医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

ペングッド錠250mg

合成ペニシリン製剤

1錠 16.7円

作成又は改訂年月

**
2020年9月改訂
(第10版)
*
2019年3月改訂

日本標準商品分類番号

876131

日本標準商品分類番号等

2004年9月

薬効分類名

合成ペニシリン製剤

承認等

販売名

ペングッド錠250mg

販売名コード

6131004F2054

承認・許可番号

21300AMY00425000
Pengood

薬価基準収載年月

2001年9月

販売開始年月

2001年11月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存,防湿保存
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分
1錠中
バカンピシリン塩酸塩
250mg(力価)
添加物
乳糖,セルロース,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,酸化チタン,タルク,カルナウバロウ

製剤の性状

剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
直径(mm)15.3×6.9
厚さ(mm)5.0
質量(mg)450
本体コードn-PG250
包装コードn-PG250

一般的名称

バカンピシリン塩酸塩錠

禁忌

*本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めることがある。]

原則禁忌

*ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

**咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎,中耳炎,副鼻腔炎への使用にあたっては,「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し,抗菌薬投与の必要性を判断した上で,本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
<適応菌種>
アンピシリンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,淋菌,大腸菌,プロテウス・ミラビリス,インフルエンザ菌
<適応症>
表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,乳腺炎,咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎,肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染,膀胱炎,腎盂腎炎,淋菌感染症,腹膜炎,子宮内感染,子宮付属器炎,眼瞼膿瘍,麦粒腫,角膜炎(角膜潰瘍を含む),中耳炎,副鼻腔炎,歯周組織炎,歯冠周囲炎,抜歯創・口腔手術創の二次感染,猩紅熱

用法及び用量

通常,成人の場合,1日量500〜1000mg(力価)とし,これを3〜4回に分割して経口投与する。
小児の場合は,1日量15〜40mg(力価)/kgとし,これを3〜4回に分割して経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
高度の腎障害のある患者には,投与量・投与間隔の適切な調整をするなど慎重に投与すること。(「薬物動態」の項参照)

使用上の注意

慎重投与

セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[血中濃度半減期が延長する。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。]

重要な基本的注意

ショックがあらわれるおそれがあるので,十分な問診を行うこと。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
経口避妊薬経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。腸内細菌叢を変化させ,経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例数15,095例中472例(3.13%),574件の副作用が報告されている。
主な副作用は発疹117件(0.78%),下痢72件(0.48%),悪心53件(0.35%),食欲不振35件(0.23%),嘔吐22件(0.15%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用

1
ショック,アナフィラキシー(0.1%未満)
ショック,アナフィラキシーがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,呼吸困難,眩暈,全身潮紅,全身そう痒感,血管浮腫,血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3
急性腎障害(頻度不明)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4
偽膜性大腸炎,出血性大腸炎(いずれも頻度不明)
偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5
肝機能障害,黄疸(いずれも頻度不明)
肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,LDH,Al-P上昇等),黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症注1)発疹,そう痒感発熱,蕁麻疹 
血液  貧血,顆粒球減少,血小板減少,好酸球増多
消化器下痢,悪心・嘔吐,胃部不快感,食欲不振腹部膨満感,便秘,胸やけ 
菌交代症注2) 口内炎,大腸炎(カンジダあるいは非感受性のKlebsiella等による) 
ビタミン欠乏症  ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
注1:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2:このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には,次の点に注意し,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では生理機能が低下していることが多く,副作用が発現しやすい。
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
動物実験(ラット)において大量(3,000mg/kg/day)投与による催奇形作用が報告されている。
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の投与により,ベネディクト試薬,あるいはフェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので,注意すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
服用時
食道に停留し崩壊すると,まれに食道潰瘍を起こすことがあるので,多めの水で服用させ,特に就寝直前の服用等には注意すること。

その他の注意

アンピシリンとアロプリノールとの併用により,発疹の発現が増加するとの報告がある。

薬物動態

吸収・血中濃度
健康成人男子6名にバカンピシリン250mg(力価)を空腹時又は食後に経口投与した場合,血清中濃度は投与後1時間で最高に達し,その濃度は各々6.23μg/mL,4.22μg/mLであり,食事の影響をほとんど受けなかった。2)

バカンピシリンを健康成人に空腹時又は食後に1回経口投与したときの血清中濃度(n=6,平均値±SE)
腎機能障害患者にバカンピシリン500mg(力価)を経口投与した場合,腎機能低下に応じて,t1/2が延長し,AUCの上昇がみられた。3)
 
(腎機能障害患者11例 500mg(力価)単回経口投与(平均値±SD)参照)

バカンピシリンを腎機能障害患者に単回経口投与したときの血中濃度(one-compartment open model)
小児患者(4〜12歳)にバカンピシリン10mg/kg又は20mg/kg(力価)を空腹時に経口投与した場合,血中濃度は1〜2時間後に最高に達した。最高血中濃度及び血中濃度曲線下面積(AUC)には,年齢による差はみられなかった。4)
(小児患者19例 空腹時単回経口投与(one-compartment modelによる解析)参照)

バカンピシリンを小児患者に空腹時単回経口投与したときの血中濃度(one-compartment modelによる解析)
排泄
健康成人にバカンピシリン250mg(力価)を空腹時又は食後に経口投与した場合,大部分はアンピシリンとして,6時間までに各々59.4%,55.3%が尿中に排泄された。2)
腎機能障害患者にバカンピシリン500mg(力価)を経口投与した場合,腎機能低下に応じて排泄速度が遅延した。3)
 
(腎機能障害患者11例 500mg(力価)単回経口投与(平均値±SD)参照)
小児患者(4〜12歳)にバカンピシリン10mg/kg又は20mg/kg(力価)を空腹時に経口投与した場合,投与後6時間までに,各々53.5%,47.2%が尿中に排泄され,その半分以上が2時間までに排泄された。4)
腎機能障害患者11例 500mg(力価)単回経口投与(平均値±SD)
Group
例数
クレアチニン
(mg/dL)
Cmax
(μg/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
AUC0−24h
(μg・h/mL)
A1
2例
0.8
(腎機能正常例)
11.33±2.340.50±0.181.05±0.0923.55±3.54
A2
2例
2.7−2.810.93±7.463.55±1.553.69±1.44108.50±70.73
A3
2例
3.6−7.512.16±2.192.37±0.395.67±0.93122.86±28.19
A4
5例
7.2−15.7
(透析患者)
17.04±9.603.38±2.819.63±3.00292.88±206.11
小児患者19例 空腹時単回経口投与(one-compartment modelによる解析)
投与量
(mg/kg)
例数Cmax
(μg/mL)
tmax
(h)
t1/2
(min)
AUC0−24h
(μg・h/mL)
10117.021.0245.2314.67
20812.810.7661.1623.26
腎機能障害患者11例 500mg(力価)単回経口投与(平均値±SD)
Group
例数
クレアチニン
(mg/dL)
排泄速度定数
(/h)
A1
2例
0.8
(腎機能正常例)
0.66±0.06
A2
2例
2.7−2.80.20±0.08
A3
2例
3.6−7.50.12±0.02
A4
5例
7.2−15.7
(透析患者)
0.08±0.02

臨床成績

二重盲検比較試験を含む国内263施設,2,665例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである。5〜13)
なお,1日投与量は成人500〜1,000mg(力価),小児15〜40mg(力価)/kgであり,投与期間は1〜60日間にわたっているが,多くは3〜14日間である。
(表1参照)
なお,二重盲検比較試験によって,細菌性肺炎,急性扁桃炎及び急性中耳炎,急性単純性膀胱炎,猩紅熱,せつ・せつ腫症・よう,蜂か織炎に対するバカンピシリンの有用性が認められている。
(注:疾患名及び菌名は試験実施時の記載による。)
表1
疾患主な起炎菌有効率
肺炎,気管支炎,咽喉頭炎インフルエンザ菌,化膿レンサ球菌,肺炎球菌など73.6%(485例/659例)
扁桃炎,副鼻腔炎,中耳炎インフルエンザ菌,化膿レンサ球菌,肺炎球菌など84.5%(534例/632例)
腎盂腎炎,膀胱炎,尿道炎,淋疾大腸菌,プロテウス・ミラビリス,腸球菌など78.9%(643例/815例)
腹膜炎,リンパ節炎大腸菌,黄色ブドウ球菌など90.9%(10例/11例)
66.7%(8例/12例)
猩紅熱化膿レンサ球菌94.9%(130例/137例)
乳腺炎,子宮付属器炎,子宮内感染大腸菌,プロテウス・ミラビリス,黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌など75.0%(72例/96例)
麦粒腫,眼瞼膿瘍,角膜潰瘍黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌など82.8%(24例/29例)
せつ・せつ腫症・よう,毛嚢炎,膿痂疹,膿皮症,蜂か織炎,ひょう疽,感染性粉瘤,皮下膿瘍化膿レンサ球菌,黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌など83.3%(165例/198例)
歯槽膿瘍,抜歯後感染,智歯周囲炎化膿レンサ球菌など87.1%(27例/31例)
創傷・熱傷の二次感染黄色ブドウ球菌,大腸菌など77.8%(14例/18例)

薬効薬理

試験管内での作用
抗菌作用
インフルエンザ菌,大腸菌,プロテウス・ミラビリス及び淋菌などのグラム陰性菌並びに肺炎球菌,腸球菌,化膿レンサ球菌,表皮ブドウ球菌及び黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌に対して優れた抗菌作用を示す。
動物での作用
抗菌作用
マウスでの感染治療実験で,インフルエンザ菌,大腸菌,プロテウス・ミラビリス,黄色ブドウ球菌などによる感染症に対して優れた治療効果を示す。14,15)また,生体防御能の低下した状態のマウス(ニュートロペニック・マウス)での大腸菌による感染症において,アンピシリン,アモキシシリンより優れた治療効果が認められている。14)
作用機序
バカンピシリンは,生体内でアンピシリンとなり16),細菌の細胞壁合成を阻害することにより殺菌的に作用する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
バカンピシリン塩酸塩(Bacampicillin Hydrochloride)
略号
BAPC
化学名
1-Ethoxycarbonyloxyethyl(2S,5R,6R)-6-[(2R)-2-amino-2-phenylacetylamino]-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate monohydrochloride
構造式
分子式
C21H27N3O7S・HCl
分子量
501.98
性状
白色〜微黄色の結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく,水にやや溶けやすい。

包装

ペングッド錠250mg
100錠(10錠×10;PTP)
500錠(10錠×50;PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
三木文雄 他:Chemotherapy 27(Suppl.4),132(1979)
3
平野 尚 他:Chemotherapy 32(3),156(1984)
4
杉田守正 他:小児科診療 49(2),321(1986)
5
三木文雄 他:Chemotherapy 27(5),725(1979)
6
三辺武右衛門 他:耳鼻と臨牀 25(5),1398(1979)
7
河田幸道 他:Chemotherapy 27(Suppl.4),318(1979)
8
中溝保三 他:感染症学雑誌 53(3),121(1979)
9
荒田次郎 他:Chemotherapy 27(Suppl.4),416(1979)
10
西田直巳 他:診療と新薬 19,1551(1982)
11
藤村宣夫 他:Prog.Med. 2,1313(1982)
12
前川暢夫 他:日本胸部臨床 42,616(1983)
13
杉田麟也 他:新薬と臨牀 31,767(1982)
14
川崎賢二 他:Chemotherapy 27(Suppl.4),1(1979)
15
大槻雅子 他:Chemotherapy 27(Suppl.4),7(1979)
16
加藤安之 他:Chemotherapy 27(Suppl.4),59(1979)

文献請求先

主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
 日医工株式会社 お客様サポートセンター
 〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
 フリーダイアル(0120)517-215
 Fax(076)442-8948

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売(輸入)元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL