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メトクロプラミド細粒2%「ツルハラ」

消化器官用剤

1g 6.3円

添付文書番号

2399004C1107_1_04

企業コード

460028

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872399

薬効分類名

消化器機能異常治療剤

承認等

販売名

メトクロプラミド細粒2%「ツルハラ」

販売名コード

2399004C1107

販売名英字表記

Metoclopramide Fine Granules「TSURUHARA」

販売名ひらがな

めとくろぷらみどさいりゅう2ぱーせんとつるはら

承認番号等

承認番号
22500AMX01148000

販売開始年月

1995年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬

一般的名称

メトクロプラミド

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]
  3. 消化管に出血、穿孔又は器質的閉塞のある患者[本剤には消化管運動の亢進作用があるため、症状を悪化させるおそれがある。]

組成・性状

組成

メトクロプラミド細粒2%「ツルハラ」
有効成分
1g中 メトクロプラミド 15.35mg
塩酸メトクロプラミドに換算して20mg
添加剤
乳糖水和物、白糖、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、含水二酸化ケイ素

製剤の性状

メトクロプラミド細粒2%「ツルハラ」
剤形細粒
色調白色
においなし
初めやや甘く後苦い

効能又は効果

  • 次の場合における消化器機能異常(悪心・嘔吐・食欲不振・腹部膨満感)
    胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆嚢・胆道疾患、腎炎、尿毒症、乳幼児嘔吐、薬剤(制癌剤・抗生物質・抗結核剤・麻酔剤)投与時、胃内・気管内挿管時、放射線照射時、開腹術後
  • X線検査時のバリウムの通過促進

用法及び用量

メトクロプラミドとして、通常成人1日7.67~23.04mg(塩酸メトクロプラミドに換算して10~30mg、細粒:0.5~1.5g)を2~3回に分割し、食前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

1日あたりの製剤量は以下のとおりである。
1日投与量
塩酸メトクロプラミドとして10~30mg、細粒:0.5~1.5g

重要な基本的注意

  1. 本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ投与すること。
  2. 眠気、めまいがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
  3. 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
    悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。

腎機能障害患者

高い血中濃度が持続するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
母乳中に移行することが報告されている。

小児等

過量投与にならないよう注意すること。錐体外路症状が発現しやすい。とくに脱水状態、発熱時等には注意すること。

高齢者

副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェノチアジン系薬剤
プロクロルペラジン
クロルプロマジン
チエチルペラジン等
ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール等
ラウオルフィアアルカロイド薬剤
レセルピン等
ベンザミド系薬剤
スルピリド
チアプリド等
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。
本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
ジギタリス剤
ジゴキシン
ジギトキシン等
ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。
本剤の制吐作用による。
カルバマゼピン
カルバマゼピンの中毒症状(眠気、悪心・嘔吐、眩暈等)があらわれることがある。
機序不明
抗コリン剤
アトロピン硫酸塩水和物
ブチルスコポラミン臭化物等
相互に消化管における作用を減弱するおそれがある。
本剤は消化管運動を亢進するため、抗コリン剤の消化管運動抑制作用と拮抗する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喉頭浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
  2. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
    無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
  3. 意識障害(頻度不明)
  4. 痙攣(頻度不明)
  5. 遅発性ジスキネジア(頻度不明)
    長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。

その他の副作用

頻度不明
錐体外路症状注)
手指振戦、筋硬直、頸・顔部の攣縮、眼球回転発作、焦燥感
内分泌
無月経、乳汁分泌、女性型乳房
消化器
胃の緊張増加、腹痛、下痢、便秘
循環器
血圧降下、頻脈、不整脈
精神神経系
眠気、頭痛、頭重、興奮、不安
過敏症
発疹、浮腫
その他
めまい、倦怠感
注)これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤の投与等適切な処置を行うこと。

過量投与

  1. 症状
    錐体外路症状、意識障害(昏睡)等があらわれることがある。また外国において、本剤の大量投与によりメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
  2. 処置
    透析によって除去されない。錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン剤等を投与する。

薬物動態

血中濃度

健康成人にメトクロプラミド20mgを経口投与した場合、消化管より速やかに吸収され約1時間後に最高血漿中濃度(54ng/mL)に達し、消失半減期4.7時間で減少した。健康成人にメトクロプラミド10mgを静脈内投与した場合、二相性に消失しβ相の半減期は5.4時間であった(外国人データ)。
  1. 生物学的同等性試験
    メトクロプラミド細粒2%「ツルハラ」とプリンペラン細粒2%をクロスオーバー法により、各1g(メトクロプラミドとして15.35mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0-24(ng・hr/mL)
    Cmax(ng/mL)
    Tmax(hr)
    t1/2(hr)
    メトクロプラミド細粒2%「ツルハラ」
    414±22
    51.0±2.4
    1.5±0.1
    4.3±0.4
    プリンペラン細粒2%
    401±17
    51.5±2.1
    1.4±0.1
    4.1±0.2
    (Mean±S.E.、n=12)
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

分布

  1. 乳汁中移行
    授乳婦にメトクロプラミド10mgを経口投与した場合、母乳中への移行が認められている。

排泄

14C標識メトクロプラミド10mgを経口投与した場合、投与後24時間までに投与量の77.8%が、メトクロプラミド、N-グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として尿中に排泄された(外国人データ)。

薬効薬理

作用機序
化学受容体引き金帯(CTZ)のドパミンD2受容体を遮断することにより制吐作用を示す。更に、セロトニン5-HT3受容体遮断作用の関与や5-HT4受容体刺激作用による消化管運動亢進作用も示唆されている。
消化管の運動調整作用
  1. 胃運動に及ぼす影響
    イヌを用いたバルーン法による実験で、メトクロプラミドは胃運動を亢進させることが確かめられている,
  2. 十二指腸の運動に及ぼす影響
    イヌを用いた実験で、メトクロプラミドは十二指腸の運動を亢進する。
  3. 回腸・大腸の運動に及ぼす影響
    イヌを用いた実験で、メトクロプラミドは回腸運動に対して明らかな作用は示さず、大腸では全く作用が認められていない。
制吐作用
メトクロプラミドは中枢性嘔吐、末梢性嘔吐のいずれに対しても制吐作用を示す。イヌを用いた実験で、アポモルヒネ又はヒデルギンの投与で起こした嘔吐に対しても、あるいは、硫酸銅の経口投与による嘔吐に対しても 、メトクロプラミドは明らかな抑制作用を示す。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
メトクロプラミド(Metoclopramide)
化学名
4-Amino-5-chloro-N-[2-(diethylamino)ethyl]-2-methoxybenzamide
分子式
C14H22ClN3O2
分子量
299.80
性状
メトクロプラミドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。酢酸(100)に溶けやすく、メタノール又はクロロホルムにやや溶けやすく、エタノール(95)、無水酢酸又はアセトンにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
化学構造式
融点
146~149℃

包装

バラ〔缶〕:100g、1,000g(乾燥剤入り)

主要文献

1
Graffner C., et al.:Brit. J. Clin. Pharmacol. 1979;8(5):469-474
2
鶴原製薬株式会社 社内資料
3
Kauppila A., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 1983;25(6):819-823
4
Teng L., et al.:J. Pharm. Sci. 1977;66(11):1615-1618
5
第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C5728-C5731
6
福原武 他:日本平滑筋学会雑誌. 1966;2(1):15-21
7
熊田重敦 他:薬学研究. 1968;39(2):44-61
8
Jacoby H. I., et al.:Gastroenterology. 1967;52(4):676-684
9
Justin-Besançon L., et al.:C. R. Soc. Biol. Paris.1964;158(4):723-727
10
Laville C.:Path. et Biol.1964;12(9-10):577-578

文献請求先及び問い合わせ先

鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
TEL:072-761-1456(代表) FAX:072-760-5252

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鶴原製薬株式会社
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