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リズミック錠10mg

本態性・起立性・透析時低血圧治療剤

1錠 14.6円

添付文書番号

2190022F1024_1_19

企業コード

400093

作成又は改訂年月

2024年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

本態性・起立性・透析時低血圧治療剤

承認等

販売名

リズミック錠10mg

販売名コード

2190022F1024

販売名英字表記

RISUMIC Tablets

承認番号等

承認番号
20300AMZ00438

販売開始年月

1991年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

アメジニウムメチル硫酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 高血圧症の患者[高血圧症を悪化させる。]
  2. 甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症を悪化させる。]
  3. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]
  4. 閉塞隅角緑内障の患者[急激な眼圧上昇をきたすおそれがある。]
  5. 残尿を伴う前立腺肥大のある患者[尿閉をきたすおそれがある。]

組成・性状

組成

リズミック錠10mg
有効成分
1錠中アメジニウムメチル硫酸塩  10mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

リズミック錠10mg
外形
大きさ
大きさ(直径)
約6.5mm
大きさ(厚さ)
約2.3mm
質量約100mg
識別コードP915
色・剤形
白色の割線入り素錠

効能又は効果

本態性低血圧、起立性低血圧、透析施行時の血圧低下の改善

効能又は効果に関連する注意

〈透析施行時の血圧低下の改善〉
透析中に血圧が低下したために透析の継続が困難となることが確認されている慢性腎不全患者のみを対象とすること。

用法及び用量

〈本態性低血圧、起立性低血圧〉
通常、成人にはアメジニウムメチル硫酸塩として、1日20mgを1日2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈透析施行時の血圧低下の改善〉
通常、成人にはアメジニウムメチル硫酸塩として、透析開始時に1回10mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 重篤な心臓障害のある患者
    本剤の交感神経機能亢進作用を介する心臓刺激作用により、心臓障害が悪化するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。

小児等

乳児及び幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

投与に際しては少量から開始するなど用量に留意すること。生理機能(腎機能、肝機能)が低下していることが多い。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ドロキシドパ
血圧の異常上昇をきたすことがある。
ドロキシドパから変換したノルアドレナリンの末梢神経終末における再取り込みと不活性化が、本剤により抑制される。
ノルアドレナリン
血圧の異常上昇をきたすおそれがある。
ノルアドレナリンの末梢神経終末における再取り込みと不活性化が、本剤により抑制される。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、湿疹、じん麻疹
循環器
動悸、頻脈、血圧変動、不整脈(期外収縮、心房細動等)、ほてり感、のぼせた感じ
胸部不快感、息苦しさ、浮腫、胸内苦悶感
四肢冷感
精神神経系
めまい、立ちくらみ、頭痛、頭重、気分不良
ふらつき、全身倦怠感、焦燥感、情緒不安定、不眠、眠気、全身のしびれ、耳鳴
消化器
嘔気・嘔吐、腹痛
胸やけ、食欲不振、腹部膨満、下痢、便秘、口渇感
肝臓
AST、ALTの上昇等の肝機能異常
その他
排尿障害
白血球減少、発熱、全身熱感、頸部痛、下肢痛、視力障害、歩行障害の悪化、構語障害の悪化
注)発現頻度は市販後の調査を含む。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    (健康成人6例、空腹時10mg 1回経口投与後の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ)
    Tmax(h)
    Cmax(ng/mL)
    t1/2β(h)
    2.7±0.4
    25.3±1.4
    13.6±2.5
    平均値±標準誤差
    (透析患者5例、20mg 1回注)経口投与後の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ),
    測定日
    Tmax(h)
    Cmax(ng/mL)
    t1/2(h)
    非透析日
    4.4±0.7
    82.0±4.9
    25.9±3.9
    透析日※)
    3.6±0.7
    70.7±5.7
    19.2±2.7
    平均値±標準誤差
    ※)透析日は透析直前投与
  2. 効果発現時間
    投与後約2時間(健康成人)

吸収

  1. 吸収率
    53%(外国人データ)

分布

  1. 血漿蛋白結合率
    20.7%(健康成人、10mg 1回投与2時間後、限外ろ過法)

代謝

  1. 主な代謝産物及び代謝経路
    ごく一部分がピリダジノン体となり、硫酸抱合される。

排泄

  1. 排泄経路
    主として尿中
  2. 排泄率
    投与後48時間までの尿中には、投与量の33~40%が未変化体として、1~2%が代謝物として排泄された(健康成人、空腹時10~20mg 1回注)投与)。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    (透析患者6例、10mg 1回投与)
    投与後の時間
    血漿中未変化体濃度(ng/mL)
    動脈血漿
    (透析器通過前)
    静脈血漿
    (透析器通過後)
    1h
    1.9±1.4
    0.9±0.9
    2h
    9.7±2.0
    5.6±1.3
    3h
    19.6±3.8
    9.9±1.8
    4h
    26.6±5.8
    14.8±4.0
    平均値±標準誤差
注)本剤の承認された用法及び用量は、本態性低血圧、起立性低血圧は1日20mgを1日2回分割経口投与、透析施行時の血圧低下の改善は透析開始時に1回10mg経口投与である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    一般臨床試験及び二重盲検比較試験における本剤の有効性評価症例数は435例で、これらの臨床成績は次のとおりである。
    対象疾患
    改善率
    本態性低血圧
    61%(113/186)
    起立性低血圧
    69%(87/127)
    透析施行時の血圧低下
    70%(85/122)
    また、二重盲検比較試験での改善率は、本態性低血圧(対照薬:エチレフリン塩酸塩)60%(47/79)、起立性低血圧(対照薬:エチレフリン塩酸塩)74%(46/62)、透析施行時の血圧低下(対照薬:プラセボ)60%(33/55)であった。

薬効薬理

作用機序
本剤は、ノルアドレナリンと競合して末梢の神経終末に取り込まれ、ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを抑制するとともに、神経終末においてノルアドレナリンの不活性化を抑制し、交感神経機能を亢進させる,,,
血圧上昇作用
本剤は、1回経口投与で用量依存的に収縮期血圧と拡張期血圧を同程度上昇させる(ラット、イヌ)。反復投与では安定した血圧上昇がみられ、耐性は認められない(ラット、イヌ)。
本剤は、全末梢血管抵抗の増加及び心拍出量の増加により血圧を上昇させる(イヌ)。全末梢血管抵抗の増加は、主に皮膚及び骨格筋の血管系の抵抗増大によるものと考えられる,
実験的起立性低血圧に対する作用
神経節遮断薬投与下の体軸変換による実験的起立性低血圧において、本剤は起立後の血圧値を高く保持する(イヌ)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アメジニウムメチル硫酸塩(Amezinium Metilsulfate)
化学名
4-amino-6-methoxy-1-phenylpyridazinium methylsulfate
分子式
C12H15N3O5S
分子量
313.33
性状
白色~帯黄白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。水又はメタノールにやや溶けにくく、酢酸(100)又はエタノール(95)に溶けにくく、アセトン又はクロロホルムに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約178℃(分解)
分配係数
0.01(クロロホルム/水系溶媒、pH7.2、室温)

取扱い上の注意

アルミピロー又は瓶開封後は吸湿に注意すること。

包装

100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
500錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]

主要文献

1
中島光好ほか: 臨床医薬. 1988; 4: 495-507
2
金丸光隆ほか: 臨床医薬. 1988; 4: 1295-1310
3
社内資料: 透析患者における血漿中動態
4
Kaumeier S., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1981; 31: 1653-1657
5
社内資料: ヒトにおける蛋白結合
6
社内資料: ヒトにおける代謝
7
社内資料:透析患者における血漿中及び透析液中濃度
8
筒井末春ほか: 臨床医薬. 1988; 4: 1123-1144
9
筒井末春ほか: 臨床医薬. 1990; 6: 995-1013
10
斎藤 博ほか: 臨床医薬. 1990; 6: 973-994
11
畠野尚仁ほか: 薬理と治療. 1988; 16: 1433-1441
12
古川 清ほか: 薬理と治療. 1988; 16: 1443-1453
13
Lenke D., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1981; 31: 1558-1565
14
Traut M., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1981; 31: 1566-1574
15
湊 久夫ほか: 薬理と治療. 1988; 16: 1409-1420
16
能勢 勇ほか: 薬理と治療. 1988; 16: 1421-1431
17
Lehmann H. D., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1981; 31: 1544-1557
18
社内資料: 実験的起立性低血圧に対する作用

文献請求先及び問い合わせ先

住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センター
TEL 0120-034-389

製造販売業者等

製造販売元
住友ファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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