麻薬投与前後あるいは投与と同時に皮下、筋肉内、又は静脈内注射する。
投与される麻薬の種類、用法、用量等に応じて種々の投与法を行うが、一般に次の投与法が適当である。
投与量比率
レボルファノール/レバロルファン酒石酸塩 10:1
皮下又は静脈内注射
例・・・・・・レボルファノール3mg及びレバロルファン酒石酸塩0.3mg
モルヒネ/レバロルファン酒石酸塩 50:1
皮下又は静脈内注射
例・・・・・・モルヒネ15mg及びレバロルファン酒石酸塩0.3mg
アルファプロジン塩酸塩/レバロルファン酒石酸塩 50:1
皮下又は静脈内注射
例・・・・・・アルファプロジン塩酸塩60mg及びレバロルファン酒石酸塩1.2mg
ペチジン塩酸塩/レバロルファン酒石酸塩 100:1
筋肉内又は静脈内注射
例・・・・・・ペチジン塩酸塩100mg及びレバロルファン酒石酸塩1mg
(1)産科的応用
○麻薬投与による母体及び胎児の呼吸抑制の予防
レバロルファン酒石酸塩はそれぞれ適当な比率で麻薬と同時に皮下あるいは筋肉内注射し、以後は必要に応じて30分以上の間隔で各1/2量を投与する。
○分娩時麻薬によって起こる新生児の呼吸抑制の予防(レバロルファン酒石酸塩を麻薬と併用していない場合)
分娩前5~10分にレバロルファン酒石酸塩1~2mgを静脈内注射する。
○新生児の麻薬による呼吸抑制の治療
分娩後直ちに臍帯静脈にレバロルファン酒石酸塩0.05~0.1mgを注射する。
○産婦の麻薬による呼吸抑制の治療
(4)の用法・用量に準ずる。
(2)補助薬として麻薬を用いた麻酔
○麻薬による呼吸抑制の治療
レバロルファン酒石酸塩0.5~1.5mgを静脈内注射する。
○麻薬による呼吸抑制の予防
レバロルファン酒石酸塩を適当な比率で麻薬と共与、あるいは麻薬投与の4~6分前に静脈内注射する。
投与後の呼吸機能が十分であれば更にレバロルファン酒石酸塩を投与する必要はないが、長時間にわたる手術あるいは麻酔終了時患者の呼吸機能が不十分であれば、更にレバロルファン酒石酸塩0.4~0.6mgを1~数回投与する。
(3)術前・術後又は内科での麻薬投与時
術前・術後の疼痛緩解のため及び内科患者に麻薬を投与した時に起こる呼吸抑制の予防には、必要に応じ、適当な比率で麻薬と同時に皮下あるいは筋肉内注射する。
(4)成人の麻薬過量投与による呼吸抑制の治療
○過剰量が不明の場合
レバロルファン酒石酸塩1mgを静脈内注射し、効果が現れれば更に必要に応じて3分間隔で0.5mgを1~2回投与する。
○麻薬及びその過剰量がわかっている場合
適当な比率で静脈内注射し、必要があれば次いで3分間隔でその1/2量ずつ1~2回投与する。