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ポリスチレンスルホン酸Ca「NP」原末

高カリウム血症改善剤

1g 10.8円

添付文書番号

2190016X1148_1_03

企業コード

530100

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

高カリウム血症改善剤

承認等

販売名

ポリスチレンスルホン酸Ca「NP」原末

販売名コード

2190016X1148

販売名英字表記

Calcium Polystyrene Sulfonate

販売名ひらがな

ぽりすちれんするほんさんCa「NP」げんまつ

承認番号等

承認番号
22500AMX00783

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
ポリスチレンスルホン酸カルシウム

一般的名称

ポリスチレンスルホン酸カルシウム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

腸閉塞の患者[腸管穿孔を起こすおそれがある。]

組成・性状

組成

ポリスチレンスルホン酸Ca「NP」原末
有効成分
1包中日本薬局方 ポリスチレンスルホン酸カルシウム  5g

製剤の性状

ポリスチレンスルホン酸Ca「NP」原末
識別コードHD-032
性状
微黄白色~淡黄色の粉末

効能又は効果

急性および慢性腎不全に伴う高カリウム血症

用法及び用量

〈経口投与〉
通常成人1日15~30gを2~3回にわけ、その1回量を水30~50mLに懸濁し、経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
〈注腸投与〉
通常成人1回30gを水又は2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。体温程度に加温した懸濁液を注腸し30分から1時間腸管内に放置する。液がもれてくるようであれば枕で臀部挙上するか、或いはしばらくの間膝胸位をとらせる。水又は2%メチルセルロース溶液にかえて5%ブドウ糖溶液を用いてもよい。

重要な基本的注意

  1. 腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍があらわれることがあるので、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、下血等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 本剤を経口投与するにあたっては、患者に排便状況を確認させ、便秘に引き続き腹痛、腹部膨満感、嘔吐等の症状があらわれた場合には、医師等に相談するよう指導すること。
  3. 過量投与を防ぐため、規則的に血清カリウム値及び血清カルシウム値を測定しながら投与すること。また異常を認めた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 便秘を起こしやすい患者
    腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。
  2. 腸管狭窄のある患者
    腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。
  3. 消化管潰瘍のある患者
    症状を増悪させるおそれがある。
  4. 副甲状腺機能亢進症の患者
    イオン交換で血中カルシウム濃度が上昇するおそれがある。
  5. 多発性骨髄腫の患者
    イオン交換で血中カルシウム濃度が上昇するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス剤
ジゴキシン等
ジギタリス中毒作用が増強されることがある。
本剤の血清カリウム値低下作用による。
アルミニウム、マグネシウム又はカルシウムを含有する制酸剤又は緩下剤
乾燥水酸化アルミニウムゲル水酸化マグネシウム沈降炭酸カルシウム等
本剤の効果が減弱するおそれがある。
非選択的に左記薬剤の陽イオンと交換する可能性がある。
アルミニウム、マグネシウム又はカルシウムを含有する制酸剤又は緩下剤
乾燥水酸化アルミニウムゲル水酸化マグネシウム沈降炭酸カルシウム等
全身性アルカローシスなどの症状があらわれたとの報告がある,,
腸管内に分泌された重炭酸塩の中和を妨げる。
甲状腺ホルモン製剤
レボチロキシン等
左記薬剤の効果が減弱することがあるので、服用時間をずらすなど注意すること。
本剤が消化管内で左記薬剤を吸着することにより、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍(いずれも頻度不明)
    これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、下血等の異常が認められた場合には、投与を中止し、聴診、触診、画像診断等を実施し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹
消化器
便秘(経口)注2)
悪心、嘔気、食欲不振、胃部不快感(経口)
便秘(注腸)
電解質
低カリウム血症(経口)
低カリウム血症(注腸)
注1)発現頻度は副作用頻度調査を含む。注2)

適用上の注意

薬剤交付時の注意
〈経口投与〉
消化管への蓄積を避けるため、便秘を起こさせないように注意すること。
薬剤調製時の注意
〈注腸投与〉
動物実験(ラット)で、ソルビトールの注腸投与により腸壁壊死を起こすことが報告されている,。また、外国においてポリスチレンスルホン酸型陽イオン交換樹脂のソルビトール懸濁液を注腸し、結腸壊死を起こした症例が報告されているので、本剤を注腸する際にはソルビトール溶液を使用しないこと,,
薬剤投与時の注意
〈注腸投与〉
本剤投与後は、腸管への残留を避けるため、必ず本剤を排泄させること。特に自然排泄が困難な患者においては、適切な方法を用いて本剤を腸管から取り除くこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤のソルビトール懸濁液を経口投与し、結腸狭窄、結腸潰瘍等を起こした症例が報告されている。
  2. 類薬(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)で、そのソルビトール懸濁液を経口投与し、小腸の穿孔、腸粘膜壊死、大腸潰瘍、結腸壊死等を起こした症例が報告されている。
  3. 本剤とアルギン酸ナトリウムとの併用により、消化管内に不溶性のゲルを生じたとの報告がある。

薬物動態

吸収

ポリスチレンスルホン酸カルシウムは吸収されないと考えられる(家兎 in vitro)。ただし、5μm以下の微粒子は粘膜を経由して吸収され、細網内皮系組織等に沈着することが仔牛による実験で報告されているので、ポリスチレンスルホン酸カルシウムは5μm以下の微粒子を0.1%以下に規制している。

排泄

ポリスチレンスルホン酸カルシウム1g/kg及び3g/kg投与群における経過時間ごとの糞便排泄率を測定した結果、両投与群とも経口投与後24時間で75%以上、72時間で90%以上が糞便中に排泄された(ラット)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを対照とした国内二重盲検比較試験
    高カリウム血症を有する慢性腎不全患者75例(透析例63例、非透析例12例)を対象にポリスチレンスルホン酸カルシウム散及び対照薬15~25g/日を2週間経口投与した(透析例はクロスオーバー法)。ポリスチレンスルホン酸カルシウム投与群において透析例(47例)では透析間(透析と透析の間)の血清カリウム値上昇が有意に抑制され(抑制幅0.32~0.87mEq/L、p<0.01)、非透析例(12例)では血清カリウム値が低下した。透析例及び非透析例のいずれにおいても、対照薬投与群との有意な差は認められなかった。ポリスチレンスルホン酸カルシウム投与時に認められた副作用は、便秘2/75例(2.7%)、低カリウム血症1/75例(1.3%)であった。

薬効薬理

作用機序
経口投与あるいは注腸後、消化・吸収されることなく、腸管内、特に結腸付近で、ポリスチレンスルホン酸カルシウムのカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換され、ポリスチレンスルホン酸樹脂としては何ら変化を受けることなしに、そのまま糞便中に排泄される。その結果腸管内のカリウムは体外へ除去される。
カリウム交換容量
ポリスチレンスルホン酸カルシウムを乾燥したものは7.0~9.0%のカルシウムを含み、またその1gは試験管内(KCl溶液)において、53~71mg(1.36~1.82mEq)のカリウムと交換する(in vitro)。
全腎摘出ラットにおける血清カリウム値上昇抑制作用
腎摘出Wistar系雄性ラット(n=8)に対して、ポリスチレンスルホン酸カルシウム1.5g/kg/day、3.0g/kg/day、6.0g/kg/dayを2日間、5回経口投与した。血清カリウム値は3.0g/kg/day群(p<0.05)及び6.0g/kg/day群(p<0.01)で有意な減少を示し、その下降は用量反応関係を示した。
腎不全患者における血清カリウム値上昇抑制作用
腎不全患者(成人)に対し、ポリスチレンスルホン酸カルシウムを1日15~30g経口投与した結果、血清カリウム値を約1mEq/L抑制した,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ポリスチレンスルホン酸カルシウム(Calcium Polystyrene Sulfonate)
性状
・微黄白色~淡黄色の粉末で、におい及び味はない。・水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式

包装

5g×100包

主要文献

1
Fernandez PC, et al.: N Engl J Med. 1972; 286: 23-24(L20200887)
2
Ziessman HA.: South Med J. 1976; 69: 497-499(L20200888)
3
Schroeder ET.: Gastroenterology. 1969; 56: 868-874(L20200889)
4
Minford EJ, et al.: Postgrad Med J. 1992; 68: 302(L20200890)
5
Lillemoe KD, et al.: Surgery. 1987; 101: 267-272(L20200891)
6
Scott TR, et al.: Dis Colon Rectum. 1993; 36: 607-609(L20200892)
7
Wootton FT, et al.: Ann Intern Med. 1989; 111: 947-949(L20200893)
8
和知正幸他.: 基礎と臨床. 1973; 7: 3528-3530(L20200894)
9
Payne JM, et al.: Nature. 1960; 188: 586-587(L20200895)
10
第十八改正日本薬局方解説書.2021:C-5450-C-5456(L20230394)
11
鈴木好夫他.: 診療と保険. 1973; 15: 1794-1808(L20200896)
12
和知正幸他.: 日本薬理学雑誌. 1973; 69: 863-868(L20200897)
13
片岡是充.: 診療と新薬. 1973; 10: 1013-1019(L20200898)
14
平沢由平.: 診療と新薬. 1973; 10: 1021-1029(L20200899)

文献請求先及び問い合わせ先

ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
TEL 0120-226-898FAX 050-3535-8939

製造販売業者等

製造販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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