医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

ザジテンカプセル1mg

アレルギー性疾患治療剤

1カプセル 8.2円

添付文書番号

4490003M1263_2_07

企業コード

480866

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

アレルギー性疾患治療剤

承認等

販売名

ザジテンカプセル1mg

販売名コード

4490003M1263

販売名英字表記

Zaditen Capsules 1mg

販売名ひらがな

ざじてんかぷせる1mg

承認番号等

承認番号
21900AMX00961000

販売開始年月

1983年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ケトチフェンフマル酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. てんかん又はその既往歴のある患者

組成・性状

組成

ザジテンカプセル1mg
有効成分
1カプセル中
日局 ケトチフェンフマル酸塩  1.38mg
ケトチフェンとして  1mg
添加剤
無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、D-マンニトール
カプセル本体にゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化チタン含有

製剤の性状

ザジテンカプセル1mg
外形
 
識別コードCS
性状
白色~淡黄白色の粉末の入った白色不透明の4号硬カプセル
大きさ(約)
長径:14.4mm 短径:5.3mm 質量:0.18g

効能又は効果

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症

用法及び用量

通常、成人にはケトチフェンとして1回1mg(1カプセル)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
〈気管支喘息〉
  1. 本剤はすでに起こっている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことを患者に十分説明しておく必要がある。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. てんかんを除く痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
    痙攣閾値を低下させることがある。
  2. 長期ステロイド療法を受けている患者
    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

肝機能障害患者

肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある。

高齢者

減量するなど注意すること。一般的に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
(鎮静剤、催眠剤等)
抗ヒスタミン剤
アルコール
眠気、精神運動機能低下等を起こすことがある。
アルコール性飲料の摂取を制限すること。
いずれも中枢神経抑制作用を有するため。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 痙攣、興奮(頻度不明)
    乳児、幼児では特に注意すること。
  2. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
    AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
泌尿器
頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状
過敏症
発疹、蕁麻疹
浮腫、多形紅斑
精神神経系
眠気、けん怠感、口渇
めまい、ふらつき、頭痛、味覚異常、しびれ感
一過性の意識消失、易刺激性、不眠、神経過敏、鎮静
消化器
悪心、腹痛、下痢、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、便秘、口内炎
肝臓
AST、ALT、ALPの上昇
LDH、γ-GTPの上昇
その他
体重増加、鼻出血
ほてり、動悸、月経異常

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。

過量投与

  1. 徴候、症状
    傾眠、見当識障害、チアノーゼ、呼吸困難、発熱、錯乱、痙攣、頻脈、徐脈、低血圧、眼振、可逆性昏睡等。特に小児では、興奮性亢進、痙攣。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

健康成人に本剤2カプセル(ケトチフェンとして2mg)を1回経口投与した場合の薬物動態は次のとおりである。
(本剤の承認された通常成人1回用量は1mgである。)
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
AUC0→24(ng・h/mL)
T1/2β(h)
2.8±0.2
5.13±0.63
54.62±8.36
6.72±0.70
平均±標準誤差(n=5)
ザジテン2mgを健康成人に経口投与後の血漿中濃度の推移

分布

ケトチフェンの蛋白結合率は約75%である。(in vitro、ヒト血清、平衡透析法)

代謝

ケトチフェンの血中及び尿中における主代謝産物はグルクロン酸抱合体であり、脱メチル化体及びN-酸化体がわずかにみられた(外国人のデータ)。

排泄

健康成人に14C-ケトチフェンを単回投与した時、投与120時間後までに放射能は尿中に71.1%及び糞中に26.4%排泄された(外国人のデータ)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

二重盲検比較試験を含む気管支喘息750例、アレルギー性鼻炎456例及び皮膚疾患1,075例における本剤の臨床試験成績の概要は次のとおりである。
疾患名
有効率
気管支喘息
60.8%(250/411)
アレルギー性鼻炎
59.0%(138/234)
湿疹・皮膚炎,,
66.9%(200/299)
蕁麻疹
74.9%(302/403)
皮膚そう痒症
66.7%(66/99)
また、二重盲検比較試験において、本剤の有用性が確認された,,
安全性に関しては、以下の成績が得られた。
承認時までの総症例21,170例中何らかの副作用が報告されたのは1,144例(5.4%)であった。主な副作用は眠気(4.4%)、けん怠感(0.3%)、口喝(0.1%)、悪心(0.1%)等であった。

薬効薬理

作用機序
ケトチフェンはケミカルメディエーター遊離抑制に基づく抗アナフィラキシー作用及び抗ヒスタミン作用を有し、かつ、気道及び鼻粘膜等の組織の過敏性を減弱させる。更に、PAF(血小板活性化因子)による気道の反応性亢進を抑制し、好酸球に対する作用を有する。
抗アナフィラキシー作用
ケトチフェンはPCA(受動的皮膚アナフィラキシー)反応、実験的気管支喘息モデルにおけるアナフィラキシー反応を抑制する(ラット)。
ヒスタミン及びSRS-A等ケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット腹腔・皮膚肥満細胞,、ヒト白血球中好塩基球・好中球,、ヒト肺in vitro)。また、抗SRS-A作用を有する,(モルモット気管支筋in vivo、回腸in vitro)。
抗ヒスタミン作用
ケトチフェンはヒスタミンによる気管支収縮(モルモット)、血管透過性亢進、皮膚反応(ラット)等を抑制する。
PAF(血小板活性化因子)による気道反応の抑制
ケトチフェンはPAFによる気管支収縮、気道反応性亢進を抑制する,(モルモット)。
好酸球に対する作用
抗原及びPAFによる好酸球の肺への集積を防止する(モルモット、ヒヒ)。
アレルギー性疾患患者においてケトチフェンは抗原刺激による好酸球の脱顆粒を防止する(in vitro)。
ケトチフェンはアレルギー性疾患患者の末梢血好酸球を減少させる,,
また、臨床症状の改善に伴って低比重好酸球比率の減少がみられる。
誘発試験による過敏反応の抑制
アレルギー性疾患患者において、ケトチフェンは抗原誘発による気道、鼻粘膜、皮膚等の過敏反応を抑制する,,,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ケトチフェンフマル酸塩(Ketotifen Fumarate)
化学名
4-(1-Methylpiperidin-4-ylidene)-4H-benzo[4,5]cyclohepta[1,2-b]thiophen-10(9H)-one monofumarate
分子式
C19H19NOS・C4H4O4
分子量
425.50
性状
白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、水、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けにくい。
化学構造式
融点
約190℃(分解)
分配係数
0.7(1-オクタノール/0.1mol/L塩酸)

包装

100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
500カプセル[10カプセル(PTP)×50]

主要文献

1
Debelic, M. et al.:Dtsch. med. Wschr., 1981, 106(50), 1704-1707
2
Le Blaye, I. et al.:Drug Safety, 1992, 7(5), 387-392
3
Kennedy, G. R.:Res. Clin. Forums, 1982, 4(1), 17-20
4
熊谷 朗ほか:臨床評価, 1980, 8(2), 353-396
5
奥田 稔ほか:耳鼻咽喉科展望, 1983, 26(S4), 347-384
6
浦上芳達ほか:皮膚, 1985, 27(4), 897-905
7
権東 明ほか:皮膚, 1985, 27(3), 623-634
8
渡辺加代子ほか:皮膚, 1985, 27(3), 635-645
9
久木田 淳ほか:西日本皮膚科, 1986, 48(2), 333-343
10
Martin, U. et al.:Arzneim.-Forsch. Drug Res., 1978, 28(5), 770-782
11
赤星吉徳ほか:アレルギーの臨床, 1985, 5(5), 401-404
12
熊谷 朗ほか:メディカルサンド, 1980, 8(2), 87-93
13
岸本真知子ほか:アレルギーの臨床, 1984, 4(2), 149-151
14
Ney, U. M. et al.:Res. Clin. Forums, 1982, 4(1), 9-16
15
Mazzoni, L. et al.:Br. J. Pharmacol., 1985, 86(S), 571
16
Morley, J. et al.:Agents. Actions., 1988, 23(S), 187-194
17
Arnoux, B. et al.:Am. Rev. Respir. Dis., 1988, 137(4), 855-860
18
Podleski, W. K. et al.:Agents. Actions., 1984, 15(3-4), 177-181
19
宮里 稔ほか:炎症, 1988, 8(3), 260-262
20
笹本明義ほか:小児科臨床, 1986, 39(11), 3275-3281
21
碇 久雄ほか:小児科臨床, 1989, 42(3), 589-600
22
伊藤和彦ほか:薬理と治療, 1980, 8(2), 563-567
23
山田政功ほか:アレルギーの臨床, 1984, 4(2), 137-140
24
臼井信郎ほか:耳鼻咽喉科展望, 1984, 27(S1), 107-114
25
田中憲雄ほか:臨牀と研究, 1980, 57(8), 2712-2717
26
Giesen, H. K. et al.:Med. Welt, 1979, 30(37), 1359-1360

文献請求先及び問い合わせ先

サンファーマ株式会社 くすり相談センター
〒105-0011 東京都港区芝公園1-7-6
受付時間:9時~17時
(土、日、祝日、その他当社の休業日を除く)
TEL:0120-22-6880
ホームページ:https://jp.sunpharma.com/

製造販売業者等

製造販売元
サンファーマ株式会社
東京都港区芝公園1-7-6

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL