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クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」

外用合成副腎皮質ホルモン剤

1g 8.1円

添付文書番号

2646722M1160_1_06

企業コード

830001

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

外用合成副腎皮質ホルモン剤

承認等

販売名

クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」

販売名コード

2646722M1160

販売名英字表記

CLOBETASONE BUTYRATE OINTMENT

販売名ひらがな

くろべたぞんらくさんえすてるなんこう

承認番号等

承認番号
22300AMX01008

販売開始年月

2012年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

クロベタゾン酪酸エステル軟膏

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  2. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]
  3. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。]

組成・性状

組成

クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」
有効成分
1g中、クロベタゾン酪酸エステル  0.5mg
添加剤
流動パラフィン、ワセリン(抗酸化剤としてBHTを含む)

製剤の性状

クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」
剤形白色~微黄色の軟膏
識別コードYD737

効能又は効果

  • アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む)
  • 顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎

効能又は効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

用法及び用量

通常1日1~数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
  2. 顔面、頸部の病巣に長期間使用する場合には、慎重に使用すること。
  3. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
  4. 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症の患者
    病期あるいは症状に応じて使用すること。感染を悪化させるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(ラット)で胎児異常が認められている。

小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に、副作用があらわれやすい。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

眼圧亢進、緑内障、後囊白内障(いずれも頻度不明)
眼瞼皮膚への使用に際して、眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により緑内障、後囊白内障等があらわれることがある。

その他の副作用

頻度不明
皮膚の感染症注1)
真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)、ウイルス感染症
過敏症注2)
紅斑、発疹、蕁麻疹、そう痒、皮膚灼熱感、接触性皮膚炎
その他の皮膚症状
ステロイドざ瘡注3)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎注3)(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、ステロイド皮膚注3)(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、魚鱗癬様皮膚変化注3)、多毛注3)、色素脱失注3)、一過性の刺激感、乾燥
その他
下垂体・副腎皮質系機能抑制注4)、中心性漿液性網脈絡膜症
注1)密封法(ODT)の場合に起こりやすい。このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。
注2)これらの症状は原疾患の症状に類似している場合がある。
注3)長期連用によりあらわれることがある。このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること。
注4)大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある。また、このような場合において、使用中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、使用を中止する際は患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 患者に治療以外の目的(化粧下、ひげそり後など)には使用しないよう注意すること。
  2. 本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
  3. 乳幼児や小児の手の届かない所に保管させること。
薬剤投与時の注意
眼科用として使用しないこと。

薬物動態

血中濃度

ラットの背部(10cm2)に3H-クロベタゾン酪酸エステル0.05%含有軟膏0.2g(1g/kg)を塗布し、24時間密封した結果、クロベタゾン酪酸エステルの血中濃度は投与24時間後に最高値(雄:2.38ng/mL、雌:3.44 ng/mL)を示し、以後漸減した。

分布

ラットの背部(10cm2)に3H-クロベタゾン酪酸エステル0.05%含有軟膏0.2g(1g/kg)を塗布し、24時間密封した後、全身オートラジオグラムにて体内分布を検討した。投与後24時間(密封終了時)では投与部位に高い放射活性が認められた以外、小腸、盲腸内容物、肝臓に弱い放射活性が認められた。96時間後では投与部位以外では腸内容物に低い放射活性が認められたにすぎなかった。

排泄

ラットに3H-クロベタゾン酪酸エステル0.05%含有軟膏を経皮投与した場合、投与後96時間までの糞中及び尿中排泄率の合計は9%未満であった。

薬効薬理

作用機序
クロベタゾン酪酸エステルは合成コルチコステロイドの一種であり、炎症性サイトカイン産生の抑制及びアラキドン酸代謝の阻害等のメカニズムを介して抗炎症作用を示すと考えられる。
局所抗炎症作用
  1. 血管収縮作用
    クロベタゾン酪酸エステルは無傷のヒト皮膚における血管収縮試験においてフルオシノロンアセトニドの約2.6倍の血管収縮作用を示した。
皮膚局所への影響
0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏を健康成人の前腕屈側部に7週間連続塗布した場合、皮膚萎縮、皮膚潮紅、毛細血管拡張等の皮膚局所に及ぼす影響は0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏より低かった。
全身への影響
尋常性乾癬の成人患者に0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏及び0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏をそれぞれ1日10g又は30gを5日間夜間密封法で塗布し、血漿コルチゾール値への影響を検討した結果、その低下の程度は10g投与群では両者間に差は認められなかったが、30g投与群では0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏は0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏に比し、有意に低かった。
生物学的同等性試験
  1. 急性炎症抑制作用
    クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」、キンダベート軟膏0.05%を塗布したラットを用いて、カラゲニン足浮腫試験を行い、浮腫率を比較した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な浮腫抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された。
    また、クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」、キンダベート軟膏0.05%を塗布したラットを用いて、ヒスタミン誘発背部皮膚血管透過性を測定した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な透過抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された。
  2. 慢性炎症抑制作用
    背部皮下にコットンペレットを埋め込んだラットを用い、埋め込み部分にクロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」、キンダベート軟膏0.05%を連続7日間塗布した。発生した肉芽腫重量を比較した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な肉芽増殖抑制作用が認められた。また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された。
    また、右後肢足にアジュバントを注射したラットを用い、投与箇所にクロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「YD」、キンダベート軟膏0.05%を1日1回7日間塗布し、浮腫改善率を比較した結果、コントロール群に比較し、両製剤とも有意な浮腫抑制作用が認められ、また、両製剤間の効果に有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クロベタゾン酪酸エステル
(Clobetasone Butyrate)
化学名
21-Chloro-9-fluoro-17-hydroxy-16β-methyl-1,4-pregnadiene-3,11,20-trione 17-butyrate
分子式
C26H32ClFO5
分子量
478.98
性状
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。
クロロホルムに極めて溶けやすく、アセトン又は1,4-ジオキサンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
光により極めて徐々に着色する。
融点:約178℃
化学構造式

包装

10g(チューブ)×10本
10g(チューブ)×50本

主要文献

1
北川晴雄 他:医薬品研究. 1981;12:172-190
2
グッドマン・ギルマン薬理書 第12版 廣川書店. 2013;1567-1568
3
Munro, D. D. et al.:Br Med J. 1975;3:626-628
4
石原勝:西日本皮膚科. 1981;43:66-74
5
Clobetasone 17-butyrate 外用剤の全身影響研究班:日本皮膚科学会雑誌. 1980;90:491-502
6
(株)陽進堂社内資料:生物学的同等性試験

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社陽進堂 お客様相談室
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号
 0120-647-734

製造販売業者等

製造販売元
株式会社陽進堂
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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