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ワンクリノン腟用ゲル90mg

黄体ホルモン製剤

1管 1083.8円

添付文書番号

2477700H4020_1_01

企業コード

380079

作成又は改訂年月

2020年10月改訂
(第1版、再審査結果)

日本標準商品分類番号

872477

薬効分類名

黄体ホルモン製剤

承認等

販売名

ワンクリノン腟用ゲル90mg

販売名コード

2477700H4020

販売名英字表記

OneCrinone vaginal gel 90mg

販売名ひらがな

わんくりのんちつようげる90mg

承認番号等

承認番号
22800AMX00421000

販売開始年月

2016年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
36箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

プロゲステロン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 診断未確定の性器出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]
  3. 稽留流産又は子宮外妊娠の患者[妊娠維持作用により死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある。]
  4. 重度の肝機能障害のある患者
  5. 乳癌又は生殖器癌の既往歴又は疑いがある患者[症状が悪化するおそれがある。]
  6. 動脈又は静脈の血栓塞栓症あるいは重度の血栓性静脈炎の患者又は既往歴のある患者
  7. ポルフィリン症の患者[症状が悪化するおそれがある。]

組成・性状

組成

ワンクリノン腟用ゲル90mg
有効成分
日本薬局方 プロゲステロン  90.0mg(1アプリケータ中)
添加剤
濃グリセリン、軽質流動パラフィン、ポリカルボフィル、カルボキシビニルポリマー、モノステアリン酸グリセリン、ソルビン酸、pH調整剤

製剤の性状

ワンクリノン腟用ゲル90mg
性状
白色のなめらかなゲル剤

効能又は効果

生殖補助医療における黄体補充

用法及び用量

プロゲステロンとして1回90mgを1日1回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する。

重要な基本的注意

  1. 傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。
  2. 投与の中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. てんかん又はその既往歴のある患者
    病態が悪化するおそれがある。
  2. うつ病又はその既往歴がある患者
    注意深く観察し、症状の悪化を認めた場合は投与を中止するなど注意すること。病態が悪化するおそれがある。
  3. 片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者
    病態が悪化するおそれがある。
  4. 心機能障害のある患者
    体液貯留を引き起こすおそれがある。
  5. 糖尿病の患者
    糖尿病が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

体液貯留を引き起こすおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重度の肝機能障害のある患者
    投与しないこと。作用が増強されるおそれがある。
  2. 中等度以下の肝機能障害のある患者
    作用が増強されるおそれがある。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の腟剤
本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある。
本剤からのプロゲステロン放出及び吸収を変化させる可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 血栓性障害(頻度不明)
    心筋梗塞、脳血管障害、動脈又は静脈の血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告がある。
  2. アナフィラキシーショック(頻度不明)

その他の副作用

1~5%未満
1%未満
頻度不明
全身症状
アレルギー
精神神経系
頭痛、傾眠、浮動性めまい、疲労、神経過敏、攻撃的反応、もの忘れ、うつ病
消化器
腹痛
便秘、下痢、軟便
悪心、嘔吐、腹部膨満感
皮膚及び皮下組織
ばら色粃糠
過敏症
生殖系及び乳房
腟出血
外陰部炎、不正子宮出血
会陰痛、乳房圧痛、乳房痛、性交困難、性器モニリア症、陰部そう痒症、腟乾燥、腟分泌物、月経中間期出血(小出血)、腟刺激感、腹部疝痛
泌尿器
膀胱炎
夜間頻尿、尿路感染
筋骨格系
関節痛
投与部位
疼痛、外陰腟不快感、外陰腟紅斑、外陰腟そう痒症、外陰腟腫脹
その他
腟内異物
尿中ケトン体陽性、切迫流産、妊娠時出血
リビドー減退

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 本剤は腟に適用する製剤のため、内服させないこと。
  2. 本剤の基材の残渣が腟内に蓄積することがある。
  3. 本剤を投与するときは、次の手順にて腟内に直接投与すること。
    1. 密封包装を破り、アプリケータを取り出す。このときはまだ、ねじ切りタブはそのままにしておく。
    2. 親指と人差し指で、バルブ部分の両横にあるシーム線に沿ってアプリケータを持つ。3~4回強く振り(温度計のように)、内容物がアプリケータの細い方に集まるようにする。
    3. アプリケータのバルブの平たい部分を持ち、細い方の端にあるねじ切りタブをねじ切り(引っぱって切らないこと)、捨てる。ねじ切り時にバルブ部分を押さないようにする(挿入前にジェルの一部が飛び出してしまう場合があるため)。
    4. 座った状態、中腰の状態、又は仰向けに寝て膝を曲げた状態で腟にアプリケータを挿入する。
    5. アプリケータのバルブ部分を押してジェルを腟内に挿入する。その後アプリケータを取り出し、ゴミとして捨てる。アプリケータ内に少量のジェルが残るが、その状態で適切な一定量が挿入されているため問題はない。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
本剤との関連性は不明であるが、海外では1999年以降、口唇/口蓋裂、心臓疾患、発育性股関節形成不全、尿道下裂、臍帯ヘルニア等の先天奇形が自発報告されている。また、海外臨床試験2試験において、妊娠例26例中1例に臍帯ヘルニアが、新生児47例中1例に口蓋裂がそれぞれ報告されている。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    閉経後の健康な外国人女性30例に本剤45、90又は180mg注) を腟内に投与した。投与後のCmaxはそれぞれの投与群で8.6、11.2及び13.4ng/mLであった 。
    体外受精-胚移植を受ける日本人女性123例に、採卵日から本剤90mgを1日1回腟内に連日投与した。投与2週後の朝投与7時間後の血清中濃度を測定した。その結果、薬物動態の評価可能な非妊娠例76例における血清中プロゲステロン濃度(平均値±標準偏差)は7.74±3.21ng/mLであった 。

分布

血中プロゲステロンの大部分は血漿蛋白(95~98%)と結合し、主にアルブミン及びコルチゾール結合グロブリンと結合する 。

代謝

プロゲステロンは主に肝臓でプレグナンジオール及びプレグナノロンに代謝され、さらにグルクロン酸及び硫酸抱合体に代謝される 。

排泄

プロゲステロン代謝物は尿中及び糞中などに排泄される。プロゲステロンを非経口投与したときの主排泄経路は尿中(約50%)である。また、糞中排泄は約10%である 。
注)本剤の承認された用量は、プロゲステロンとして1回90mgを1日1回である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験
    体外受精-胚移植を受ける日本人女性149例を対象に、採卵日から本剤90mgを1日1回腟内に12週間投与した。胚移植例における臨床的妊娠率は28.5%(35/123例)であった 。
    なお、149症例中15症例(10.1%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が発現した。主な副作用は、腟出血4例(2.7%)、腹痛、腟内異物各2例(1.3%)であった。

薬効薬理

作用機序
  1. 黄体期の子宮内膜に対する作用
    プロゲステロンは卵巣(黄体)、胎盤、副腎皮質から分泌される天然のステロイドホルモンである。プロゲステロンは、エストロゲンが十分にある状態で、子宮内膜を増殖期から分泌期へと移行させ、子宮内膜の胚受容能を高める。プロゲステロンは脱落膜の発育に不可欠なホルモンであり、子宮腺上皮及び間質の分化に作用する 。
  2. 着床における作用
    プロゲステロンは受精卵透明体を溶解させる子宮内プロテアーゼを活性化する。また、プロゲステロンはエストロゲンによる子宮内膜の増殖を抑制し、子宮内膜の発育を誘導することによって、子宮受容能を確立する役割を有する,
  3. 妊娠における作用
    プロゲステロンは妊娠維持において、子宮収縮の抑制、胚の免疫学的保護、プロスタグランジン合成抑制、子宮の成長及び可塑性の維持などの役割を果たす 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
プロゲステロン(Progesterone)
化学名
Pregn-4-ene-3,20-dione
分子式
C21H30O2
分子量
314.46
性状
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はメタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
本品は結晶多形が認められる。
化学構造式

包装

ポリエチレン製アプリケータ×7本

主要文献

1
社内資料:第I相試験(平成28年7月4日承認 CTD2.7.2.2.1.1、2.7.6.2.2)
2
Pfeifer SM, et al.:Reproductive Endocrinology, Surgery, and Technology. LWW. 1996;p.493-504.
3
熊谷 洋.:臨床薬理学大系 第12巻. 東京:中山書店;1966. p.79-116.
4
社内資料:第III相試験(平成28年7月4日承認 CTD2.7.6.2.7.8)
5
Neumann F.:Postgrad Med J. 1978;54(suppl 2):11-24.
6
Rothchild I.:Progesterone and Progestins. Raven Press. 1983;p.219-29.
7
Halasz M, et al.:J Reprod Immunol. 2013;97(1):43-50.
8
社内資料:非臨床薬理試験(平成28年7月4日承認 CTD2.4.2.3)

文献請求先及び問い合わせ先

メルクバイオファーマ株式会社
メディカル・インフォメーション
東京都目黒区下目黒1丁目8番1号 アルコタワー
0120-870-088

製造販売業者等

製造販売元
メルクバイオファーマ株式会社
東京都目黒区下目黒1丁目8番1号 アルコタワー

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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