添付文書番号
2183002M1374_1_06
企業コード
460028
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
872183
薬効分類名
高脂質血症治療剤
承認等
販売名
クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」
販売名コード
販売名英字表記
Clofibrate Capsules 250mg「Tsuruhara」
販売名ひらがな
くろふぃぶらーとかぷせる250みりぐらむつるはら
承認番号等
販売開始年月
貯法、有効期間
基準名
規制区分
一般的名称
クロフィブラート
禁忌(次の患者には投与しないこと)
胆石又はその既往歴のある患者〔本剤はコレステロールの胆汁中への排泄を促進するので、胆石形成能が上昇するおそれがある。〕
妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
組成・性状
組成
クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」
有効成分 | 1カプセル中 クロフィブラート250mg |
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添加剤 | 赤色102号、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ゼラチン、グリセリン、D-ソルビトール |
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製剤の性状
クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」
剤形 | 軟カプセル剤 |
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色調 | 赤色透明の球形 |
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大きさ | 大きさ(直径) 約8mm |
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質量 | 334.52mg |
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内容物 | 無色~淡黄色の澄明な油状の液 |
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効能又は効果
用法及び用量
クロフィブラートとして、通常成人1日750~1500mgを2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
重要な基本的注意
あらかじめ高脂質血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に検討した上で、食事療法又は他の療法で効果が不十分の場合にのみ適用を考慮すること。
投与中は、血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
特定の背景を有する患者に関する注意
腎機能障害患者
腎障害を有する患者
投与にあたっては患者の腎機能を検査した上で投与の可否を決定し、血清クレアチニン値に応じ減量又は投与間隔の延長等を行うこと。急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがある。
腎障害の既往歴のある患者
本剤の代謝、排泄が抑制され、症状の悪化をまねくおそれがある。
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
肝機能障害患者
肝機能障害又はその既往歴のある患者
本剤の代謝、排泄が抑制され、症状の誘発又は悪化をまねくおそれがある。
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。胎児への移行が報告されている。
授乳婦
小児等
高齢者
本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強く、また主として腎臓から排泄される。高齢者では、血漿アルブミンが減少している場合が多く、また、腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し副作用が発現しやすい。
相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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HMG-CoA還元酵素阻害薬 プラバスタチンナトリウム シンバスタチン フルバスタチンナトリウム等 | 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。 | 危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者 |
経口抗凝血剤 ワルファリン等 | 経口抗凝血剤の作用を増強するので、併用する場合にはプロトロンビン時間を測定して、経口抗凝血剤の量を調節するなど、慎重に投与すること。 | 機序は不明 |
経口糖尿病用剤 トルブタミド等 | 経口糖尿病用剤の作用を増強するので、血糖値を測定し、慎重に投与すること。 | 経口糖尿病用剤と血漿蛋白との結合を本剤が置換することによると考えられる。 |
リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下することがある。 | リファンピシンの肝代謝酵素(P-450)誘導作用により、本剤の肝代謝が促進される。 |
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
横紋筋融解症(頻度不明)
特に腎機能障害を有する患者において、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急激に腎機能が悪化することがあるので注意すること。
無顆粒球症(頻度不明)
無顆粒球症があらわれることがある。
その他の副作用
| 頻度不明 |
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血液 | 白血球数の変動、好中球減少症 |
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肝臓 | 肝腫脹、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、黄疸 |
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胆のう | 胆石 |
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筋肉注1) | 筋肉痛、CK上昇 |
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中枢神経系 | 頭痛、めまい、脱力感、眠気等 |
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過敏症注2) | 発疹、瘙痒等 |
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消化器 | 悪心、食欲不振、胃部不快感、便秘、下痢、胸やけ等 |
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その他 | 胸部圧迫感、心悸亢進、不整脈、性欲減退、脱毛、インポテンス、体重増加 |
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注1)このような場合には減量又は休薬すること。注2)このような場合には投与を中止すること。
適用上の注意
薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
その他の注意
臨床使用に基づく情報
虚血性心疾患の一次予防効果を検討するために、健常男子を対象に二重盲検法にて本薬もしくはプラセボを平均5.3年間投与したところ、投与中止約1年後及び約4.3年後の追跡調査では本薬投与群で総死亡率は有意に高かったが、約7.9年後の最終追跡調査では本薬投与群における総死亡率の増加はプラセボ投与群に比べ有意ではなかったことが報告されている。
非臨床試験に基づく情報
ラット及びマウスに長期間臨床用量の10倍量(300mg/kg)を投与したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある。
薬効薬理
作用機序
作用機序は必ずしも明確ではないが、核内受容体であるPPARαを活性化し、リポタンパク質リパーゼ発現量を増加させて血漿トリグリセリド値を低下させるのが主作用と考えられている。これら以外にも、肝トリグリセリドリパーゼの活性化による中比重リピタンパク質(IDL)からLDLへの転換促進、コレステロール及びトリグリセリドの合成抑制、LDL受容体の活性化、コレステロールの代謝・排泄の促進などが認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
クロフィブラート(Clofibrate)
化学名
Ethyl 2-(4-chlorophenoxy)-2-methylpropanoate
分子式
C12H15ClO3
分子量
242.70
性状
クロフィブラートは無色~淡黄色の澄明な油状の液で、特異なにおいがあり、味は初め苦く後に甘い。メタノール、エタノール(95)、エタノール(99.5)、ジエチルエーテル又はヘキサンと混和し、水にほとんど溶けない。光によって徐々に分解する。
化学構造式
取扱い上の注意
包装
PTP:100錠(10 錠×10)、1,000錠(10錠×100、乾燥剤入り)
主要文献
1
第十八改正日本薬局方解説書(2021)広川書店C-1758 – C-1762
文献請求先及び問い合わせ先
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