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ネオヨジンシュガーパスタ軟膏

褥瘡・皮膚潰瘍治療剤

1g 8.5円

添付文書番号

2699801V1157_1_04

企業コード

130202

作成又は改訂年月

2024年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87269

薬効分類名

褥瘡・皮膚潰瘍治療剤

承認等

販売名

ネオヨジンシュガーパスタ軟膏

販売名コード

2699801V1157

販売名英字表記

Neojodin Sugar Pasta Ointment

販売名ひらがな

ねおよじんしゅがーぱすたなんこう

承認番号等

承認番号
23000AMX00601

販売開始年月

2002年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ネオヨジンシュガーパスタ軟膏
有効成分
100g中
精製白糖 70g
日局 ポビドンヨード 3g
添加剤
マクロゴール400、マクロゴール1540、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、濃グリセリン、プルラン、ヨウ化カリウム、カルボキシビニルポリマー、尿素、水酸化ナトリウム

製剤の性状

ネオヨジンシュガーパスタ軟膏
性状・剤形
褐色の軟膏剤で、わずかに特異なにおいがある。

効能又は効果

褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤による治療は保存的治療であることに留意し、症状の改善傾向が認められない場合は外科的療法等を考慮すること。
  2. 熱傷潰瘍に本剤を使用する場合、本剤の対象は熱傷後の二次損傷により生じた熱傷潰瘍であるので、新鮮熱傷に対しては他の適切な療法を考慮すること。

用法及び用量

症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。
潰瘍面を清拭後、1日1~2回ガーゼにのばして貼付するか、又は患部に直接塗布しその上をガーゼで保護する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 甲状腺機能に異常のある患者
    ポビドンヨード投与により血中ヨウ素値の調節ができず、甲状腺ホルモン関連物質に影響を与える可能性がある。

腎機能障害患者

  1. 腎不全のある患者
    ポビドンヨード投与により血清中総ヨウ素濃度が著しく高くなることが報告されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。長期にわたる広範囲の使用は避けること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。長期にわたる広範囲の使用は避けること。

小児等

新生児にポビドンヨードを使用し、甲状腺機能低下症を起こしたとの報告がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、じん麻疹等があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
ヨード疹注2)
皮膚注3)
疼痛、発赤、刺激感、皮膚炎、そう痒感
甲状腺
血中甲状腺ホルモン値(T3、T4値等)の上昇あるいは低下などの甲状腺機能異常注2)
注1)発現頻度は使用成績調査を含む。
注2)ポビドンヨードで報告がある。
注3)これらの症状が強い場合には使用を中止すること。

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 眼科用に使用しないこと。
  2. 他剤と混合して使用しないこと。
  3. 患部の清拭消毒を行うこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 膣内にポビドンヨードを使用し、血中無機ヨウ素値及び血中総ヨウ素値が上昇したとの報告がある。
  2. 本剤はヨウ素含有製剤であるので、大量使用及び長期連用時には甲状腺機能の変動に注意すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 白糖
    1. 単回塗布
      14Cで標識した白糖を用いて調製した精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット皮膚欠損創に4時間及び損傷皮膚に24時間単回塗布(各4匹)したとき、それぞれ塗布後1時間以内に最高血中濃度53及び105μg eq./mLに達し、以後速やかに減少した。
  2. ヨウ素
    1. 単回塗布
      精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット皮膚欠損創に10時間、損傷皮膚及び熱傷潰瘍にそれぞれ24時間単回塗布(各4匹)したとき、ヨウ素の最高血中濃度は皮膚欠損創及び損傷皮膚で塗布後1時間に3.2及び5.1μg/mLを示し、熱傷潰瘍では塗布後6時間に1.85μg/mLを示した。また塗布終了時までのAUCはそれぞれ21.7、74.1、23.6μg・hr/mLであった,
    2. 反復塗布
      精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット損傷皮膚に14日間反復塗布(4匹)したとき、ヨウ素の最高血中濃度は1日目の塗布後1時間に6.1μg/mLを示し、4日目以降低下した。

吸収

  1. 白糖
    14Cで標識した白糖を用いて調製した精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット皮膚欠損創及び損傷皮膚に単回塗布したとき、白糖は速やかに経皮吸収され、その吸収は皮膚欠損創よりも損傷皮膚の方が大きかった。
  2. ヨウ素
    精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット正常皮膚、皮膚欠損創、損傷皮膚及び熱傷潰瘍に単回塗布したとき、ヨウ素の経皮吸収は正常皮膚ではほとんど認められず、熱傷潰瘍、皮膚欠損創、損傷皮膚の順に増加した,

分布

  1. ヨウ素
    精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット皮膚欠損創に単回塗布したとき、甲状腺内ヨウ素濃度の上昇は観察されなかった,。また、精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット損傷皮膚に14日間反復塗布したとき、甲状腺内ヨウ素量は若干の増加を示し、4日目以降ほぼ同レベルを推移したが、投与終了3ヵ月後には塗布前値となった。

排泄

  1. 白糖
    14Cで標識した白糖を用いて調製した精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏100mgをラット皮膚欠損創及び損傷皮膚に単回塗布したとき、両者とも呼気及び糞中にほとんど排泄されず、大部分が尿中に排泄され、その大半が塗布後4時間以内に排泄された。

薬効薬理

作用機序
精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏に含まれるポビドンヨードは殺菌作用を有している。また、精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏に含まれる白糖の創傷治癒作用は、局所的浸透圧の上昇による浮腫軽減及び線維芽細胞の活性化に基づくと考えられている。
創傷治癒作用
  1. 精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏をラット欠損創及び皮膚潰瘍モデルに塗布した結果、肉芽新生及び表皮再生促進とともに治癒日数の短縮を、また糖尿病マウスの欠損創において肉芽組織及び血管数の増加を認めた,,
  2. 精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏をラット切創モデルに塗布した結果、創耐張力の増加を認めた。
  3. 白糖の創傷治癒過程に対する影響
    1. 70%白糖水溶液をラット欠損創モデルに塗布し、治癒過程を検討した結果、表皮においては分裂期表皮細胞数の増加が、真皮においては創傷早期に線維芽細胞の増殖を促進させるヒアルロン酸の増加が認められた。
    2. 80%白糖水溶液をラット切創モデルに塗布し、治癒過程を組織学的に検討した結果、創傷部の浮腫が軽度で、新生血管及び線維芽細胞に富み、膠原線維の再生を伴う発達した肉芽組織が認められた。
殺菌作用
精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏は褥瘡・皮膚潰瘍面から分離された臨床分離株(細菌3種(P. aeruginosa, S. aureus, S. epidermidis)、真菌1種(C. albicans))及び保存標準株(細菌5種(P. aeruginosa, S. aureus, E. coli, K. pneumoniae, B. subtilis)、真菌1種(A. niger))に対して殺菌作用を示した,
生物学的同等性
ネオヨジンシュガーパスタ軟膏の生物学的同等性に関しては、ポビドリンパスタ軟膏(平成11年承認、販売名変更前製剤)の申請時添付資料により評価された 。
(1) ネオヨジンシュガーパスタ軟膏とユーパスタコーワ軟膏について、ラット皮膚切創に対する切創治癒効果を皮膚創耐張力を指標として比較検討した。その結果、ネオヨジンシュガーパスタ軟膏とユーパスタコーワ軟膏は有意な治癒効果を示し、また、両剤間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。

(2) ネオヨジンシュガーパスタ軟膏とユーパスタコーワに軟膏について、ラット皮膚欠損傷に対する皮膚治癒促進効果を皮膚欠損面積を指標として比較検討した。その結果、ネオヨジンシュガーパスタ軟膏とユーパスタコーワ軟膏は有意な治癒効果を示し、また、両剤間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 精製白糖
一般的名称
精製白糖(Sucrose)
化学名
β-D-Fructofuranosyl-α-D-glucopyranoside
分子式
C12H22O11
性状
白色の結晶性の粉末、又は光沢のある無色あるいは白色の結晶である。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。
化学構造式
19.2 ポビドンヨード
一般的名称
ポビドンヨード(Povidone-Iodine)
化学名
Poly[1-(2-oxopyrrolidin-1-yl)ethylene]iodine
分子式
(C6H9NO)n・xI
性状
暗赤褐色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは1.5~3.5である。
化学構造式

取扱い上の注意

  1. 直射日光又は高温を避けて保存すること。
  2. 開封後は乾燥を防ぐため密栓して保存すること。

包装

100g [ボトル]
500g [ボトル]

主要文献

1
Danziger Y, et al. : Arch Dis Child. 1987 ; 62 : 295-296
2
Jackson HJ, et al. : Lancet. 1981; No. 8253 : 992
3
Vorherr H, et al . : JAMA. 1980 ; 244 : 2628-2629
4
甲重雄他 : 薬理と治療. 1989 ; 17(Suppl. 1) : 21-30
5
阿部晴康他 : 薬理と治療. 1989 ; 17(Suppl. 1) : 31-42
6
阿部晴康他 : 薬理と治療. 1991 ; 19 : 3855-3862
7
江藤義則他 : 薬理と治療. 1991 ; 19 : 3843-3850
8
江藤義則他 : 薬理と治療. 1989 ; 17(Suppl. 1) : 7-14
9
江藤義則他 : 薬理と治療. 1991 ; 19 : 3835-3841
10
石重明他 : 日本皮膚科学会雑誌. 1996 ; 106 : 403-408
11
江藤義則他 : 皮膚科紀要. 1987 ; 82 : 355-357
12
秋葉知英他 : 西日本皮膚科. 1988 ; 50 : 1060-1068
13
武内英二他 : 皮膚科紀要. 1987 ; 82 : 359-363
14
朝田康夫他 : 薬理と治療. 1991 ; 19 : 3851-3854
15
古志朋之他 : 薬理と治療. 1989 ; 17(Suppl. 1) : 5-20
16
岩城製薬株式会社 社内資料(生物学的同等性試験)

文献請求先及び問い合わせ先

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製造販売元
岩城製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町4-8-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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