82: 355-7.
24
秋葉知英他.: 西日本皮膚科. 1988; 50: 1060-8.
25
武内英二他.: 皮膚科紀要. 1987; 82: 359-63.
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朝田康夫他.: 薬理と治療. 1991; 19: 3851-4.
27
古志朋之他.: 薬理と治療. 1989; 17(Suppl.1): 15-20.

文献請求先及び問い合わせ先

興和株式会社 くすり相談センター
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話 0120-508-514
03-3279-7587
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)

製造販売業者等

製造販売元
興和株式会社
東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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