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パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」

血液凝固阻止剤

1瓶 809円

作成又は改訂年月

*
2024年1月改訂
(第2版)
2020年7月作成

日本標準商品分類番号

873334

薬効分類名

血液凝固阻止剤

承認等

販売名

パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」

販売名コード

3334404A1079

承認・許可番号

30200AMX00478000
Parnaparin Na 500units/mL vial 10mL「ILS」 for Dialysis

薬価基準収載年月

2020年12月

販売開始年月

2020年12月

貯法・使用期限等

貯  法
室温保存
使用期限
容器、外箱に表示
(使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。)
注  意
「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分
パルナパリンナトリウム
含量(1瓶10mL中)
5,000低分子量ヘパリン単位(抗第Xa因子活性)
添加物(1瓶10mL中)
塩化ナトリウム 90mg
pH調節剤 適量
本剤は健康なブタ腸粘膜由来のヘパリンを化学的に分解し、分離・精製して得たパルナパリンナトリウムの製剤である。

性状

pH 5.0〜7.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比) 約1
性状 無色澄明の液

一般的名称

パルナパリンナトリウム

禁忌

パルナパリンナトリウムに対し過敏症状又は過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[使用上の注意「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

原則禁忌

高度な出血症状を有する患者[出血症状を助長するおそれがある。]
重篤な肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を助長するおそれがある。]
*ヘパリン起因性血小板減少症(HIT : heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者[投与が必要な場合は、本剤投与後は血小板数を測定すること。HITがあらわれることがある。](「その他の注意」の項参照)

効能又は効果

血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析・血液透析ろ過・血液ろ過)

用法及び用量

本剤を直接又は生理食塩液により希釈して投与する。
出血性病変又は出血傾向を有しない患者の場合
通常、成人には体外循環開始時、パルナパリンナトリウムとして治療1時間あたり7〜13単位/kgを体外循環路内血液に単回投与する。なお、体外循環路内の血液凝固状況に応じ適宜増減する。
通常、成人には体外循環開始時、パルナパリンナトリウムとして15〜20単位/kgを体外循環路内血液に単回投与し、体外循環開始後は毎時6〜8単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続注入する。なお、体外循環路内の血液凝固状況に応じ適宜増減する。
出血性病変又は出血傾向を有する患者の場合
通常、成人には体外循環開始時、パルナパリンナトリウムとして10〜15単位/kgを体外循環路内血液に単回投与し、体外循環開始後は毎時6〜9単位/kgを抗凝固薬注入ラインより持続注入する。

使用上の注意

重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、観察を十分に行い、出血の増悪がみられた場合には減量又は投与を中止すること。
脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。併用する場合には神経障害の徴候および症状について十分注意し、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。

相互作用

相互作用の概略

他の薬剤との相互作用は、可能なすべての組み合わせについて検討されているわけではない。抗凝固療法施行中に新たに他剤を併用もしくは休薬する場合には、凝固能の変動に注意すること。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 本剤の抗凝固作用と血液凝固因子の生合成阻害作用により相加的に出血傾向が増強される。
サリチル酸誘導体
 アスピリン等
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
血小板凝集抑制剤
 チクロピジン塩酸塩
 ジピリダモール等
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
血栓溶解剤
 ウロキナーゼ
 t‐PA製剤等
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
非ステロイド性消炎剤本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。
糖質副腎皮質ホルモン剤本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。
デキストラン本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。
テトラサイクリン系抗生物質
強心配糖体
 ジギタリス製剤
本剤の作用が減弱することがある。
筋弛緩回復剤
 スガマデクスナトリウム
本剤の抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。 作用機序は不明であるが、スガマデクスナトリウム4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

血小板減少
頻度不明
本剤投与後にヘパリン起因性血小板減少症(HIT)等の著明な血小板減少があらわれることがある。また、類薬でHITに伴う血栓症の発現が報告されている。本剤投与後は血小板数を測定し、血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー
頻度不明
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

血液
頻度不明
鼻出血、点状出血、貧血
過敏症注1)
頻度不明
そう痒感、発疹
皮膚
頻度不明
脱毛、白斑、出血性壊死
肝臓
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al‐P上昇、LDH上昇
長期投与
頻度不明
骨粗鬆症、低アルドステロン症
その他
頻度不明
胸部圧迫感、両頬のつっぱり感、頭痛、動悸
※類薬(ヘパリンナトリウム等)で報告されているが、頻度は不明である。
注1)このような場合には、投与を中止すること。
なお、自発報告によるため、頻度は不明である。

高齢者への投与

一般に高齢者では、生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
動物実験(ラット)で、母乳中へ移行することが確認されているので、投与中は授乳を避けさせること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

過量投与

本剤を過量投与した場合、出血性の合併症を引き起こすことがある。本剤の抗凝固作用を急速に中和する必要のある場合には、プロタミン硫酸塩を投与する。プロタミン硫酸塩1.2mgは本剤の100単位の効果を抑制する。(血液体外循環終了時に中和する場合には、反跳性の出血があらわれることがある。)

適用上の注意

調製時
抗ヒスタミン剤は、本剤と試験管内で混合すると反応し沈澱を生じることがあるので、混注は避けること。
投与時
本剤は保存剤を含有しないので、開封後は速やかに使用し、分割使用は避けること。
透析器
本剤は、ヘモファン膜へ吸着することにより、抗凝固活性が低下するおそれがある。

その他の注意

類薬との互換性
本剤は未分画ヘパリンや他の低分子量ヘパリンと製造工程、分子量の分布が異なり、同一単位(抗第Xa因子活性)でも他のヘパリン類とは必ずしも互換性がないため、投与量の設定の際には本剤の用法・用量に従うこと。
外来透析患者では、穿刺部の止血を確認してから帰宅させること。
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はヘパリン−血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことがある。HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失〜低下するとの報告がある。また、投与終了数週間後に、HITが遅延して発現したとの報告もある。(「原則禁忌」の項参照)

薬効薬理

血液凝固阻止作用1、2)
ヘパリンを化学的に分解して得られた本剤は平均分子量値から低分子ヘパリンとして分類され、ヘパリンナトリウムと同様に、血液中のアンチトロンビンIII(ATIII)を活性化させることにより血液凝固阻止作用を発現する。
作用機序3〜5)
低分子ヘパリンがATIIIに結合することにより、ATIIIと活性型血液凝固第X因子(Xa)、トロンビン(IIa)との結合が促進され、Xa、IIaの活性を阻害することにより間接的に血液凝固阻止作用が発現する。このとき、低分子ヘパリンはヘパリンナトリウムに比してXaをより選択的に阻害するために、出血作用が低減されると考えられている。さらに、こうした凝固因子への阻害活性の差異のほかに、ウサギを用いた実験で血管透過性亢進作用および微小血管系の出血増強作用の低減などの薬理特性も報告されている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
パルナパリンナトリウム(Parnaparin Sodium)
構造式
本質
健康なブタの腸粘膜から得たヘパリンナトリウムを、次亜塩素酸ナトリウムを用いて分解して得た低分子量ヘパリンナトリウムで、質量平均分子量は4,500〜6,500である。硫酸エステル化の度合は、二糖類あたり2.0〜2.4である。
性状
白色〜微黄色の粉末で、水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。

取扱い上の注意

本剤は保存剤を含有しないので、分割使用は避けること。
安定性試験
長期保存試験(25℃、相対湿度60%、36ヶ月)の結果、パルナパリンNa透析用500単位/mLバイアル10mL「ILS」は、通常の市場流通下において、3年間安定であることが確認された。6)

包装

5,000低分子量ヘパリン単位 10mL 10瓶

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
Andersson, L.‐O. et al.:Thromb. Res., 9, 575 (1976)
2
Weitz, J. I.:N. Engl. J. Med., 337, 688 (1997)
3
Thomas, D. P. and Merton, R. E.:Thromb. Res., 28, 343 (1982)
4
ILS株式会社社内資料(薬理作用)
5
Blajchman, M. A. et al.:Ann. N. Y. Acad. Sci., 556, 245 (1989)
6
ILS株式会社社内資料(安定性試験)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室
〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号
TEL 06-6964-2763
FAX 06-6964-2706

(9:00〜17:30/土日祝日を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

販売元
扶桑薬品工業株式会社
大阪市城東区森之宮二丁目3番11号
製造販売元
ILS株式会社
茨城県守谷市久保ケ丘一丁目2番地1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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