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ベンズブロマロン細粒10%「KO」

尿酸排泄薬

1g 30.4円

添付文書番号

3949002C1049_1_02

企業コード

270139

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873949

薬効分類名

尿酸排泄薬

承認等

販売名

ベンズブロマロン細粒10%「KO」

販売名コード

3949002C1049

販売名英字表記

Benzbromarone Fine Granules 10%「KO」

販売名ひらがな

べんずぶろまろんさいりゅう10%「KO」

承認番号等

承認番号
30200AMX00546000

販売開始年月

1987年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ベンズブロマロン製剤

警告

  1. 劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現し、死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので、投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず、定期的に肝機能検査を行うこと。また、患者の状態を十分観察し、肝機能検査値の異常、黄疸が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 副作用として肝障害が発生する場合があることをあらかじめ患者に説明するとともに、食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに受診するよう患者に注意を行うこと。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 肝障害のある患者
  2. 腎結石を伴う患者[尿中尿酸排泄量の増大により、腎結石の症状を悪化させるおそれがある。]
  3. 高度の腎機能障害のある患者
  4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ベンズブロマロン細粒10%「KO」
有効成分
1g中(日局)ベンズブロマロン  100mg
添加剤
乳糖水和物、メチルセルロース、サッカリンNa

製剤の性状

ベンズブロマロン細粒10%「KO」
色調白色~淡黄色
識別コードMRD25(0.25g分包)
MRD50(0.5g分包)
剤形
細粒

効能又は効果

下記の場合における高尿酸血症の改善
痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症

用法及び用量

〈痛風〉
通常成人1日1回0.25gまたは0.5g(ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg)を経口投与し、その後維持量として1回0.5gを1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。
〈高尿酸血症を伴う高血圧症〉
通常成人1回0.5gを1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 投与開始前に肝機能検査を実施し、肝障害のないことを確認すること。
  2. 本剤の投与にあたっては、重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現しているので、投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず定期的な検査を行うこと。また、投与開始後6ヶ月以降も定期的に肝機能検査を行うこと。
  3. 急性痛風発作がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。
  4. 本剤の血中尿酸低下作用は著しく、本剤の投与初期に痛風発作を誘発することがある。
  5. 尿が酸性の場合、患者に尿酸結石及びこれに由来する血尿、腎仙痛等の症状を起こしやすいので、これを防止するため、水分の摂取による尿量の増加及び尿のアルカリ化をはかること。
    なお、この場合には、患者の酸・塩基平衡に注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

腎機能障害患者

  1. 高度の腎機能障害のある患者
    投与しないこと。効果が期待できないことがある。

肝機能障害患者

投与しないこと。肝障害を悪化させることがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。また、CYP2C9の阻害作用をもつ。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝血薬
ワルファリン 
クマリン系抗凝血薬の作用を増強することがあるので、プロトロンビン時間を測定するなど観察を十分に行い、注意すること。
本剤は、CYP2C9を阻害するため、CYP2C9によって代謝されるクマリン系抗凝血薬の血中濃度を上昇させるなどの機序が考えられる。
抗結核薬
ピラジナミド
本剤の効果が減弱することがある。
ピラジナミドが腎尿細管における尿酸の分泌を抑制することが知られているため、本剤の効果が減弱することが考えられる。
サリチル酸製剤
アスピリン等
本剤の効果が減弱することがある。
サリチル酸製剤は尿酸の排泄を抑制することが知られているため、本剤の効果が減弱することが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 重篤な肝障害(頻度不明)
    劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがある。
    なお、使用実態下における安全性および有効性に関する調査において、肝障害(重篤症例)の発現頻度は0.09%であった[4,659例中4例]。

その他の副作用

0.1%以上
0.1%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感、発疹、蕁麻疹
顔面発赤、紅斑
光線過敏症
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇
黄疸
消化器
胃部不快感、胃腸障害、下痢、軟便、胸やけ
胃痛、腹痛、悪心、口内の荒れ
その他
浮腫、心窩部不快感、頭痛

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
ラットに長期間経口投与(50mg/kg/day(臨床用量の約17倍)、104週間)したところ、肝細胞癌が発生したとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男子(6例)にベンズブロマロン製剤(50mg錠)2錠(ベンズブロマロンとして100mg)注)を空腹時に単回経口投与した時の、未変化体及び6-ヒドロキシ体の薬物動態パラメータは以下の通りであった。
    健康成人男子(6例)にベンズブロマロン製剤(50mg錠)2錠注)を空腹時に単回経口投与した時の未変化体及び6-ヒドロキシ体の薬物動態パラメータ
    Cmax
    (μg/mL)
    Tmax
    (hr)
    AUC0-∞
    (μg・hr/mL)
    t1/2
    (hr)
    未変化体
    2.3±0.8
    2.7±1.0
    15.9±3.3
    5.4±1.9
    6-ヒドロキシ体
    1.7±0.4
    4.8±1.3
    39.9±4.4
    18.0±2.9
    (平均値±標準偏差)
  2. 生物学的同等性試験
    ベンズブロマロン細粒10%「KO」とユリノーム錠50mgを、2剤2期のクロスオーバー法によりそれぞれ1g、又は2錠(ベンズブロマロンとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された 。
    AUCt
    (μg・hr/mL)
    Cmax
    (μg/mL)
    Tmax
    (hr)
    t1/2
    (hr)
    ベンズブロマロン細粒10%「KO」
    1g
    21.06±6.99
    3.36±0.64
    2.7±0.8
    2.7±0.7
    ユリノーム錠50mg
    2錠
    20.96±6.16
    3.88±0.83
    3.0±1.3
    2.4±1.1
    (平均値±標準偏差)
    血漿中濃度並びにAUCt、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

代謝

  1. ヒトにおける成績
    1. 健康成人男子(6例)にベンズブロマロン製剤(50mg錠)2錠(ベンズブロマロンとして100mg)注) を空腹時に単回経口投与した時の、血漿中及び尿中の主要代謝物は、6-ヒドロキシ体であった 。
    2. 外国人患者にベンズブロマロン製剤100mg注) を経口投与した結果、胆汁中に2種類のヒドロキシ体が検出されたとの報告がある 。
  2. in vitro試験の成績
    1. ヒトP450発現系ミクロゾームを用いたin vitro試験において、ベンズブロマロンは主にCYP2C9によって代謝された。
    2. ヒト肝ミクロゾームを用いたin vitro阻害実験の結果、ベンズブロマロンは主にCYP2C9を阻害した。

排泄

健康成人男子(6例)にベンズブロマロン製剤(50mg錠)2錠(ベンズブロマロンとして100mg)注)を空腹時に単回経口投与した時の、尿中6-ヒドロキシ体濃度は、投与0~24時間で平均約400~600ng/mLであり、投与後72時間までの6-ヒドロキシ体の尿中排泄率は、投与量の約1.2%であった。また、投与後72時間まで、尿中に未変化体はほとんど検出されなかった。
注)通常、成人における本剤の1回投与量は0.25gまたは0.5g(ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg)である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 有効性検証試験
    痛風及び高血圧症を伴う高尿酸血症を対象とし、尿酸合成阻害剤(アロプリノール錠100mg×3回/日)を対照薬とした二重盲検試験において、ベンズブロマロン錠(50mg×3回/日)の有用性が認められた 。
    疾患名
    有効率%(有効例/症例数)
    1日投与量
    150mg
    痛風
    72.2(13/18)
    高血圧症を伴う高尿酸血症
    87.8(43/49)
    83.6(56/67)
    ※血清尿酸値正常化(6mg/dL以下)率
  2. 一般臨床試験
    痛風あるいは高血圧症等の循環器疾患を伴う高尿酸血症患者44例を対象に、ベンズブロマロン細粒10%「KO」0.5gを1日1~3回(ベンズブロマロンとして50~150mg)14日間投与し、血清尿酸値の変動、安全性について検討した。その結果、投与前の血清尿酸値平均値8.54mg/dLから投与2週後には4.30mg/dLと有意な低下を示し、尿酸排泄作用が認められた。また、副作用及び原疾患の悪化は認められなかった,

薬効薬理

作用機序
ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収を特異的に抑制し、尿酸の尿中への排泄を促進させ、血清尿酸値を低下させると考えられる。
血清尿酸値低下作用
ベンズブロマロン製剤を痛風患者に投与した結果、血清尿酸値の低下と尿酸クリアランスの上昇を認めたが、クレアチニンクリアランスはほとんど変化しなかった。また、血清尿酸値の低下とほぼ平行する尿酸プールの縮小を認めたが、尿酸の一日産生量には著変はなかった。従って、ベンズブロマロンは尿酸の尿中への排泄を選択的に促進するものと考えられる。
尿酸トランスポーター(URAT1)阻害作用
糸球体で濾過された尿酸は、腎臓近位尿細管管腔側に存在する尿酸トランスポーター(URAT1)によって再吸収される。
ベンズブロマロン及びベンズブロマロンの主要代謝物である6-ヒドロキシ体は、URAT1による尿酸の取込みを阻害する,in vitro)。
すなわち、ベンズブロマロン及び6-ヒドロキシ体はURAT1による尿酸の再吸収を抑制することにより、尿酸の尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させるものと考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ベンズブロマロン(Benzbromarone)
化学名
3, 5-Dibromo-4-hydroxyphenyl 2-ethylbenzo[b]furan-3-yl ketone
分子式
C17H12Br2O3
分子量
424.08
性状
ベンズブロマロンは白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式
融点
149~153℃
分配係数
1.Britton-Robinsonの広域緩衝液/クロロホルム
 pH2,4,6,7.4,8:0, pH10:0.08, pH11:0.64
2.0.1mol/L NaOH/クロロホルム=146.3(pH13)
3.0.01mol/L NaOH/クロロホルム=13.0(pH12)

取扱い上の注意

光によって着色するため、アルミピロー包装開封後は遮光して保存すること。

包装

0.25g×150包[分包]
0.5g×150包[分包]

主要文献

1
及川寿浩ほか:新薬と臨牀.2004;53(6):682-691.
2
及川寿浩ほか:痛風と核酸代謝.2011;35(1):19-30.
3
社内資料:ベンズブロマロン細粒10%「KO」とユリノーム錠との生物学的同等性試験
4
Walter-Sack I,et al.:Eur J Med Res.1998;3(1-2):45-49.
5
山村雄一:薬物療法.1977;10(7):977-999.
6
社内資料:高尿酸血症に対するベンズブロマロン細粒の臨床成績
7
社内資料:ベンズブロマロン細粒の使用経験
8
中村徹ほか:リウマチ.1971;11(4):342-348.
9
Enomoto A,et al.:Nature.2002;417(6887):447-452.
10
及川寿浩ほか:新薬と臨牀.2005;54(6):645-650.

文献請求先及び問い合わせ先

寿製薬株式会社 くすり相談窓口
〒389-0697 長野県埴科郡坂城町大字上五明字東川原198
TEL:0120-996-156 FAX:0268-82-2215

製造販売業者等

製造販売元
寿製薬株式会社
長野県埴科郡坂城町大字上五明字東川原198

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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