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ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「日新」

骨粗鬆症治療剤

1錠 26.4円

添付文書番号

3999021F1112_2_02

企業コード

530113

作成又は改訂年月

2024年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

骨粗鬆症治療剤

承認等

販売名

ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「日新」

販売名コード

3999021F1112

販売名英字表記

Raloxifene Hydrochloride Tablets 60mg “NISSIN”

販売名ひらがな

らろきしふぇんえんさんえんじょう60mg「にっしん」

承認番号等

承認番号
22900AMX00190000

販売開始年月

2017年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ラロキシフェン塩酸塩水和物

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状が増悪することがある。]
  2. 長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者
  3. 抗リン脂質抗体症候群の患者[静脈血栓塞栓症を起こしやすいとの報告がある。]
  4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
  5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「日新」
有効成分
1錠中
ラロキシフェン塩酸塩水和物  62.12mg
ラロキシフェン塩酸塩として  60mg
添加剤
乳糖水和物、無水乳糖、ポリソルベート80、クロスポビドン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール400、酸化チタン、カルナウバロウ

製剤の性状

ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「日新」
外形
大きさ
大きさ(長径)
12.2mm
大きさ(短径)
6.6mm
錠厚
4.5mm
重量
250mg
性状
白色楕円形のフィルムコーティング錠
本体表示
ラロキシフェン 60 日新

効能又は効果

閉経後骨粗鬆症

用法及び用量

通常、ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与する。

重要な基本的注意

  1. 本剤の服用により、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)があらわれることがあるので、患者に対しては、次のような症状が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
    症状:下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等
  2. 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスクが上昇するため、長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3日前には本剤の服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないこと。
  3. 患者のカルシウム及び/又はビタミンDの摂取量が十分でない場合は、カルシウム及び/又はビタミンDをそれぞれ補給すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症(>500mg/dL)の既往歴のある患者
    血清トリグリセリド値のモニターを行うこと。本剤の服用により血清トリグリセリド上昇があらわれることがある。

腎機能障害患者

国内臨床試験では除外されている。

肝機能障害患者

国内臨床試験では除外されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがある。ウサギでは、流産及び低頻度で胎児心奇形(心室中隔欠損)が認められた。ラットでは、胎児の発達遅延及び発育異常(波状肋骨、腎盂拡張)あるいは分娩遅延又は分娩困難、出生児生存率の低下、身体発育分化の変化、発育分化抑制や下垂体ホルモンの変化、出生児におけるリンパ球組織の減少といった所見が認められ、また、高用量では、分娩困難による母動物及び産児の死亡の報告がある。

授乳婦

授乳中の女性には投与しないこと。本剤がヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明である。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
陰イオン交換樹脂
コレスチラミン
本剤の血中濃度が低下する。
本剤がコレスチラミンに吸着され、消化管内からの吸収量が低下することが知られている。その他の陰イオン交換樹脂についても同様の可能性が考えられる。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
プロトロンビン時間の減少が報告されている。本剤による治療の開始あるいは終了の際、プロトロンビン時間を注意深くモニターする必要がある。
機序は不明である。
アンピシリン
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
アンピシリンにより腸内細菌叢が減少することにより本剤の腸肝循環が低下するためと考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 静脈血栓塞栓症(頻度不明)
    深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症があらわれることがあるので、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること。
  2. 肝機能障害(頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。

その他の副作用

2~5%未満
2%未満
頻度不明
血液
ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板数減少
内分泌・
代謝系
血中Al-P減少
血清総蛋白減少、血中アルブミン減少、血清リン減少、血中カルシウム減少
消化器
嘔気
腹部膨満、おくび
肝臓
γ-GTP上昇
皮膚
皮膚炎、そう痒症
生殖器
膣分泌物
良性の子宮内腔液増加
乳房
乳房緊満
その他
下肢痙攣、ほてり
多汗
感覚減退、末梢性浮腫、表在性血栓性静脈炎、体重増加

過量投与

  1. 症状
    1回120mg以上を服用した成人で下肢痙攣、浮動性めまいが報告されている。2歳未満の小児において180mgまで誤って服用したとの報告がある。失調、浮動性めまい、嘔吐、発疹、下痢、振戦、潮紅、Al-P上昇が報告されている。
  2. 処置
    特異的解毒剤はない。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 外国における骨粗鬆症治療(骨折)試験において、本剤投与群はプラセボ群に比べ子宮内膜厚のわずかな増加を示したとの報告がある。臨床的に意味のある子宮内膜増殖であるとはされていないが、本剤治療中に子宮内膜の異常(原因不明の子宮・性器出血、子宮内膜増殖等)が認められた場合には症状に応じて詳しい検査を行うこと。
  2. 外国において、本剤と経口エストロゲン製剤を併用した閉経後女性で子宮内膜厚が増加したとの報告がある。
  3. 本剤投与により、対照群に比べ乳癌のリスクの上昇は認められていないが、本剤治療中に乳房に原因不明の異常が認められた場合には症状に応じて詳しい検査を行うこと。
  4. 外国で実施された冠動脈疾患がある又はそのリスクが高い閉経後女性を対象注)とした試験 において、本剤投与群において脳卒中による死亡率が高かったとの報告がある。脳卒中による死亡率はプラセボ投与群で1.5/1000人/年に対して本剤投与群で2.2/1000人/年であった。
    注)本剤の承認された効能又は効果は閉経後骨粗鬆症である。
非臨床試験に基づく情報
雌ラット及びマウスにおけるがん原性試験の結果、卵巣腫瘍の発生が認められたとの報告がある。これらの所見は卵胞機能及び性ホルモンバランスの不均衡に起因する変化である可能性が高いと考えられ、げっ歯類に特異的な変化であることが知られている 。長期臨床試験において、卵巣機能が低下した閉経後女性における本剤の投与と腫瘍発生との間に明確な関係は示唆されていない。

薬物動態

血中濃度

  1. 生物学的同等性試験
    ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「日新」とエビスタ錠60mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラロキシフェン塩酸塩として60mg)閉経後健康女性に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された 。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-96
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「日新」
22.67±7.27
0.67±0.42
9.0±9.3
54.8±38.1
エビスタ錠60mg
23.37±7.46
0.68±0.38
7.0±5.6
47.5±24.0
(Mean±S.D., n=24)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害
    外国人の腎機能正常男性注2) 10例及び腎機能障害男性注2) 10例にラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1) を単回経口投与した。腎機能障害男性は腎機能正常男性に比較してAUC0-∞が約2.2倍、Cmaxが約1.4倍であった 。
  2. 肝機能障害
    外国人の健康成人8例(女性5例、男性注2) 3例)及び肝硬変患者9例(女性5例、男性注2) 4例)にラロキシフェン塩酸塩60mgを単回経口投与した。肝硬変患者は健康成人に比較してAUC0-∞が約2.5倍、Cmaxが約2.1倍であった 。

薬物相互作用

  1. コレスチラミン
    外国人の閉経後健康女性14名において、コレスチラミン(無水コレスチラミンとして4~8gを1~2回/日)の反復経口投与によりラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1) 単回経口投与時のAUC0-tは60%低下した 。
  2. アンピシリン
    外国人の閉経後健康女性14名において、アンピシリン500mg(4回/日)の反復経口投与によりラロキシフェン塩酸塩120mg(60mg錠2錠)注1) 単回経口投与時のCmaxは28%低下した 。
注1)本剤の承認された用法及び用量はラロキシフェン塩酸塩として1日1回60mg経口投与である。
注2)本剤の承認された効能又は効果は閉経後骨粗鬆症である。

薬効薬理

作用機序
ラロキシフェンは骨組織においてはエストロゲン作動薬であり、骨吸収抑制効果を及ぼす。骨組織の減少速度を低下させ、部位によっては骨量が増加する 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ラロキシフェン塩酸塩水和物(Raloxifene Hydrochloride Hydrate)
化学名
[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thien-3-yl][4-(2-piperidin-1-ylethoxy)phenyl]methanone hydrochloride hydrate
分子式
C28H27NO4S・HCl・H2O
分子量
528.06
性状
黄色の結晶性の粉末である。
化学構造式
融点
約263℃(分解)

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
Barrett CE,et al.:N.Engl.J.Med.2006;355(2):125-137
2
Alison RH,et al.:Toxicol.Patho.1994;22(2):179-186
3
社内資料:生物学的同等性試験
4
腎機能障害患者における薬物動態(エビスタ錠:2004年1月29日承認、申請資料概要ヘ.3.7.2)
5
肝硬変患者における薬物動態(エビスタ錠:2004年1月29日承認、申請資料概要ヘ.3.7.1)
6
コレスチラミン又は制酸剤との相互作用試験(エビスタ錠:2004年1月29日承認、申請資料概要ヘ.3.8.2)
7
アンピシリンとの相互作用試験(エビスタ錠:2004年1月29日承認、申請資料概要ヘ.3.8.1、審査報告書)
8
Brunton,L.L.et al.:グッドマン・ギルマン薬理書 第13版下巻(橋本敬太郎ほか監訳).東京:廣川書店;2022.p1332-1333

文献請求先及び問い合わせ先

日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

製造販売業者等

製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号
販売元
日本ジェネリック株式会社
東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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