医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩錠0.125mg「F」

子宮収縮止血剤

1錠 9.8円

添付文書番号

2531002F1222_1_11

企業コード

670109

作成又は改訂年月

2024年3月改訂
(第3版)

日本標準商品分類番号

872531

薬効分類名

子宮収縮止血剤

承認等

販売名

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩錠0.125mg「F」

販売名コード

2531002F1222

承認番号等

承認番号
22000AMX00590

販売開始年月

1996年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩錠

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  2. 児頭娩出前[子宮破裂、胎児死亡のおそれがある。]
  3. 本剤又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者
  4. 重篤な虚血性心疾患又はその既往歴のある患者[冠動脈の攣縮により、狭心症、心筋梗塞が誘発されることがある。]
  5. 敗血症の患者[血管収縮に対する感受性が増大し、症状が悪化するおそれがある。]
  6. HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル含有製剤、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル含有製剤)、エファビレンツ、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール)、コビシスタット含有製剤、ニルマトレルビル・リトナビル、レテルモビル、エンシトレルビル、レナカパビル、5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)、エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリンを投与中の患者

組成・性状

組成

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩錠0.125mg「F」
有効成分
1錠中 日局 メチルエルゴメトリンマレイン酸塩 0.125mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、プロピレングリコール、酸化チタン、黄色5号、青色2号、カルナウバロウ

製剤の性状

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩錠0.125mg「F」
外形
表面
側面
大きさ
大きさ(直径)
5.1mm
大きさ(厚さ)
2.3mm
質量
52.5mg
識別コード
(PTPシート)
FJTJ
色・剤形
茶色の円形のフィルムコーティング錠

効能又は効果

子宮収縮の促進ならびに子宮出血の予防及び治療の目的で次の場合に使用する。
胎盤娩出後、子宮復古不全、流産、人工妊娠中絶

用法及び用量

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩として、通常、成人1回0.125~0.25mgを1日2~4回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 高血圧症、妊娠高血圧症候群又は子癇の患者、心疾患又は閉塞性血管障害のある患者
    血管収縮作用により、これらの症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患のある患者
    本剤の代謝・排泄が遅延するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝疾患のある患者
    本剤の代謝・排泄が遅延するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。子宮収縮作用により、子宮内胎児への悪影響、流産のおそれがある。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。

相互作用

本剤は主にCYP3A4で代謝される。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ)
アタザナビル(レイアタッツ)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
ダルナビル含有製剤(プリジスタ、プリジスタナイーブ、プレジコビックス、シムツーザ)
エファビレンツ(ストックリン)
アゾール系抗真菌薬
イトラコナゾール(イトリゾール)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
ポサコナゾール(ノクサフィル)
コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド)
レテルモビル(プレバイミス)
エンシトレルビル(ゾコーバ)
レナカパビル(シュンレンカ)
本剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
5-HT1B/1D受容体作動薬
スマトリプタン(イミグラン)
ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
エレトリプタン(レルパックス)
リザトリプタン(マクサルト)
ナラトリプタン(アマージ)
エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与すること。
これらの薬剤との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ブロモクリプチン
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。
機序は明確ではないが、相互に血管収縮作用、血圧上昇作用を増強すると考えられる。
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
シメチジン
スチリペントール
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
ネビラピン
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導することから本剤の代謝が促進されると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. アナフィラキシー(頻度不明)
  2. 心筋梗塞、狭心症、冠動脈攣縮、房室ブロック(いずれも頻度不明)

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹等
循環器
動悸、頻脈、徐脈、胸痛、胸部圧迫感、血圧上昇、血圧低下等
血管系
静脈血栓、末梢循環障害、血管痙攣
精神神経系
頭痛、めまい、眠気、痙攣、耳鳴、幻覚、興奮、口渇、錯感覚等
消化器
悪心、嘔吐、下痢、腹痛等
筋・骨格系
筋痙攣
その他
胎盤嵌頓、多汗

過量投与

  1. 症状
    悪心、嘔吐、腹痛、しびれ感、手足の刺痛感、血圧上昇、血圧低下、呼吸抑制、低体温、痙攣、昏睡等を生じることがある。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬効薬理

作用機序
子宮平滑筋に選択的に作用して子宮を持続的に収縮させ、子宮血管を圧迫して止血効果を発現する。,,
子宮収縮作用
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩は、バッカクアルカロイドをメチル化した合成化合物であるが、エルゴメトリンと比べて、子宮収縮作用の強さと持続性が上昇している。臨床的には子宮収縮薬として使用される。 妊娠子宮に対してのみ収縮作用を示し、非妊娠子宮には殆んど作用しない。, 血圧上昇作用はエルゴメトリン、エルゴタミンより弱い。,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
(Methylergometrine Maleate)
化学名
(8R)-N-[(1S)-1-(Hydroxymethyl)propyl]-6-methyl-9,10-didehydroergoline-8-carboxamide monomaleate
分子式
C20H25N3O2・C4H4O4
分子量
455.50
性状
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。
水、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
光によって徐々に黄色となる。
融点:約190℃(分解)
化学構造式

取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
Osol A, et al.:The United States Dispensatory 27th ed., J. B. Lippincott, Philadelphia. 1973;745-746
2
田中 潔:現代の薬理学. 金原出版. 1984;394-399
3
Goth A.:Medical Pharmacology 5th. 丸善. 1971;462-464
4
第十七改正日本薬局方解説書. 廣川書店. 2016;C-5397-5400
5
Sandberg F, et al.:J Obstet Gynaecol Br Emp. 1959;66(3):417-423
6
Rothlin E, et al.:Helv Physiol Pharmacol Acta. 1954;12(3):191-205
7
Landersman R. and Mendelsohn B.:Am J Obstet Gynecol. 1956;72(1):84-92

文献請求先及び問い合わせ先

富士製薬工業株式会社 くすり相談室
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
(TEL)0120-956-792
(FAX)076-478-0336

製造販売業者等

製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL