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ユナスピン静注用0.75g

β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤

1瓶 347円

添付文書番号

6139504F1030_1_19

企業コード

260054

作成又は改訂年月

2024年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

876139

薬効分類名

β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤

承認等

販売名

ユナスピン静注用0.75g

販売名コード

6139504F1030

販売名英字表記

YUNASUPIN for Intravenous Injection

承認番号等

承認番号
21700AMY00111000

販売開始年月

2005年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
注射用アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ユナスピン静注用1.5g

販売名コード

6139504F2053

販売名英字表記

YUNASUPIN for Intravenous Injection

承認番号等

承認番号
21700AMY00112000

販売開始年月

2005年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
注射用アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ユナスピン静注用3g

販売名コード

6139504F3084

販売名英字表記

YUNASUPIN for Intravenous Injection

承認番号等

承認番号
22700AMX00875000

販売開始年月

2015年12月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
注射用アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

規制区分

処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アンピシリンナトリウムスルバクタムナトリウム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 伝染性単核症の患者[アンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告がある。]

組成・性状

組成

ユナスピン静注用0.75g
有効成分
1バイアル中
日局 アンピシリンナトリウム  0.5g(力価)
有効成分
1バイアル中
日局 スルバクタムナトリウム  0.25g(力価)
ユナスピン静注用1.5g
有効成分
1バイアル中
日局 アンピシリンナトリウム  1g(力価)
有効成分
1バイアル中
日局 スルバクタムナトリウム  0.5g(力価)
ユナスピン静注用3g
有効成分
1バイアル中
日局 アンピシリンナトリウム  2g(力価)
有効成分
1バイアル中
日局 スルバクタムナトリウム  1g(力価)

製剤の性状

ユナスピン静注用0.75g
pH8.0~10.0〔1.5g(力価)/10mL、水溶液〕
外観
白色~帯黄白色の粉末(用時溶解)
溶解性
水又は生理食塩液に溶けやすい
本剤を下記溶解液に溶解したときの浸透圧比は次のとおりである。
溶解液
日局 注射用水
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.6
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約3.4
溶解液
日局 注射用水
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約0.4
溶解液
日局 生理食塩液
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約4.5
溶解液
日局 生理食塩液
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.3
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1.4
溶解液
日局 ブドウ糖注射液5%
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.3
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約4.6
溶解液
日局 ブドウ糖注射液5%
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1.4
ユナスピン静注用1.5g
pH8.0~10.0〔1.5g(力価)/10mL、水溶液〕
外観
白色~帯黄白色の粉末(用時溶解)
溶解性
水又は生理食塩液に溶けやすい
本剤を下記溶解液に溶解したときの浸透圧比は次のとおりである。
溶解液
日局 注射用水
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.6
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約3.4
溶解液
日局 注射用水
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約0.4
溶解液
日局 生理食塩液
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約4.5
溶解液
日局 生理食塩液
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.3
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1.4
溶解液
日局 ブドウ糖注射液5%
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.3
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約4.6
溶解液
日局 ブドウ糖注射液5%
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1.4
ユナスピン静注用3g
pH8.0~10.0〔1.5g(力価)/10mL、水溶液〕
外観
白色~帯黄白色の粉末(用時溶解)
溶解性
水又は生理食塩液に溶けやすい
本剤を下記溶解液に溶解したときの浸透圧比は次のとおりである。
溶解液
日局 注射用水
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.6
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約3.4
溶解液
日局 注射用水
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約0.4
溶解液
日局 生理食塩液
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約4.5
溶解液
日局 生理食塩液
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.3
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1.4
溶解液
日局 ブドウ糖注射液5%
濃度
1.5g(力価)/10mL
pH
9.3
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約4.6
溶解液
日局 ブドウ糖注射液5%
濃度
1.5g(力価)/100mL
pH
9.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1.4

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌
〈適応症〉
肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎

用法及び用量

〈肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合〉
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができるが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とする。
〈膀胱炎の場合〉
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日3g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
〈効能共通〉
通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日60~150mg(力価)/kgを3~4回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
なお、点滴による静脈内投与に際しては、補液に溶解して用いる。

用法及び用量に関連する注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

重要な基本的注意

  1. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
    1. 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
    2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
    3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
  2. 無顆粒球症、貧血(溶血性貧血を含む)、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  3. 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  4. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。
  2. セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
  4. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
  5. ナトリウム摂取制限患者
    本剤0.75g製剤、1.5g製剤及び3g製剤にナトリウムがそれぞれ57.5mg(2.5mEq)、115mg(5mEq)及び230mg(10mEq)含まれていることに留意すること。

腎機能障害患者

  1. 高度の腎障害のある患者
    本剤の投与量及び投与間隔を調節する等、慎重に投与すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。アンピシリンの大量(3,000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されている。アンピシリン及びスルバクタムは胎盤を通過することが報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

  1. 低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 1歳以下の乳児では慎重に投与すること。下痢・軟便の発現頻度が高い。

高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
  1. 一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
  2. ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アロプリノール
アンピシリンとの併用により、発疹の発現が増加するとの報告がある。
機序不明だが薬剤性の発疹がアロプリノールとアンピシリンを併用していた67例の入院患者のうち22.4%に認められ、アンピシリン単独服用例の1,257例では7.5%に認められた。またアンピシリンを併用しないアロプリノール服用患者283例のうち2.1%が薬剤性発疹を経験したという報告がある。
抗凝血薬
ペニシリン注射液が血小板の凝集・凝固に影響を与え、出血傾向を増強するおそれがある。
抗凝血作用とペニシリン注射液の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される可能性がある。
経口避妊薬
アンピシリンとの併用により避妊効果が減弱したとの報告がある。
本剤は腸内細菌叢を変化させる可能性があり、それにより経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。
メトトレキサート
ペニシリンとの併用により、メトトレキサートのクリアランスが減少するおそれがある。
メトトレキサートの尿細管分泌が阻害され、体内からの消失が遅延し、メトトレキサートの毒性が増強する可能性がある。
プロベネシド
併用により、本剤の血中濃度上昇、血中濃度半減期の延長、本剤の持つ毒性リスクの上昇のおそれがある。
プロベネシドの尿細管分泌抑制作用により本剤の排泄が遅延するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
  2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
  3. 血液障害
    無顆粒球症(頻度不明)、貧血(溶血性貧血を含む)(0.38%)、血小板減少(0.19%)等の重篤な血液障害があらわれることがある。
  4. 急性腎障害(0.1%未満)、間質性腎炎(頻度不明)
    急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある。
  5. 出血性大腸炎(頻度不明)、偽膜性大腸炎(頻度不明)
    出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  6. 肝機能障害(0.10%)
  7. 間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
皮膚
発疹、そう痒感
蕁麻疹
多形紅斑
血液
好酸球増多
白血球減少
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、LAP上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇
黄疸
消化器
下痢・軟便、悪心・嘔吐
腹部不快感
黒毛舌
中枢神経
痙攣等の神経症状
菌交代
口内炎、カンジダ症
その他
発熱
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)
ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

臨床検査結果に及ぼす影響

  1. 本剤の投与により、ベネディクト試薬、あるいはフェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
  2. 妊婦へのアンピシリン投与により、総結合型エストリオール、エストリオール-グルクロニド、結合型エストロン、エストラジオールの一時的な血清中濃度の減少を呈することがあるので注意すること。

過量投与

  1. 症状
    β-ラクタム系抗生物質製剤の脳脊髄液中濃度が高くなると、痙攣等を含む神経系の副作用を引き起こすことが考えられる。
  2. 処置
    腎機能障害患者に過量投与された場合は血液透析を用いて体内から除去すること。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
溶解後は速やかに使用すること。特にグルコース、フルクトース、キシリトール、マルトース水和物等の糖質含有溶解液に溶解した場合にはアンピシリンの力価が低下するので、速やかに使用し、保存しないこと。
薬剤投与時の注意
  1. 静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
  2. 配合変化としてアンピシリンとアミノグリコシド系抗生物質製剤(ジベカシン硫酸塩、アルベカシン硫酸塩等)を混合すると力価が低下したとの報告がある。
    併用に際しては投与部位を変える及び1時間以上投与間隔をあけるなど投与方法に注意すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 成人
    健常成人6名にアンピシリンナトリウム/スルバクタムナトリウム0.75g(力価)又は1.5g(力価)をクロスオーバー法により静注した時のスルバクタム及びアンピシリンの血清中濃度は、静注後5分で、0.75g(力価)投与時スルバクタム18.7μg/mL、アンピシリン39.2μg/mL、1.5g(力価)投与時スルバクタム40.0μg/mL、アンピシリン78.8μg/mLであった。
    スルバクタムとアンピシリンの濃度半減期(t1/2)はいずれも約1時間であり、両薬物の血中動態は良く近似していた。

分布

  1. 成人患者3例にアンピシリンナトリウム/スルバクタムナトリウム1.5g(力価)を静注した時のスルバクタム及びアンピシリンの胆汁中濃度は、静注後1時間でそれぞれ平均3.6μg/mL、19.8μg/mLであった。
  2. 成人患者の喀痰、腹腔内滲出液、子宮・付属器組織、骨盤死腔滲出液、並びに小児患者の髄液、膿汁などへの移行は下表のとおりスルバクタム及びアンピシリンとも良好であることが認められた。
    体液・組織への移行
    体液・組織
    投与量(力価)
    薬物濃度(μg/mL又はμg/g)
    スルバクタム
    アンピシリン
    喀痰
    3g
    2.40
    1.50
    腹腔内滲出液
    1.5g
    1.82
    2.71
    子宮・付属器
    1.5g
    7.06~15.4
    6.60~27
    骨盤死腔滲出液
    1.5g
    11.6~16.4
    19.1~21.6
    髄液(小児)
    100mg/kg
    17.2
    16.0
    膿汁(小児)
    66.7mg/kg
    1.34
    2.66

排泄

健常成人6名にアンピシリンナトリウム/スルバクタムナトリウム0.75g(力価)又は1.5g(力価)を静注した時の投与後0~1時間の尿中濃度(平均値)は、0.75g投与でスルバクタム約2,000μg/mL及びアンピシリン約4,000μg/mL、1.5g投与でスルバクタム約4,000μg/mL及びアンピシリン約10,000μg/mLと、高い値を示した。投与後24時間までのスルバクタム、アンピシリンの累積尿中排泄率は0.75g投与、1.5g投与ともスルバクタム、アンピシリンいずれも約80%であった。スルバクタム、アンピシリンともほとんど代謝されず未変化体として主に尿中に排泄される。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    1. 海外の報告によれば、中等度ないし高度腎機能が低下している患者(10例)ではスルバクタム及びアンピシリンのt1/2が延長する,

薬効薬理

作用機序
スルバクタムがβ-ラクタマーゼのⅠc、Ⅱ、Ⅲ及びⅣ型を強く、Ⅰa及びⅤ型を軽度に不可逆的に不活化するため、アンピシリンがこれらの酵素により加水分解されることを防ぎ、アンピシリン耐性菌にも抗菌力を示す。アンピシリンは、細菌のペプチドグリカン架橋形成を強く阻害して細胞壁合成を妨げ、殺菌的に作用する。
抗菌作用
  1. ブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌のβ-ラクタマーゼ産生・アンピシリン耐性菌及び肺炎球菌に対し、強い抗菌力を示す,,in vitro試験)。
  2. β-ラクタマーゼ高度産生のブドウ球菌属、大腸菌、又はプロテウス属によるマウス単一感染モデルにおいて、アンピシリンより強い治療効果を示す。
    また、β-ラクタマーゼ高度産生のアンピシリン耐性インフルエンザ菌とアンピシリン感受性肺炎球菌のマウス混合感染モデルにおいてアンピシリンより強い治療効果を示す。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 アンピシリンナトリウム
一般的名称
アンピシリンナトリウム(Ampicillin Sodium)
化学名
Monosodium(2S,5R,6R)-6-[(2R)-2-amino-2-phenylacetylamino]-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate
分子式
C16H18N3NaO4S
分子量
371.39
性状
アンピシリンナトリウムは白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
化学構造式
略号
ABPC
力価
アンピシリンナトリウムの力価は、アンピシリン(C16H19N3O4S)としての量を質量(力価)で示す。
19.2 スルバクタムナトリウム
一般的名称
スルバクタムナトリウム(Sulbactam Sodium)
化学名
Monosodium(2S,5R)-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate 4,4-dioxide
分子式
C8H10NNaO5S
分子量
255.22
性状
スルバクタムナトリウムは白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
化学構造式
略号
SBT
力価
スルバクタムナトリウムの力価は、スルバクタム(C8H11NO5S)としての量を質量(力価)で示す。

包装

〈ユナスピン静注用0.75g〉
12バイアル
〈ユナスピン静注用1.5g〉
12バイアル
〈ユナスピン静注用3g〉
12バイアル

主要文献

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川崎 賢二ほか:Chemotherapy(Tokyo). 1988;36(Suppl.8):34-57

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ケミックス 学術部
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-15-10
電話:0120-769-031
https://www.chemixjp.co.jp/

製造販売業者等

製造販売元
株式会社ケミックス
横浜市港北区新横浜2-15-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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