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ベロテックエロゾル100

気管支拡張剤

1瓶 461.1円

添付文書番号

2252704G2020_1_16

企業コード

650168

作成又は改訂年月

2022年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872252

薬効分類名

気管支拡張剤

承認等

販売名

ベロテックエロゾル100

販売名コード

2252704G2020

販売名英字表記

Berotec Metered Aerosol 100

販売名ひらがな

べろてっくえろぞる100

承認番号等

承認番号
21100AMY00104000

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

フェノテロール臭化水素酸塩

警告

  1. 本剤の使用は、患者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。
  2. 本剤の投与は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。
  3. 小児に対しては、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合で、入院中など、医師の厳重な管理・監督下で本剤を投与する場合を除き、投与しないこと。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. カテコールアミン(エピネフリン、イソプロテレノール等)を投与中の患者
  2. 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ベロテックエロゾル100
有効成分
1g中フェノテロール臭化水素酸塩  1.923mg
1回噴霧中  0.1mg
添加剤
無水エタノール、無水クエン酸、1,1,1,2-テトラフルオロエタン

製剤の性状

ベロテックエロゾル100
剤形定量噴霧式エアゾール剤
におい特異なにおい
内容物
無色~微黄褐色澄明の液

効能又は効果

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
  • 気管支喘息
  • 慢性気管支炎
  • 肺気腫
  • じん肺症

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。
  2. 本剤の投与は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。

用法及び用量

通常1回2吸入(フェノテロール臭化水素酸塩として0.2mg)する。成人には2~5分間たって効果が不十分な場合はさらに1~2吸入する。

用法及び用量に関連する注意

1回2吸入を原則とするが、1回1吸入からはじめ、効果を確認しながら使用すること。なお、吸入後2~5分を待っても十分な効果がみられない場合には、2吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加吸入を行うときは、少なくとも6時間の間隔をおき、1日4回までとすること。

重要な基本的注意

  1. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には、使用が過度になりやすいので十分に注意すること。また、患者に対し、本剤の過度の使用による危険性があることを理解させ、7.の注意及びその他必要と考えられる注意を与えること。
  2. 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。
  3. 発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 甲状腺機能亢進症の患者
    症状を悪化させるおそれがある。
  2. 高血圧症の患者
    血圧が上昇することがある。
  3. 心疾患のある患者
    動悸、不整脈等があらわれることがある。
  4. 糖尿病の患者
    症状を悪化させるおそれがある。
  5. 低酸素血症の患者
    血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児骨格異常の出現頻度の増加が認められている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

  1. 他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合で、入院中など、医師の厳重な管理・監督下で本剤を投与する場合を除き、投与しないこと。
  2. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン(エピネフリン、イソプロテレノール等)
エピネフリン製剤(エピネフリン、ボスミン注、ノルエピネフリン)
イソプロテレノール製剤(アスプール液、メジヘラー・イソ)
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
エピネフリン、イソプロテレノール等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。
そのため不整脈を起こすことが考えられる。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
キサンチン誘導体
テオフィリン
アミノフィリン
ステロイド剤
ベタメタゾン
プレドニゾロン
コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム
利尿剤
フロセミド
血清カリウム値の低下作用を増強することがある。
血清カリウム値のモニターを行う。
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)
    キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
動悸
頻脈
精神神経系
振戦、頭痛
消化器
嘔気
呼吸器
咽喉刺激感、咳嗽
過敏症
発疹、そう痒症、蕁麻疹
その他
倦怠感

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤はアレルゲンによる皮膚反応に抑制的に作用する場合があるので、注意すること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 吸入前
    本剤の効果を十分に発揮するため、痰がからんでいるようなときは、使用前にできるだけ出しておくこと。
  2. 使用方法
    本剤の効果を十分にあらわすためには正しい使い方をすることが大切である。初めてエロゾルを使用する場合には、鏡の前で試みるのが望ましい。
    この装置は指でおさえ圧を加えることにより何回も使用でき、一定量が噴霧された後、自動的にもとの状態にもどるようになっている。なお、容器の底を上にして圧を加えないと薬剤が噴霧されないので、この点注意すること。容器1ボンベ(10mL)で約200回吸入できるが、内容物が外から見えないので、時々容器を振って中に液があるか否かを確かめておく必要がある。
    次の順序で使用する。
    1. キャップをはずす。
      なお、初めて使用する場合及び前回使用から3日間(72時間)使用していない場合には、2回噴霧し、正しく噴霧されるか確かめる。ただし、このとき顔に向け噴霧しないこと。
    2. 息をはき出す。
    3. 容器を持ち、吸入口を歯で軽くくわえる。このとき、容器の底は上を向く。
    4. できるだけ深く息を吸い込みながら、容器の底を1回垂直に強く押す。数秒間息をとめ、その後、口からアダプターをはずしゆっくり息をはき出す。
    5. 2吸入する場合は(2)~(4)の手順を繰り返す。
    6. 使用後はキャップをつける。
    7. 吸入終了後はうがいをする。

薬物動態

血中濃度

健康成人5例に本剤0.2mgを単回吸入投与した場合、約3時間で最高血中濃度約0.6ng/mLに達した。血中濃度の半減期は約6時間であった,(外国人データ)。

吸収

慢性閉塞性肺疾患患者に本剤0.2mg又は0.4mg注)を単回吸入投与した場合のバイオアベイラビリティは9~12%であった(外国人データ)。

分布

健康成人の血清蛋白に対する結合率は、本剤2.5μg/mLで約45%であった(外国人データ)。

代謝

健康成人に経口投与した場合、代謝は速やかで、主代謝産物は硫酸抱合体である(外国人データ)。

排泄

48時間で尿中に約19%、糞中に約63%が排泄される(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は1回0.2mg吸入。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅱ相試験
    気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、じん肺症患者を対象とした臨床試験において、本剤1回0.2mgあるいは0.4mg注)吸入の単回投与あるいは4週間投与における有効率(有効以上)は、効果判定のなされた症例で67.0%(126/188例)であった。
    本剤0.2mgあるいは0.4mg注)投与群での副作用発現頻度は7.0%(14/199例)で、主な副作用は心悸亢進5.0%(10/199例)、手指の振戦2.0%(4/199例)、頭痛1.5%(3/199例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験
    気管支喘息患者59例を対象とし、本剤1回0.4mg注)あるいはイソプロテレノール1回0.2mgを単回吸入した二重盲検比較試験の結果、肺機能検査値(FEV1)は本剤投与後に有意に増加し、イソプロテレノールと比較して有意な改善を認めた。
    本剤投与群での副作用発現頻度は27.1%(16/59例)で、副作用は心悸亢進20.3%(12/59例)、手指の振戦13.6%(8/59例)、倦怠感1.7%(1/59例)であった。
注)本剤の承認用量は1回0.2mg吸入。

薬効薬理

作用機序
本剤の主作用は、β2アドレナリン受容体刺激による気管支平滑筋弛緩作用(気管支拡張作用)である。
気管支拡張作用
モルモットの摘出気管支平滑筋標本において、本剤はイソプロテレノール、サルブタモールよりも強い弛緩作用を示した。成人気管支喘息患者に吸入投与した場合、本剤はイソプロテレノールよりも強い気管支拡張作用を示すことが認められた。
また、イヌの生体位において、本剤はイソプロテレノール、サルブタモールに比べ、作用持続時間は長かった。成人気管支喘息患者に吸入投与した場合、本剤は吸入直後より効果が発現し、作用は8時間以上持続することが認められた,
β2アドレナリン受容体への選択性
モルモットの摘出標本および生体位において、本剤の気管(気管支)拡張作用(β2アドレナリン受容体刺激作用)は、心拍動数増加作用(β1アドレナリン受容体刺激作用)に比べ強く、β2アドレナリン受容体に対する選択性は高かった,
抗アレルギー作用
抗原-抗体反応による感作ヒト肺組織からSRS-Aの遊離、および気管支喘息患児白血球からのヒスタミン遊離を抑制することが認められた。なお、気管支喘息患児に経口投与した場合、ハウスダストによる皮膚反応が抑制されることが認められた,,
実験的喘息防御作用
成人気管支喘息患者におけるヒスタミン、アセチルコリン、セロトニン誘発喘息および成人気管支喘息患者のアレルゲン誘発喘息に対し、本剤を吸入投与した場合、緩解作用を示すことが認められた,。また、気管支喘息患児の運動負荷喘息に対しても、本剤を吸入投与した場合、緩解作用を示すことが認められた。
気道線毛運動亢進作用
ラットの摘出気管支標本において、線毛運動亢進作用を示した。成人閉塞性気管支疾患患者に本剤を吸入投与した場合、気道粘液クリアランス速度の増大が認められた,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
フェノテロール臭化水素酸塩(JAN)
(Fenoterol Hydrobromide)(JAN)
(Fenoterol)(INN)
化学名
(R,R)-1-(3,5-dihydroxyphenyl)-2-[1-(4-hydroxy-benzyl)ethylamino]ethanol hydrobromide
分子式
C17H21NO4・HBr
分子量
384.26
性状
白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ギ酸にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品の水溶液(1→25)は旋光性がない。本品1.0gを水25mLに溶かした液のpHは4.2~5.2である。
化学構造式
融点
約230℃(分解)
分配係数
4.8×10-1(pH7、n-オクタノール/水)

取扱い上の注意

  1. まれにゴミがつまり噴射しない場合があるので、その場合は、よく消毒した針でステム孔(突起の根元)を掃除すること。また、アダプターの噴射孔にゴミがつまり噴射しない場合には、アダプターを水でよく洗い、乾燥してから用いること。
  2. 使用後火中に投じないこと。
  3. 地方自治体により定められたボンベの廃棄処理法にしたがうこと。

包装

1ボンベ(10mL)×5

主要文献

1
社内資料:生殖発生毒性試験
2
Meissner J et al. Arzneimitelforsch; 1974. 24. 1213
3
Seyberth H W et al. Verh Dtsch Ges Inn Med. 1973; 79. 888-891
4
Schmidt E W et al. Respiration; 1995. 62. 190
5
吸収、分布、代謝、排泄に関する資料(社内資料)
6
Buchelt L et al. Medical Proceedings Mediese Bydraes. 1972; 18. 15
7
柳川孝生ほか. 応用薬理; 1980. 20. 415
8
滝島任ほか. 臨牀と研究; 1976. 53. 197
9
Giles R E et al. J Pharmacol Exp Ther ; 1973. 186. 472
10
Riedel-Dibbern E et al. Int J Clin Pharmacol Suppl 4; 1972. 129
11
Hughes J M et al. Eur J Pharmacol; 1983. 95. 239
12
富田有祐ほか. 臨床薬理; 1981. 12. 49
13
西間三馨ほか. 小児科臨床; 1984. 37. 1911
14
Benjamin C. Medical Proceedings Mediese Bydraes; 1972. 18. 35
15
Woitowitz H J et al. Respiration; 1972. 29. 549
16
永倉俊和ほか. アレルギー; 1981. 30. 335
17
Iravani J et al. Int J Clin Pharmacol Beiheft; 1972. 4. 20
18
Felix R et al. Prax Pneumol; 1978. 32. 777

文献請求先及び問い合わせ先

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
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製造販売元(輸入販売元)
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
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先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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