作成又は改訂年月
**印:
2022年12月改訂
(第20版、承継に伴う改訂)
*印:
2019年4月改訂
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
2004年9月
薬効分類名
承認等
販売名
**ピペラシリンNa注射用1g「NIG」
販売名コード
承認・許可番号
22500AMX01305000
Piperacillin Na for Injection
薬価収載
販売開始
使用期限等
貯 法
室温保存
有効期間
3年(バイアル及び外装に表示の使用期限内に使用すること)
基準名
規制区分
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
1バイアル中:
ピペラシリンナトリウム…1g(力価)
性状
白色の凍結乾燥品
pH
5.0〜7.0* 5.0〜6.0***
浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)
1.5〜2.5* 2.5〜3.5** 約1***
* 1g(力価)/4mL(日局注射用水)
** 1g(力価)/3mL(0.5%リドカイン注射液)
***1g(力価)/100mL(生理食塩液)、2g(力価)/100mL(生理食塩液)
販売名
**ピペラシリンNa注射用2g「NIG」
販売名コード
承認・許可番号
22500AMX01306000
Piperacillin Na for Injection
薬価収載
販売開始
使用期限等
貯 法
室温保存
有効期間
3年(バイアル及び外装に表示の使用期限内に使用すること)
基準名
規制区分
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
1バイアル中:
ピペラシリンナトリウム…2g(力価)
性状
白色の凍結乾燥品
pH
5.0〜7.0* 5.0〜6.0***
浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)
1.5〜2.5* 2.5〜3.5** 約1***
* 1g(力価)/4mL(日局注射用水)
** 1g(力価)/3mL(0.5%リドカイン注射液)
***1g(力価)/100mL(生理食塩液)、2g(力価)/100mL(生理食塩液)
禁忌
*本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
伝染性単核球症の患者[ペニシリン系抗生物質の投与で発疹が出現しやすいという報告がある]
原則禁忌
*ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
急性気管支炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
<適応菌種>
ピペラシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
<適応症>
敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎
用法・用量
ピペラシリンナトリウムとして、通常、成人には、1日2〜4g(力価)を2〜4回に分けて静脈内に投与するが、筋肉内に投与もできる。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回4g(力価)を1日4回まで増量して静脈内に投与する。
通常、小児には、1日50〜125mg(力価)/kgを2〜4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1日300mg(力価)/kgまで増量して3回に分けて静脈内に投与する。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4g(力価)を超えないものとする。
●投与に際して
静脈内投与に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し緩徐に注射する。
点滴による静脈内投与に際しては、通常、本剤1〜4g(力価)を100〜500mLの補液に溶解し用いる。筋肉内投与に際しては、通常、本剤1g(力価)を日局リドカイン注射液(0.5w/v%)3mLに溶解し注射する。
なお、点滴静注にあたっては、注射用水を使用しないこと(溶液が等張にならないため)。
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
使用上の注意
慎重投与
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者[ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと]
本人又は両親兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者[アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすいので、十分な問診を行うこと]
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと]
出血素因のある患者[出血傾向を助長するおそれがある]
肝障害のある患者[血中濃度が持続するおそれがある]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
相互作用
併用注意
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|
メトトレキサート | メトトレキサートの排泄が遅延し、メトトレキサートの毒性作用が増強される可能性がある。 血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。 | 腎尿細管分泌の阻害により、メトトレキサートの腎排泄を遅延させると考えられる。 |
---|
抗凝血薬 ワルファリン等 | 血液凝固抑制作用を増強するおそれがあるので、出血傾向等に注意すること。 | 本剤の出血傾向や腸内細菌によるビタミンK産生抑制等により相加的に血液凝固抑制作用を増強させると考えられる。 |
---|
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
過敏症
頻度不明
発熱、発疹、そう痒、浮腫、蕁麻疹、リンパ節腫脹
血液
頻度不明
顆粒球減少、好酸球増多、血小板減少、貧血
肝臓
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇、黄疸
消化器
頻度不明
悪心・嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛
中枢神経
頻度不明
腎不全患者大量投与で痙攣等の神経症状
菌交代症
頻度不明
口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症
頻度不明
ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)、ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)
その他
頻度不明
頭痛、筋肉痛、しびれ
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。
小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の投与により、ベネディクト試薬等の還元法による尿糖検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。
本剤の投与により、侵襲性アスペルギルス症の診断に用いられる血清中アスペルギルス抗原(ガラクトマンナン)の検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。
適用上の注意
溶解後:
溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも冷蔵庫中(約5℃)に保存し、24時間以内に使用すること。
アミノグリコシド系抗生物質(トブラマイシン等)と配合すると、アミノグリコシド系抗生物質の活性低下をきたすので、本剤と併用する場合にはそれぞれ別経路で投与すること。
静脈内投与時:静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
筋肉内投与時:筋肉内注射にあたっては、組織、神経への影響を避けるため次の点に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど注射部位を変えて行うこと。
新生児、低出生体重児、乳・幼・小児には筋肉内投与しないこと。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
日局リドカイン注射液(0.5w/v%)で溶解した溶液は静脈内への注射を絶対避けること。
その他の注意
本剤の投与に際しては、定期的に血液検査、肝機能検査等を行うことが望ましい。
外国においてのう胞性線維症の患者で本剤の過敏症状の発現頻度が高いとの報告がある。
併用により、ベクロニウムの筋弛緩作用を延長させるとの報告がある。
薬物動態
生物学的同等性試験2)
ピペラシリンNa注射用1g「NIG」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1バイアル[ピペラシリンナトリウムとして1g(力価)]を3mLの0.5w/v%リドカイン注射液に溶解し、健康成人男子に絶食単回筋肉内投与して血清中ピペラシリン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態の表
ピペラシリンNa注射用1g「NIG」 絶食単回筋肉内投与
薬物動態パラメータ (平均±標準偏差、n=10)
| 投与量 [g(力価)] | AUC0-24 [μg(力価)・hr/mL] | Cmax [μg(力価)/mL] | Tmax (hr) | T1/2 (hr) |
ピペラシリンNa注射用1g「NIG」 | 1 | 66.0±7.9 | 23.8±2.0 | 0.7±0.3 | 1.4±0.4 |
標準製剤[注射剤、1g(力価)] | 1 | 61.3±6.4 | 22.2±1.9 | 0.8±0.3 | 1.5±0.5 |
薬効薬理
グラム陽性球菌を0.39〜3.13μg/mL、大腸菌、プロテウスなどのグラム陰性桿菌を0.78〜6.25μg/mL、緑膿菌の多くの株を12.5μg/mL以下で阻止、また肺炎桿菌、セラチア及びバクテロイデスに対してはカルベニシリンやスルベニシリンにまさる作用を示す。ペニシリナーゼに対してはかなり安定である。作用機序は細菌細胞壁のペプチドグリカン合成阻害であり、殺菌的に作用する。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ピペラシリンナトリウム(Piperacillin Sodium)
略 号
PIPC
化学名
Monosodium(2S,5R,6R)-6-{(2R)-2-[(4-ethyl-2,3-dioxopiperazine-1-carbonyl)amino]-2-phenylacetylamino}-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate
分子式
C23H26N5NaO7S
分子量
539.54
性 状
白色の粉末又は塊である。水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
構造式
取扱い上の注意
安定性試験結果の概要4)
加速試験(40℃、6ヵ月)の結果、ピペラシリンNa注射用1g「NIG」及びピペラシリンNa注射用2g「NIG」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
●ピペラシリンNa注射用1g「NIG」[1バイアル中1g(力価)]
10バイアル
●ピペラシリンNa注射用2g「NIG」[1バイアル中2g(力価)]
10バイアル
主要文献
1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
日医工岐阜工場(株)社内資料(生物学的同等性試験)
3
第十七改正日本薬局方解説書
4
日医工岐阜工場(株)社内資料(安定性試験)
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
**主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL (0120) 517-215
FAX (076) 442-8948
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
**発売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
**製造販売元(輸入)
日医工岐阜工場株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21