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ジクアスLX点眼液3%

ドライアイ治療剤(水分分泌促進/ムチン分泌・産生促進/涙液中脂質増加点眼剤)

1瓶 1060円

添付文書番号

1319758Q2028_1_02

企業コード

300237

作成又は改訂年月

2022年6月作成
(第1版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

ドライアイ治療剤(水分分泌促進/ムチン分泌・産生促進/涙液中脂質増加点眼剤)

承認等

販売名

ジクアスLX点眼液3%

販売名コード

1319758Q2028

販売名英字表記

DIQUAS LX ophthalmic solution

承認番号等

承認番号
30400AMX00210

販売開始年月

2022年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ジクアホソルナトリウム点眼液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ジクアスLX点眼液3%
有効成分
1mL中
ジクアホソルナトリウム  30mg
添加剤
リン酸水素ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、ポビドン、硝酸銀、pH調節剤

製剤の性状

ジクアスLX点眼液3%
pH7.0~7.7
浸透圧比1.0~1.1
性状
無色~淡黄色澄明、無菌水性点眼剤

効能又は効果

ドライアイ

用法及び用量

通常、1回1滴、1日3回点眼する。

特定の背景を有する患者に関する注意

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1~5%未満
0.1~1%未満
頻度不明
眼刺激、眼脂
眼の異常感(乾燥感、違和感、ねばつき感)、眼のそう痒感、結膜充血
眼痛、眼の異物感、眼部不快感、眼瞼炎、結膜下出血、霧視、羞明、流涙増加、結膜炎、糸状角膜炎・表層角膜炎・角膜びらん等の角膜上皮障害
その他
疼痛
頭痛、好酸球増加、ALT上昇

適用上の注意

薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
  • 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
  • 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
  • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性の両眼に0.3%、1%、3%、5%ジクアホソルナトリウム点眼液(1日6回点眼製剤)を1回1滴、1日1回1日間、1日6回1日間もしくは1日6回7日間点眼注) したときの血漿中未変化体及び代謝物濃度を測定した結果、血漿中未変化体濃度は、すべての被験者における全測定時点で定量下限値(2ng/mL)未満であった。代謝物(UTP、UDP、UMP、ウリジン)についても、内因性成分に由来する生理的濃度に影響を与えなかった,
注)本剤は1日3回点眼製剤であり、承認されている濃度は3%である。

分布

白色ウサギの両眼に3%ジクアホソルナトリウム点眼液(1日6回点眼製剤)及び本剤(1日3回点眼製剤)を単回点眼したとき、角膜、結膜及び涙液中ジクアホソル濃度はいずれも点眼後15分(角膜及び結膜)又は1分(涙液)に最高濃度を示した後、時間経過とともに減少した。角膜、結膜及び涙液中ジクアホソル濃度は両製剤で同程度であった 。

代謝

ヒト血漿及びヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝反応において、ジクアホソルナトリウムは速やかに代謝を受け、UMP、ウリジン及びウラシルの生成が認められた,in vitro)。
ジクアホソルナトリウムはecto alkaline phosphodiesterase Iにより、UTP及びUMPに加水分解されると考えられた。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
ドライアイ患者337例(有効性解析対象336例)を対象とした無作為化二重遮蔽比較試験において、観察期にプラセボ点眼液を1日3回、2週間点眼後、本剤又はプラセボ点眼液を1回1滴、1日3回、4週間点眼した結果、本剤(168例)ではプラセボ点眼液(168例)と比較して、角膜フルオレセイン染色スコアの有意な低下が認められ、本剤のプラセボ点眼液に対する優越性が検証された。
副作用は本剤群169例中12例(7.1%)に認められ、主な副作用は眼刺激3.6%(6/169例)、眼脂1.8%(3/169例)であった。
フルオレセイン染色スコアの比較(FAS)
本剤
(168例)
プラセボ点眼液
(168例)
変化量(投与後4週)
(平均値±標準偏差)
(例数)
-1.35±1.26
(166)
-0.80±1.25
(164)
変化量**(投与後4週)
[95%信頼区間]
-1.32
[-1.49, -1.15]
-0.81
[-0.98, -0.64]
プラセボ点眼液との差
[95%信頼区間]
p値***
-0.51[-0.75~-0.27]
< 0.0001
* 臨床試験でのスコアリング方法
フルオレセイン染色では角膜を上中下に3分割し、それぞれ0点から3点で障害の程度をスコア化し、合計9点満点として評価した。
** 投与群、評価時点、ベースラインにおける角膜フルオレセイン染色スコア、投与群と評価時点の交互作用、ベースラインにおける角膜フルオレセイン染色スコアと評価時点の交互作用を共変量とした無構造の共分散構造を仮定したThe mixed-effects model for repeated measures(経時測定データに対する混合効果モデル)、最小二乗平均値
*** 有意水準両側5%

薬効薬理

作用機序
ジクアホソルナトリウムは、結膜上皮及び杯細胞膜上のP2Y2受容体に作用し、細胞内のカルシウム濃度を上昇させることにより、水分及びムチンの分泌促進作用を示す。また、角膜上皮の膜結合型ムチンの発現・産生促進作用も有する。さらに、涙液中脂質を増加させる,,,,,
ムチンを含む涙液分泌促進作用
  • 正常動物(ウサギ及びラット)において、ジクアホソルナトリウムの単回点眼により、涙液の分泌及び結膜細胞からのムチン分泌を促進した,,
  • ラットドライアイモデルにおいて、ジクアホソルナトリウムの単回点眼により、涙液の分泌を促進した。また、反復点眼により、結膜組織内のムチン量は増加した,
角膜上皮細胞のムチン産生促進作用
ジクアホソルナトリウムは、角膜上皮細胞のムチンの遺伝子発現及びタンパク質産生を促進した(in vitro,
涙液中脂質増加作用
本剤の単回点眼により、正常ウサギの涙液中脂質は増加した。
角膜上皮障害改善作用
ラットドライアイモデルに本剤を4週間反復点眼した結果、角膜上皮障害は点眼回数依存的に改善し、1日3回点眼以上で最大効果を示し、その効果は3%ジクアホソルナトリウム点眼液(1日6回点眼製剤)の1日6回点眼と同程度であった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ジクアホソルナトリウム(Diquafosol Sodium)
化学名
Tetrasodium P1,P4-bis(5'-uridyl)tetraphosphate
分子式
C18H22N4Na4O23P4
分子量
878.23
性状
本品は白色の結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、ホルムアミドに溶けやすく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノールにほとんど溶けない。
化学構造式

包装

プラスチック点眼容器:5mL×10本、5mL×50本

主要文献

1
社内資料:第Ⅰ相単回・1日頻回点眼試験(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.7.6.1)〔62135〕
2
社内資料:第Ⅰ相連続点眼試験(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.7.6.2)〔62136〕
3
社内資料:ウサギ単回点眼時の涙液、角膜及び結膜中ジクアホソル濃度〔66613〕
4
社内資料:In vitroにおける代謝(血漿におけるin vitro代謝物)(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.6.4.5)〔62176〕
5
社内資料:In vitroにおける代謝(ヒト肝ミクロソームにおけるin vitro代謝物)(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.6.4.5)〔62177〕
6
Picher, M. et al. Am JRespir Cell Mol Biol. 2000;23:255-261. 〔66614〕
7
社内資料:3%DE-089C点眼液のドライアイを対象としたプラセボ対照多施設共同無作為化二重遮蔽並行群間比較試験-第III相、検証的試験-〔66615〕
8
Cowlen, M. S. et al.:Exp. Eye Res. 2003;77:77-84〔61701〕
9
Pendergast, W. et al.:Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001;11:157-160〔61691〕
10
七條優子他:あたらしい眼科2011;28:543-548〔62642〕
11
七條優子他:あたらしい眼科2011;28:1029-1033〔62766〕
12
阪元明日香他:別冊Bio Clinica 2015;4:114-117〔64790〕
13
社内資料:涙液中脂質に対する作用〔66616〕
14
社内資料:正常動物に対する作用(涙液分泌促進作用)(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.6.2.2)〔62202〕
15
Fujihara, T. et al.:J. Ocul. Pharmacol. Ther. 2002;18:363-370〔61630〕
16
社内資料:ドライアイモデル動物に対する作用(涙液分泌促進作用)(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.6.2.2)〔62203〕
17
社内資料:ドライアイモデル動物に対する作用(ムチン分泌促進作用)(2010年4月16日承認、ジクアス点眼液3%CTD2.6.2.2)〔62204〕
18
七條優子他:あたらしい眼科2011;28:425-429〔62609〕
19
社内資料:角膜上皮障害改善作用〔66617〕

文献請求先及び問い合わせ先

参天製薬株式会社 製品情報センター
〒530-8552(個別郵便番号) 大阪市北区大深町4-20
TEL 0120-921-839 06-7664-8624
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製造販売業者等

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大阪市北区大深町4-20

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後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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