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ベタキソロール点眼液0.5%「SW」

緑内障・高眼圧症治療剤

1mL 128.7円

添付文書番号

1319733Q1099_1_03

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

緑内障・高眼圧症治療剤

承認等

販売名

ベタキソロール点眼液0.5%「SW」

販売名コード

1319733Q1099

販売名英字表記

BETAXOLOL Ophthalmic Solution [SW]

販売名ひらがな

べたきそろーるてんがんえき

承認番号等

承認番号
22600AMX00704000

販売開始年月

2002年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

一般的名称

ベタキソロール塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. コントロール不十分な心不全のある患者
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

ベタキソロール点眼液0.5%「SW」
有効成分
日局ベタキソロール塩酸塩  5.6mg
ベタキソロールとして  5.0mg
添加剤
エデト酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ベンザルコニウム塩化物、pH調節剤

製剤の性状

ベタキソロール点眼液0.5%「SW」
pH6.7~7.7
浸透圧比0.85~1.25(生理食塩液に対する比)
性状
無色~微黄色澄明
無菌水性点眼液

効能又は効果

緑内障、高眼圧症

用法及び用量

通常、1回1滴、1日2回点眼する。なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 全身的に吸収される可能性があり、β遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること。
  2. 本剤の投与を受けている患者で、全身麻酔を施す場合、過度の心機能抑制があらわれることがあるので、本剤を徐々に減量し、全身麻酔を行う前には投与を休止すること。
  3. 血圧が下降することがあるので、長期投与する場合には、定期的に血圧測定を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、心原性ショック、うっ血性心不全のある患者
    症状を増悪させるおそれがある。
  2. コントロール不十分な糖尿病のある患者
    血糖値に注意すること。低血糖症状を隠蔽することがある。
  3. 喘息、気管支痙攣、あるいはコントロール不十分な閉塞性肺疾患のある患者
    喘息発作の誘発、増悪がみられることがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で、胚・胎児の死亡の増加が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で、乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

一般に高齢者では生理機能が低下している。また、心血管系疾患のためにβ遮断剤の全身投与を受けている患者に対しては、注意すること。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン枯渇剤
レセルピン等
交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈等があらわれる可能性があるので、観察を十分に行うなど注意する。
β遮断作用を相加的に増強すると考えられる。
β遮断剤(全身投与)
プロプラノロール塩酸塩等
眼圧下降あるいはβ遮断剤の全身的な作用が増強される可能性があるので、観察を十分に行うなど注意する。
作用が相加的にあらわれると考えられる。
カルシウム拮抗剤
ベラパミル塩酸塩等
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こす可能性があるので、観察を十分に行うなど注意する。
相互に作用が増強されると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 眼類天疱瘡、全身性エリテマトーデス、脳虚血、脳血管障害、心不全、洞不全症候群(いずれも頻度不明)

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
眼刺激症状(しみる感じ、灼熱感、眼痛、異物感、不快感等)
流涙増加、羞明、霧視、眼そう痒症、眼瞼炎、結膜充血、角膜障害(角膜知覚低下、角膜炎、角膜びらん等)
眼乾燥、眼脂
眼底黄斑部の浮腫・混濁注1)
循環器
徐脈、低血圧
呼吸器
喘息
呼吸困難
その他
めまい、頭痛
蕁麻疹
不眠症、接触皮膚炎
注1)無水晶体眼または眼底に病変のある患者等に長期連用した場合(定期的に視力測定、眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと。)

適用上の注意

薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
  • 薬剤汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
  • 点眼に際しては、原則として仰臥位をとり、患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。
  • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
  • 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、15分以上経過後装用すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
アレルギー性結膜炎等に罹患している患者に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

薬物動態

血中濃度

  1. 健康成人の両眼にベタキソロール塩酸塩0.5%点眼液を1回1滴、1日2回、15日間点眼し、点眼1、8、15日における点眼前、点眼30分、及び2時間後の血漿中β1、β2受容体遮断活性をRadioligand binding法で測定したところ、ベースライン値との間に差は認められなかった,。また、健康成人の両眼にベタキソロール塩酸塩0.5%点眼液を1滴ずつ点眼し、点眼1時間後の血漿中濃度を測定したところ、検出限界(2ng/mL)以下であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    チモロールマレイン酸塩0.5%点眼液を対照薬とした眼圧24mmHg以上を示す緑内障、高眼圧症患者71例を対象に実施された二重盲検比較試験において、改善度及び安全度を指標とした有用度は85.7%(60/70)であった。副作用発現頻度は18%(13/71例)であった。
  2. 国内臨床試験(呼吸機能への影響)
    チモロールマレイン酸塩0.5%点眼液を対照薬として、60歳以上の緑内障または高眼圧症患者174例を対象に12週間点眼し、呼吸機能に及ぼす影響を多施設無作為化比較試験法により検討した。ベタキソロール塩酸塩群では呼吸機能の有意な変動は認められなかった。
  3. 国内臨床試験(視野機能の維持・改善作用)
    チモロールマレイン酸塩0.5%点眼液を対照薬として、原発開放隅角緑内障または正常眼圧緑内障患者95例を対象に各群1日2回2年間単独投与による視野への影響を比較検討した。
    ベタキソロール塩酸塩群は、チモロールマレイン酸塩群と比較し、セクター解析では15セクター中、下方の2つのセクターにおいてTDスロープの有意(P<0.05)な上昇が認められた。

薬効薬理

作用機序
健康成人におけるフルオロフォトメトリー試験の結果から1%ベタキソロール塩酸塩はβ1受容体遮断作用により房水産生を抑制し眼圧を下降させることが示唆されている。
眼圧下降作用
  1. 緑内障患者及び高眼圧症患者に点眼した場合、瞳孔径、視力にほとんど影響を及ぼすことなく眼圧を下降させ、また眼圧下降作用は12時間持続することが認められた。
  2. 生物学的同等性試験
    ベタキソロール点眼液0.5%「SW」とベトプティック点眼液0.5%を健康成人男子にそれぞれ1滴右眼の結膜嚢内に点眼(クロスオーバー法)し、眼圧値を測定した。両剤はいずれの時点においても、点眼前値に比して有意な眼圧下降作用を示し、また、両剤の各測定時点の眼圧値に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
β1受容体選択性
モルモット摘出心筋標本(β1受容体)と気管標本(β2受容体)でのイソプロテレノール(イソプレナリン)に対するベタキソロールの拮抗作用から、ベタキソロールはβ2受容体よりβ1受容体に対する親和性が高いことが認められた(in vitro)。
Radioligand binding法によるラット大脳皮質及びウシ気管筋と心筋における結合実験の結果、ベタキソロールはいずれの組織においてもβ1受容体に対する選択性がみられた(in vitro)。
心血管系に対する作用
健康成人を対象として行われた運動後の血圧と脈拍数に及ぼす影響についての試験において、ベタキソロール塩酸塩点眼液はプラセボと比較して負荷後の脈拍に有意な影響を及ぼさなかった。
その他
ウシ摘出網膜微小動脈及びブタ摘出後毛様動脈を用いた実験において、直接的な血管拡張作用が認められた(in vitro)。なお、同様の血管拡張作用が、ラット摘出大動脈を用いた実験においても認められ、K+及びCa++による収縮作用を抑制し、高濃度K+存在下で細胞内へのCa++の流入を抑制した(in vitro)。
また、イヌを用いた実験でも直接的な血管拡張作用が認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ベタキソロール塩酸塩(Betaxolol Hydrochloride)
化学名
(2RS)-1-{4-[2-(Cyclopropylmethoxy)ethyl]phenoxy}-3-[(1-methylethyl)amino]propan-2-ol monohydrochloride
分子式
C18H29NO3・HCl
分子量
343.89
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすい。1.0gを水50mLに溶かした液のpHは4.5~6.5である。水溶液(1→100)は旋光性を示さない。
化学構造式
融点
114~117℃

包装

プラスチック点眼容器:5mL×10本

主要文献

1
Polansky, J. R.:Inter. Ophthalmol. Clin., 1989;29(Suppl.):S17-S18
2
第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-5161-5167
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中島光好他:臨床眼科, 1989;43(11):1777-1785
4
北澤克明他:臨床評価, 1989;17(2):243-274
5
北澤克明他:あたらしい眼科, 2002;19(10):1379-1389
6
Araie, M. et al.:Jpn. J. Ophthalmol., 2003;47(2):199-207
7
Reiss, G. R. et al.:Ophthalmol., 1983;90(11):1369-1372
8
Virno, M. et al.:New Trends in Ophthalmology, 1987;2(1):131-139
9
社内資料:生物学的同等性試験
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Cavero, I. et al.:In Morselli, P. L. et al. eds., L.E.R.S., 1:Raven Press, New York, 1983;31-42
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Tsuchihashi, H. et al.:Japan. J. Pharmacol., 1990;52(2):195-200
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Satoh, E. et al.:Br. J. Pharmacol., 1993;108(2):484-489
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Hoste, A. M. et al.:Curr. Eye Res., 1994;13(7):483-487
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Hester, R. K. et al.:Surv. Ophthalmol., 1994;38(Suppl.):S125-S134
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Bessho, H. et al.:Japan. J. Pharmacol., 1991;55(3):351-358
16
別所秀樹他:日本薬理学雑誌, 1990;95(6):355-360

文献請求先及び問い合わせ先

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
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