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カデックス軟膏0.9%

褥瘡・皮膚潰瘍治療剤

1g 55.4円

添付文書番号

2699704M1025_5_03

企業コード

371113

作成又は改訂年月

2022年4月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872699

薬効分類名

褥瘡・皮膚潰瘍治療剤

承認等

販売名

カデックス軟膏0.9%

販売名コード

2699704M1025

販売名英字表記

Cadex Ointment 0.9%

販売名ひらがな

かでっくすなんこう0.9%

承認番号等

承認番号
21300AMY00072000

販売開始年月

2001年9月

貯法、有効期間

貯法
直射日光、高温を避け、室温で保存
有効期間
3年

一般的名称

ヨウ素

禁忌(次の患者には投与しないこと)

ヨウ素過敏症の患者

組成・性状

組成

カデックス軟膏0.9%
有効成分
1g中ヨウ素  9mg
添加剤
マクロゴール400、マクロゴール4000、カデキソマー150

製剤の性状

カデックス軟膏0.9%
色・形状
褐色、無臭~微特異臭、軟膏

効能又は効果

褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤による治療は保存的治療であることに留意し、約2ヶ月間投与しても症状の改善が認められない場合には、外科的療法等を考慮すること。
  2. 本剤は熱傷潰瘍を適応としているので、臨床的に潰瘍がみられない熱傷に対しては、他の適切な療法を考慮すること。

用法及び用量

潰瘍面を清拭後、通常1日1回、患部に約3mmの厚さに塗布する(直径4cmあたり3gを目安に塗布する)。
滲出液の量が多い場合は、1日2回塗布する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 甲状腺機能に異常のある患者
    創面から吸収されたヨウ素により症状が悪化するおそれがある。
  2. 重症の熱傷の患者
    広範囲の使用により、アシドーシスを起こすおそれがある。

腎機能障害患者

血清中ヨウ素濃度が著しく上昇するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。長期にわたり広範囲に使用しない。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。長期にわたり広範囲に使用しない。

小児等

  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 新生児に他のヨウ素系製剤を使用し、甲状腺機能低下症を起こしたとの報告がある。

副作用

その他の副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
0.1%~1%未満
皮膚
疼痛、刺激感、皮膚炎(発疹、水疱、発赤など)、そう痒等
注)発現頻度は、カデックス外用散0.9%の使用成績調査を含む。

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 外用のみに使用し、経口投与しないこと。
  2. 眼科用に使用しないこと。
  3. 汚染を防ぐために、塗布の際、容器の先端が患部に触れないように注意すること。
  4. 患部を生理食塩液等で洗浄すること。
  5. 交換時には本剤を生理食塩液等で十分に洗浄除去すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 腟内に他のヨウ素系製剤を使用し、血中無機ヨウ素値及び血中総ヨウ素値が上昇したとの報告がある。
  2. 本剤はヨウ素含有製剤であるので、多量投与及び長期連用時には甲状腺機能の変動に注意すること。

薬物動態

排泄

皮膚潰瘍患者における吸収及び排泄(カデックス外用散0.9%使用)
各種皮膚潰瘍を有する患者11例に本剤を1日1回2週間、創傷面に厚さ約3mmの層となるように均一に散布(投与量として0.3~3g/日)したところ、尿中ヨウ素排泄量は投与期間中有意に上昇したが(P<0.05)、投与終了後3~7日でほぼ投与前値に戻った(表)。なお、投与中及び投与後の血中蛋白に結合しているヨウ素の濃度に有意な変動は認められず(P>0.05)、本剤投与により損傷皮膚から吸収されたヨウ素は速やかに尿中へ排泄されることが示された。
尿中ヨウ素排泄量(mg/日)
投与前
1日後
3日後
7日後
14日後
投与終了
3~7日後
0.27±0.24
1.63±1.11
3.85±4.13
2.76±2.57
2.73±2.47
0.96±1.19
平均値±S.D.

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験(カデックス外用散0.9%使用)
    〈各種皮膚潰瘍〉
    各種皮膚潰瘍患者227例について無作為比較試験、一般臨床試験が実施され、その臨床成績は次のとおりである。,,,,,,
    本剤は1日1回の散布により臨床効果が認められた。
    疾患名
    有効率(有効以上例数/評価対象例数)
    褥瘡
    65.6%(103/157)
    熱傷潰瘍
    93.9%(31/33)
    下腿潰瘍
    64.9%(24/37)
    また、各種皮膚潰瘍患者130例における細菌学的検討の結果、使用前に細菌感染が認められた79例中50例(63.3%)に菌の消失、減少又は一部消失が認められた。使用前に細菌感染が認められなかった51例中43例(84.3%)においては、使用終了後も菌の出現は認められなかった。
  2. 国内第Ⅱ相試験(カデックス外用散0.9%使用)
    低T3症候群を呈する患者10例(低T3症候群:9例、原発性甲状腺機能低下症:1例)にカデックス外用散0.9%を2週間投与し、甲状腺機能に及ぼす影響を検討したところ、有意な変動は認められなかった。

薬効薬理

作用機序
本剤は、ヨウ素を有効成分とし、カデキソマー(デキストリンポリマー)を基剤としたものであり、潰瘍面における滲出液等の吸収による創面の清浄化効果及び徐々に放出されたヨウ素による持続的な殺菌作用により、潰瘍治癒促進効果を示す。
殺菌作用(カデックス外用散0.9%使用)
人工創傷モデルを用いた実験で、黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対し増殖阻止効果を示した。
in vitroにおける潰瘍滲出液の吸収・吸着作用(カデックス外用散0.9%使用)
下腿潰瘍にみられる滲出液に含まれる起炎物質や血漿成分等を吸収・吸着することを示した。
創傷治癒に及ぼす影響
褥瘡ラット、熱傷ラットに対してカデックス軟膏0.9%を1日1回塗布し、治癒日数(表皮形成が完了するまでに要した日数)を検討したところ、対照群に比して有意な治癒日数の短縮が認められた。
また、カデックス軟膏0.9%及びカデックス外用散0.9%のそれぞれ75mg/rat/day、150mg/rat/day、300mg/rat/day、600mg/rat/dayを褥瘡ラット並びに熱傷ラットの創傷部位に適用し、軟膏及び散剤の効果を評価した結果、面積比総和(創面積比曲線下面積)の減少及び治癒日数の短縮ともに各同一用量間で同等の効果を示すことが確認された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ヨウ素(Iodine)
化学名
Iodine
分子式
I2
分子量
253.8
性状
灰黒色の板状又は粒状の重い結晶で、金属製の光沢があり、特異なにおいがある。ジエチルエーテルに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、クロロホルムにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
化学構造式
I-I

包装

チューブ:40g×1本、100g×1本

主要文献

1
石橋康正 他:臨床医薬 1989;5(11):2271
2
原 義人 他:臨床医薬 1990;6(2):295
3
安西 喬 他:臨床医薬 1989;5(12):2585
4
石橋康正 他:臨床医薬 1990;6(4):785
5
久木田淳 他:臨床医薬 1990;6(4):817
6
堀 嘉昭 他:西日本皮膚科 1990;52(2):351
7
朝田康夫 他:臨床医薬 1990;6(3):583
8
村瀬 均 他:薬理と治療.1996;24(4):815
9
Hellgen L, et al. Absorption effect in vitro of iodophor gel on debris fractions in leg ulcers. Perstorp社 社内資料
10
山崎則之 他:薬理と治療.2001;29(11):827

文献請求先及び問い合わせ先

スミス・アンド・ネフュー株式会社
マーケティング部
東京都港区浜松町二丁目4番1号
電話:03-5403-8930

製造販売業者等

製造販売元
スミス・アンド・ネフュー株式会社
東京都港区浜松町二丁目4番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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