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プソフェキ配合錠「サワイ」

アレルギー性疾患治療剤

1錠 16.4円

添付文書番号

4490100F1030_1_05

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2023年9月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

アレルギー性疾患治療剤

承認等

販売名

プソフェキ配合錠「サワイ」

販売名コード

4490100F1030

販売名英字表記

PUSOFEKI Combination Tablets [SAWAI]

販売名ひらがな

ぷそふぇきはいごうじょう

承認番号等

承認番号
30200AMX00239000

販売開始年月

2020年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

フェキソフェナジン塩酸塩塩酸プソイドエフェドリン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分及び塩酸プソイドエフェドリンと化学構造が類似する化合物(エフェドリン塩酸塩又はメチルエフェドリン塩酸塩を含有する製剤)に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 重症の高血圧の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  3. 重症の冠動脈疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  4. 閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  5. 尿閉のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
  6. 交感神経刺激薬による不眠、めまい、脱力、振戦、不整脈等の既往歴のある患者[塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用が強くあらわれるおそれがある。]

組成・性状

組成

プソフェキ配合錠「サワイ」
有効成分
日局フェキソフェナジン塩酸塩  30mg
有効成分
塩酸プソイドエフェドリン  60mg
添加剤
カルナウバロウ、クロスカルメロースNa、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、硬化油、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸、ステアリン酸Mg、タルク、ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール4000

製剤の性状

プソフェキ配合錠「サワイ」
剤形フィルムコーティング錠(徐放層を含む多層錠)
外形


大きさ
大きさ(直径)
17.5mm×7.8mm
大きさ(厚さ)
5.7mm
質量約586mg
識別コードプソフェキ 配合錠 サワイ
性状
うすいだいだい色

効能又は効果

アレルギー性鼻炎

効能又は効果に関連する注意

鼻閉症状が中等症以上の場合に本剤の使用を検討すること。

用法及び用量

通常、成人及び12歳以上の小児には1回2錠(フェキソフェナジン塩酸塩として60mg及び塩酸プソイドエフェドリンとして120mg)を1日2回、朝及び夕の空腹時に経口投与する。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用は鼻閉症状が強い期間のみの最小限の期間にとどめ、鼻閉症状の緩解がみられた場合には、速やかに抗ヒスタミン剤単独療法等への切り替えを考慮すること。本剤を2週間を超えて投与したときの有効性及び安全性は臨床試験では検討されていない。2週を超えて投与する場合には患者の症状を確認しながら投与すること。
  2. 効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 糖尿病の患者
    血糖値が上昇するおそれがある。
  2. 高血圧の患者(重症の高血圧の患者を除く)
    血圧が上昇するおそれがある。
  3. 虚血性心疾患の患者(重症の冠動脈疾患の患者を除く)
    虚血性心疾患が悪化するおそれがある。
  4. 眼圧上昇のある患者(閉塞隅角緑内障の患者を除く)
    眼圧が上昇するおそれがある。
  5. 甲状腺機能亢進症の患者
    交感神経刺激作用が増強するおそれがある。
  6. 前立腺肥大のある患者(尿閉のある患者を除く)
    排尿困難が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

適宜減量すること。塩酸プソイドエフェドリンは主として腎臓を経て尿中に排泄され、腎機能障害患者では排泄が遅延し、作用が強くあらわれるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。塩酸プソイドエフェドリンでは、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。また、フェキソフェナジン塩酸塩では、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、血中濃度が上昇する場合がある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エリスロマイシン
フェキソフェナジン塩酸塩の血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。
P糖蛋白の阻害によるフェキソフェナジン塩酸塩のクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。
水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)
フェキソフェナジン塩酸塩の作用を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。
水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムがフェキソフェナジン塩酸塩を一時的に吸着することにより吸収量が減少することによるものと推定される。
交感神経系に対し抑制的に作用する降圧剤
メチルドパ
レセルピン
降圧作用が減弱することがある。
塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用により、交感神経抑制作用を減弱する。
交感神経刺激薬
塩酸プソイドエフェドリンの心血管に対する作用が増強されることがある。
共に交感神経刺激作用を有するため。
選択的MAO-B阻害剤
セレギリン
血圧上昇等が起こるおそれがある。
セレギリンのMAO-B選択性が低下した場合、交感神経刺激作用が増強されると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    呼吸困難、血圧低下、意識消失、血管浮腫、胸痛、潮紅等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 痙攣(頻度不明)
  3. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。
  4. 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少(いずれも頻度不明)
  5. 急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
    発熱、紅斑、多数の小膿疱等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~0.5%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛、疲労
しびれ感、眠気、倦怠感、めまい、不眠、神経過敏、悪夢、睡眠障害、中枢神経刺激、激越、落ち着きのなさ、脱力、恐怖、不安、緊張、振戦、幻覚
消化器
口渇
便秘、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、虚血性大腸炎
過敏症
発疹
血管浮腫、そう痒、蕁麻疹、潮紅
肝臓
AST上昇、ALT上昇
腎臓・泌尿器
頻尿、排尿困難、尿閉
循環器
頻脈、動悸、血圧上昇、高血圧、不整脈、循環虚脱
その他
味覚異常、浮腫、胸痛、呼吸困難、食欲不振、蒼白、月経異常

臨床検査結果に及ぼす影響

フェキソフェナジン塩酸塩は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3〜5日前から本剤の投与を中止すること。

過量投与

  1. 症状
    〈フェキソフェナジン塩酸塩〉
    外国での過量投与症例として、高用量を服用した2例の報告があり、1800mgを服用した症例では症状はなく、3600mgを服用した症例では、めまい、眠気及び口渇がみられた。
    〈塩酸プソイドエフェドリン〉
    交感神経刺激薬を大量に投与すると、めまい感、頭痛、悪心、嘔吐、発汗、口渇、頻脈、前胸部痛、動悸、高血圧、排尿困難、筋力低下及び筋緊張、不安、落ち着きのなさ、不眠症、妄想や幻覚を伴う中毒性精神病、不整脈、循環虚脱、痙攣、昏睡、呼吸不全がみられることもある。塩酸プソイドエフェドリンの排泄は、尿pHが低下すると増加する。
  2. 処置
    〈フェキソフェナジン塩酸塩〉
    フェキソフェナジン塩酸塩は血液透析によって除去できない。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
    • 本剤は徐放層を含む錠剤であるため、噛んだり、砕いたりせず、水と一緒にそのまま服用すること。
    • 糞便中に、有効成分放出後の殻錠が排泄されることがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 日本人健康成人男子28例にフェキソフェナジン塩酸塩30mg・塩酸プソイドエフェドリン60mg配合錠(以下、配合錠)2錠又はフェキソフェナジン塩酸塩錠60mg1錠を反復経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジン及びプソイドエフェドリンのパラメータは以下のとおりであった。
    血漿中フェキソフェナジン濃度パラメータ
    投与量
    Cmax
    (ng/mL)
    AUC0-12
    (ng・hr/mL)
    tmax
    (hr)
    t1/2z
    (hr)
    CL/F
    (L/hr)
    初回投与後
    フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg1錠
    207±92.5
    1120±345
    2.00(1.00-6.00)
    配合錠2錠
    315±126
    1690±580
    1.75(1.00-5.00)
    1日2回5日間反復投与後
    フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg1錠
    286±133
    1610±589
    1.50(1.00-4.00)
    15.3±10.7
    41.7±13.7
    配合錠2錠
    328±148
    1790±613
    1.75(1.00-4.00)
    18.4±8.58
    37.6±12.9
    平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値-最大値)
    血漿中プソイドエフェドリン濃度パラメータ
    投与量
    Cmax
    (ng/mL)
    AUC0-12
    (ng・hr/mL)
    tmax
    (hr)
    t1/2z
    (hr)
    CL/F
    (L/hr)
    初回投与後
    配合錠2錠
    251±34.7
    2240±339
    5.00(3.00-6.00)
    1日2回5日間反復投与後
    配合錠2錠
    371±64.0
    3500±655
    5.00(2.50-6.02)
    6.39±1.40
    35.4±6.3
    平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値-最大値)
  2. 生物学的同等性試験
    プソフェキ配合錠「サワイ」〔処方変更前〕とディレグラ配合錠を健康成人男子にそれぞれ1錠(フェキソフェナジン塩酸塩として30mg、塩酸プソイドエフェドリンとして60mg)単回経口投与(クロスオーバー法)し、フェキソフェナジン及びプソイドエフェドリンの血漿中濃度を測定した注1)。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
    注1)フェキソフェナジンは空腹時投与試験を、徐放層に含まれるプソイドエフェドリンは空腹時及び食後投与試験を行った。
    1. フェキソフェナジン
      各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ
      Cmax
      (ng/mL)
      Tmax
      (hr)
      T1/2
      (hr)
      AUC0-24hr
      (ng・hr/mL)
      空腹時投与
      プソフェキ配合錠「サワイ」
      〔処方変更前〕
      146.5±71.4
      1.8±0.9
      5.0±0.8
      859.2±307.9
      ディレグラ配合錠
      131.4±57.7
      2.0±1.1
      4.9±0.9
      789.6±259.7
      (Mean±S.D., n=56)
    2. プソイドエフェドリン
      各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ
      Cmax
      (ng/mL)
      Tmax
      (hr)
      T1/2
      (hr)
      AUC0-48hr
      (ng・hr/mL)
      空腹時投与(n=56)
      プソフェキ配合錠「サワイ」
      〔処方変更前〕
      131.7±18.7
      5.0±1.5
      6.1±0.8
      2150.6±450.7
      ディレグラ配合錠
      129.8±18.1
      4.7±1.3
      6.3±1.0
      2026.8±445.6
      食後投与(n=20)
      プソフェキ配合錠「サワイ」
      〔処方変更前〕
      139.2±20.6
      4.5±1.5
      5.7±0.6
      2139.3±411.0
      ディレグラ配合錠
      146.2±20.6
      4.5±0.9
      6.3±1.0
      1977.3±432.7
      (Mean±S.D.)
      血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

吸収

  1. 食事の影響
    日本人健康成人男子に配合錠2錠を単回経口投与したとき、絶食時に対する食後投与時の血漿中プソイドエフェドリンのCmax及びAUC0-72の幾何平均比の90%両側信頼区間はそれぞれ0.96〜1.10及び0.90〜1.00であったのに対し、血漿中フェキソフェナジンではそれぞれ0.29〜0.43及び0.33〜0.43であった。
  2. バイオアベイラビリティ
    クロスオーバー法により、日本人健康成人男子28例に配合錠2錠又はフェキソフェナジン塩酸塩錠60mg1錠を1日2回5日間反復投与したときのフェキソフェナジンのバイオアベイラビリティは同様であった。

分布

健康成人にフェキソフェナジン塩酸塩40、200及び400mgを1日2回経口投与注2)したとき、投与後1時間及び12時間のフェキソフェナジンのin vivoにおける血漿蛋白との結合率は、13〜7359ng/mLの濃度範囲で60〜82%(69.4±5.9%)であった。
プソイドエフェドリンのin vivoにおける血漿蛋白との結合率は、0.2〜1.8μg/mLの濃度範囲で79.4±7.3%であった,
注2)成人におけるフェキソフェナジン塩酸塩の承認用量は1回60mg、1日2回である。

代謝

プソイドエフェドリンは、1%以下が肝臓でN-脱メチル化され、活性代謝物のノルプソイドエフェドリンへと代謝されることが報告されている。

排泄

健康成人男子8例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル60mg注3)を単回経口投与したときの投与後48時間までの尿中フェキソフェナジンの平均累積回収率は11.1%であった。
健康成人男子に14C-フェキソフェナジン塩酸塩溶液60mgを単回経口投与したとき、投与後11日までの尿及び糞中の回収率は91.5%で、放射能を示す分画のほとんどはフェキソフェナジンであり、糞中に約80%、尿中に約11.5%排泄された。プソイドエフェドリンは、投与後24時間以内に、投与量の43〜96%が未変化体として尿中に排泄される。消失半減期は、尿中pHが6未満で短縮し、8を超えると延長する可能性があることが報告されている,,,(外国人データ)。
注3)フェキソフェナジン塩酸塩カプセルとフェキソフェナジン塩酸塩錠60mgは生物学的に同等であった。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    成人の腎機能障害患者29例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mg注2)を単回投与したとき、クレアチニンクリアランス41〜80mL/min及び11〜40mL/minの患者におけるフェキソフェナジンのCmaxは健康成人に比し、それぞれ1.5倍及び1.7倍高く、平均消失半減期はそれぞれ1.6倍及び1.8倍長かった。また、透析患者(クレアチニンクリアランス:10mL/min以下)におけるフェキソフェナジンのCmaxは健康成人に比し、1.5倍高く、平均消失半減期は1.4倍長かった。なお、忍容性は良好であった(外国人データ)。
  2. 肝機能障害患者
    成人の肝機能障害患者17例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mg注2)を単回投与したとき、肝機能障害患者におけるフェキソフェナジンの薬物動態は、被験者間の分散も大きく、肝障害の程度による体内動態の差はみられなかった。Child-Pugh分類でB又はC1であった患者のフェキソフェナジンのAUC0-∞は2176ng・hr/mL、Cmaxは281ng/mL、t1/2は16.0hrであった。これらの値は健康若年者における値のそれぞれ1.2、1.1、1.2倍であった。なお、忍容性は良好であった(外国人データ)。
  3. 高齢者
    65歳以上の健康高齢者20例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mg注2)を単回投与したときのフェキソフェナジンのAUC0-∞は2906ng・hr/mL、Cmaxは418ng/mL、t1/2は15.2hrであった。これらの値は健康若年者における値のそれぞれ1.6、1.6、1.1倍であった。なお、忍容性は良好であった(外国人データ)。

薬物相互作用

外国人健康成人男子22例に、クロスオーバー法でフェキソフェナジン塩酸塩60mg錠、塩酸プソイドエフェドリン120mg錠(徐放剤)及び両剤を併用して反復経口投与したとき、定常状態下における、単独投与時に対する併用投与時のフェキソフェナジン及びプソイドエフェドリンの血漿中Cmax及びAUC0-12はほぼ同様であった(外国人データ)。
  1. エリスロマイシン
    健康成人男子18例にフェキソフェナジン塩酸塩円形錠1回120mg注2),注4)1日2回とエリスロマイシン1回300mg1日4回7日間併用して反復経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジンのCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約2倍に上昇した。一方、血漿中エリスロマイシン濃度には、併用による影響はなかった。この血漿中フェキソフェナジン濃度上昇の機序は動物試験から、P糖蛋白の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定された,
    注4)フェキソフェナジン塩酸塩円形錠とフェキソフェナジン塩酸塩錠60mgは生物学的に同等であった。
  2. 水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤
    健康成人男子22例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル120mg注2)の投与15分前に水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤を単回投与したとき、フェキソフェナジンのAUC0-30及びCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約40%減少した(外国人データ)。
  3. ケトコナゾール
    健康成人男子23例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル1回120mg注2)1日2回とケトコナゾール錠400mg1日1回7日間併用して反復経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジン濃度はフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約2倍に上昇したが、血漿中ケトコナゾール濃度には、併用による影響はなかった(外国人データ)。血漿中フェキソフェナジン濃度上昇の機序はエリスロマイシンと同様と推定された。
  4. オメプラゾール
    健康成人男子23例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル120mg注2)の投与11時間前と1時間前にオメプラゾールカプセルをそれぞれ40mg及び20mgを単回投与したとき、フェキソフェナジン塩酸塩の薬物動態に影響はなかった(外国人データ)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第2/3相臨床試験
    季節性アレルギー性鼻炎患者(12歳以上)を対象に、フェキソフェナジン塩酸塩60mg/塩酸プソイドエフェドリン60mg(FEX60/PSE60群)注)、フェキソフェナジン塩酸塩60mg/塩酸プソイドエフェドリン120mg(FEX60/PSE120群)又はフェキソフェナジン塩酸塩60mg(FEX60群)を1日2回2週間投与した国内二重盲検比較試験の結果、投与前からの鼻閉スコアの変化量について、FEX60/PSE120群のFEX60群に対する優越性が検証された。
    鼻閉スコア
    投与群
    症例数
    投与前
    期間平均スコア
    鼻閉スコア
    変化量
    FEX60群との
    対比較
    FEX60
    173
    2.40±0.42
    2.26±0.55
    -0.14±0.55
    FEX60/PSE60
    173
    2.43±0.42
    2.20±0.57
    -0.23±0.59
    p=0.2993
    FEX60/PSE120
    174
    2.46±0.45
    2.15±0.57
    -0.31±0.59
    p=0.0201
    平均値±標準偏差
    鼻汁スコア、くしゃみスコア、眼症状スコア
    投与群
    鼻汁スコア変化量
    くしゃみスコア変化量
    眼症状スコア変化量
    FEX60
    -0.17±0.64
    -0.35±0.62
    -0.34±0.68
    FEX60/PSE60
    -0.23±0.62
    -0.31±0.62
    -0.41±0.62
    FEX60/PSE120
    -0.23±0.61
    -0.38±0.65
    -0.34±0.68
    平均値±標準偏差
    FEX60/PSE120群の副作用の発現率は2.3%(4/174例)であり、副作用は、頭痛が2例(1.1%)、全身性皮疹、疲労及び口渇が各1例(0.6%)であった,
    注)本剤の承認用量はフェキソフェナジン塩酸塩として60mg及び塩酸プソイドエフェドリンとして120mg、1日2回である。

その他

  1. 心電図に対する影響
    1. 健康成人男子を対象にしたエリスロマイシンとの薬物相互作用の検討(フェキソフェナジン塩酸塩1回120mg1日2回7日間、エリスロマイシン1回300mg1日4回7日間)において、併用により血漿中フェキソフェナジン濃度が約2倍に上昇した場合においてもQTcなどの心電図を含め安全性に問題はみられなかった。
    2. Cmaxが承認用量投与時の10倍以上となる条件下での検討において、心電図への影響はなく、有害事象の増加も認められなかった(外国人データ)。

薬効薬理

作用機序
  1. フェキソフェナジン塩酸塩
    選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、加えて炎症性サイトカイン産生抑制作用、好酸球遊走抑制作用及び各種ケミカルメディエーター遊離抑制作用を示す。
  2. 塩酸プソイドエフェドリン
    α受容体を刺激し、鼻粘膜の血管平滑筋を収縮させ、血流を減少させることにより、鼻粘膜の充血や腫脹を軽減し、強い鼻閉改善効果を示す,,,,
ヒスタミンH1受容体拮抗作用
フェキソフェナジン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体においてヒスタミンと拮抗し、モルモット摘出回腸標本及び気管標本におけるヒスタミン誘発収縮を抑制した(10-7〜3×10-6M)。また、全身投与でモルモット・ヒスタミン誘発気道収縮及び皮膚反応を抑制した。なお、フェキソフェナジン塩酸塩にはアドレナリン、アセチルコリン、セロトニン及びタキキニンの各受容体並びにL型カルシウムチャネルに対する親和性は認められていない。
I型アレルギー病態モデル動物に対する作用
フェキソフェナジン塩酸塩は、モルモット抗原誘発アレルギー性鼻炎、ラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応、ラット抗原誘発全身性アナフィラキシー反応及びモルモット抗原誘発即時型喘息反応を抑制した。
好酸球、炎症性サイトカイン及び細胞接着分子に対する作用
フェキソフェナジン塩酸塩は、季節性アレルギー性鼻炎患者由来鼻粘膜上皮細胞培養上清により誘発されるヒト好酸球の遊走を10-6M以上で抑制した。また、季節性アレルギー性鼻炎患者由来鼻粘膜上皮細胞を活性化ヒト好酸球とともに培養したときに培養上清中に遊離される炎症性サイトカインであるIL-8及びGM-CSFをそれぞれ10-6M以上及び10-9M以上で抑制し、細胞接着分子であるsICAM-1を10-9M以上で減少させた。
ケミカルメディエーター遊離抑制作用
フェキソフェナジン塩酸塩は、健康成人の末梢血好塩基球及びアトピー性皮膚炎患者の末梢血白血球からの抗ヒトIgE抗体刺激によるヒスタミン遊離を抑制した(10-6〜10-5M)。また、モルモット抗原誘発即時型喘息モデルにおいて気管支肺胞洗浄液(BALF)中のロイコトリエン量を減少させた。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 フェキソフェナジン塩酸塩
一般的名称
フェキソフェナジン塩酸塩(Fexofenadine Hydrochloride)
化学名
2-(4-{(1RS)-1-Hydroxy-4-[4-(hydroxydiphenylmethyl)piperidin-1-yl]butyl}phenyl)-2-methylpropanoic acid monohydrochloride
分子式
C32H39NO4・HCl
分子量
538.12
性状
白色の結晶性の粉末である。メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。メタノール溶液(3→100)は旋光性を示さない。
化学構造式
19.2 塩酸プソイドエフェドリン
一般的名称
塩酸プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine Hydrochloride)
化学名
(1S,2S)-2-Methylamino-1-phenylpropan-1-ol monohydrochloride
分子式
C10H15NO・HCl
分子量
201.69
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、無水酢酸にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
182~186℃

包装

PTP:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

主要文献

1
FEX/PSE配合錠反復投与時のフェキソフェナジン塩酸塩錠に対する相対的バイオアベイラビリティ及び安全性並びに忍容性の検討(ディレグラ配合錠:2012年12月25日承認、申請資料概要2.7.6.2)
2
竹内譲他:診療と新薬, 2020;57(6):561-575
3
FEX/PSE配合錠を単回投与したときのバイオアベイラビリティに対する食事の影響の検討(ディレグラ配合錠:2012年12月25日承認、申請資料概要2.7.6.2)
4
健康成人における蛋白結合(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅱ.2.(4))
5
Till, A. E. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1979;211(3):555-560
6
Kanfer, I. et al.:Pharmacotherapy., 1993;13(6 Pt2):116S-128S
7
健康成人における薬物動態(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.1.(2))
8
健康成人における代謝(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.1.(3))
9
Kuntzman, R. G. et al.:Clin. Pharmacol. Ther., 1971;12(1):62-67
10
腎機能障害患者における薬物動態(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.3.(4), ト.Ⅴ.2.(2))
11
肝機能障害患者における薬物動態(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.3.(3), ト.Ⅴ.2.(3))
12
高齢者における薬物動態(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.3.(2), ト.Ⅴ.2.(1))
13
フェキソフェナジンとプソイドエフェドリンの薬物動態学的相互作用の検討(ディレグラ配合錠:2012年12月25日承認、申請資料概要2.7.6.2)
14
浦江明憲他:臨床薬理, 2000;31(5):639-648
15
エリスロマイシンとの相互作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.2.(1))
16
オメプラゾール及び水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウムとの相互作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.2.(3), ヘ.Ⅲ.2.(4))
17
ケトコナゾールとの相互作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.2.(2))
18
大久保公裕:アレルギー・免疫, 2012;19(11):1770-1782
19
国内第2/3相臨床試験(ディレグラ配合錠:2012年12月25日承認、申請資料概要2.7.3.2)
20
エリスロマイシンとの相互作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ.2.(1), ト.Ⅰ.5.(1))
21
健康成人における高用量の心電図の試験(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ト.Ⅰ.5.(4))
22
Koss, M. C. et al.:J. Pharmacol. Toxicol. Methods., 2002;47(1):11-17
23
Koss, M. C. et al.:Am. J. Rhinol., 2002;16(1):49-55
24
Erickson, C. H. et al.:Am. J. Rhinol., 2001;15(2):83-90
25
Rudolph, K. et al.:Am. J. Rhinol., 2003;17(4):227-232
26
Tiniakov, R. L. et al.:J. Appl. Physiol., 2003;94(5):1821-1828
27
ヒスタミンH1受容体拮抗作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ.Ⅰ.2.(1), ホ.Ⅰ.2.(4))
28
I型アレルギー病態モデル動物に対する作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ.Ⅰ.1.)
29
Abdelaziz, M. M. et al.:J. Allergy Clin. Immunol., 1998;101(3):410-420
30
ケミカルメディエーター遊離抑制作用(アレグラ錠:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ.Ⅰ.2.(2))

文献請求先及び問い合わせ先

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
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