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ハイジール消毒用液10%

外用殺菌消毒剤 (アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩製剤)

1mL 0.66円

添付文書番号

2619716Q1177_1_05

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2024年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

外用殺菌消毒剤

承認等

販売名

ハイジール消毒用液10%

販売名コード

2619716Q1177

販売名英字表記

Hygieel Disinfectant Solution 10%

販売名ひらがな

はいじーるしょうどくようえき10%

承認番号等

承認番号
21900AMX00793

販売開始年月

1991年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩製剤

組成・性状

組成

ハイジール消毒用液10%
有効成分
100mL中
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩液25mL
(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩として10%)
添加剤
pH調節剤

製剤の性状

ハイジール消毒用液10%
性状
帯黄色の液で、わずかに特異なにおいがある。
pH
本品3.0gに新たに煮沸し冷却した水30mLを加えて溶かした液のpHは7~9である。

効能又は効果

医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒、手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒

用法及び用量

アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩として下記の濃度になるように水で希釈して、次のように使用する。
効能又は効果
用法及び用量
医療機器の消毒
0.05~0.2%溶液に10~15分間浸漬する。なお、結核領域において使用する場合は、0.2~0.5%溶液を用いる。
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒
0.05~0.2%溶液を布片で塗布・清拭するか、または噴霧する。なお、結核領域において使用する場合は、0.2~0.5%溶液を用いる。
手指・皮膚の消毒
0.05~0.2%溶液で約5分間洗った後、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。
手術部位(手術野)の皮膚の消毒
0.1%溶液で約5分間洗った後、0.2%溶液を塗布する。
手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒
0.01~0.05%溶液を用いる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感等

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤で消毒したカテーテルで採取した尿は、スルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用すること。
  2. 本剤は下記の濃度(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩として)に希釈し、水溶液として使用すること。
濃  度
0.01%
0.05%
0.1%
0.2%
0.5%
希釈倍数
1,000倍
200倍
100倍
50倍
20倍
  1. 混濁している場合は、加温により溶解してから使用すること。
  2. 炎症又は易刺激性の部位に使用する場合には、正常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
  3. 深い創傷に使用する本剤の希釈水溶液は、調製後滅菌処理すること。
  4. 繊維、布(綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等)は本剤の成分であるアルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩を吸着するので、これらを溶液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下とならないように注意すること。
  5. 金属器具を長時間浸漬する必要がある場合は、腐食を防止するために0.1~0.5%の割合で亜硝酸ナトリウムを溶解すること。なお、銅製の器具は亜硝酸ナトリウムを添加しても腐食を防止できないので長時間浸漬しないこと。
  6. 次の医薬品等が混入すると、沈殿を生じるので注意すること。
    ヨードチンキ、硝酸銀、フェノール、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等
薬剤使用時の注意
  1. 外用にのみ使用すること。
  2. 原液又は濃厚液が眼に入らないように注意すること。入った場合には眼球、瞼のすみずみまで水がよく行きわたるように、清浄な水で15分以上眼を洗浄した後、直ちに適切な処置を行うこと。
  3. 飲み込んだ場合は、水でよく口を洗い、無理に吐き出させず、水又は牛乳を飲ませ、直ちに適切な処置を行うこと。
  4. 散布消毒の場合はマスクを着用するなど注意すること。
  5. 濃厚液の使用により、皮膚・粘膜の刺激症状があらわれることがあるので、注意すること。
  6. 粘膜、創傷面又は炎症部位に長期間又は広範囲に使用しないこと。
  7. 血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は、十分に洗い落としてから使用すること。
  8. 石けん類は本剤の殺菌作用を減弱させるので、石けん分を洗い落としてから使用すること。
  9. 皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に溶液に浸すこと。

薬効薬理

作用機序
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩は、陽イオン界面活性剤としての殺菌作用と、陰イオン界面活性剤としての洗浄作用を併せもつ両性界面活性剤である。陽電荷をもつ分子団が陰電荷を帯びる菌体表面に吸着、蓄積し菌体蛋白を変性し、細胞膜破壊ひいては細胞内の酵素蛋白を変性し死滅させる。
殺菌作用
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩は、使用濃度において、栄養型細菌(グラム陽性菌、グラム陰性菌)、結核菌、一部の真菌等には有効であるが、大部分のウイルスに対する効果は期待できない。
殺菌効力試験(in vitro
ハイジール消毒用液10%の細菌および真菌に対する殺菌時間は次の通りであった。
菌種
殺菌時間
0.05w/v%*)
0.1w/v%*)
0.2w/v%*)
グラム
陽性菌
Staphylococcus aureus FDA 209P
1分以内
30秒以内
15秒以内
Staphylococcus aureus IFO 13276
1分以内
1分以内
15秒以内
Staphylococcus aureus NCTC 4163
1分以内
1分以内
15秒以内
Staphylococcus epidermidis IFO 12993
2分以内
15秒以内
15秒以内
Streptococcus faecalis IFO 3971
1分以内
30秒以内
15秒以内
グラム
陰性菌
Acinetobacter calcoaceticus IFO 12552
5分以内
2分以内
1分以内
Alcaligenes faecalis IFO 13111
1分以内
1分以内
15秒以内
Burkholderia cepacia IID 1340
2分以内
1分以内
1分以内
Citrobacter freundii IFO 12681
30秒以内
15秒以内
15秒以内
Enterobacter aerogenes IFO 13534
2分以内
1分以内
30秒以内
Escherichia coli IFO 3806
2分以内
2分以内
30秒以内
Flavobacterium meningosepticum RIMD 0614002
2分以内
1分以内
1分以内
Klebsiella pneumoniae IID 865
30秒以内
30秒以内
15秒以内
Proteus vulgaris IFO 3045
30秒以内
30秒以内
15秒以内
Pseudomonas aeruginosa IFO 13736
10分以内
2分以内
1分以内
Salmonella typhimurium IFO 13245
3分以内
1分以内
1分以内
Serratia marcescens IFO 12648
5分以内
1分以内
30秒以内
真菌
Candida albicans IFO 1061
1分以内
15秒以内
15秒以内
*) アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩としての濃度を示す。
結核菌に対する殺菌効力(in vitro)
ハイジール消毒用液10%の2%液および5%液(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩として0.2%液および0.5%液)を室温で結核菌と接触させたところ、それぞれ120分で殺菌した。
生物学的同等性試験(in vitro)
ハイジール消毒用液10%とテゴー51消毒液10%の殺菌効果について、in vitroの最小発育阻止濃度(MIC)法、フェノール係数法及び改良Kelsey-Sykes法により比較した結果、両剤の生物学的同等性が確認された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩(Alkyldiaminoethylglycine Hydrochloride)
化学名
N-[2-({2-[alkylamino]ethyl}amino)ethyl]glycine
示性式
[RNHCH2CH2NHCH2CH2NHCH2COOH]・HCl
(Rは主としてC12H25及びC14H29からなる。)
化学構造式
R:主としてC12H25及びC14H29

取扱い上の注意

本剤は色調に多少の濃淡が生じることがあり、また、寒冷時にわずかに混濁することがあるが、殺菌効果に影響はない。

包装

500mL[ポリ容器]、3L[ポリ容器]、10L[ポリ容器]

主要文献

1
笠谷 昇:防菌防黴,1978;6(7):T312-T316[M0900003]
2
白石 正:日内会誌,2010;99(8):1916-1922[M0900004]
3
社内資料:ハイジール消毒用液10%の各種細菌に対する殺菌効力試験
4
社内資料:結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対するハイジール消毒用液10%の殺菌効果
5
社内資料:ハイジール消毒用液10%の生物学的同等性に関する資料

文献請求先及び問い合わせ先

丸石製薬株式会社 学術情報部
〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2
TEL.0120-014-561

製造販売業者等

製造販売元
丸石製薬株式会社
大阪市鶴見区今津中2-4-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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