作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
2004年9月
薬効分類名
承認等
販売名
アミカシン硫酸塩注100mg「NP」
販売名コード
承認・許可番号
22400AMX00887
AMIKACIN SULFATE INJECTION
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
容器等に記載
注意
「取扱い上の注意」参照
基準名
規制区分
処方せん医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方せんにより使用すること
組成
容量
1mL
有効成分(1管中)
日本薬局方 アミカシン硫酸塩 100mg(力価)
添加物(1管中)
クエン酸ナトリウム水和物 14mg
亜硫酸水素ナトリウム 1mg
パラオキシ安息香酸メチル 0.45mg
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05mg
pH調整剤
性状
製剤の性状 性状 | 無色〜微黄色澄明の水性注射液 |
---|
容器 | 無色のガラスアンプル |
---|
pH | 6.0〜7.5 |
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浸透圧比(生理食塩液に対する比) | 約1 |
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販売名
アミカシン硫酸塩注200mg「NP」
販売名コード
承認・許可番号
22400AMX00888
AMIKACIN SULFATE INJECTION
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
容器等に記載
注意
「取扱い上の注意」参照
基準名
規制区分
処方せん医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方せんにより使用すること
組成
容量
2mL
有効成分(1管中)
日本薬局方 アミカシン硫酸塩 200mg(力価)
添加物(1管中)
クエン酸ナトリウム水和物 28mg
亜硫酸水素ナトリウム 2mg
パラオキシ安息香酸メチル 0.9mg
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1mg
pH調整剤
性状
製剤の性状 性状 | 無色〜微黄色澄明の水性注射液 |
---|
容器 | 無色のガラスアンプル |
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pH | 6.0〜7.5 |
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浸透圧比(生理食塩液に対する比) | 約1 |
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禁忌
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌
本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]
効能又は効果
<適応菌種>
アミカシンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌
<適応症>
敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎
用法及び用量
○筋肉内投与の場合
通常、成人1回アミカシン硫酸塩として100〜200mg(力価)を1日1〜2回筋肉内投与する。
小児は、アミカシン硫酸塩として1日4〜8mg(力価)/kgとし、1日1〜2回筋肉内投与する。
なお、年齢及び症状により適宜増減する。
○点滴静脈内投与の場合
通常、成人1回アミカシン硫酸塩として100〜200mg(力価)を、1日2回点滴静脈内投与する。
小児は、アミカシン硫酸塩として1日4〜8mg(力価)/kgとし、1日2回点滴静脈内投与する。また、新生児(未熟児を含む)は、1回アミカシン硫酸塩として6mg(力価)/kgを、1日2回点滴静脈内投与する。
なお、年齢、体重及び症状により適宜増減する。
点滴静脈内投与の場合には、通常100〜500mLの補液中に100〜200mg(力価)の割合で溶解し、30分〜1時間かけて投与すること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
腎障害患者
腎障害患者では、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与すること。(「慎重投与」の項参照)
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
使用上の注意
慎重投与
腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
重症筋無力症の患者[神経筋遮断作用があり呼吸抑制があらわれることがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすく、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい。アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、慎重に投与すること。
本剤を点滴静脈内投与する時には、副作用発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与すること。また、投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。
相互作用
併用注意
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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腎障害を起こすおそれのある血液代用剤:デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン等 | 腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。 | 機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。 |
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ループ利尿剤:エタクリン酸、フロセミド、アゾセミド等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。 |
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腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤:バンコマイシン、エンビオマイシン、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
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麻酔剤 筋弛緩剤:ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン、A型ボツリヌス毒素製剤等 | 呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。 | 両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。 |
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腎毒性を有する薬剤:シクロスポリン、アムホテリシンB等 | 腎障害が発現、悪化するおそれがある。 | 両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
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副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
ショック(頻度不明)
ショック(初期症状:不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
第8脳神経障害(頻度不明)
耳鳴・耳閉塞感・耳痛・眩暈・難聴等の第8脳神経障害(主として蝸牛機能障害)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
急性腎不全(頻度不明)
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
過敏症注2)
(頻度不明)
発疹、そう痒、発熱
腎臓
(頻度不明)
カリウム等の電解質異常、浮腫、蛋白尿、血尿、血清クレアチニン上昇、BUN上昇、乏尿
肝臓
(頻度不明)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇
血液
(頻度不明)
白血球減少、好酸球増多
消化器
(頻度不明)
下痢、悪心・嘔吐
ビタミン欠乏症
(頻度不明)
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
注射部位(筋注の場合)
(頻度不明)
注射部位の疼痛、硬結
その他
(頻度不明)
頭痛、口唇部のしびれ感
注2)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。]
過量投与
徴候、症状
腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置
血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。
適用上の注意
筋肉内投与時
筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
筋肉内注射は、やむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
同一部位への反復注射は行わないこと。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
アンプルカット時
本剤は、ワンポイントカットアンプルを使用しているので、アンプル頭部のマークを上にして反対側(下の方向)に軽く力を加えてカットすること。なお、アンプルカット時の異物混入を避けるため、首部の周りをエタノール綿等で清拭すること。
β-ラクタム系抗生物質製剤(カルベニシリン、スルベニシリン等)と本剤との混注により、両剤ともに不活性化されるとの報告がある。それぞれ別経路にて投与を行うこと。
その他の注意
クエン酸で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
聴器毒性
モルモットにアミカシンを筋肉内投与した試験(40、100、200mg/kg、28日間)で、耳介反射の消失を認めるとともに、ラセン器の外有毛細胞の消失が認められたとの報告がある。
腎毒性
ラットにアミカシンを背部皮下投与した試験(25、100、400mg/kg、30日間)で、腎重量増加がみられるとともに近位尿細管の内腔拡張、上皮の扁平化が認められたとの報告がある。
薬物動態
生物学的同等性試験
アミカシン硫酸塩注100mg「NP」と標準製剤のそれぞれ1mL[アミカシン硫酸塩として100mg(力価)]を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→6hr、Cmax)の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。1)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
薬効薬理
抗菌スペクトル及び抗菌力はカナマイシンと類似するが、臨床分離株のうちカナマイシンが無効な場合の多いエンテロバクター、シトロバクター、セラチア、緑膿菌等に対して優れた活性を示す。ゲンタマイシン耐性のクレブシエラ、プロテウス、緑膿菌に対しても有効な場合が多い。作用機序は他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に細菌の蛋白合成阻害であり、殺菌的に作用する。耐性菌の産生する各種不活化酵素に抵抗性であるが、6'位のアミノ基のアセチル化及び4'位の水酸基のアデニリル化酵素によって不活化される。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アミカシン硫酸塩(Amikacin Sulfate)
略号
AMK
化学名
3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[6-amino-6-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)]-1-N-[(2S)-4-amino-2-hydroxybutanoyl]-2-deoxy-D-streptamine disulfate
分子式
C22H43N5O13・2H2SO4
分子量
781.76
構造式
性状
・白色〜黄白色の粉末である。
・水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
安定性試験
アミカシン硫酸塩注100mg「NP」
最終包装製品を用いた長期保存試験[室温(1〜30℃)、3年間]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、アミカシン硫酸塩注100mg「NP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。3)
アミカシン硫酸塩注200mg「NP」
最終包装製品を用いた長期保存試験[室温(1〜30℃)、3年間]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、アミカシン硫酸塩注200mg「NP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。4)
包装
アミカシン硫酸塩注100mg「NP」:1mL×10管
アミカシン硫酸塩注200mg「NP」:2mL×10管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1
ニプロ(株):社内資料(生物学的同等性試験)
2
第十六改正日本薬局方解説書
3
ニプロ(株):社内資料(安定性試験)
4
ニプロ(株):社内資料(安定性試験)
文献請求先
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
主要文献欄に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒541-0045 大阪市中央区道修町2丁目2番7号
0120-226-898
FAX 06-6231-7910
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
ニプロ株式会社
大阪市北区本庄西3丁目9番3号