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ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」

免疫抑制剤

1カプセル 57.7円

作成又は改訂年月

**印:
2021年7月改訂
(第6版)
*印:
2016年10月改訂

日本標準商品分類番号

87399

日本標準商品分類番号等

2016年5月

薬効分類名

免疫抑制剤

承認等

販売名

ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」

販売名コード

3999017M1034

承認・許可番号

22500AMX01552000
Mycophenolate Mofetil Cap. 250mg“TEVA”

薬価収載

2013年12月

販売開始

2013年12月

使用期限等

貯 法
室温保存、吸湿注意
使用期限
外装に表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

劇薬、処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

1カプセル中:
ミコフェノール酸 モフェチル…250.0mg
〈添加物〉
クロスカルメロースナトリウム、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、部分アルファー化デンプン、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、食用青色2号、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

性状

本体部が淡赤褐色、キャップ部が淡青色、内容物が白色〜微黄白色の粉末又は塊を含む粉末の硬カプセル剤
識別コード(PTP)
TEVA MMF250
外形(サイズ)
側面

(全 長19.2mm)
(重 量370mg)
外形(サイズ)
断面

(蓋 部6.8mm)
(胴体部6.5mm)

一般的名称

ミコフェノール酸 モフェチルカプセル

警告

1
本剤はヒトにおいて催奇形性が報告されているので、妊娠する可能性のある婦人に投与する際は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で投与を開始すること。また、本剤投与前から投与中止後6週間は、信頼できる確実な避妊法の実施を徹底させるとともに、問診、妊娠検査を行うなどにより、妊娠していないことを定期的に確認すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
2
臓器移植における本剤の投与は、免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。
3
ループス腎炎における本剤の投与は、ループス腎炎の治療に十分精通している医師のもとで行うこと。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等ヘの投与」の項参照)

効能・効果

〈効能・効果に関連する使用上の注意〉

ループス腎炎に対しては、診療ガイドライン等の最新の情報を参考に、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること。
○腎移植後の難治性拒絶反応の治療
(既存の治療薬が無効又は副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診断された場合)
○下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、心移植、肝移植、肺移植、膵移植
○ループス腎炎

用法・用量

腎移植の場合
○腎移植後の難治性拒絶反応の治療
通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
○腎移植における拒絶反応の抑制
成人:通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
小児:通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回300〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。
心移植、肝移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑制の場合
通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回500〜1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
しかし、本剤の耐薬量及び有効量は患者によって異なるので、最適の治療効果を得るために用量の注意深い増減が必要である。
ループス腎炎の場合
成人:通常、ミコフェノール酸モフェチルとして1回250〜1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
小児:通常、ミコフェノール酸モフェチルとして1回150〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

1
重度の慢性腎不全患者(糸球体濾過率<25mL/分/1.73m2)では血中濃度が高くなるおそれがあるので、1回投与量は1,000mgまで(1日2回)とし、患者を十分に観察すること。
2
ループス腎炎に対しては、本剤の投与開始時には原則として副腎皮質ステロイド剤を併用すること。

使用上の注意

慎重投与

重篤な消化器系疾患のある患者[症状を増悪させるおそれがある]
重度の慢性腎不全患者[血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある]
腎移植後臓器機能再開遅延患者[血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある]

重要な基本的注意

腎移植後の難治性拒絶反応の治療の場合、急性拒絶反応と確定診断された患者で、既存の治療薬(高用量ステロイド等)が無効又は副作用等のため投与できない患者に投与すること。
他の免疫抑制剤と併用する場合には、過度の免疫抑制により感染[日和見感染症や進行性多巣性白質脳症(PML)]に対する感受性の上昇、悪性リンパ腫及び他の悪性腫瘍(特に皮膚)が発現する可能性があるので、十分注意すること。
免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、患者に次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
本剤は催奇形性が報告されていること。
本剤の投与開始前に妊娠検査が陰性であるとの結果を確認すること。
本剤投与前、投与中及び投与中止後6週間は避妊すること。
本剤投与中は、追加の妊娠検査を行うなど、妊娠していないことを定期的に確認すること。妊娠が疑われる場合には、直ちに担当医に連絡すること。
本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わりうる適切な者に、次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。
感染症状、予期せぬ挫傷、出血又は貧血等の骨髄抑制症状、又は下痢等の消化器症状があらわれた場合には、直ちに担当医に報告すること。
皮膚癌の危険性を避けるため、帽子等の衣類や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けること。
重度の好中球減少等の副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
本剤は、イノシンモノホスフェイト脱水素酵素(IMPDH)阻害剤であるため、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)欠損症(Lesch-Nyhan症候群、Kelley-Seegmiller症候群)の患者に使用すると、高尿酸血症を増悪させる可能性があるので十分注意すること。
重度の腎障害のある心移植、肝移植、肺移植患者での使用経験はない。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
生ワクチン
 乾燥弱毒生麻しんワクチン
 乾燥弱毒生風しんワクチン
 経口生ポリオワクチン等
類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アザチオプリン
ミゾリビン
骨髄機能抑制が起こるおそれがある。両剤とも骨髄機能抑制作用が報告されている。
シクロスポリン本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により、本剤の腸肝循環が阻害され、本剤の血中濃度が低下すると考えられる。
腸肝循環に影響を与える薬剤
 コレスチラミン
 コレスチミド
本剤の作用が減弱するおそれがある。コレスチラミンとの併用により、本剤のAUCが40%低下したとの報告がある。
マグネシウム及びアルミニウム含有制酸剤本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により、本剤の吸収が減少したとの報告がある。
ランソプラゾール本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により、本剤の吸収が減少したとの報告がある。併用薬によるpHの上昇により、本剤の溶解性が低下すると考えられる。
セベラマー本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により、本剤のCmaxが30%、AUCが25%低下したとの報告がある。
シプロフロキサシン
アモキシシリン・クラブラン酸(合剤)
本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により、本剤のトラフ値が約50%低下したとの報告がある。併用薬により腸内細菌叢が変化することにより、本剤の腸肝循環が阻害され、本剤の血中濃度が低下すると考えられる。
リファンピシン本剤の作用が減弱するおそれがある。リファンピシンが肝代謝酵素を誘導することにより本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下すると考えられる。
アシクロビル
バラシクロビル
ガンシクロビル
バルガンシクロビル
本剤の代謝物及びアシクロビル、ガンシクロビルの血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある。腎尿細管での分泌が競合する。
不活化ワクチン
 インフルエンザHAワクチン等
ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。本剤の免疫抑制作用により、接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用(頻度不明)

感染症
免疫抑制療法は、二次的感染症に対し感受性を高め、日和見感染を起こす可能性がある。サイトメガロウイルス感染症、非定型抗酸菌感染症、アスペルギルス感染症、カンジダ感染症、ムコール感染症、ニューモシスティス感染症、パルボウイルス感染症、ノカルジア感染症、黄色ブドウ球菌感染症、リステリア感染症、結核等があらわれることがある。また、肺炎、敗血症、感染性心内膜炎、帯状疱疹、単純疱疹、上気道感染、気管支炎、感冒、髄膜炎、創感染、腹膜炎、食道炎、腸炎、胆管炎、膿瘍があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質、抗ウイルス剤の投与等の適切な処置を行うこと。
進行性多巣性白質脳症(PML)
進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
BKウイルス腎症
BKウイルス腎症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少、好中球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、貧血、赤芽球癆
このような症状があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)
他の免疫抑制剤と併用する場合に、過度の免疫抑制により発現の可能性が高まることがある。
消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔、イレウス
このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重度の下痢
重度の下痢があらわれることがあり、脱水症状に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、患者の状態により止瀉薬の投与、補液等の適切な処置を行うこと。また、必要に応じて減量又は休薬を考慮すること。
アシドーシス、低酸素症、糖尿病、脱水症
このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血栓症
脳梗塞、網膜静脈血栓症、動脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重度の腎障害
腎不全、腎尿細管壊死、水腎症、腎機能障害があらわれることがあるので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿蛋白等)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心不全、狭心症、心停止、不整脈(期外収縮、心房細動、心房粗動、上室性・心室性頻脈等)、肺高血圧症、心嚢液貯留
このような症状があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、ビリルビン、LDHの上昇、黄疸があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺水腫、無呼吸、気胸
このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
痙攣、錯乱、幻覚、精神病
このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
アレルギー反応、難聴
このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

次のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血液
頻度不明
ヘマトクリット値減少、ヘモグロビン減少、赤血球数減少、好中球数増加、白血球数増加、網赤血球増加・減少、低色素性貧血、赤血球増加症、プロトロンビン時間延長、トロンボプラスチン時間延長、斑状出血、点状出血
消化器
頻度不明
下痢、腹痛、嘔吐、嘔気、食欲不振、アミラーゼ上昇、腸炎、腹部膨満、胃炎、口内炎、便秘、膵炎、メレナ、消化不良、嚥下障害、腸絨毛萎縮注1)、直腸障害、鼓腸、歯肉炎、歯肉肥厚、口渇、口内乾燥
精神神経系
頻度不明
頭痛、しびれ(四肢・舌等)、めまい、うつ、振戦、不眠、失神、ニューロパシー、不安、譫妄、筋緊張亢進、異常感覚、傾眠、発声障害、激越、情動障害、思考異常
肝臓
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH、Al-P、ビリルビン、LAPの上昇
腎臓
頻度不明
尿路感染、出血性膀胱炎、BUN上昇、蛋白尿、クレアチニン上昇、血尿、尿閉、頻尿、遺尿、尿失禁、排尿困難
代謝異常
頻度不明
高尿酸血症、Mg上昇、トリグリセライド上昇、高脂血症、コレステロール上昇、コリンエステラーゼ低下、血清総蛋白減少、AG比異常、血清アルブミン低下、血糖値上昇、K上昇・低下、P、Cl、Naの低下、低カルシウム血症、高リン酸血症、痛風、低マグネシウム血症、循環血液量増加・減少、高カルシウム血症、低血糖、アルカローシス
皮膚
頻度不明
脱毛、発疹、蜂巣炎、瘡、小水疱性皮疹、皮膚潰瘍、真菌性皮膚炎、皮膚肥厚、そう痒、発汗、男性型多毛症
呼吸器
頻度不明
鼻咽頭炎、副鼻腔炎、咳増加、胸水、喘息、呼吸困難、喀痰増加、過換気、無気肺、鼻出血、喀血、しゃっくり
筋・骨格
頻度不明
骨粗鬆症、関節痛、筋力低下、筋痛、下腿痙直
循環器
頻度不明
高血圧、頻脈、起立性低血圧、低血圧、血管拡張、徐脈、静脈圧増加、血管痙攣
頻度不明
白内障、結膜炎、視覚障害、弱視、眼出血
頻度不明
耳痛、耳鳴
内分泌
頻度不明
甲状腺機能低下、副甲状腺障害、クッシング症候群
その他
頻度不明
**免疫グロブリン減少、発熱、サイトメガロウイルス抗体増加、CRP上昇、倦怠感、浮腫、胸痛、体重減少、免疫グロブリン増加、ヘルニア、悪寒、出血、無力症、顔面浮腫、腹水、嚢腫(リンパ嚢腫、陰嚢水腫を含む)、体重増加、インフルエンザ様症状、疼痛、骨盤痛、頚部痛、インポテンス、蒼白、急性炎症反応注2)
注1) 遷延する下痢、また、重症の場合には、体重減少があらわれることがある。
**注2)本剤による炎症反応であり、症状及び徴候として、発熱、関節痛、関節炎、筋肉痛、CRP等の炎症マーカーの上昇が複合的に発現することがある。

高齢者への投与

感染症、消化管出血等の副作用発現の危険性が増加するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて用量等の調節を行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中に本剤を服用した患者において、耳(外耳道閉鎖、小耳症等)、眼(眼欠損症、小眼球症等)、顔面(両眼隔離症、小顎症等)、手指(合指、多指、短指等)、心臓(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症等)、食道(食道閉鎖等)、神経系(二分脊椎等)等の催奇形性が報告されている。本剤を服用した妊婦における流産は45〜49%との報告がある。1)2)また、ラットで、脳露出、腹壁破裂(6mg/kg/日)等が、ウサギで、動脈管開存、胸部及び腹壁破裂(90mg/kg/日)等が報告されている。]
授乳婦に投与する場合には、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行(6mg/kg単回投与)が報告されている]

小児等への投与

腎移植における拒絶反応の抑制:低出生体重児、新生児、乳児及び2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。[国外で行われた生後3ヵ月から18歳以下の小児患者100例を対象とした臨床試験において発現した副作用の種類及び発現率は、成人に投与した場合と類似していたが、下痢、白血球減少、敗血症、感染、貧血は小児での発現率が10%以上であり、小児(特に6歳未満)の方が成人に比べて高かった]
ループス腎炎:低出生体重児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
腎移植後の難治性拒絶反応の治療及び心移植、肝移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑制:低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

本剤は通常血液透析では除去されないが、コレスチラミン(胆汁酸結合剤)投与により排泄を促進することによって除去できる。

適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

脾臓摘出/血漿交換ラットの実験(40mg/kg/日を7日間、その後20mg/kg/日に減量して更に7日間連続経口投与)で投与中は血中自然抗体価の回復を抑制したが、投与中止後にはリバウンドを呈したとの報告がある。
サルで、下痢、貧血、白血球減少(45mg/kg/日以上)が報告されている。
細菌を用いる復帰突然変異試験、酵母を用いる遺伝子変換試験、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO)を用いる染色体異常試験、マウスリンフォーマTK試験及びげっ歯類を用いる小核試験が実施され、細胞毒性を生ずる用量で、マウスリンフォーマTK試験で小コロニーの誘発及びげっ歯類を用いる小核試験で陽性の結果が得られ、染色体異常誘発性が認められた。

薬物動態

生物学的同等性試験3)
ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(ミコフェノール酸 モフェチルとして250mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(ミコフェノール酸)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

薬物動態の表

ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」 絶食単回経口投与
薬物動態パラメータ(平均±標準偏差、n=36)
 投与量
(mg)
AUC0-48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」25015948±38389492±37100.8±0.519.5±17.8
標準製剤(カプセル剤、250mg)25016239±33249779±33190.7±0.417.9±11.5
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ミコフェノール酸 モフェチル(Mycophenolate Mofetil)
略 名
MMF
化学名
2-Morpholinyl(E)-6-(1,3-dihydro-4-hydroxy-6-methoxy-7-methyl-3-oxoisobenzofuran-5-yl)-4-methyl-4-hexenoate
分子式
C23H31NO7
分子量
433.49
性 状
ミコフェノール酸 モフェチルは白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
融 点
94〜98℃
構造式

取扱い上の注意

安定性試験結果の概要4)
加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」
PTP包装:100カプセル(10カプセル×10)

主要文献

1
Hoeltzenbein M,et al.:Am J Med Genet PartA 158A, 588, 2012
2
Coscia LA,et al.:Clin Transpl, 103, 2009
3
武田テバファーマ(株)社内資料(生物学的同等性試験)
4
武田テバファーマ(株)社内資料(安定性試験)

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

*主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
武田テバファーマ株式会社 武田テバDIセンター
〒453-0801 名古屋市中村区太閤一丁目24番11号
TEL 0120-923-093
受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
*製造販売元
武田テバファーマ株式会社
名古屋市中村区太閤一丁目24番11号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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