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ジーンプラバ点滴静注625mg

抗Clostridium difficileトキシンBヒトモノクローナル抗体

1瓶 335839円

添付文書番号

6399426A1022_1_05

企業コード

170050

作成又は改訂年月

2020年9月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

876399

薬効分類名

抗Clostridium difficileトキシンBヒトモノクローナル抗体

承認等

販売名

ジーンプラバ点滴静注625mg

販売名コード

6399426A1022

販売名英字表記

ZINPLAVA for Intravenous Drip Infusion 625mg

販売名ひらがな

じーんぷらば

承認番号等

承認番号
22900AMX00969000

販売開始年月

2017年12月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃
有効期間
36箇月

規制区分

生物由来製品
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

注射用ベズロトクスマブ(遺伝子組換え)

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ジーンプラバ点滴静注625mg
有効成分
(1バイアル中)
ベズロトクスマブ(遺伝子組換え)注1)注2)  625mg/25mL
添加剤
塩化ナトリウム(220mg)、クエン酸ナトリウム水和物(120mg)、クエン酸水和物(20mg)、ポリソルベート80(6.3mg)、ジエチレントリアミン五酢酸(0.20mg)、水酸化ナトリウム(適量)
注1)本剤は遺伝子組換え技術により、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
注2)本剤は注射液吸引時の損失を考慮して、1バイアル中に25.5mL(表示容量25mL)の液が充填されている。

製剤の性状

ジーンプラバ点滴静注625mg
剤形注射剤(バイアル)
pH5.7~6.3
浸透圧比約1(生理食塩液対比)
性状
無色~うすい黄色で澄明~うすい乳白色の液

効能又は効果

クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発抑制

効能又は効果に関連する注意

臨床成績の項の内容を理解した上で、クロストリジウム・ディフィシル感染症の既往がある等、再発リスクが高いと判断した患者を対象とすること。

用法及び用量

通常、成人にはベズロトクスマブ(遺伝子組換え)として10mg/kgを60分かけて単回点滴静注する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤の使用に際しては、次の点に注意すること。
    • クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する治療は、別途適切に行うこと。
    • 本剤は、クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する治療施行中に投与すること。
    • 本剤を複数回投与した場合のベネフィット・リスクは不明である。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. うっ血性心不全を有する患者
    心不全が悪化するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトIgGは母体から胎児へ移行することが知られている。なお、生殖発生毒性試験は実施していない。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。本剤がヒト乳汁中へ移行するかは不明である。

小児等

18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.2~2%未満
神経系障害
頭痛、味覚異常、錯感覚
血管障害
潮紅、ほてり、高血圧
胃腸障害
悪心、下痢
全身障害及び投与局所様態
疲労、発熱、注入部位そう痒感
臨床検査
ALT増加、AST増加

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. バイアルは冷所(2~8℃)から取り出したら速やかに調製すること。保存を必要とする場合には、バイアルは常温、遮光条件下で24時間以内に調製すること。
  2. 調製前に変色、異物がないことを確認する。本剤は、無色~うすい黄色で澄明~うすい乳白色の液である。溶液に変色や異物があった場合は使用しないこと。
  3. バイアルは振盪しないこと。
  4. 患者の体重に基づいて必要量を分取し、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を含む点滴バッグに加えて希釈し、最終濃度を1~10mg/mLとする。
  5. 希釈後は静かに転倒混和する。
  6. 使用後のバイアルと残液は廃棄すること。
希釈後の保存に関する注意
  1. 本剤は保存剤を含まないため、調製後は速やかに使用すること。保存を必要とする場合には、調製開始後、常温では16時間以内、冷所(2~8℃)では24時間以内に使用すること。冷所保存した場合は、投与前に常温に戻すこと。保存可能時間には、点滴終了までの時間を含む。
  2. 希釈後は冷凍しないこと。
薬剤投与時の注意
  1. 無菌処理及び発熱物質に対する処理が行われたタンパク質低吸着性のインラインフィルター(0.2~5μm)を使用すること。
  2. 他の薬剤と同じラインで同時に本剤を投与しないこと。

薬物動態

血中濃度

日本人クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI:Clostridium difficile infection)患者に本剤10mg/kgを60分かけて単回静脈内投与した際の、ベズロトクスマブの血清中薬物濃度推移を下図に、薬物動態パラメータを下表に示す。
図 CDI標準的抗菌薬により治療中の日本人CDI患者にベズロトクスマブ単剤10mg/kgを単回静脈内投与した際の血清中薬物濃度推移(平均±標準偏差)
表 CDI標準的抗菌薬により治療中の日本人CDI患者にベズロトクスマブ単剤10mg/kgを単回静脈内投与した際のノンコンパートメント解析に基づく薬物動態パラメータ値の要約
例数
AUC0-∞
(μg・h/mL)
Cmax
(μg/mL)注)
t1/2
(day)
CL
(L/day)
Vd
(L)
24
52000
(30.5)
169
(34.2)
18.2
(26.0)
0.248
(28.6)
6.52
(22.9)
幾何平均(CV%)
注)27例

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 第Ⅲ相試験
    抗菌薬によるCDIに対する治療施行下の患者における本剤のCDI再発抑制効果及び安全性を検討するために、2つのプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験[海外第Ⅲ相試験(001試験)及び日本人を含む国際共同第Ⅲ相試験(002試験)]を実施した。被験者には、CDIに対する治療薬として、メトロニダゾール、バンコマイシン又はフィダキソマイシンを10~14日間投与することとし、治療施行中に本剤又はプラセボを単回静脈内投与した。主要評価項目である投与後12週までのCDI再発率は、本剤群とプラセボ群の対比較において、いずれの試験でも統計学的に有意な差が認められた。
    なお、002試験の日本人被験者におけるCDI再発率は本剤群21.4%(6/28例)及びプラセボ群46.2%(12/26例)であった。
    表1 第Ⅲ相試験(001試験及び002試験)における投与後12週までのCDI再発率(FAS)
    001試験
    002試験
    本剤群
    プラセボ群
    本剤群
    プラセボ群
    CDI再発率注1)
    17.4%
    (67/386例)
    27.6%
    (109/395例)
    15.7%
    (62/395例)
    25.7%
    (97/378例)
    プラセボ群との群間差
    [95%CI]注2)
    -10.1
    [-15.9,-4.3]
    -9.9
    [-15.5,-4.3]
    片側P値注2),注3)
    0.0003
    0.0003
    注1)初回CDIがClinical Cureに至った後、新たな下痢(24時間以内に3回以上の軟便)が認められ、かつ便検体でClostridium difficileトキシン検査陽性となった被験者の割合[※初回CDIに対する抗菌薬による治療期間が14日間以下であり、かつ抗菌薬によるCDI治療終了直後の2日間連続して下痢がない(24時間当たりの軟便回数が2回以下)]
    注2)CDIに対する治療薬(メトロニダゾール/バンコマイシン/フィダキソマイシン)及び入院状態(入院/外来)を層別因子として調整したMiettinen and Nurminen法により算出
    注3)001試験における有意水準は片側0.0125、002試験における有意水準は片側0.025と設定
    001試験及び002試験において、65歳以上、過去6ヵ月以内に1回以上のCDI既往歴あり、免疫不全状態、重症CDI、強毒株(リボタイプ027、078又は244)への感染、リボタイプ027への感染を、CDI再発に関連するリスク因子として設定し、これらの部分集団別の有効性の結果は表2のとおりであった。
    表2 部分集団別のCDI再発率(001試験及び002試験併合)
    本剤群
    プラセボ群
    プラセボ群との群間差
    (95%CI)
    リスク因子の有無
    あり
    16.9%
    (100/592例)
    29.8%
    (174/583例)
    -13.0
    (-17.7,-8.2)
    なし
    15.3%
    (29/189例)
    16.8%
    (32/190例)
    -1.5
    (-9.0,6.0)
    年齢
    65歳以上
    15.4%
    (60/390例)
    31.4%
    (127/405例)
    -16.0
    (-21.7,-10.2)
    65歳未満
    17.6%
    (69/391例)
    21.5%
    (79/368例)
    -3.8
    (-9.5,1.8)
    過去6ヵ月間のCDI既往歴
    あり
    25.0%
    (54/216例)
    41.1%
    (90/219例)
    -16.1
    (-24.7,-7.3)
    なし
    13.5%
    (75/556例)
    20.9%
    (114/545例)
    -7.4
    (-11.9,-3.0)
    免疫不全状態
    あり
    14.6%
    (26/178例)
    27.5%
    (42/153例)
    -12.8
    (-21.7,-4.1)
    なし
    17.1%
    (103/603例)
    26.5%
    (164/620例)
    -9.4
    (-14.0,-4.8)
    CDI重症度注4)
    重症
    10.7%
    (13/122例)
    22.4%
    (28/125例)
    -11.7
    (-21.1,-2.5)
    非重症
    17.5%
    (110/629例)
    27.6%
    (169/613例)
    -10.1
    (-14.7,-5.5)
    強毒株(リボタイプ027、078又は244)への感染
    あり
    21.6%
    (22/102例)
    32.2%
    (37/115例)
    -10.6
    (-22.1,1.3)
    なし
    16.7%
    (64/384例)
    29.5%
    (109/369例)
    -12.9
    (-18.8,-6.9)
    リボタイプ027への感染
    あり
    23.6%
    (21/89例)
    34.0%
    (34/100例)
    -10.4
    (-23.0,2.6)
    なし
    16.4%
    (65/397例)
    29.2%
    (112/384例)
    -12.8
    (-18.6,-7.0)
    注4)Zarの判定法による重症度分類[年齢60歳超、体温38.3℃超、血清アルブミン値2.5g/dL未満及び48時間以内の末梢血白血球数15,000cells/mm3超(各1点)、偽膜性大腸炎の内視鏡所見及び集中治療室での治療(各2点)の合計点が2点以上を重症と定義]
    海外第Ⅲ相試験(001試験)において、本剤投与後4週間に、安全性の評価となった390例中32例(8.2%)に副作用が認められた。主な副作用は浮動性めまい4例(1.0%)、悪心3例(0.8%)及び頭痛3例(0.8%)であった。
    国際共同第Ⅲ相試験(002試験)において、本剤投与後4週間に、安全性の評価となった396例(日本人29例を含む)中27例(6.8%)に副作用が認められた。主な副作用は悪心5例(1.3%)、疲労4例(1.0%)及び頭痛3例(0.8%)であった。

薬効薬理

作用機序
ベズロトクスマブは、クロストリジウム・ディフィシルが産生するトキシンBに特異的に結合[解離定数(Kd)<1×10-9mol/L]するヒトモノクローナル抗体であり、トキシンBと宿主細胞との結合を阻害することにより、トキシンBによる腸壁の炎症及び損傷を抑制する。
抗トキシン作用
In vitro試験において、ベズロトクスマブは、国内外で得られたクロストリジウム・ディフィシルの臨床分離株(リボタイプ001/072、002、003、012、014、017、018、023、027、052、053、063、077、078、081、087、106、198及び369)に由来するトキシンBによる細胞傷害作用を阻害した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ベズロトクスマブ(遺伝子組換え)[Bezlotoxumab(Genetical Recombination)]
分子量
約148,000
本質
Clostridium difficileトキシンBに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体である。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。449個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び215個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質である。

取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

1バイアル(25mL)

主要文献

1
社内資料:第Ⅲ相試験CDI再発率(2017年9月27日承認、CTD 2.5.4.3、CTD 2.7.6.3)
2
社内資料:トキシンBとの結合(2017年9月27日承認、CTD 2.6.2.2)
3
社内資料:臨床分離株での抗トキシン作用(2017年9月27日承認、CTD 2.6.2.2)

文献請求先及び問い合わせ先

MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961

保険給付上の注意

本製剤の使用に当たっては、重症化又は再発のリスクが高いクロストリジウム・ディフィシル感染症を対象とすること。本製剤の使用に当たっては、次のアからオまでのうち該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載し、オを選択する場合には、重症化又は再発のリスクが高いと判断した理由を記載すること。なお、65歳以上であること、又は過去2回以下の既往歴があることのみでは重症化又は再発のリスクが高いとは認められない。
ア 免疫不全状態
イ 重症のクロストリジウム・ディフィシル感染症
ウ 強毒株(リボタイプ027、078又は244)への感染
エ 過去3回以上の既往歴
オ その他の理由により重症化又は再発のリスクが高いと判断できる場合

製造販売業者等

製造販売元
MSD株式会社
東京都千代田区九段北1-13-12

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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