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クエン酸ガリウム-Ga67注射液

放射性医薬品/悪性腫瘍診断薬・炎症性疾患診断薬

1MBq 302.1円

添付文書番号

4300428A1054_2_01

企業コード

651410

作成又は改訂年月

2022年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/悪性腫瘍診断薬・炎症性疾患診断薬

承認等

販売名

クエン酸ガリウム−Ga67注射液

販売名コード

4300428A1054

販売名英字表記

Gallium Citrate-Ga67 Injection

販売名ひらがな

くえんさんがりうむ-Ga67ちゅうしゃえき

承認番号等

承認番号
20300AMZ01004000

販売開始年月

1992年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
検定日から3日間

基準名

日本薬局方
クエン酸ガリウム(67Ga)注射液

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

クエン酸ガリウム(67Ga)注射液

組成・性状

組成

クエン酸ガリウム−Ga67注射液
有効成分
1シリンジ中 (1.0mL)
クエン酸ガリウム(67Ga)(検定日時)  74MBq
有効成分
1シリンジ中 (1.5mL)
クエン酸ガリウム(67Ga)(検定日時)  111MBq
有効成分
1シリンジ中(2.0mL)
クエン酸ガリウム(67Ga)(検定日時)  148MBq
有効成分
1シリンジ中(2.5mL)
クエン酸ガリウム(67Ga)(検定日時)  185MBq
添加剤
1シリンジ中(1.0mL)
クエン酸ナトリウム水和物 2mg
1シリンジ中(1.5mL)
クエン酸ナトリウム水和物 3mg
1シリンジ中(2.0mL)
クエン酸ナトリウム水和物 4mg
1シリンジ中(2.5mL)
クエン酸ナトリウム水和物 5mg
1シリンジ中(1.0mL)
ベンジルアルコール 9.0μL 
1シリンジ中(1.5mL)
ベンジルアルコール 13.5μL
1シリンジ中(2.0mL)
ベンジルアルコール 18.0μL
1シリンジ中(2.5mL)
ベンジルアルコール 22.5μL
1シリンジ中(1.0mL)
塩酸、水酸化ナトリウム、生理食塩液 適量
1シリンジ中(1.5mL)
塩酸、水酸化ナトリウム、生理食塩液 適量
1シリンジ中(2.0mL)
塩酸、水酸化ナトリウム、生理食塩液 適量
1シリンジ中(2.5mL)
塩酸、水酸化ナトリウム、生理食塩液 適量

製剤の性状

クエン酸ガリウム−Ga67注射液
pH6.0~8.0
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
外観
無色~淡赤色澄明の液

効能又は効果

  • 悪性腫瘍の診断
  • 下記炎症性疾患における炎症性病変の診断
    腹部膿瘍、肺炎、塵肺、サルコイドーシス、結核、骨髄炎、び漫性汎細気管支炎、肺線維症、胆囊炎、関節炎など

用法及び用量

〈腫瘍シンチグラフィ〉
本品を、体重1kgあたり1.11~1.48MBq静注し、24~72時間後に被検部をシンチレーションカメラまたはシンチレーションスキャナで撮像または走査することによりシンチグラムをとる。
なお、投与量は、年齢、体重により適宜増減する。
〈炎症シンチグラフィ〉
本品を、体重1kgあたり1.11~1.85MBq静注し、48~72時間後に被検部をシンチレーションカメラまたはシンチレーションスキャナで撮像または走査することによりシンチグラムをとる。
必要に応じて投与後6時間像をとることもできる。
なお、投与量は、年齢、体重により適宜増減する。

重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。また、クエン酸ガリウム(67Ga)は授乳している乳房に集積するため、授乳する場合は投与後2~3週間程度の期間をとった方が望ましい,

小児等

  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
蕁麻疹様紅斑、そう痒感、発疹、発赤、全身紅斑、湿疹
循環器
徐脈、血圧低下
消化器
腹部膨満感、悪心、嘔吐、口内疼痛、舌痛
その他
発熱、全身倦怠、冷汗、上腕部痛、めまい、気分不良、顔面潮紅

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. メシル酸デフェロキサミン投与中に本剤を投与する場合、メシル酸デフェロキサミンの投与はあらかじめ中止しておくこと(本剤とメシル酸デフェロキサミンがキレートを形成し、急速に尿中に排泄されるため、シンチグラムが得られない場合がある)。
  2. 67Gaは腸管内へ排泄されるため腹部の病巣への集積と鑑別が困難となる場合がある。そのため、腹部診断には前処置として撮像前に十分な浣腸を施行する。また、浣腸禁忌の場合には経日的に撮像し、集積の移動の有無から診断する。
  3. 両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにすること。
  4. シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合がある。注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残るが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
〈炎症シンチグラフィ〉
炎症巣の局在部位・活動性等、他の検査では十分な情報が得られない場合に施行すること。

薬物動態

分布

  1. 外国における報告では、静注1週間後に体内に残った約2/3のクエン酸ガリウム(67Ga)は、投与量の6%が肝臓、1%が脾臓、2%が腎臓、24%が骨髄を含む骨、そして34%が軟部組織に分布する。さらに軟部組織でクエン酸ガリウム(67Ga)の集積が高いのは涙腺、唾液腺、乳腺などの分泌腺である。
  2. 吸収線量
    MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
    臓器
    吸収線量(mGy/37MBq)
    全身

    肝臓
    脾臓
    腎臓
    小腸
    大腸
    1.49
    3.84
    6.83
    2.56
    3.56
    5.47
    3.63
    (自社データ)

排泄

外国における報告では、静注されたクエン酸ガリウム(67Ga)は静注後24時間以内に投与量の約12%が主に腎臓から排泄され、それ以後は、腸管への排泄が主になり、最初の1週間で投与量の約1/3が排泄される。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈腫瘍シンチグラフィ〉
  1. 国内臨床試験
    悪性腫瘍の診断を目的とした232例の臨床試験の結果、167例(71.9%)で診断に有効であることが確認された。
〈炎症シンチグラフィ〉
  1. 国内臨床試験
    炎症性病変の診断を目的とした290例の臨床試験の結果、251例(86.6%)で診断に有効であることが確認された。
    総症例290例に副作用は認められなかった。

薬効薬理

測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
集積機序
クエン酸ガリウム(67Ga)の局所への集積機序に関しては未だ不明な点が多いが、静注後、その大部分は血清蛋白、特にtransferrinと結合して体内に分布する,といわれている。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 クエン酸ガリウム(67Ga)
分子式:
C6H8O767Ga
分子量:
259.13
化学構造式:
核物理学的特性(67Gaとして)
67Gaは周期律表第31番目の元素であるガリウムの放射性同位元素の一つであり、サイクロトロンにて68Zn(p,2n)67Ga等の反応によって生産される。
  • 物理的半減期:3.2612日
  • 主なγ線エネルギー:93.3keV(39.2%)、185keV(21.2%)、300keV(16.8%)
  • 減衰表:
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    −72
    −66
    −60
    −54
    −48
    −42
    −36
    −30
    −24
    −18
    −12
    -6
    0
    2
    189.2
    179.4
    170.1
    161.3
    153.0
    145.1
    137.5
    130.4
    123.7
    117.3
    111.2
    105.5
    100
    98.2
    4
    6
    8
    10
    12
    14
    16
    20
    24
    28
    32
    36
    40
    44
    96.5
    94.8
    93.2
    91.5
    89.9
    88.3
    86.8
    83.8
    80.9
    78.0
    75.3
    72.7
    70.2
    67.7
    48
    52
    56
    60
    64
    68
    72
    76
    80
    84
    88
    92
    96
    100
    65.4
    63.1
    60.9
    58.8
    56.7
    54.8
    52.9
    51.0
    49.2
    47.5
    45.9
    44.3
    42.7
    41.2

取扱い上の注意

放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。

包装

74MBq(1.0mL)[1シリンジ]、111MBq(1.5mL)[1シリンジ]、148MBq(2.0mL)[1シリンジ]、185MBq(2.5mL)[1シリンジ]

主要文献

1
Richard ET,et al:J Nucl Med. 1976;17:1055-1056
2
社団法人日本アイソトープ協会 ICRP勧告翻訳検討委員会. ICRP Publication 52 核医学における患者の防護. 1990:23-24
3
Nagamachi S,et al:Ann Nucl Med. 1988;2:35-39
4
利波紀久:臨床外科. 1981;36:69-75
5
Larson SM,et al:J Nucl Med. 1973;14:208-214
6
西川潤一:外科診療. 1981;23:1083-1090
7
石井千佳子,ほか:臨床放射線. 1981;26:1087-1088

文献請求先及び問い合わせ先

PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話番号 0120-383-624

製造販売業者等

製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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