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フェリセルツ散20%

MRI用経口消化管造影剤

1包 805.7円

添付文書番号

7290004B1030_1_08

企業コード

180078

作成又は改訂年月

2021年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87729

薬効分類名

MRI用経口消化管造影剤

承認等

販売名

フェリセルツ散20%

販売名コード

7290004B1030

販売名英字表記

FerriSeltz powder 20%

販売名ひらがな

ふぇりせるつさん20%

承認番号等

承認番号
21800AMX10529

販売開始年月

1993年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
36箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

クエン酸鉄アンモニウム散

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. ヘモクロマトーシスなど鉄過剰症の治療を受けている患者[症状が増悪するおそれがある。]
  2. 本剤の成分又は他の鉄剤に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

フェリセルツ散20%
有効成分
1包(3g)中クエン酸鉄アンモニウム  600mg
添加剤
香料、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、炭酸水素ナトリウム、酒石酸

製剤の性状

フェリセルツ散20%
性状
黄褐色の粉末、白色の結晶及び白色の結晶性粉末から成る散剤。特異な芳香があり、味は甘く、弱い酸味及び鉄味を有する。本剤3gに水300mLを加えるとき、発泡しながら溶け、液の色は黄褐色澄明で、pHは4.5~6.5である。

効能又は効果

腹部磁気共鳴コンピューター断層撮影における下記造影
  • 消化管(胃、十二指腸、空腸)造影
  • 胆道膵管撮影時の消化管陰性造影

効能又は効果に関連する注意

本剤はT1強調画像で造影効果を、T2強調画像で陰性造影効果を示す。

用法及び用量

〈消化管(胃、十二指腸、空腸)造影〉
通常、成人にはクエン酸鉄アンモニウムとして600mg(1包)を300mLの水に溶かし経口投与する。なお、必要に応じて1,200mg(2包)まで増量する。
〈胆道膵管撮影時の消化管陰性造影〉
通常、成人にはクエン酸鉄アンモニウムとして1,200mg(2包)を150mLの水に溶かし経口投与する。

用法及び用量に関連する注意

〈胆道膵管撮影時の消化管陰性造影〉
1.5T(磁場強度)以上のMRI機器を使用しTE(エコー時間)500msec以上の条件で撮像することが望ましい(第Ⅲ相試験における撮像条件)。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸管疾患を有する患者
    鉄が大量に吸収されるおそれがある。消化管粘膜を刺激し、潰瘍や炎症を増悪するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テトラサイクリン系経口抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩、ミノサイクリン塩酸塩、ドキシサイクリン塩酸塩水和物等
ニューキノロン系経口抗菌剤
レボフロキサシン水和物、トスフロキサシントシル酸塩水和物、シプロフロキサシン塩酸塩等
セフジニル
左記医薬品の作用が減弱するおそれがあるので、造影終了後3時間程度服用時間をあける等注意する。
消化管内で難溶性のキレートを形成して左記医薬品の吸収を阻害することが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹(発赤、蕁麻疹、全身の発疹)、アレルギー反応
消化器
下痢
胸やけ等
胃部不快感、腹部膨満感、嘔気・嘔吐、食欲低下
その他
肩痛、血清鉄低下、血清フェリチン増加、血小板増多、総ビリルビン上昇、血清カリウム上昇

臨床検査結果に及ぼす影響

便潜血反応で偽陽性となることがある。

適用上の注意

診断上の注意
通常、本剤服用後、造影効果は約20分後まで持続するが、胃内通過時間は個人によって大きく異なることがあるので注意すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
  2. 本剤の投与により一過性に歯や舌が着色(黒色等)することがある。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈消化管(胃、十二指腸、空腸)造影〉
  1. 国内第Ⅱ相試験
    腹部疾患を有する患者78例を対象に、クエン酸鉄アンモニウム600mg又は1,200mgを水300mLに溶かし経口投与した時の有用性(有用以上)は、93.6%(73/78例)であった。副作用発現頻度は、600mg群で40例中0例(0%)、1,200mg群で38例中1例(2.6%)であった。副作用は1,200mg群の下痢であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験
    腹部疾患を有する患者174例を対象に、クエン酸鉄アンモニウム600mg又は1,200mgを水300mLに溶かし経口投与した時の有用性(有用以上)は、81.7%(138/169例)であった。副作用発現頻度は、600mg群で131例中1例(0.8%)、1,200mg群で43例中0例(0%)であった。副作用は600mg群の下痢であった。
〈胆道膵管撮影時の消化管陰性造影〉
  1. 国内第Ⅲ相試験
    磁気共鳴胆道膵管撮像予定の患者40例を対象に、クエン酸鉄アンモニウム1,200mgを水150mLに溶かし経口投与した時の胆道膵管描出能の有効率は、無投与時0%(0/39例)及び投与時97.4%(38/39例)であり、投与時の無投与時に対する優越性が検証された(p<0.0001、McNemar検定)。副作用発現頻度は、40例中8例(20.0%)であった。副作用は、下痢3例(7.5%)、薬物過敏症、筋骨格痛、血中ビリルビン増加、血清フェリチン増加及び血小板数増加が各1例(2.5%)であった。

薬効薬理

測定法
本剤は、水溶液中で水プロトン信号をT1強調画像では増強、T2強調画像では低下させることによりコントラスト増強効果を発揮する,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クエン酸鉄アンモニウム(Ferric Ammonium Citrate)
分子式
C6H8O7・xFe・xH3N・xH2O
性状
赤褐色、深赤色、褐色又は帯褐黄色の結晶又は結晶性粉末で、においはないか、又はわずかにアンモニア臭があり、塩味及び弱い鉄味がある。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液(1→20)のpHは5.0~8.0である。

取扱い上の注意

光及び湿度の影響を受けやすいので、使用の都度キャップをしっかり締めること。

包装

分包:3g×20包(アルミニウム容器1缶20包入り、乾燥剤入り)

主要文献

1
吉川宏起 ほか:診断と治療. 1991;79(8):1913-1922.
2
廣橋伸治 ほか:診断と治療. 1992;80(1):168-178.
3
林田康男 ほか:医学のあゆみ. 2010;234(7,8):803-817.
4
渡部徳子 ほか:日本磁気共鳴医学会雑誌. 1990;10(6):521-527.
5
古賀けい子 ほか:日本磁気共鳴医学会雑誌. 1990;10(2):114-121.
6
社内資料:T2強調画像における陰性造影効果

文献請求先及び問い合わせ先

大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4
品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840
FAX 03-6717-1414

製造販売業者等

製造販売元
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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