医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(医療用)

漢方製剤

1g 22.5円

添付文書番号

5200123D1079_1_17

企業コード

460026

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

875200

薬効分類名

漢方製剤

承認等

販売名

ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード

5200123D1079

販売名ひらがな

つむらはんげしゃしんとうえきすかりゅう(いりょうよう)

承認番号等

承認番号
16100AMZ03257000

販売開始年月

1986年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

半夏瀉心湯

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. アルドステロン症の患者[当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。]
  2. ミオパチーのある患者[当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。]
  3. 低カリウム血症のある患者[当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある。]

組成・性状

組成

ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(医療用)
有効成分
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス  4.5gを含有する。
有効成分
日局ハンゲ  5.0g
有効成分
日局オウゴン  2.5g
有効成分
日局カンキョウ  2.5g
有効成分
日局カンゾウ  2.5g
有効成分
日局タイソウ  2.5g
有効成分
日局ニンジン  2.5g
有効成分
日局オウレン  1.0g
添加剤
日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル

製剤の性状

ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(医療用)
剤形顆粒剤
色調黄褐色
識別コードツムラ/14
におい特異なにおい
僅かに甘くて辛い

効能又は効果

みぞおちがつかえ、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便または下痢の傾向のあるものの次の諸症:
急・慢性胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
  2. 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること。
  3. 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カンゾウ含有製剤
芍薬甘草湯
補中益気湯
抑肝散 等
グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン
グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等
ループ系利尿剤
アゾセミド
トラセミド
フロセミド 等
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
ヒドロクロロチアジド
ベンチルヒドロクロロチアジド 等
偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。
グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 間質性肺炎(頻度不明)
    咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
  2. 偽アルドステロン症(頻度不明)
    低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  3. ミオパチー(頻度不明)
    低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  4. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹等

適用上の注意

薬剤交付時の注意
口内炎に対して本剤を使用する場合は、口にふくんでゆっくり服用することができる。

薬効薬理

作用機序
  1. 胃粘膜防御作用
    ラットに経口投与したところ、タウロコール酸による胃粘膜リン脂質量低下、胃粘膜電位差の低下並びにH+の胃粘膜内逆拡散(back diffusion)がそれぞれ抑制され 、また、エタノールによる胃表層粘膜及び胃体部深層粘膜の粘液量減少が抑制された 。
  2. 抗炎症作用
    1. ラットに経口前投与したところ、塩酸イリノテカン 及びコレラ毒素 による大腸粘膜でのプロスタグランジンE2量増加が抑制された。
    2. ラットに経口投与したところ、血漿中コルチコステロン量が増加した(in vivo)。また、シクロオキシゲナーゼ-2活性を阻害した (in vitro)。
    3. ヒト口腔由来ケラチノサイト(HOK)において、IL-1β刺激によるプロスタグランジン(PG)E2,PGD2及びPGF産生を抑制した(in vitro)。また、COX-2高活性HOKにおいて、PGE2代謝活性を阻害した (in vitro)。
    4. ヒト肥満細胞樹立株(HMC-1)において、PMA及びA23187刺激によるインターロイキン(IL)-6産生を阻害した(in vitro)。また、カラゲニン誘発胸膜炎モデルマウスに経口前投与したところ、IL-6産生が抑制された 。
  3. 大腸水分吸収亢進作用
    ラットに経口投与したところ、大腸水分吸収能が亢進した 。また、経口前投与により塩酸イリノテカンによる大腸水分吸収能の低下が抑制された 。
  4. 消化管運動抑制作用
    ラット遠位結腸輪走筋において、自発収縮を抑制した。この作用はNO合成酵素非選択的阻害薬(L-NNA)あるいはグアニル酸シクラーゼ阻害薬(ODQ)処置により部分的に解除された。また、経壁神経刺激によって発生するコリン作動性神経由来の収縮反応を抑制した (in vitro)。
胃排出促進作用
  1. 上腹部愁訴を有し胃排出遅延の認められる慢性胃炎患者(n=8)に2週間投与したところ、胃排出能が促進した (アセトアミノフェン法)。
  2. ラットに経口投与したところ、胃排出能が促進した。また、経口前投与により塩化バリウムによる胃排出能低下が抑制された 。
胃粘膜障害に対する作用
ラットに経口前投与したところ、エタノールによる胃の出血性病変が軽減した 。
制吐作用
フェレットに経口前投与したところ、アポモルフィンによる嘔吐が抑制された 。
止瀉作用
  1. マウスに経口前投与したところ、ヒマシ油による下痢が抑制された 。
  2. ラットに経口前投与したところ、塩酸イリノテカンによる下痢及び体重減少が抑制された。また、回腸、下行結腸の絨毛及び陰窩細胞の変性・壊死並びに杯細胞の減少が抑制された 。

取扱い上の注意

  1. 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
  2. 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
  3. 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。

包装

500g[ボトル]
5kg(500g×10)[パウチ]
2.5g×42包[分包]
2.5g×189包[分包]

主要文献

1
坂上博ほか:消化器科. 1990;12(2):183-189
2
緒方優美ほか:薬理と治療. 1993;21(6):1747-1751
3
Kase, Y. et al. :Jpn. J. Pharmacol. 1997;75(4):407-413
4
Kase, Y. et al. :Biol. Pharm. Bull. 1998;21(2):117-120
5
Kase, Y. et al. :Biol. Pharm. Bull. 1998;21(12):1277-1281
6
Kono, T. et al. :Integr. Cancer Ther. 2014;13(5):435-445
7
池田孔己ほか:和漢医薬学雑誌. 1998;15(5):390-391
8
Kase, Y. et al. :Biol. Pharm. Bull. 1997;20(9):954-957
9
Kito, Y. et al. :Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 2012;303(9):G1059-G1066
10
原澤茂ほか:Prog. Med. 1993;13(11):2533-2539
11
Kase, Y. et al. :Biol. Pharm. Bull. 1997;20(11):1155-1159
12
Kase, Y. et al. :Biol. Pharm. Bull. 1996;19(10):1367-1370

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ツムラ お客様相談窓口
東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521
TEL:0120-329-970 FAX:03-5574-6610

製造販売業者等

製造販売元
株式会社ツムラ
東京都港区赤坂2-17-11

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL