医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

ペンタサ錠250mg

潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤

1錠 31.1円

添付文書番号

2399009F1149_2_04

企業コード

231099

作成又は改訂年月

2024年5月改訂
(第4版)

日本標準商品分類番号

872399

薬効分類名

潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤

承認等

販売名

ペンタサ錠250mg

販売名コード

2399009F1149

販売名英字表記

PENTASA Tablets 250mg

販売名ひらがな

ぺんたさじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01137000

販売開始年月

1996年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
メサラジン徐放錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ペンタサ錠500mg

販売名コード

2399009F2030

販売名英字表記

PENTASA Tablets 500mg

販売名ひらがな

ぺんたさじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01802000

販売開始年月

2008年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
メサラジン徐放錠

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

メサラジン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重篤な腎障害のある患者
  2. 重篤な肝障害のある患者
  3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  4. サリチル酸エステル類又はサリチル酸塩類に対する過敏症の既往歴のある患者[交叉アレルギーを発現するおそれがある。]

組成・性状

組成

ペンタサ錠250mg
有効成分
1錠中
日局 メサラジン  250mg
添加剤
ポビドン、エチルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素
ペンタサ錠500mg
有効成分
1錠中
日局 メサラジン  500mg
添加剤
ポビドン、エチルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素

製剤の性状

ペンタサ錠250mg
外形
表面
側面
色調・剤形
灰白色~淡灰黄色の斑点入りの白色~淡黄色の素錠で、割線を有する。
大きさ
大きさ(直径)
9.5mm
大きさ(厚さ)
4.6mm
質量約375mg
識別コードKP-007
ペンタサ錠500mg
外形
表面
側面
色調・剤形
灰白色~淡灰黄色の斑点入りの白色~淡黄色の素錠で、割線を有する。
大きさ
大きさ(長径)
17.0mm
大きさ(短径)
7.2mm
大きさ(厚さ)
5.1mm
質量約750mg
識別コードKP-011

効能又は効果

潰瘍性大腸炎(重症を除く)、クローン病

用法及び用量

〈潰瘍性大腸炎〉
通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mgを3回に分けて食後経口投与するが、寛解期には、必要に応じて1日1回の投与とすることができる。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。
ただし、活動期には、必要に応じて1日4,000mgを2回に分けて投与することができる。
通常、小児にはメサラジンとして1日30~60mg/kgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,250mgを上限とする。
〈クローン病〉
通常、成人にはメサラジンとして1日1,500mg~3,000mgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
通常、小児にはメサラジンとして1日40~60mg/kgを3回に分けて食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 1日4,000mgへの増量は、再燃寛解型で中等症の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)に対して行うよう考慮すること。
  2. 1日4,000mgを、8週間を超えて投与した際の有効性は確立していないため、患者の病態を十分観察し、漫然と1日4,000mgの投与を継続しないこと。
  3. 本剤をメサラジン注腸剤又は坐剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝又は腎機能の低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては適宜減量するなど、十分に注意すること。併用時に異常が認められた場合には、減量又は中止する等の適切な処置を行うこと。

重要な基本的注意

  1. メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛,,,,、下痢,、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎・クローン病が悪化,することがあるため、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  2. 間質性腎炎,,が報告されているため、投与中はクレアチニン等の腎機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること。
  3. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症,,,,,があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査を行うこと。
  4. 肝炎,,、肝機能障害、黄疸が報告されているため、投与中はAST、ALT等の肝機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること。
  5. 膵炎,があらわれることがあるので、投与期間中は血清アミラーゼの検査を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. サラゾスルファピリジンに対する過敏症のある患者
    本剤をサラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に投与したところ、国内の臨床試験で39例中3例(7.7%),,,、外国において43例中2例(4.7%)に同様のアレルギー症状が認められた。そのため、サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与する場合は注意すること。

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎障害のある患者
    投与しないこと。腎障害がさらに悪化するおそれがある。
  2. 腎機能の低下している患者(重篤な腎障害のある患者を除く)
    排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害のある患者
    投与しないこと。肝障害がさらに悪化するおそれがある。
  2. 肝機能の低下している患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
    代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外において新生児に血液疾患(白血球減少症、血小板減少症、貧血)が起きることが報告されている。なお、メサラジンの動物実験(ラット)では催奇形性は認められていない。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている,(外国人データ)。また、国内及び海外において乳児に下痢が起きることが報告されている。

小児等

専門医の管理下で安全性と治療の有益性を考慮した上で本剤を使用すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

低用量(例えば750mg/日)から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
利尿剤
フロセミド
スピロノラクトン
トリクロルメチアジド等
ステロイド剤
プレドニゾロン
ベタメタゾン
デキサメタゾン等
臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意する。
動物実験(ラット)で、メサラジンの大量投与(300mg/kg)により、尿量及びこれらイオンの排泄増加がみられる。
アザチオプリン
メルカプトプリン
骨髄抑制があらわれるおそれがある。
本剤は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある,

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 間質性肺疾患(頻度不明)
    間質性肺疾患(好酸球性肺炎、肺胞炎,、肺臓炎、間質性肺炎等,,)が報告されているので、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
  2. 心筋炎,,(0.1%未満)注)、心膜炎,,,(頻度不明)、胸膜炎,(頻度不明)
    胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  3. 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能低下、急性腎障害(いずれも頻度不明)
  4. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症(いずれも頻度不明)、血小板減少症(0.1%未満)注)
  5. 肝炎(0.1%未満)注)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(0.1%未満)注)
    肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  6. 膵炎(0.1%未満)注)
  7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
  8. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
    初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

その他の副作用

1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
皮膚
発疹、そう痒感、丘疹
紅斑、蕁麻疹
脱毛
消化器
下痢
腹痛、血便、下血、アミラーゼ上昇、嘔気、腹部膨満感、食欲不振、便秘、口内炎
粘液便、嘔吐
舌・口腔内・胃内容物・便等の変色(黒色等)
肝臓
AST・ALT・γ-GTP・Al-P・ビリルビンの上昇等の肝機能異常
腎臓
クレアチニン・尿中NAG・尿中ミクログロブリンの上昇・尿蛋白等の腎機能異常
尿着色
血液
白血球減少、好酸球増多、貧血
その他
発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感
浮腫、筋肉痛、CK上昇
むくみ、末梢神経障害、めまい、胸部痛、頚部痛、ループス様症候群,、CRP上昇
注)副作用の発現頻度は、国内の臨床試験及び製造販売後調査の結果を合わせて算出した。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう患者に指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
薬剤投与時の注意
本剤は二分割して服用可能であるが、放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
薬剤投与後の注意
  1. 本剤のコーティング剤のエチルセルロースは水に不溶のため、糞便中に白いものがみられることがある。
  2. メサラジン又はその代謝物を含む尿は、次亜塩素酸塩を含有する漂白剤と接触することにより赤褐色に変色することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. ペンタサ錠及びメサラジン原薬の単回経口投与
    健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度推移は図1、薬物動態パラメータは表1のとおりであった。
    図1 ペンタサ錠又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に
    単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度
    表1 ペンタサ錠又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に
    単回経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータ
    ペンタサ錠(n=5)
    メサラジン原薬(n=5)
    Cmax(ng/mL)
    1,448.6±586.4
    20,733.7±2,744
    Tmax(hr)
    2.3±0.5
    0.8±0.1
    T1/2(hr)
    6.4±0.7
    4.5±0.4
    平均値±標準誤差
  2. ペンタサ錠1回1,000mg、1日3回7日間反復経口投与
    健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を1日3回、7日間反復経口投与したとき血漿中の未変化体及び代謝物であるN-アセチルメサラジン(アセチル体)濃度はともに4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められなかった。
  3. ペンタサ錠1回2,000mg、1日2回6日間反復経口投与
    健康成人にメサラジンとして2,000mg(ペンタサ錠250mg 8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
    また、血漿中の未変化体及びアセチル体濃度はともに4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められなかった。
    表2 ペンタサ錠1回2,000mgを1日2回6日間
    反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
    未変化体
    アセチル体
    測定時期
    1日目(n=6)
    6日目(n=6)
    1日目(n=6)
    6日目(n=6)
    Cmax
    (ng/mL)
    7,189.5
    ±5,093.1
    7,242.0
    ±3,334.5
    7,676.0
    ±4,671.4
    7,385.3
    ±3,142.5
    Tmax(hr)
    2.8±0.8
    3.0±0.9
    3.0±0.9
    2.8±0.8
    T1/2(hr)
    6.0±3.8
    5.3±1.4
    7.9±2.7
    5.8±1.4
    AUC
    (ng・hr/mL)
    23,065.7
    ±12,961.4#1
    30,563.7
    ±10,722.4#2
    44,063.7
    ±18,400.0#1
    56,552.5
    ±14,999.3#2
    平均値±標準偏差
    #1:AUC0-24 #2:AUC0-72

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を食後単回経口投与したとき、空腹時に比ベ未変化体及びアセチル体の血漿中濃度推移が低下する傾向を示したが、投与後96時間までの尿中及び糞中への排泄率に差はなかった。

分布

蛋白結合率はメサラジンで約70%、アセチル体で約88%であった(in vitro)。

代謝

メサラジンは全身に分布するN-アセチルトランスフェラーゼによって生体内でアセチル体に代謝される。

排泄

健康成人にメサラジンとして1,000mg(ペンタサ錠250mg 4錠)を食後単回経口投与したとき、96時間後の尿中排泄率は、28.4%(アセチル体として27.7%)であり、糞中排泄率は50.0%(アセチル体として23.5%)であった。
健康成人にメサラジンとして2,000mg(ペンタサ錠250mg 8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したとき、尿中排泄は投与開始後4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められず、144時間後までの累積尿中排泄率は34.7%(アセチル体として25.6%)であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内比較試験を含む臨床試験
    国内の医療機関で実施された二重盲検群間比較試験を含む臨床試験で、本剤の効果が判定された189例の試験結果の概要は表1のとおりである,,,,,
    表1 臨床試験結果
    疾患
    ステージ
    投与量#
    (mg/日)
    投与期間
    中等度以上の改善率
    又は有効率
    潰瘍性
    大腸炎
    活動期
    750~
    2,250
    4週間
    改善率:70.3%
    (78/111)
    寛解期
    750~
    2,250
    12ヵ月
    有効率:91.9%
    (34/37)
    クローン病
    活動期
    1,500~
    3,000
    4週間以上
    12週間
    改善率:54.8%
    (17/31)
    寛解期
    1,500~
    3,000
    12ヵ月
    有効率:90.0%
    (9/10)
    #:投与方法は1日3回投与
    潰瘍性大腸炎に対しては、二重盲検群間比較試験において本剤の有用性が認められた。
  2. 国内第Ⅲ相用量比較試験(1日4,000mg投与と2,250mg投与との比較)
    再燃寛解型で中等症(UC-DAIスコア# 6以上8以下)の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)123例を対象として、本剤を1日3回2,250mg又は1日2回4,000mgを8週間反復投与し、UC-DAIスコアの改善度について1日4,000mg投与の1日2,250mg投与に対する優越性を検証する無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアの投与前後の改善度において、1日4,000mg投与の1日2,250mg投与に対する優越性が検証された(表2)。
    副作用発現頻度は2,250mg投与群で25.4%(16/63例)、4,000mg投与群で21.7%(13/60例)であった。主な副作用は、2,250mg投与群では尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ(NAG)増加6.6%(4/61例)、血小板数増加4.9%(3/61例)、好酸球百分率増加4.8%(3/63例)、胃不快感及びAST増加3.2%(2/63例)、4,000mg投与群では尿中NAG増加10.0%(6/60例)、血中ビリルビン増加5.0%(3/60例)、リンパ球百分率減少3.3%(2/60例)であった。
    #:排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見、医師による全般的評価の各項目を0~3の4段階でスコア付けし、合計したスコア(0~12)。
    表2 用量比較試験におけるUC-DAIスコアの改善度
    投与群
    投与
    開始日#3
    投与8週後
    又は中止時#3
    投与前後の
    変化#4
    投与前後の
    変化における
    群間差#4
    2,250mg
    (n=59)#1
    7.0±0.8
    6.1±3.6
    -0.8
    [-1.8~0.1]
    -2.2
    [-3.4~-1.0]
    4,000mg
    (n=59)#2
    7.0±0.8
    4.0±2.9
    -3.0
    [-3.8~-2.3]
    #1:投与方法は1日3回投与  #2:投与方法は1日2回投与
    #3:平均値±標準偏差  #4:平均値、[95%信頼区間]
    ※:t-検定 t=-3.705, p<0.001
  3. 国内第Ⅲ相用法比較試験(1日1回投与と1日3回投与との比較)
    寛解期潰瘍性大腸炎患者301例を対象として本剤を1日1回(1回1,500mg又は2,250mg)又は1日3回(1回500mg又は750mg)を52週間反復投与し、寛解維持率について1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性を検証する無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアで評価した寛解維持率において、1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性が検証された(表3)。
    副作用発現頻度は1日1回投与群で5.9%(9/152例)、1日3回投与群で4.0%(6/149例)であった。主な副作用は、1日3回投与群の胃炎1.3%(2/149例)であった。
    表3 寛解維持率
    投与群
    被験者数
    寛解維持した
    被験者数#1
    寛解維持率
    (%)#2
    群間差(%)#3
    1日1回
    141
    112
    79.4
    7.8
    [-2.2~17.8]
    1日3回
    141
    101
    71.6
    #1:投与52週後又は中止時までに再燃しなかった被験者数
    #2:寛解維持率(%)=(寛解維持した被験者数÷被験者数)×100
    #3:1日1回投与群-1日3回投与群[95%信頼区間]、非劣性マージン:-10%

薬効薬理

作用機序
本剤の主な作用機序として活性酸素消去作用、ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用、ホスホリパーゼD活性化作用、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)活性化作用、核内因子κB(NF-κB)活性化抑制作用、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用、血小板活性化因子(PAF)生合成抑制作用、インターロイキン-1β(IL-1β)産生抑制作用63)が考えられている。
活性酸素に対する作用
In vitroにおいてフリーラジカル(DPPHL)還元作用、過酸化水素消去作用、次亜塩素酸イオン消去作用、過酸化脂質抑制作用(in vitro、in vivo)が認められた。
LTB4に対する作用
ラット好中球でのLTB4生合成を抑制した(in vitro)。
動物モデルに対する障害抑制効果
  1. 潰瘍性大腸炎類似モデル
    1. ラット酢酸誘発モデルにおいてメサラジン顆粒50、100mg/kgの経口投与で有意な障害抑制効果が認められた。
    2. ウサギλ-分解カラゲニン誘発モデルにおいてメサラジン顆粒150mg/kgの経口投与で有意な障害抑制効果が認められた。
  2. クローン病類似モデル
    ラットTNB誘発モデルにおいてメサラジン顆粒50mg/kgの経口投与で有意な障害抑制効果が認められた。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
メサラジン(Mesalazine)[JAN]
化学名
5-Amino-2-hydroxybenzoic acid
分子式
C7H7NO3
分子量
153.14
性状
本品は白色、淡灰色又は帯赤白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
本品は希塩酸に溶ける。
化学構造式
融点
270~275℃(分解)
分配係数
0.03(pH3~9、水‐オクタノール系)

取扱い上の注意

本剤は保存中わずかに着色することがあるが効力に変化はない。

包装

〈ペンタサ錠250mg〉
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
〈ペンタサ錠500mg〉
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]

主要文献

1
棟方昭博, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2585-S2605
2
棟方昭博, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2509-S2530
3
棟方昭博, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2531-S2554
4
棟方昭博, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2555-S2583
5
棟方昭博, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2607-S2624
6
Miner, P. et al. :Dig. Dis. Sci. 1995 ;40(2) :296-304
7
Morice, A.H. et al. :Lancet. 1997 ;350 :1105
8
Kapur, K.C. et al. :Gut. 1995 ;37 :838-839
9
竹下宗範, 他. :第74回日本消化器病学会九州支部例会抄録. 1999 ;74 :65
10
Mehta, R.P. :CMAJ. 1990 ;143(10) :1031-1032
11
Witte, T. et al. :Nephron. 1994 ;67 :481-482
12
Smilde, T.J. et al. :Ned. Tijdschr. Geneeskd. 1994 ;138(51) :2557-2561
13
Otsubo, H. et al. :Int. J. Hematol. 1998 ;68 :445-448
14
Kotanagi, H. et al. :J. Gastroenterol. 1998 ;33 :571-574
15
Casellas, F. et al. :J. Clin. Gastroenterol. 1996 ;22(2) :160-161
16
Daneshmend, T.K. :Lancet. 1991 ;337 :1297-1298
17
Jick, H. et al. :Pharmacotherapy. 1995 ;15(2) :176-181
18
Committee on Safety of Medicines :Current Problems in Pharmacovigilance. 1995 ;21 :5-6
19
Bodin, F. et al. :Therapie. 1991 ;46 :341
20
Wyatt, S. et al. :Lancet. 1993 ;341 :1476
21
Hautekeete, M.L. et al. :Gastroenterology. 1992 ;103 :1925-1927
22
Stoschus, B. et al. :J. Hepatol. 1997 ;26 :425-428
23
Deltenre, P. et al. :Gut. 1999 ;44 :886-888
24
Besseau, M. et al. :Gastroenterol. Clin. Biol. 1991 ;15 :174-175
25
Sachedina, B. et al. :Ann. Intern. Med. 1989 ;110(6) :490-492
26
棟方昭博, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2625-S2638
27
Mulder, C.J.J. et al. :Ann. Intern. Med. 1988 ;106(6) :911-912
28
太田隆雄, 他. :応用薬理. 1994 ;47(6) :513-522
29
Christensen, L.A. et al. :Acta. Obstet. Gynecol. Scand. 1994 ;74 :399-402
30
Jenss, H. et al. :Am. J. Gastroenterol. 1990 ;85 :331
31
田中和彦, 他. :応用薬理. 1994 ;48(4) :225-238
32
de Boer, N.K.H. et al. :Am. J. Gastroenterol. 2007 ;102 :2747-2753
33
Szumlanski, C.L. et al. :Br. J. Clin. Pharmacol. 1995 ;39 :456-459
34
Dewit, O. et al. :Aliment. Pharmacol. Ther. 2002 ;16 :79-85
35
Honeybourne, D. :BMJ. 1994 ;308 :533-534
36
Welte, T. et al. :Lancet. 1991 ;338 :1273
37
Lagler, U. et al. :Schweiz. Med. Wochenschr. 1992 ;122 :1332-1334
38
Bitton, A. et al. :Am. J. Gastroenterol. 1996 ;91 :1039-1040
39
Declerck, D. et al. :Rev. Mal. Respir. 1994 ;11 :292-293
40
Muzzi, A. et al. :Chest. 1995 ;108(4) :1181
41
Reinoso, M.A. et al. :Chest. 1992 ;101(5) :1469-1471
42
le Gros, V. et al. :BMJ. 1991 ;302 :970
43
Kristensen, K.S. et al. :Lancet. 1990 ;335 :605
44
Agnholt, J. et al. :Lancet. 1989 ;1 :1135
45
増谷学, 他. :日本消化器病学会雑誌. 1999 ;96(5) :524-529
46
Heresbach, D. et al. :Gastroenterol. Clin. Biol. 1994 ;18 :782-785
47
Gujral, N. et al. :Dig. Dis. Sci. 1996 ;41(3) :624-626
48
Iaquinto, G. et al. :Ital. J. Gastroenterol. 1994 ;26 :145-147
49
Skhiri, H. et al. :Nephron. 1998 ;79 :236
50
Netzer, P. :Schweiz. Med. Wochenschr. 1995 ;125 :2438-2442
51
Woodward, D.K. :BMJ. 1989 ;299 :1224
52
Dent, M.T. :BMJ. 1992 ;305 :159
53
Timsit, M.A. et al. :Rev. Rhum. Engl. Ed. 1997 ;64(10) :586-588
54
檜垣晴夫, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2467-S2495
55
檜垣晴夫, 他. :薬理と治療. 1994 ;22(Suppl.10) :S2497-S2507
56
社内資料 :国内第Ⅰ相反復投与試験 -用法・用量追加時-
57
中丸幸一, 他. :日本薬理学雑誌. 1994 ;104 :447-457
58
Gómez-Muñoz, A. et al. :Biochim. Biophys. Acta. 2001 ;1533(2) :110-118
59
Rousseaux, C. et al. :J. Exp. Med. 2005 ;201(8) :1205-1215
60
Kaiser, G.C. et al. :Gastroenterology. 1999 ;116(3) :602-609
61
Fox, C.C. et al. :Dig. Dis. Sci. 1991 ;36(2) :179-184
62
Eliakim, R. et al. :Gastroenterology. 1988 ;95 :1167-1172
63
Mahida, Y.R. et al. :Gut. 1991 ;32 :50-54
64
中丸幸一, 他. :日本薬理学雑誌. 1994 ;104 :303-311
65
Kitano, A. et al. :Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 1996 ;23 :305-309

文献請求先及び問い合わせ先

杏林製薬株式会社 くすり情報センター
〒160-0017 東京都新宿区左門町20番地
電話 0120-409341
受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日を除く)

製造販売業者等

製造販売元
杏林製薬株式会社
東京都千代田区大手町一丁目3番7号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL