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閲覧履歴

テリボン皮下注用56.5μg

骨粗鬆症治療剤

1瓶 10967円

作成又は改訂年月

**
2019年2月改訂
(第7版)
2018年8月改訂

日本標準商品分類番号

872439

薬効分類名

骨粗鬆症治療剤

承認等

販売名

テリボン皮下注用56.5μg(溶解液添付製品)

販売名コード

2439401D2024

承認・許可番号

22300AMX01212000
Teribone Inj. 56.5μg

薬価基準収載年月

2013年11月

販売開始年月

2013年12月

貯法・使用期限等

貯法
遮光・室温保存
使用期限
外箱等に表示

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量(1バイアル中)
テリパラチド酢酸塩67.9μg(テリパラチドとして63.3μg注1)
添加物(1バイアル中)
精製白糖11.2mg、塩化ナトリウム0.56mg
溶解液
生理食塩液1mL
注1)本剤1バイアルに生理食塩液1mLを加え溶解した薬液をシリンジで投与する場合、投与される薬液はテリパラチドとして56.5μgを含む。

性状

剤形
注射剤
pH
5.0〜7.0注2)
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1注2)
性状
白色の固体又は粉末
注2)本剤1バイアルに生理食塩液1mLを加え溶解した場合

一般的名称

注射用テリパラチド酢酸塩

禁忌

次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者[「その他の注意」の項参照]
骨ページェット病
原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す患者
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者[「小児等への投与」の項参照]
過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者
高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。「重要な基本的注意」の項参照]
原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある]
骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の患者(副甲状腺機能亢進症等)[症状を悪化させるおそれがある]
本剤の成分又は他のテリパラチド製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。

効能又は効果/用法及び用量

骨折の危険性の高い骨粗鬆症

用法及び用量

通常、成人には、テリパラチドとして56.5μgを1週間に1回皮下注射する。
なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。
〈注射液の調製法〉
1バイアルを添付の生理食塩液1mLで用時溶解して用いる。(溶解操作方法を参照)

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤を投与期間の上限を超えて投与したときの安全性及び有効性は確立していないので、本剤の適用にあたっては、投与期間の上限を守ること。[「その他の注意」及び「臨床成績」の項参照]
本剤の投与をやむを得ず一時中断したのちに再投与する場合であっても、投与週数の合計が24ヵ月(104週)を超えないこと。また、24ヵ月(104週)の投与終了後、再度24ヵ月(104週)の投与を繰り返さないこと。
他のテリパラチド製剤から本剤に切り替えた経験はなく、その安全性は確立していない。なお、他のテリパラチド製剤から本剤に切り替えたときにおける本剤の投与期間の上限は検討されていない。[「その他の注意」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

低血圧の患者[一過性の血圧低下があらわれることがある。]
腎障害のある患者[臨床薬理試験において、重度の腎障害患者では血中からのテリパラチドの消失に遅延が認められている。「薬物動態」の項参照]
重篤な心疾患のある患者[使用経験がない。]
重篤な肝機能障害を有する患者[使用経験がない。]
尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者[本剤の投与により、症状を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤投与直後から数時間後にかけて、ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失、痙攣、転倒があらわれることがある。投与開始後数ヵ月以上を経て初めて発現することもあるので、本剤投与時には以下の点に留意すること。
投与後30分程度はできる限り患者の状態を観察すること。特に、外来患者に投与した場合には、安全を確認して帰宅させることが望ましい。
投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分不良、悪心、顔面蒼白、冷汗等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になるように患者に指導すること。
一過性の血圧低下に基づくめまいや立ちくらみ、意識消失等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
本剤の薬理作用により、投与約4から6時間後を最大として一過性の血清カルシウム値上昇がみられる。本剤投与中に血清カルシウム値上昇が疑われる症状(便秘、悪心、嘔吐、腹痛、食欲減退等)が本剤投与翌日以降も継続して認められた場合には、血清カルシウム値の測定を行い、持続性高カルシウム血症と判断された場合には、本剤の投与を中止すること。なお、血清カルシウム値上昇によりジギタリス剤の作用が増強することがあるため、ジギタリス製剤と併用する時は注意をすること。[「相互作用」の項参照]
副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の弛緩作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。
心疾患のある患者には、患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。
腎障害のある患者においては、定期的に腎機能検査を行うこと。
閉経前の骨粗鬆症患者での安全性及び有効性は確立していない。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス製剤(ジゴキシン等)高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれることがある。血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリス剤の作用が増強される。
活性型ビタミンD製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール、エルデカルシトール、マキサカルシトール、ファレカルシトリオール等)血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。相加作用

副作用

副作用等発現状況の概要

骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象とした第III相試験における安全性評価対象479例中237例(49.5%)に副作用が認められた。その主なものは、悪心117例(24.4%)、嘔吐64例(13.4%)、頭痛53例(11.1%)、けん怠感49例(10.2%)、腹部不快感31例(6.5%)、めまい30例(6.3%)等であった。(用法・用量の一部変更承認時)

重大な副作用

アナフィラキシー
(0.4%)
アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック(頻度不明)、意識消失(0.4%)
ショック、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失があらわれることがあり、心停止、呼吸停止を来した症例も報告されている。異常が認められた場合には、適切な処置を行い、次回以降の投与中止を考慮すること。

その他の副作用

消化器注2)
5%以上
悪心、嘔吐、腹部不快感
消化器注2)
0.1〜5%未満
食欲減退、胃炎、消化不良、腹痛、下痢、逆流性食道炎、口渇、便秘、胃潰瘍、腹部膨満、流涎過多、裂孔ヘルニア、おくび、味覚異常、口内乾燥、心窩部不快感
**消化器注2)
頻度不明注1)
口腔内不快感、口内炎
精神神経系
5%以上
頭痛、めまい
精神神経系
0.1〜5%未満
不眠症、傾眠、感覚鈍麻(四肢、顔、口のしびれ感等)、振戦、頭部不快感、鎮静、感情不安定、注意力低下
精神神経系
頻度不明注1)
記憶障害、耳鳴、しゃく熱感、痙攣
**
0.1〜5%未満
眼瞼下垂、視力障害
**
頻度不明注1)
結膜充血、霧視
腎臓
0.1〜5%未満
BUN上昇、腎機能障害、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、頻尿
腎臓
頻度不明注1)
慢性腎炎
循環器
0.1〜5%未満
血圧上昇、動悸、血圧低下、上室性頻脈、心室性期外収縮、潮紅、起立性低血圧
**循環器
頻度不明注1)
狭心痛、徐脈、心電図異常、蒼白、心房細動
過敏症注3)
0.1〜5%未満
発疹、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎
過敏症注3)
頻度不明注1)
そう痒症
肝臓
0.1〜5%未満
ALP上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇
肝臓
頻度不明注1)
肝機能障害
代謝異常
0.1〜5%未満
CK(CPK)上昇、血中リン減少、ALP低下
代謝異常
頻度不明注1)
アルブミン・グロブリン比減少、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血中カルシウム増加、血中クロール減少、血中クロール増加、血中コレステロール増加、血中ナトリウム減少、血中ブドウ糖増加、高尿酸血症
血液
0.1〜5%未満
好酸球増加、好中球減少、貧血、リンパ球増加
血液
頻度不明注1)
血小板減少、好塩基球増加、好酸球減少、好中球増加、赤血球減少、単球減少、白血球減少、白血球増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、リンパ球減少
呼吸器
0.1〜5%未満
息詰まり感、咳嗽、喘息、鼻漏、副鼻腔炎、咽頭不快感
筋骨格
0.1〜5%未満
筋骨格硬直、肩の石灰化腱炎、背部痛、四肢痛、四肢不快感
**筋骨格
頻度不明注1)
関節痛、筋緊張、筋力低下、頚部痛、筋肉痛、骨痛、筋痙縮
投与部位
0.1〜5%未満
注射部位出血、注射部位紅斑、注射部位腫脹
投与部位
頻度不明注1)
注射部位疼痛
その他
5%以上
けん怠感
**その他
0.1〜5%未満
異常感(全身違和感、気分不良等)、発熱、胸部不快感、悪寒、胸痛、多汗症、浮腫、熱感、甲状腺腫、自己免疫性甲状腺炎、脱力感、リンパ節炎、あくび、末梢冷感、インフルエンザ様疾患
**その他
頻度不明注1)
胆石症、皮下結節、皮下出血、尿中ウロビリン陽性、尿中ビリルビン増加、脱毛、疼痛、体重減少
注1)自発報告又は骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象とした第III相試験以外の試験でのみ発現した副作用は、頻度不明とした。
注2)このような副作用が認められた場合には、必要に応じ、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。
注3)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。妊娠する可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与期間中は有効な避妊を行うように指導すること。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。[ウサギを用いた静脈内投与による器官形成期投与試験において、胎児毒性(胎児死亡)が認められている。]

小児等への投与

小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。[使用経験がない。これらの患者では、一般に骨肉腫発現のリスクが高いと考えられている。]

過量投与

徴候・症状
血圧低下、脈拍数増加、血清カルシウム値上昇が発現する可能性がある。
処置
本剤の投与を中止し、血圧、脈拍、血清カルシウム値の測定を行い、適切な措置を行うこと。

適用上の注意

溶解後は速やかに使用すること。

その他の注意

雌雄ラットに本薬を皮下投与したがん原性試験において、投与量及び投与期間に依存して骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度が増加した。なお、ラットに無発がん量(4.5μg/kg/日)を投与した際の1週間当たりの曝露量(AUC)は、ヒトに臨床推奨用量(56.5μg/週)を投与した際の曝露量(AUC)の3.9〜11.6倍に相当する1)

薬物動態

血漿中濃度
単回投与
健康成人男性2)、健康高齢女性3)あるいは骨粗鬆症患者4)に本剤56.5μgを単回皮下投与したとき、血漿中テリパラチド酢酸塩濃度は速やかにピークに達し、また消失も速やかであった(下記参照)。
本剤を皮下投与したときの薬物動態パラメータ
健康成人男性(n=9)
Cmax(pg/mL):405.4±124.5
Tmax(min):40±13
T1/2(min):66.9±18.4
AUCinf(ng・min/mL):50.8±10.3
健康高齢女性(n=16)
Cmax(pg/mL):339.56±68.44
Tmax(min):51.6±7.7
T1/2(min):88.85±72.91
AUCinf(ng・min/mL):43.50±5.97
骨粗鬆症患者(n=28)
Cmax(pg/mL):495.92±143.22
Tmax(min):36.4±12.5
T1/2(min):60.66±23.29
AUCinf(ng・min/mL):57.49±15.11
(Mean±SD)
反復投与
骨粗鬆症患者に本剤56.5μgを1週間に1回、24週間反復皮下投与したとき、反復投与によってCmax及びAUCinfは僅かに増加したものの、本剤の薬物動態は単回投与後と比較して大きな変化は認められなかった(図参照)4)

図 骨粗鬆症患者の反復投与時の血漿中テリパラチド酢酸塩濃度の推移
生物学的利用率
30代健康成人男性5例に本剤14.1μgを静脈内投与注)したときのAUCinf5)及び20代健康成人男性9例に本剤14.1μg注)を皮下投与したときのAUCinf2)の比から求めた絶対的生物学的利用率はほぼ100%であった。
分布
分布容積
30代健康成人男性5例に本剤14.1μgを静脈内投与注)したときの分布容積は307±78mL/kg、60代健康成人男性5例に本剤14.1μgを静脈内投与注)したときの分布容積は426±190mL/kgであった5)
<参考>
ラットでの検討より、皮下投与されたテリパラチド酢酸塩(125I標識体)は肝臓及び腎臓に分布することが示唆された6)
血球移行性(in vitro
健康成人5例の血液サンプルを用いて、テリパラチド酢酸塩の血球への移行性を評価した結果、血球移行性は37.0%であった7)
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には、テリパラチドとして56.5μgを1週間に1回皮下注射する。なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。」である。
代謝・排泄
健康高齢女性16例に本剤56.5μgを単回皮下投与したとき、24時間までに排泄された尿中にテリパラチド酢酸塩は検出されなかった3)
<参考>
ラット組織を用いた検討より、肝臓あるいは腎臓に分布したテリパラチド酢酸塩(125I標識体)は速やかに低分子の分解物へと代謝されることが示唆された6)
特殊な集団における薬物動態
腎機能障害者
腎機能障害者に本剤56.5μgを単回皮下投与したときCmax及びAUCinfは腎機能の影響を大きく受けず、T1/2は高度腎障害者で延長したが(下記参照)、1週間に1回の投与間隔を考慮すれば血漿からの消失は十分に速やかであると考えられた(図参照)8)。したがって、腎機能の程度によって用法・用量を変更する必要はないと考えられた。なお、腎透析患者を対象とした試験は実施されていない。
本剤を腎機能障害者に皮下投与したときの薬物動態パラメータ
正常〜軽度(n=8)(eGFR:62.3-88.5)
Cmax(pg/mL):361.73±103.44
Tmax(min):50.6±26.5
T1/2(min):90.64±29.54
AUCinf(ng・min/mL):56.54±9.59
中等度(n=5)(eGFR:35.0-58.5)
Cmax(pg/mL):499.14±259.48
Tmax(min):48.0±19.6
T1/2(min):71.76±10.58
AUCinf(ng・min/mL):56.36±13.31
高度(n=5)(eGFR:16.7-28.5)
Cmax(pg/mL):424.68±268.40
Tmax(min):54.0±25.1
T1/2(min):297.99±240.38
AUCinf(ng・min/mL):63.36±22.99
eGFRの単位:mL/min/1.73m2
(Mean±SD)

図 腎機能障害者の血漿中テリパラチド酢酸塩濃度の経時推移
肝機能障害者
肝機能障害患者を対象とした試験は実施されていない。
<参考>
肝機能障害モデルラットに本薬5.6μg/kgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは、正常ラットの値とほぼ同様であった6)
薬物相互作用in vitro
ヒト肝細胞を用いて検討した結果、テリパラチド酢酸塩はCYP1A2、2C9、2C19、2D6及び3A4を阻害せず9)、CYP1A2及び3A4を誘導しなかった10)

臨床成績

骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症を対象に本剤又はプラセボを週1回72週間投与した第III相試験(二重盲検試験)のKaplan-Meier推定法に基づく新規椎体骨折発生率は下記のとおりであり(本剤群261例うち男性13例、プラセボ群281例うち男性10例)、本剤は新規椎体骨折の発生を有意に抑制した11)。72週後の相対リスク減少率は78.6%であり、新規椎体骨折発生率の群間差は11.4%であった。また、Cox回帰モデルに基づく相対リスク減少率は80%であった12)
Kaplan-Meier推定法に基づく新規椎体骨折発生率
観察週:24週後
本剤(n=261):2.6%
プラセボ(n=281):5.3%
logrank検定:p<0.0001
観察週:48週後
本剤(n=261):3.1%
プラセボ(n=281):10.4%
logrank検定:p<0.0001
観察週:72週後
本剤(n=261):3.1%
プラセボ(n=281):14.5%
logrank検定:p<0.0001
また、72週後の腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は、本剤群(107例うち男性6例)6.7%、プラセボ群(130例うち男性4例)0.3%であり、本剤群はプラセボ群に対して有意な骨密度増加効果を示した(t検定、p<0.0001)11)
さらに、骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象に本剤を週1回24ヵ月間投与した第III相試験(非盲検・非対照試験)において、腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は72週後では8.4%(136例うち男性3例)、104週後(24ヵ月後)では9.9%(130例うち男性3例)であった13)

薬効薬理

作用機序
本薬はヒト副甲状腺ホルモンのN端側の1-34ペプチド断片である。本薬は前駆細胞の分化促進作用14)等により骨芽細胞の数を増加させ、骨形成を促進する15)
薬理作用
骨強度、骨密度及び骨構造に及ぼす影響
卵巣摘除サルに本薬1.1又は5.6μg/kgを週1回18ヵ月間反復投与した結果、対照と比較して腰椎及び大腿骨近位部の骨密度が増加した16)。卵巣摘除ラットに本薬5.6又は28.2μg/kgを週3回12ヵ月間反復投与した結果、対照と比較して腰椎及び大腿骨近位部の骨密度が増加した17)。また、卵巣摘除ラットでは、本薬5.6又は28.2μg/kgの投与により、腰椎及び大腿骨近位部の海綿骨の骨梁幅及び骨梁数が増加し、骨梁の連結性が改善すると共に、大腿骨骨幹部の皮質骨幅が増加し、腰椎及び大腿骨の骨強度が増加した17)
骨代謝に及ぼす影響
卵巣摘除ラットに本薬28.2μg/kgを週3回4週間反復投与した結果、腰椎において骨芽細胞面及び骨量が増加したが、破骨細胞面及び骨吸収面に変化は認められなかった15)。また、卵巣摘除ラットに卵巣摘除直後又は12ヵ月後から本薬5.6μg/kgを週3回4ヵ月間反復投与した結果、骨形成マーカーである血清オステオカルシンが持続的に増加したが、骨吸収マーカーである尿中CTXは増加しなかった18)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
テリパラチド酢酸塩(Teriparatide Acetate, JAN)
分子式
C181H291N55O51S2・5CH3COOH
分子量
4417.97
構造式
H-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-Phe-OH・5CH3COOH
融点
210℃(分解)
性状
白色の粉末で、においはないか又は、わずかに酢酸臭があり、味はない。
水又は酢酸(100)に極めて溶けやすい。
水溶液(1→1000)のpHは4.0〜6.0である。
吸湿性である。

包装

テリボン皮下注用56.5μg:1バイアル[生理食塩液1mL(シリンジ)1本及びバイアルコネクター1個添付]

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
Watanabe A. et al.:J Toxicol. Sci., 37(3), 617(2012)
2
社内資料:健康成人男性での単回投与試験
3
社内資料:健康高齢女性での臨床薬理試験(QT/QTc間隔に及ぼす影響の検討)
4
社内資料:骨粗鬆症患者での臨床薬理試験(24週間反復投与時の薬物動態の検討)
5
社内資料:健康成人男性での単回静脈内投与試験
6
Serada M. et al.:Xenobiotica, 42(4), 398(2012)
7
社内資料:薬物動態試験<血球移行性(in vitro)>
8
社内資料:腎機能障害者での臨床薬理試験
9
社内資料:薬物動態試験<酵素阻害(in vitro)>
10
社内資料:薬物動態試験<酵素誘導(in vitro)>
11
社内資料:骨折リスクの高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第III相骨折試験
12
Nakamura T. et al.:J Clin Endocrinol Metab., 97(9), 3097(2012)
13
社内資料:骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第III相骨量試験
14
Isogai Y. et al.:J Bone Miner Res., 11(10), 1384(1996)
15
社内資料:卵巣摘除ラットにおける骨形成促進作用
16
社内資料:卵巣摘除カニクイザルを用いた18ヵ月間反復投与試験
17
Takao-Kawabata R. et al.:Calcif Tissue Int., 97(2), 156(2015)
18
Sugie-Oya A. et al.:J Bone Miner Metab., 34(3), 303(2016)

文献請求先

「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
旭化成ファーマ株式会社 医薬情報部くすり相談窓口
*〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
フリーダイヤル 0120-114-936(9:00〜17:45/土日祝、休業日を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
旭化成ファーマ株式会社
*東京都千代田区有楽町一丁目1番2号

その他の説明(付属機器の取り扱い等)


・本品はテリボン皮下注用56.5μg専用品である。
・包装が破損している場合や製品に破損等の異常が認められる場合は使用しないこと。
・包装を開封したらすぐに使用し、使用後は速やかに安全な方法で処分すること。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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