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サホライド液歯科用38%

う蝕抑制・象牙質知覚過敏鈍麻剤

添付文書番号

2790802Q1034_1_05

企業コード

480199

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87279

薬効分類名

う蝕抑制・象牙質知覚過敏鈍麻剤

承認等

販売名

サホライド液歯科用38%

販売名コード

2790802Q1034

販売名英字表記

SAFORIDE Dental Solution

販売名ひらがな

さほらいどえきしかよう38%

承認番号等

承認番号
22100AMX00451

販売開始年月

1970年2月

貯法、有効期間

貯法
冷暗所保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬

一般的名称

フッ化ジアンミン銀溶液

組成・性状

組成

サホライド液歯科用38%
有効成分
1mL中 
フッ化ジアンミン銀(Ag(NH3)2F)380mg

製剤の性状

サホライド液歯科用38%
性状
無色澄明の液で、わずかにアンモニア臭があり、光又は熱によって徐々に変化する。

効能又は効果

  • 象牙質知覚過敏症の抑制(象牙質鈍麻)
  • 初期う蝕の進行抑制、二次う蝕の抑制

用法及び用量

一般的方法
1.歯面の清掃
歯牙沈着物を完全に除去したのち、オキシドールで歯面を充分清拭する。
2.防湿乾燥
塗布する歯を中心として巻綿花を用い歯を孤立させる。
唾液の多い場合には排唾管を挿入する。
綿球で唾液をぬぐった後、圧搾空気で歯面を乾燥する。
(きわめて歯肉に近い部分に塗布する場合は、ラバーダムを用いるか、歯肉部分にワセリン等を塗布して薬液との接触を防ぐ。)
3.薬剤の塗布
小綿球に薬液数滴(0.15~0.20mL)を浸ませ3~4分間塗布する。患歯数、症状により適宜増減する。
4.塗布後の処置
1)防湿除去 巻綿花を取除く。
2)洗口 水又は希食塩水で洗口する。
塗布の回数
通常3~4回上記の術式を数日間隔で行なう。

用法及び用量に関連する注意

〈象牙質知覚過敏症の抑制(象牙質鈍麻)〉
2~3日間隔で用法及び用量に従って本剤を塗布し経過を観察しつつ3~4回まで繰り返す。窩洞形成または支台歯形成の際、用法及び用量に従って本剤を塗布し知覚鈍麻をまって翌日または翌日以後軟化象牙質の除去、または形成を行う。
〈乳歯う蝕の進行抑制〉
う蝕部の遊離エナメル質をスプーンエキスカベーター等を用いて除去し、通法により局部の清掃乾燥を行ったあと上記用法及び用量に従って本剤を3~4分間作用させて第1回目の処置とする。
この塗布を2~7日間隔で計3回繰り返し行う。
以後3~6ヵ月に1回宛経過を観察(たとえば硬さなど)することが望ましい。
その際の状態により要すれば塗布を行う。とくに前歯部などにおいては、隣接面をスライスカットし自浄作用をよくして本剤を塗布するとより効果的である。時期を見て必要に応じて修復処置を行う。
〈二次う蝕の抑制〉
窩洞形成または支台歯形成完了後、用法及び用量に従って1~2回本剤を塗布する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 深在性う蝕のある患者
本剤をうすめて塗布するかあるいは塗布を避けること。歯髄障害をおこすことがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%未満
歯・歯周組織
一過性疼痛、持続性疼痛、歯髄障害注2)
注1)発現頻度は承認後の副作用調査を含む。
注2)歯髄への影響
本剤は歯質への滲透性があるので、う窩の状態によって、一時的に歯髄に影響を与える場合がある。塗布直後、痛みを覚えれば直ちに水、食塩水またはオキシドールで洗浄する。尚、痛みが持続する時は歯科用フェノール・カンフルを塗布する。

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 本剤が乾燥する過程で爆発感度の高い雷銀が生成される恐れがあることから、以下の点について注意すること。
    (1)ノズル等に薬液が付着した場合は、よく拭き取った後に蓋をすること。
    (2)適量を別の小容器にとり使用する場合には、使用後の小容器に残った薬液は直ちに洗い落とすか、乾燥する前に水を含ませた布等でよく拭き取ること。
    (3)薬液の飛散から目・鼻・口を保護することを目的に、必ずゴーグル、マスク、手袋等の保護具を装着すること。
  2. 本剤の適用により、銀の沈着で象牙質が黒変するので、永久歯の前歯への適用は避けること。
  3. 本剤は誤って歯肉、口腔粘膜に付着すると腐蝕する。歯肉に近い部分に塗布する場合、歯肉への付着を防ぐために、ラバーダムを用いるか、用い得ぬ場合は歯肉にワセリン、またはココアバターをあらかじめ塗布して薬液との接触を防ぐようにすること。誤って付着したときは速やかに水または食塩水あるいはオキシドールで洗浄するか、洗口させること。
  4. 本剤は皮膚、衣類、器具等に付着した場合、褐色又は黒色に変わり脱色しにくいので注意すること。付着した場合、水、石鹸水、アンモニア水、希ヨードチンキ等で洗浄し、十分水洗すること。
  5. 本剤による皮膚の着色箇所は経時的に消退するので無理な脱色は避けること。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内比較臨床試験
〈象牙質知覚過敏症の抑制(象牙質鈍麻)〉
知覚過敏症を起こした歯牙77歯を対象に、本剤を56歯に塗布し、残りの21歯には対照として50%硝酸銀溶液を塗布し、擦過痛、温度痛の有無を観察した。本剤により擦過痛、温度痛ともに消失した有効率は64%(36/56歯)で、一方のみ消失したやや有効率は30%(17/56歯)であった。対象群では、有効率は48%(10/21歯)、やや有効率は24%(5/21歯)であった 。
〈初期う蝕の進行抑制〉
同一口腔内で左右同名歯に同程度のう蝕が認められた症例において、一側を実験歯、他側を対照歯とし、実験側には本剤を、対照側には蒸留水を塗布し経過観察した。10症例について平均う蝕部面積増加率を調査し、対照歯に対する本剤塗布歯のう蝕進行抑制率は3ヵ月で61%、6ヵ月で69%、12ヵ月で88%、24ヵ月で87%、30ヵ月で97%であった 。
〈二次う蝕の抑制〉
う蝕乳歯60歯を対象に窩洞形成後、30歯に本剤を塗布し実験歯とし、残りの30歯には塗布せず対照歯とした。アマルガム充填を行い、1年後と2年後に観察の結果、本剤塗布の実験歯では二次う蝕の発生は認められなかった。対照歯の二次う蝕発生率は1年後で17%(5/30歯)、2年後で31%(8/26歯)となり、二次う蝕の発生が認められた,

薬効薬理

作用機序
リン酸銀・タンパク銀等の銀化合物及びフッ化カルシウムを生成して、象牙細管を封鎖し、歯質を強化する。また、細菌の細胞膜・酵素の阻害により殺菌効果を発揮し、コラゲナーゼの阻害により象牙質コラーゲンを保護する 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
フッ化ジアンミン銀(Silver Diammine Fluoride)
化学名
Diammine Silver Fluoride
分子式
Ag(NH3)2F
分子量
160.93

包装

5mL[ポリエチレン製容器]

主要文献

1
青野正男他:日歯保誌. 1967;10:31-36
2
西野瑞穂:阪大歯誌. 1969;14:1-14
3
清水明彦:日歯保誌. 1974;17:183-201
4
清水明彦:歯界展望. 1975;45:159-171
5
M.L.Mei, et al.:Journal of dental research. 2018;97:751-758

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ビーブランド・メディコーデンタル
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号
電話(06)6370-4182(代) FAX(06)6370-4184(代)

製造販売業者等

製造販売元
東洋製薬化成株式会社
大阪市鶴見区鶴見2丁目5番4号
発売元
株式会社ビーブランド・メディコーデンタル
大阪市東淀川区西淡路5丁目20番19号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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