医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

テクネフチン酸キット

放射性医薬品/肝脾疾患診断薬・センチネルリンパ節同定用薬

1回分 2592円

添付文書番号

4300417A1021_2_02

企業コード

651410

作成又は改訂年月

2022年3月改訂
(第2版、効能変更、用法変更)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/肝脾疾患診断薬・センチネルリンパ節同定用薬

承認等

販売名

テクネフチン酸キット

販売名コード

4300417A1021

販売名英字表記

Techne Phytate Kit

販売名ひらがな

てくねふちんさんきっと

承認番号等

承認番号
15200AMZ00448000

販売開始年月

1977年6月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃保存
有効期間
製造日から24箇月間

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液(放射性医薬品基準)

組成・性状

組成

テクネフチン酸キット
有効成分
1バイアル中 フィチン酸ナトリウム  2.9mg
添加剤
塩化スズ(Ⅱ)二水和物 0.5mg、塩酸 適量、水酸化ナトリウム 適量

製剤の性状

テクネフチン酸キット
pH調製後注射液:6.0~7.0
浸透圧比調製後注射液:約1(生理食塩液に対する比)
外観
フィチン酸ナトリウム:凍結乾燥された白色の粉末
調製後注射液(フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液):無色澄明の液

効能又は効果

  • 肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断
  • 次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ
    乳癌、悪性黒色腫、子宮頸癌、子宮体癌、外陰癌、頭頸部癌(甲状腺癌を除く)

効能又は効果に関連する注意

〈センチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ〉
フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液を用いたセンチネルリンパ節生検は、本検査法に十分な知識と経験を有する医師のもとで、実施が適切と判断される症例において実施すること。なお、症例の選択にあたっては、最新の関連ガイドライン等を参照し、適応となる腫瘍径や部位等について十分な検討を行うこと。

用法及び用量

〈フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液の調製〉
本品に放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」2~8mLを加え、よく振り混ぜてフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液を得る。
〈肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断〉
得られたフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液の18.5~111MBqを静注し、20~30分後に適当な位置に患者を固定し、シンチスキャナーあるいはシンチカメラでシンチグラムをとる。
なお、年齢・体重により適宜増減する。
〈センチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ〉
通常、成人には得られたフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液を、次表に従い、適宜分割して投与し、2時間以降にガンマ線検出用のプローブで被検部を走査することにより、センチネルリンパ節を同定する。また、必要に応じガンマカメラで被検部を撮像することによりリンパシンチグラムをとる。なお、投与から検査実施までの時間等により適宜増減する。
癌種
投与部位
投与量
乳癌、悪性黒色腫、外陰癌
腫瘍近傍の皮下又は皮内
18.5~111MBq
子宮頸癌
子宮腟部又は腫瘍近傍の粘膜下
38~111MBq
子宮体癌
子宮腟部の粘膜下又は腫瘍近傍の子宮内膜下
38~111MBq
頭頸部癌(甲状腺癌を除く)
腫瘍近傍の粘膜下
18.5~111MBq

用法及び用量に関連する注意

〈センチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ〉
乳癌、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定においては、可能な限りフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液と色素法を併用することが望ましい。色素法との併用を行う際には、併用する薬剤の添付文書を参照した上で使用すること。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
〈センチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ〉
  1. センチネルリンパ節生検の実施にあたっては、既存の情報を踏まえ、患者又はその家族に対し本検査の必要性及び限界等を十分説明し同意を得た上で実施すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。
  2. 本品は冷蔵庫から取り出した後、約5分間放置して室温に戻すこと。
  3. 調製に使用する過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液の量は必要最小限度にとどめること。
  4. 本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。
  5. 調製後は出来るだけ早く投与すること。
  6. 調製後は、放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
診断上の注意
肝硬変や肝炎などでは、脾臓と骨髄への集積が増加し、ときには肋骨も描出されることもある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤で同定したセンチネルリンパ節の生検結果が陰性であっても、所属(領域)リンパ節に転移が生じている場合がある。子宮頸癌では、腫瘍径が2cmを超えるとその可能性が高まることが報告されている。
  2. 子宮頸癌では、腫瘍径が2cmを超えるとセンチネルリンパ節の同定率が低下することが報告されている。
  3. 子宮体癌では、子宮頸部の粘膜下への投与は子宮内膜下への投与と比較して傍大動脈リンパ節領域のセンチネルリンパ節の同定率が低下することが報告されている。

薬物動態

分布

  1. 肝機能正常例にフィチン酸テクネチウム(99mTc)を静注した場合、肝への集積は約11分でプラトーに達する。また、フィチン酸テクネチウム(99mTc)静注20~30分後のイメージにおける肝の集積を基点とすると、肝消失の有効半減期は約6時間である。
  2. 吸収線量
    MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
    臓器
    吸収線量(mGy/37MBq)
    全身
    0.1
    0.1
    肝臓
    2.1
    脾臓
    0.2
    腎臓
    0.3
    睾丸
    0.2
    卵巣
    0.2
    (自社データ)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断〉
  1. 国内臨床試験
    404例において、肝脾シンチグラフィを行ったところ、402例(99.5%)で診断に有効であることが確認された。
    全404例に対し、副作用は認められなかった。

薬効薬理

測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により計数化または画像化される。
集積機序
〈肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断〉
  1. 本剤は静脈内に投与されると血中のカルシウムイオンとキレート化合物をつくり、コロイド化して肝臓や脾臓などの網内系の貪食作用を受けて当該臓器に集積する。
〈センチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ〉
  1. 本剤は皮下等の局所に投与されると、間質液やリンパ液中のカルシウムイオンとキレート化合物をつくり、コロイド化してセンチネルリンパ節に到達し、当該部位に捕捉されると考えられる。本剤の生体内でのコロイド粒子径は200~1,000nmに分布していると考えられ、センチネルリンパ節の同定に適した粒子径を有している。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 フィチン酸テクネチウム(99mTc)
調製前の化合物:
フィチン酸ナトリウム
・化学名:
イノシトール-六リン酸ナトリウム
・分子式:
C6H6Na12O24P6xH2O
・分子量:
923.82(無水物として)
・化学構造式:
核物理学的特性(99mTcとして)
  • 物理的半減期:6.015時間
  • 主なγ線エネルギー:141keV(89.1%)
  • 減衰表:
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    −3
    −2
    −1
    0
    1
    2
    3
    4
    5
    6
    7
    8
    9
    10
    141.3
    125.9
    112.2
    100
    89.1
    79.4
    70.8
    63.1
    56.2
    50.1
    44.6
    39.8
    35.4
    31.6
    11
    12
    13
    14
    15
    16
    17
    18
    19
    20
    21
    22
    23
    24
    28.2
    25.1
    22.4
    19.9
    17.8
    15.8
    14.1
    12.6
    11.2
    10.0
    8.9
    7.9
    7.1
    6.3

包装

2バイアル、10バイアル

主要文献

1
木下文雄・安河内浩編:診療核医学,金原出版,東京. 1979:223
2
Chiyoda T,et al.:Int J Clin Oncol. 2022;27:1247-1255
3
Smith AJB, et al.:Am J Obstet Gynecol. 2017;216:459-476. e10.
4
立野育郎,ほか:Radioisotopes. 1974;23:620

文献請求先及び問い合わせ先

PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話番号 0120-383-624

製造販売業者等

製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL