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閲覧履歴

ザクラス配合錠HD

持続性AT1レセプターブロッカー/持続性Ca拮抗薬配合剤

1錠 95円

添付文書番号

2149121F1021_1_12

企業コード

400256

作成又は改訂年月

2023年5月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

持続性AT1レセプターブロッカー/持続性Ca拮抗薬配合剤

承認等

販売名

ザクラス配合錠LD

販売名コード

2149121F1021

販売名英字表記

ZACRAS Combination Tablets LD

販売名ひらがな

ざくらすはいごうじょうLD

承認番号等

承認番号
22600AMX00542

販売開始年月

2014年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ザクラス配合錠HD

販売名コード

2149121F2028

販売名英字表記

ZACRAS Combination Tablets HD

販売名ひらがな

ざくらすはいごうじょうHD

承認番号等

承認番号
22600AMX00543

販売開始年月

2014年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アジルサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分あるいは他のジヒドロピリジン系化合物に対する過敏症の既往歴のある患者
  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  3. アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)

組成・性状

組成

ザクラス配合錠LD
有効成分
アジルサルタン  20mg
有効成分
アムロジピンベシル酸塩  3.47mg
アムロジピンとして  2.5mg
添加剤
乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄
ザクラス配合錠HD
有効成分
アジルサルタン  20mg
有効成分
アムロジピンベシル酸塩  6.93mg
アムロジピンとして  5mg
添加剤
乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、黄色三二酸化鉄

製剤の性状

ザクラス配合錠LD
剤形フィルムコーティング錠
大きさ
大きさ(直径)
8.2mm
大きさ(厚さ)
約4.7mm
識別コード274
錠剤の色
微赤色
形状(上面)
形状(下面)
形状(側面)
ザクラス配合錠HD
剤形フィルムコーティング錠
大きさ
大きさ(直径)
8.2mm
大きさ(厚さ)
約4.7mm
識別コード275
錠剤の色
微黄色
形状(上面)
形状(下面)
形状(側面)

効能又は効果

高血圧症

効能又は効果に関連する注意

  1. 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
  2. 原則として、アジルサルタン20mg及びアムロジピンとして2.5〜5mgを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、本剤への切り替えを検討すること。

用法及び用量

成人には1日1回1錠(アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

用法及び用量に関連する注意

以下のアジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の用法及び用量並びに用法及び用量に関連する注意等を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
〈アジルサルタン〉
用法及び用量
通常、成人にはアジルサルタンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は40mgとする。
用法及び用量に関連する注意
アジルサルタンの降圧効果を考慮し、アジルサルタン適用の可否を慎重に判断するとともに、20mgより低用量からの開始も考慮すること。
〈アムロジピンベシル酸塩〉
  • 高血圧症
用法及び用量
通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。

重要な基本的注意

  1. 本剤は、アジルサルタン20mgとアムロジピンとして2.5mgあるいは5mgとの配合剤であり、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
  2. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
  3. 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
  4. アムロジピンベシル酸塩は血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
  2. 高カリウム血症の患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
  3. 脳血管障害のある患者
    過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
  4. 厳重な減塩療法中の患者
    アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。
  5. 薬剤過敏症の既往歴のある患者

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者
    腎機能を悪化させるおそれがある。アジルサルタンの血中濃度の上昇が認められた。
  2. 血液透析中の患者
    アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。

肝機能障害患者

中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:7~9)でアジルサルタンの血中濃度の上昇が報告されている。臨床試験では、高度な肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:10以上)は除外されていた。また、アムロジピンベシル酸塩は主として肝臓で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。

生殖能を有する者

  1. 妊娠する可能性のある女性
    妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている,
    本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。
    1. 本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
    2. 次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
      • 妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
      • 妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
      • 妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、アムロジピンベシル酸塩は動物試験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にアジルサルタンを強制経口投与すると、0.3mg/kg/日以上の群で出生児に腎盂拡張が認められ、10mg/kg/日以上で体重増加の抑制が認められている。また、アムロジピンベシル酸塩はヒト母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

次の点に注意し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
  • アムロジピンベシル酸塩は体内動態試験で血中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が認められている。

相互作用

アムロジピンベシル酸塩の代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アリスキレンフマル酸塩
ラジレス
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
降圧作用を有する薬剤
降圧作用が増強されるおそれがある。
相互に作用を増強するおそれがある。
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン、
トリアムテレン、
エプレレノン等
カリウム補給剤
塩化カリウム等
血清カリウム値が上昇することがある。
アジルサルタンのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。
危険因子:特に腎機能障害のある患者
利尿降圧剤
フロセミド、
トリクロルメチアジド等
アジルサルタンを初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがある。
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、アジルサルタンが奏効しやすい。
アリスキレンフマル酸塩
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
リチウム
アジルサルタンとの併用において、リチウム中毒が起こるおそれがある。
アジルサルタンにより腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
インドメタシン等
降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害することから、降圧作用を減弱させる可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
インドメタシン等
腎機能障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。
CYP3A4阻害剤
エリスロマイシン、
ジルチアゼム、
リトナビル、
イトラコナゾール等
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇したとの報告がある。
アムロジピンベシル酸塩の代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
CYP3A4誘導剤
リファンピシン等
アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が低下するおそれがある。
アムロジピンベシル酸塩の代謝が促進される可能性が考えられる。
グレープフルーツジュース
アムロジピンベシル酸塩の降圧作用が増強されるおそれがある。
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンベシル酸塩の代謝を阻害し、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
シンバスタチン
アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。
機序は不明である。
タクロリムス
アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。
アムロジピンベシル酸塩とタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 血管浮腫(頻度不明)
    顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。
  2. ショック、失神、意識消失(頻度不明)
    冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
  3. 急性腎障害(頻度不明)
  4. 高カリウム血症(頻度不明)
  5. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
  6. 横紋筋融解症(頻度不明)
    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
  7. 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(頻度不明)
  8. 房室ブロック(頻度不明)
    徐脈、めまい等の初期症状があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
湿疹
発疹、そう痒、じん麻疹、光線過敏症、多形紅斑、血管炎
循環器
めまい、ふらつき、浮腫、心房細動、徐脈、動悸、血圧低下、ほてり(熱感、顔面潮紅等)、期外収縮
胸痛、洞房又は房室ブロック、洞停止、頻脈
精神神経系
頭痛
頭重、眠気、振戦、末梢神経障害、気分動揺、不眠、錐体外路症状
代謝異常
血中尿酸上昇、糖尿病
血中カリウム上昇、血清コレステロール上昇、高血糖、尿中ブドウ糖陽性
消化器
下痢、心窩部痛、便秘、口内炎
軟便、嘔気、嘔吐、口渇、消化不良、排便回数増加、腹部膨満、胃腸炎、膵炎
肝臓
ALT、AST、AL-P、γ-GTPの上昇
LDH上昇、腹水
血液
ヘモグロビン減少
赤血球減少、白血球増加、紫斑
腎臓
クレアチニン上昇
BUN上昇、頻尿、夜間頻尿、尿管結石、尿潜血陽性、尿中蛋白陽性、勃起障害、排尿障害
その他
血中CK上昇、(連用により)歯肉肥厚
筋緊張亢進、筋痙攣、背痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、しびれ、脱力感、耳鳴、鼻出血、味覚異常、疲労、咳、発熱、視力異常、呼吸困難、異常感覚、多汗、血中カリウム減少、女性化乳房、脱毛、鼻炎、体重増加、体重減少、疼痛、皮膚変色

過量投与

  1. 症状
    過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
  2. 処置
    特異的な解毒薬はない。本剤の配合成分であるアジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。また、アムロジピンベシル酸塩服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンベシル酸塩のAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピンベシル酸塩過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
因果関係は明らかでないが、アムロジピンベシル酸塩による治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人(26例)にアジルサルタン/アムロジピンとして20mg/5mg配合錠又はアジルサルタン20mg及びアムロジピンとして5mg(単剤併用)を絶食下で単回経口投与した時、アジルサルタンとアムロジピンのそれぞれの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであり、生物学的同等性が認められた。
    血漿中濃度の推移
    アジルサルタン及びアムロジピンの薬物動態学的パラメータ
    測定物質
    投与方法
    Cmax(ng/mL)
    Tmax(h)
    AUC0-inf(ng・h/mL)
    T1/2(h)
    アジルサルタン
    配合錠投与
    1,963.1±270.3
    2.00 (1.5 - 5.0)
    15,987.4±4,216.7
    10.4±1.2
    単剤併用投与
    1,939.9±226.8
    2.00 (1.5 - 3.0)
    15,374.4±4,042.3
    10.5±1.6
    アムロジピン
    配合錠投与
    3.5±0.5
    5.0 (4 – 6)
    130.2±33.6
    38.8±6.3
    単剤併用投与
    3.7±0.7
    5.0 (5 – 5)
    138.9±38.1
    41.6±7.5
    (平均値±標準偏差)
    Tmaxは中央値(最小値- 最大値)

吸収

健康成人(12例)にアジルサルタン/アムロジピンとして20mg/5mg配合錠を絶食下又は朝食後に単回経口投与した時、アジルサルタン、アムロジピンのCmax、AUCに食事による影響はみられなかった。

代謝

アジルサルタンは脱炭酸により代謝物M-Ⅰに、また、CYP2C9により代謝物M-Ⅱに代謝される。なお、M-Ⅰ及びM-ⅡのAT1受容体の阻害作用は未変化体の約1/1,000であった(in vitro,。アジルサルタンはCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4を阻害せず、CYP3Aを誘導しなかった(in vitro)。
カルシウム拮抗薬のアムロジピンは主にCYP3A4により代謝される。

排泄

健康成人(12例)にアジルサルタン/アムロジピンとして20mg/5mg配合錠を絶食下で単回経口投与した時、投与120時間までの累積尿中排泄率はアジルサルタンは16.6%、アムロジピンは6.6%であった。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    腎機能の程度が異なる高血圧症患者(eGFR注1)が15〜30未満の重度腎機能障害者4例、30〜60未満の中等度腎機能障害者10例、60以上の正常〜軽度腎機能障害者8例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間反復経口投与した時注2)、正常〜軽度腎機能障害者と比較して中等度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.3%、16.7%増加し、重度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ8.9%、39.3%増加した。また、腎機能障害を伴う高血圧症患者にアジルサルタン10〜40mg(10mgより開始)を1日1回10週間投与した時注2)、中等度腎機能障害者(22例)と比較して重度腎機能障害者(19例)のトラフ時血漿中薬物濃度は35.1〜61.3%増加し、重篤な腎機能障害者(eGFR注1)が15未満)(4例)のトラフ時血漿中薬物濃度は51.0〜91.9%増加した。
    注1)男性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287
    女性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287×0.739
    注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。
  2. 肝機能障害患者
    軽度〜中等度肝機能障害者(Child-Pugh注3)スコアが5〜6の軽度肝機能障害者8例、7〜9の中等度肝機能障害者8例、計16例)及び健康成人(16例)にアジルサルタンメドキソミル注4)として40mgを5日間反復経口投与した時注2)、健康成人と比較して軽度肝機能障害者のCmaxは7.7%減少、AUCは27.9%増加、中等度肝機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.9%、64.4%増加した(外国人データ)。
    肝硬変患者(Child分類A、B、計5例)にアムロジピンとして2.5mgを単回投与した時注2)、健康成人と比較して投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、T1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかった。
    注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。
    注3)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類
    注4)アジルサルタンのプロドラッグ体(国内未承認)
  3. 高齢者
    健康な高齢者(65歳以上85歳以下、24例)及び非高齢者(18歳以上45歳以下、24例)にアジルサルタン40mgを1日1回5日間反復経口投与した時注2)、高齢者のCmax、AUC(初回投与から8日目)は、非高齢者と比較してそれぞれ15.6%、9.0%減少した(外国人データ)。
    高齢高血圧症患者(平均年齢79.7歳、6例)にアムロジピンとして5mgを単回投与、及び1日1回8日間反復経口投与した時注2)、若年健康者(平均年齢22.3歳、6例)と比較して単回投与時のCmax、AUC、反復投与最終時のCmaxはいずれも有意に高値を示したが、T1/2に有意差は認められなかった。反復投与時の高齢高血圧症患者の血清中アムロジピン濃度は、若年健康者よりも高く推移したが、そのパターンは若年健康者に類似しており、高齢高血圧症患者でその蓄積が増大する傾向は認められなかった。
    注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。

薬物相互作用

  1. アジルサルタンとアムロジピン
    健康成人(18例)にアジルサルタン40mg及びアムロジピンとして5mgを単回単独投与及び単回併用投与した時注2)、アジルサルタン、アムロジピンのCmax、AUCに併用投与による影響はみられなかった。
  2. アジルサルタンとフルコナゾール
    健康成人(18例)にフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)200mgを1日1回7日間反復投与及びアジルサルタン40mgを単回経口併用投与(フルコナゾール投与7日目)した時注2)、アジルサルタンのCmax、AUCは、単独投与時と比較してそれぞれ14.1%、42.1%増加した(外国人データ)。
    注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相検証試験
    Ⅰ度又はⅡ度本態性高血圧症患者を対象に、アジルサルタン/アムロジピン(例数)として20mg/0mg(151例)、20mg/2.5mg(151例)、20mg/5mg(150例)、0mg/2.5mg(76例)又は0mg/5mg(75例)を1日1回8週間投与した二重盲検比較試験の結果は以下のとおりである。
    治療期終了時のトラフ時座位拡張期/収縮期血圧変化量(mmHg:平均値±標準偏差)は、20mg/0mg投与群は-13.9±8.47/-21.5±12.23、20mg/2.5mg投与群は-19.2±8.78/-31.4±13.26、20mg/5mg投与群は-22.3±8.47/-35.3±11.50、0mg/2.5mg投与群は-11.6±7.38/-19.3±11.65及び0mg/5mg投与群は-15.5±7.97/-26.4±10.07であった。
    また、トラフ時座位拡張期血圧変化量は20mg/2.5mg投与群は20mg/0mg投与群及び0mg/2.5mg投与群に比べ、又20mg/5mg投与群は20mg/0mg投与群及び0mg/5mg投与群に比べ有意な差が認められ、トラフ時座位収縮期血圧変化量も同様の有意な差がみられた(全てp<0.0001、一元配置分散分析モデルを用いた対比検定)。
    なお、投与前のトラフ時座位拡張期/収縮期血圧(mmHg:平均値)は99.9〜101.0/160.2〜161.1であった。
    副作用発現頻度は、20mg/2.5mg投与群で9.3%(14/151)、20mg/5mg投与群で5.3%(8/150)であり、主な副作用は、20mg/2.5mg投与群で血中クレアチンホスホキナーゼ増加3.3%(5/151)、20mg/5mg投与群で浮動性めまい2.7%(4/150)であった。
  2. 国内第Ⅲ相長期投与試験
    Ⅰ度又はⅡ度本態性高血圧症患者(368例)を対象に、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mg配合錠を1日1回52週間投与した時、降圧効果は持続し、安定した血圧コントロールが得られた。
    副作用発現頻度は、15.2%(56/368)であり、主な副作用は、体位性めまい3.0%(11/368)、浮動性めまい1.6%(6/368)及び血中尿酸増加1.4%(5/368)であった。

薬効薬理

作用機序
〈アジルサルタン〉
アジルサルタンはアンジオテンシンⅡタイプ1(AT1)受容体に結合してアンジオテンシンⅡと拮抗し、主にその強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下により降圧作用を示す。
〈アムロジピンベシル酸塩〉
細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続性を示し、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認められている。
レニン-アンジオテンシン系に及ぼす影響
健康成人(12例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間投与した時、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンⅠ濃度及びアンジオテンシンⅡ濃度の増加が認められた。

有効成分に関する理化学的知見

〈アジルサルタン〉
一般的名称
アジルサルタン(Azilsartan)〔JAN〕
化学名
2-Ethoxy-1-{[2'-(5-oxo-4,5-dihydro-1,2,4-oxadiazol-3-yl)biphenyl-4-yl]methyl}-1H-benzo[d]imidazole-7-carboxylic acid
分子式
C25H20N4O5
分子量
456.45
性状
アジルサルタンは白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
190℃
〈アムロジピンベシル酸塩〉
一般的名称
アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)〔JAN〕
化学名
3-Ethyl 5-methyl (4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
分子式
C20H25ClN2O5・C6H6O3S
分子量
567.05
性状
アムロジピンベシル酸塩は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
化学構造式
融点
約198℃(分解)

包装

〈ザクラス配合錠LD〉
PTP 100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、瓶(500錠バラ)
〈ザクラス配合錠HD〉
PTP 100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、瓶(500錠バラ)

主要文献

1
阿部真也 他:周産期医学. 2017;47:1353-1355.
2
齊藤大祐 他:鹿児島産科婦人科学会雑誌. 2021;29:49-54.
3
堀本政夫 他:応用薬理. 1991;42(2):167-176.
4
Naito T. et al. :J. Hum. Lact. 2015;31(2):301-306.
5
桑島巌 他:老年医学. 1991;29(6):899-902.
6
Laine K. et al. :Br. J. Clin. Pharmacol. 1997;43:29-33.
7
アジルサルタン/アムロジピン配合錠の薬物動態試験成績①(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.3)
8
アジルサルタン/アムロジピン配合錠の薬物動態試験成績②(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.1)
9
アジルサルタンの代謝に関する検討①(2012年1月18日承認、CTD 2.6.4.1)
10
アジルサルタンの代謝に関する検討②(2012年1月18日承認、CTD 2.6.2.1)
11
アジルサルタンの腎機能障害患者における薬物動態試験成績(2012年1月18日承認、CTD 2.7.2.2)
12
アジルサルタンの臨床試験成績①(2012年1月18日承認、CTD 2.7.2.2)
13
アジルサルタンの肝機能障害者における薬物動態試験成績(2012年1月18日承認、CTD 2.7.6.17)
14
足立幸彦 他:薬理と治療. 1991;19(7):2923-2932.
15
アジルサルタンの薬物動態試験成績①(2012年1月18日承認、CTD 2.7.6.15)
16
アジルサルタンとアムロジピンの薬物相互作用試験成績(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.5)
17
アジルサルタンとフルコナゾールとの薬物相互作用試験成績(2012年1月18日承認、CTD 2.7.6.18)
18
アジルサルタン/アムロジピン配合錠の臨床試験成績①(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.7)
19
アジルサルタン/アムロジピン配合錠の臨床試験成績②(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.8)
20
山中教造 他:日薬理誌. 1991;97:167-178.
21
アジルサルタンの薬物動態試験成績②(2012年1月18日承認、CTD 2.7.6.5)

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武田薬品工業株式会社 くすり相談室
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