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閲覧履歴

オクトレオスキャン静注用セット

放射性医薬品/神経内分泌腫瘍診断薬

1セット 117602円

添付文書番号

4300452G1026_2_01

企業コード

651410

作成又は改訂年月

2022年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/神経内分泌腫瘍診断薬

承認等

販売名

オクトレオスキャン静注用セット

販売名コード

4300452G1026

販売名英字表記

Octreoscan Injection

販売名ひらがな

おくとれおすきゃんじょうちゅうようせっと

承認番号等

承認番号
22700AMX01025000

販売開始年月

2016年1月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃保存
有効期間
検定日時から24時間

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

インジウムペンテトレオチド(111In)注射液 調製用

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

オクトレオスキャン静注用セット
有効成分
バイアルA(1.1mL):
放射性医薬品基準塩化インジウム(111In)溶液(ペンテトレオチド用)
1バイアル中 塩化インジウム(111In)  122MBq(検定日時)
添加剤
1バイアル中 塩化第二鉄 4~8μg、塩酸 適量
有効成分
バイアルB:
注射用ペンテトレオチド
1バイアル中 ペンテトレオチド  10μg
添加剤
1バイアル中 ゲンチジン酸 2mg、クエン酸ナトリウム水和物 5.6mg、クエン酸水和物 0.40mg、イノシトール 10mg

製剤の性状

オクトレオスキャン静注用セット
pH調製後注射液:3.0~5.0
浸透圧比調製後注射液:約0.6(生理食塩液に対する比)
外観
バイアルA:無色澄明の液
バイアルB:白色の粉末又は塊
調製後注射液(インジウムペンテトレオチド(111In)注射液):無色澄明の液

効能又は効果

神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体シンチグラフィ

効能又は効果に関連する注意

神経内分泌腫瘍(NET)であってもソマトスタチン受容体(SSTR)を発現していない場合は検出できないことに留意すること。また、インスリノーマについてはSSTRの発現が他のNETに比べて少ないため、本剤により検出できない場合があることに留意すること。

用法及び用量

〈インジウムペンテトレオチド(111In)注射液の調製〉
バイアルAの全量をバイアルBに加えて振り混ぜた後、常温で30分間放置する。
〈ソマトスタチン受容体シンチグラフィ〉
通常、成人には本品111MBqを静脈内投与し、4時間後及び24時間後にガンマカメラを用いてシンチグラムを得る。必要に応じて、48時間後にもシンチグラムを得る。投与量は、患者の状態により適宜増減する。
必要に応じて、断層像を追加する。

重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

特定の背景を有する患者に関する注意

腎機能障害患者

本剤は主に尿中に排泄されるため、被曝線量が増加する可能性がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩
ランレオチド酢酸塩等
本剤の腫瘍への集積が抑制され、診断能に影響を及ぼす可能性が考えられるため、オクトレオチド酢酸塩等の休薬を検討することが望ましい。なお、休薬することにより離脱症状が発現する可能性があるので、休薬の要否及び休薬期間は、患者の状態及び使用製剤を考慮して決めること。休薬する場合は、患者の症状の変化に十分注意すること。
本剤のソマトスタチン受容体(SSTR)との結合を阻害する可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%
精神・神経系
頭痛
血管障害
潮紅、ほてり
その他
熱感、ALT増加、AST増加

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 調製にあたっては、バイアルA以外の塩化インジウム(111In)を使用しないこと。
  2. 本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。
  3. 本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。
  4. 調製後の注射液は25℃以下で保存し、6時間以内に投与すること。
薬剤投与時の注意
膀胱部の被曝を軽減させるため、投与後できるだけ患者に水分を摂取させ、排尿させることが望ましい。

薬物動態

血中濃度

国内の健康成人男性4名にインジウムペンテトレオチド(111In)注射液111MBqを静脈内に単回投与した時、血漿中放射能濃度は二相性の消失を示し、分布半減期(t1/2α)及び消失半減期(t1/2β)は、それぞれ9.2±8.0分及び2.2±0.4時間であった。

分布

  1. 分布容積(V)は0.25±0.05L/kgであり、細胞外液量にほぼ一致した。血球中への移行は時間の経過にかかわらず、ほとんど認められなかった。
  2. 吸収線量
    MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
    臓器
    吸収線量
    (mGy/MBq)
    臓器
    吸収線量
    (mGy/MBq)
    副腎
    0.03
    筋肉
    0.03
    0.02
    卵巣
    0.05
    胸部
    0.02
    膵臓
    0.06
    胆嚢
    0.05
    骨髄
    0.03
    大腸下部
    0.08
    0.04
    小腸
    0.04
    皮膚
    0.02
    0.04
    脾臓
    0.29
    大腸上部
    0.05
    精巣
    0.03
    心臓
    0.03
    胸腺
    0.02
    腎臓
    0.30
    甲状腺
    0.02
    肝臓
    0.07
    膀胱
    0.34
    0.03
    子宮
    0.06

排泄

投与後6時間及び24時間までの放射能としての尿中累積排泄率は、それぞれ59.1±6.5%dose及び73.0±8.3%doseであり、急速な尿中への排泄が確認された。腎クリアランス(92±24mL/min)は全身クリアランス(82±12mL/min)とほぼ等しく、腎からの排泄が主要排泄経路であることが示された。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相臨床試験
    CT、MRI等の事前の画像診断により腫瘍の局在部位が確認されている消化管ホルモン産生腫瘍患者23例にインジウムペンテトレオチド(111In)注射液を投与し、有効性、安全性及び有用性を評価した。その結果、症例毎の診断能の評価では、有効性評価対象21例中16例(76.2%)が「有効」(他の画像診断との比較で、本検査で少なくとも1つの真陽性部位が検出された)と判定された。また、部位毎の診断能の評価では、他の画像診断との一致率は82.0%(41/50部位)であった。
    23例中、副作用は4例(17.4%)で5件認められ、その内訳は熱感、AST増加、ALT増加、頭痛、ほてり各1件であった。
    表1.症例毎の診断能
    疾患名
    被験者数
    有効
    無効
    判定不能
    有効率(%)
    カルチノイド
    10
    8
    2
    0
    8/10(80.0)
    ガストリノーマ
    6
    6
    0
    0
    6/6(100.0)
    インスリノーマ
    5
    2
    3
    0
    2/5(40.0)
    合計
    21
    16
    5
    0
    16/21(76.2)
    ※真陰性と判定されたカルチノイド及びガストリノーマの各1名は「有効」に含めた。
  2. 国内追加第Ⅲ相臨床試験
    消化管ホルモン産生腫瘍の疑いのある患者40例にインジウムペンテトレオチド(111In)注射液を投与し、有効性、安全性及び有用性を評価した。組み入れ対象は、内分泌活性があり、直近1箇月以内のCT及び他の画像診断法のいずれかで腫瘍病巣の存在が確認され、消化管ホルモン産生腫瘍が疑われる患者(A群)と、内分泌活性があり、消化管ホルモン産生腫瘍の存在が疑われるが、直近1箇月以内のCT及び他の画像診断法で腫瘍病巣の存在・局在が確認できないか、確定できない患者(B群)とした。その結果、症例毎の診断能の評価では、A群では有効性評価対象16例中15例(93.8%)、B群では有効性評価対象19例中5例(26.3%)が「陽性」(他の画像診断との比較で、本検査で少なくとも1つの真陽性部位が検出された)と判定された。また、部位毎の診断能の評価では、真陽性及び真陰性の比率はA群で83.3%(20/24部位)、B群で41.7%(5/12部位)であった。
    40例中、副作用は3例(7.5%)で3件認められ、その内訳は潮紅2件、ほてり1件であった。
    表2.症例毎の診断能
    登録群
    疾患名
    被験者数
    陽性
    陰性
    判定不能
    陽性の比率(%)
    A群
    ガストリノーマ
    8
    7
    0
    1
    7/8(87.5)
    インスリノーマ
    4
    4
    0
    0
    4/4(100.0)
    カルチノイド
    2
    2
    0
    0
    2/2(100.0)
    その他
    2
    2
    0
    0
    2/2(100.0)
    16
    15
    0
    1
    15/16(93.8)
    B群
    ガストリノーマ
    7
    3
    1
    3
    3/7(42.9)
    インスリノーマ
    7
    0
    1
    6
    0/7(0.0)
    カルチノイド
    4
    2
    1
    1
    2/4(50.0)
    その他
    1
    0
    0
    1
    0/1(0.0)
    19
    5
    3
    11
    5/19(26.3)
    合計
    35
    20
    3
    12
    20/35(57.1)
    ※グルカゴノーマ及びソマトスタチノーマ

薬効薬理

測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
集積機序
  1. インジウムペンテトレオチド(111In)は、静脈内投与後、ソマトスタチン受容体(SSTR)を発現しているNETなどに特異的に集積し、他組織から速やかに排出されることにより、ガンマカメラ撮像により腫瘍を描出させることが可能と考えられている。
  2. インジウムペンテトレオチド(111In)とSSTRの結合は、過剰なオクトレオチドにより90%以上が阻害されたことから、オクトレオチドの構造部位でSSTRに特異的に結合すると考えられた。
  3. SSTR発現腫瘍移植ラットにおいて、インジウムペンテトレオチド(111In)は静脈内投与直後から腫瘍領域の放射能が上昇し、30分以内にピークに達した。一方、オクトレオチド前処置により、腫瘍領域の放射能は有意に低下したことから、インジウムペンテトレオチド(111In)は投与直後から速やかにSSTRと特異的に結合し、腫瘍へ集積することがin vivoで示された。静脈内投与後30分及び24時間のガンマカメラ画像を視覚的に比較すると、24時間の方が腫瘍の描出能に優れていた。これは、インジウムペンテトレオチド(111In)が、投与後30分以内に腫瘍のSSTRに結合することにより集積し、受容体に結合しなかったインジウムペンテトレオチド(111In)は主に腎尿路系から速やかに排泄され、腫瘍とバックグラウンドのコントラストが高くなったためと考えられた。
成長ホルモン分泌抑制作用
ペンテトレオチド及びインジウムペンテトレオチド(115In)は、ラット下垂体前葉細胞からの成長ホルモン分泌抑制作用が認められたが、その効力はオクトレオチドの約1/10であった。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 インジウムペンテトレオチド(111In)
調製前の化合物:
ペンテトレオチド、塩化インジウム(111In)溶液(ペンテトレオチド用)
一般名:
ペンテトレオチド(Pentetreotide)(JAN)
・化学名:
(-)-N-[2-[[2-[bis(carboxymethyl)amino]ethyl](carboxymethyl)amino]ethyl]-N-(carboxymethyl)glycyl-D-phenylalanyl-L-cysteinyl-L-phenylalanyl-D-tryptophyl-L-lysyl-L-threonyl-N-[(1R,2R)-2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)propyl]-L-cysteinamide,cyclic(3-8)-disulfide
・分子式:
C63H87N13O19S2
・分子量:
1394.60
・化学構造式:
核物理学的特性(111Inとして)
  • 物理的半減期:2.8047日
  • 主なγ線エネルギー:171keV(90.7%)、245keV(94.1%)
  • 減衰表:
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    経過時間
    (時間)
    残存放射能
    (%)
    -50
    167.3
    -18
    120.4
    2
    98.0
    -48
    163.9
    -16
    117.9
    3
    97.0
    -46
    160.6
    -14
    115.5
    4
    96.0
    -44
    157.3
    -12
    113.2
    5
    95.0
    -42
    154.1
    -10
    110.8
    6
    94.0
    -40
    151.0
    -9
    109.7
    7
    93.0
    -38
    147.9
    -8
    108.6
    8
    92.1
    -36
    144.9
    -7
    107.5
    9
    91.1
    -34
    141.9
    -6
    106.4
    10
    90.2
    -32
    139.0
    -5
    105.3
    12
    88.4
    -30
    136.2
    -4
    104.2
    14
    86.6
    -28
    133.4
    -3
    103.1
    16
    84.8
    -26
    130.7
    -2
    102.1
    18
    83.1
    -24
    128.0
    -1
    101.0
    20
    81.4
    -22
    125.4
    0
    100.0
    22
    79.7
    -20
    122.9
    1
    99.0
    24
    78.1

取扱い上の注意

放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

1セット[バイアルA×1、バイアルB×1]

主要文献

1
井上登美夫, ほか:核医学. 1995;32:511-521
2
山本和高, ほか:核医学. 1995;32:1269-1280
3
佐賀恒夫, ほか:核医学. 2003;40:185-203
4
Bakker W. H. et al:Life Sciences. 1991;49:1583-1591
5
Bakker W. H. et al:Life Sciences. 1991;49:1593-1601

文献請求先及び問い合わせ先

PDRファーマ株式会社 製品情報センター
電話番号 0120-383-624
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

製造販売業者等

製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
輸入先
Curium Netherlands B.V.(オランダ)

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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