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プロマック顆粒15%

亜鉛含有胃潰瘍治療剤

1g 38.5円

添付文書番号

2329027D1028_1_15

企業コード

380077

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872329

薬効分類名

亜鉛含有胃潰瘍治療剤

承認等

販売名

プロマック顆粒15%

販売名コード

2329027D1028

販売名英字表記

Promac granules 15%

販売名ひらがな

ぷろまっくかりゅう15%

承認番号等

承認番号
20600AMZ01118000

販売開始年月

1994年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年1ヶ月

基準名

日本薬局方
ポラプレジンク顆粒

一般的名称

ポラプレジンク

組成・性状

組成

プロマック顆粒15%
有効成分
1g中
日局ポラプレジンク  150mg
添加剤
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、ポビドン、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE

製剤の性状

プロマック顆粒15%
剤形棒状の顆粒
色調微黄白色
においなし

効能又は効果

胃潰瘍

用法及び用量

通常、成人にはポラプレジンクとして1回75mgを1日2回朝食後及び就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行がみられたとの報告がある。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量(1日100mg)するなど患者の状態を観察しながら投与することが望ましい。一般に消化器機能が低下していることがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ペニシラミン製剤
同時に服用することにより、併用薬剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、同時に服用させないなど注意して投与すること。
同時投与した場合、本剤が併用薬剤とキレートを形成し、吸収を低下させる可能性がある。
レボチロキシンナトリウム
同時に服用することにより、併用薬剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、同時に服用させないなど注意して投与すること。
同時投与した場合、本剤が併用薬剤とキレートを形成し、吸収を低下させる可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  2. 銅欠乏症(頻度不明)
    本剤は亜鉛を含有するため、亜鉛により銅の吸収が阻害され銅欠乏症を起こすことがある。栄養状態不良の患者で銅欠乏に伴う汎血球減少や貧血が報告されている。

その他の副作用

0.1%~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感
蕁麻疹
血液
好酸球増多、白血球減少、血小板減少
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
消化器
便秘、嘔気、腹部膨満感
嘔吐、胸やけ、下痢
注)発現頻度の算出には使用成績調査を含む

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与(絶食下)
    健康成人男性7名に本剤0.5g(ポラプレジンクとして75mg)を単回経口投与した結果、血漿中亜鉛濃度は投与後1.6時間で最高値(Cmax:1.9μg/mL)に達した 。
  2. 連続投与注1)
    健康成人男性6名に本剤を反復経口投与(1日目:ポラプレジンクとして150mgを朝食後に投与、2~6日目:ポラプレジンクとして150mgを1日3回毎食後投与、7日目:ポラプレジンクとして150mgを朝食絶食下投与)した際の血漿中亜鉛濃度は、下図のように推移した 。
    注1)本データは通常1回用量(75mg)又は、1日用量(150mg)を超えたものである。

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男性6名に朝食後に本剤1g(ポラプレジンクとして150mg)を投与すると、絶食下に本剤1g(ポラプレジンクとして150mg)を投与した際に比べ、Tmaxは延長し、Cmax及びAUCが低下したことから、食事の影響が認められた 。

分布

  1. 胃粘膜への分布
    ラット酢酸潰瘍においてポラプレジンク3mg/kgを単回経口投与した結果、潰瘍部位の亜鉛濃度は投与後12時間まで投与前値(内因性亜鉛濃度)に比べ高値を示した 。

代謝

本剤は吸収過程で亜鉛とL-カルノシンに解離し、L-カルノシンはさらにL-ヒスチジン及びβ-アラニンに代謝される。これらアミノ酸及び吸収された亜鉛は、それぞれ内因性の代謝系に従って挙動するものと考えられた,,

排泄

  1. 尿中排泄
    本剤投与による亜鉛の尿中排泄率注2) は、健康成人男性6名にポラプレジンクとして150mg単回投与において、絶食時0.47%であった。また、健康成人男性6名にポラプレジンクとして1回150mg 1日3回7日間連続投与において、1日の尿中亜鉛排泄率は、0.21%~0.46%であった 。
    注2)ポラプレジンク非投与時の内因性尿中亜鉛量を差し引いて算出。
  2. 糞中排泄
    健康成人男性6名にポラプレジンクとして1回300mg絶食下経口投与による糞中亜鉛の累積排泄率は、投与後24時間までで41.4%、投与後48時間までで58.8%であった 。ポラプレジンク投与後24時間までの累積において、糞中に排泄された亜鉛量は、投与前の約2倍であったが、亜鉛の吸収率は低いことから、未吸収の亜鉛によるものと考えられる。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 第III相試験
    16歳以上75歳以下で、内視鏡検査により胃潰瘍(潰瘍のステージA1、A2)と診断された患者299例を対象に、本剤を1日1gポラプレジンクとして150mg(75mg 1日2回)または塩酸セトラキサート800mg(200mg 1日4回)を8週間、または内視鏡検査で潰瘍の治癒が確認されるまで投与した。内視鏡的治癒率は、最終判定において本剤群51.1%(67/131例)、塩酸セトラキサート群38.6%(49/127例)であった。自他覚症状改善度及び内視鏡判定を総合した最終改善度判定で、著明改善の率は本剤群で50.4%(66/131例)、塩酸セトラキサート群で37.0%(47/127例)であった。副作用は両群で1例も認められなかった 。
  2. 一般臨床試験
    16歳以上75歳以下で、内視鏡検査により胃潰瘍(潰瘍のステージA1、A2、H1)の合併が確認された慢性肝炎・肝硬変症の患者10例(慢性肝炎6例、肝硬変4例)を対象に、本剤1日1gポラプレジンクとして1日150mgを12週間、または内視鏡検査で潰瘍の治癒が確認されるまで投与した。8週後の累積治癒率は40.0%(2/5例)であった。自他覚症状改善度及び内視鏡判定を総合した最終改善度判定では、著明改善の率は8週後に40.0%(2/5例)、12週後に33.3%(1/3例)、最終評価時50.0%(3/5例)であった。副作用は1例も認められなかった 。

薬効薬理

作用機序
本剤は、胃粘膜損傷部位に特異的に付着し 、再生粘膜における増殖細胞の促進、潰瘍部位のヒドロキシプロリン量を増加させ創傷治癒促進作用を示す, 。また、内因性プロスタグランジンを介さず、抗酸化作用及び膜安定化作用により直接細胞保護作用を示す 。
実験潰瘍に対する作用
ラットにおける急性潰瘍モデルである水浸拘束ストレス潰瘍、塩酸エタノール潰瘍、無水エタノール潰瘍、幽門結紮アスピリン潰瘍、低温拘束ストレス潰瘍、熱傷ストレス潰瘍、レセルピン潰瘍、AAPH胃粘膜損傷及び虚血-再血流胃粘膜損傷に対し、抑制効果を示す。また、ラットにおける慢性潰瘍モデルである酢酸潰瘍、鉄-アスコルビン酸潰瘍に対して治癒促進効果を認め、ヒドロコルチゾン負荷酢酸潰瘍に対しても再発・再燃抑制作用を示す,,,,
胃粘膜への付着性
潰瘍底及び潰瘍辺縁部粘膜に対する親和性が高く、長時間付着し、潰瘍部位を被覆し、直接保護して治癒促進効果を示す (ラット)。
胃粘膜防御能に対する作用
正常ラットの胃粘膜電位差、胃粘膜被覆粘液量及び胃粘膜血流量にはほとんど影響を及ぼさず、アスピリン胃内適応により生ずる胃粘膜電位差の低下、無水エタノール投与による胃粘膜被覆粘液量及び胃粘膜血流量の減少を抑制する,,,
細胞保護作用
ラットの胃粘膜プロスタグランジンE2量には影響を及ぼさず、内因性プロスタグランジンを介さない細胞保護作用を示す (ラット)。
膜安定化作用
胃粘膜障害によるライソゾーム酵素の遊離及び肥満細胞の脱顆粒を抑制する作用を有する (in vitro)。
フリーラジカルに対する作用
活性酸素の消去作用、多形核白血球からの活性酸素産生抑制作用及び過酸化脂質生成抑制作用を示す (in vitro)。また、フリーラジカル反応の関与する虚血-再血流胃粘膜損傷、AAPH胃粘膜損傷及び鉄-アスコルビン酸潰瘍において過酸化脂質量の増加を抑制する,, (ラット)。
創傷治癒促進作用
モルモット皮膚切創モデルにおいて耐創張力、ヒドロキシプロリン量及び血管新生量を増加させ、ラット酢酸潰瘍に対しても、再生粘膜における増殖細胞の促進、潰瘍部位のヒドロキシプロリン量を増加させ、創傷治癒促進作用を示す,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ポラプレジンク(JAN)〔polaprezinc(JAN、INN)〕
化学名
catena-Poly{zinc-μ-[β-alanyl-L-histidinato(2-)-N,NN,O:Nτ]}
分子式
(C9H12N4O3Zn)n
分子量
測定できない。
性状
本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
本品は水、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
本品は希塩酸に溶ける。
化学構造式
融点
260~270℃で徐々に黄褐色に変化し、さらに320℃まで加熱すると、褐色は濃くなるが、溶融しない。(日局一般試験法融点測定法第1法)
分配係数
測定できない。

取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

包装

0.5g×140(2包×14枚×5)
0.5g×700(2包×14枚×5×5)
0.5g×1400(2包×14枚×5×10)
500g(瓶、バラ)

主要文献

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佐野 廣 他:Arzneim.Forsch/Drug Res.,1991; 41(II),965-975
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外山誠司 他:Arzneim.Forsch/Drug Res.,1991; 41(II),976-983
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古田 盛 他:薬物動態,1993; 8(5),1057-1063
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三好秋馬 他:薬理と治療,1992; 20(1),199-223
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清木雅雄 他:日薬理誌,1992; 99(4),255-263
9
清木雅雄 他:日薬理誌,1992; 100(2),165-172
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