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プロチレリン酒石酸塩注射液0.5mg「日医工」

遷延性意識障害治療剤、脊髄小脳変性症治療剤、TSH分泌機能検査用剤

1管 374円

添付文書番号

7223401A1139_1_03

企業コード

530169

作成又は改訂年月

2024年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87119

薬効分類名

遷延性意識障害治療剤脊髄小脳変性症治療剤TSH分泌機能検査用剤TSH:甲状腺刺激ホルモン(Thyroid Stimulating Hormone)

承認等

販売名

プロチレリン酒石酸塩注射液0.5mg「日医工」

販売名コード

7223401A1139

販売名英字表記

Protirelin Tartrate Injection

販売名ひらがな

ぷろちれりんしゅせきさんえんちゅうしゃえき0.5mg「にちいこう」

承認番号等

承認番号
23000AMX00876000

販売開始年月

1997年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

プロチレリン酒石酸塩水和物注射液

組成・性状

組成

プロチレリン酒石酸塩注射液0.5mg「日医工」
有効成分
1管(1mL)中
プロチレリン酒石酸塩水和物  0.732mg
プロチレリンとして  0.5mg
添加剤
1管中
D-ソルビトール  50.0mg
塩化ナトリウム  0.3mg
塩化カリウム  0.46mg
pH調節剤  適量

製剤の性状

プロチレリン酒石酸塩注射液0.5mg「日医工」
pH5.5~6.5
浸透圧比0.9~1.1
(生理食塩液に対する比)
剤形・性状
水性注射剤
無色澄明の液

効能又は効果

  • 下記疾患に伴う昏睡、半昏睡を除く遷延性意識障害
    ・頭部外傷
    ・くも膜下出血、ただし、意識障害固定期間3週以内
  • 脊髄小脳変性症における運動失調の改善
  • 下垂体TSH分泌機能検査
    ①採血時間:本剤注射前と注射後30分に採血するが、必要に応じてさらに経時的に採血する。
    ②測定方法:TSH測定キットを使用し、ラジオイムノアッセイ法により測定する。
    ③正常範囲:血中TSHの正常範囲はラジオイムノアッセイの操作法及び判定基準により若干異なるので、施設ごとに設定すべきであるが、通常、正常人では本剤投与後30分でピークに達し、血中TSH値は10μU/mL以上になる。また、投与前の血中TSH値は5μU/mL以下である。

用法及び用量

〈遷延性意識障害の場合(ただし、昏睡、半昏睡を除く)〉
通常、成人には疾患に応じて、下記の用量を1日1回10日間静注又は点滴静注する。静脈内注射の場合は、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は注射用水5~10mLに希釈して、徐々に注射する。
1)頭部外傷:1回プロチレリン酒石酸塩水和物として0.732~2.92mg(プロチレリンとして0.5~2mg)
2)くも膜下出血(ただし、意識障害固定期間3週以内):1回プロチレリン酒石酸塩水和物として2.92mg(プロチレリンとして2mg)
〈脊髄小脳変性症の場合〉
通常、成人には1日1回プロチレリン酒石酸塩水和物として0.732~2.92mg(プロチレリンとして0.5~2mg)を筋肉内又は静脈内に注射するが、重症例にはプロチレリン酒石酸塩水和物として2.92mg(プロチレリンとして2mg)を注射する。
2~3週間連日注射した後、2~3週間の休薬期間をおく。以後、これを反復するか、週2~3回の間歇注射を行う。
静脈内注射の場合は、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は注射用水5~10mLに希釈して、徐々に注射する。
〈下垂体TSH分泌機能検査の場合〉
通常、成人には1回プロチレリン酒石酸塩水和物として0.732mg(プロチレリンとして0.5mg)を静脈内又は皮下に注射する。
静脈内注射の場合は、生理食塩液あるいは注射用水5~10mLに希釈して、徐々に注射する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心障害のある患者
    本剤は血圧および脈拍数を一過性に上昇させることがある。
  2. 遺伝性果糖不耐症の患者
    本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。
  3. 下垂体腺腫の患者

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック様症状(頻度不明)
    一過性の血圧低下、意識喪失等があらわれることがある。
  2. 痙攣(頻度不明)
  3. 下垂体卒中(頻度不明)
    下垂体腺腫患者に投与した場合、頭痛、視力・視野障害等を伴う下垂体卒中があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には外科的治療等適切な処置を行うこと。
  4. 血小板減少(頻度不明)

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
脈拍数の変動、熱感、顔面潮紅感
動悸、胸部圧迫感、血圧の変動
消化器
悪心
心窩部不快感、嘔吐、食欲不振、腹痛、口渇、異味感
肝臓
ALTの上昇
Al-Pの上昇
ASTの上昇
血液
白血球減少
貧血
精神神経系
興奮、多弁、頭痛、めまい、しびれ感
振戦、不眠
不安
過敏症
発疹、そう痒
その他
尿意、発熱、発汗、悪寒、倦怠感、浮腫
排尿障害
脱力感、咽頭違和感、乳房腫大、乳汁分泌

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 静脈内投与にあたってはできるだけゆっくり投与すること。急速に静脈内注射すると、一過性の尿意、悪心、熱感等があらわれやすい。
  2. 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
    1. 同一部位への反復注射は行わないこと。
      なお、小児には特に注意すること。
    2. 神経走行部位を避けるよう注意すること。
    3. 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤の連用により、TRHに対するTSH分泌反応が低下するので、定められた投与期間を標準として投与すること。
  2. 本剤の連用によるTSH分泌反応低下は連用中止1週ないし2週後に回復するので、TRHテストを施行する場合はその後に行うこと。
  3. 甲状腺ホルモン剤、抗甲状腺剤、副腎皮質ステロイド剤投与中の患者ではTRHに対するTSH分泌反応が変化することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 点滴静注時の血中濃度
    健康成人にプロチレリンとして0.5、2mg(各4例)を120分間で点滴静注すると、血中プロチレリン濃度は投与開始15分後に0.5mg投与で663pg/mL(投与前値は126pg/mL)、2mg投与で3,150pg/mL(投与前値は101pg/mL)を示し、点滴中はほぼ同値を持続するが、終了後急速に低下する。0.5、2mg投与時の血中濃度の半減期はそれぞれ約18分、約9分である。
  2. 静注時の血中濃度
    健康成人(10例)にプロチレリンとして2mgを静注すると、血中プロチレリン濃度は投与5分後に16,660pg/mLを示し、30分後には1,003pg/mL、120分後には19.3pg/mLと速やかに低下する。血中濃度の半減期は4.5分である。
  3. 筋注時の血中濃度
    健康成人(5例)にプロチレリンとして2mgを筋注すると、血中プロチレリン濃度は、投与5分後に8,940pg/mLを示し、以後漸減するが、120分後でも283pg/mLであり、比較的長時間高値を持続する。血中濃度の半減期は19.6分である。

薬効薬理

作用機序
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンである。脳下垂体前葉での甲状腺刺激ホルモンTSH及びプロラクチンの産生を促進する。臨床的には、脳下垂体前葉でのTSH分泌能の診断薬として用いられる。他に脳エネルギー代謝改善作用を示すので、脳血管障害などの際の意識障害等に用いられる,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
プロチレリン酒石酸塩水和物(Protirelin Tartrate Hydrate)
化学名
5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-prolinamide monotartrate monohydrate
分子式
C16H22N6O4・C4H6O6・H2O
分子量
530.49
性状
白色~微帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約187℃(分解)

包装

1mL×10管

主要文献

1
仁瓶禮之 他:日本内分泌学会雑誌. 1979;55:1089-1097
2
仁瓶禮之 他:厚生省新薬開発研究 脊髄小脳変性症治療剤開発研究班(以下脊小開)昭和54年度研究業績. 1980:221-223
3
第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C5037-C5040
4
第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C5041-C5044

文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948

製造販売業者等

製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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