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乾燥ボツリヌス抗毒素注射用「化血研」

抗毒素類

1瓶 1749458円

作成又は改訂年月

**
2016年5月改訂
(第3版)
*
2014年8月改訂

日本標準商品分類番号

876331

薬効分類名

抗毒素類

承認等

販売名

乾燥ボツリヌス抗毒素注射用「化血研」

販売名コード

6331411X1049

承認・許可番号

22100AMX02240
Freeze-dried Botulism Antitoxin「KAKETSUKEN」

薬価基準収載年月

収載済

販売開始年月

2012年2月

貯法・使用期限等

貯法
遮光して、10℃以下に保存(【取扱い上の注意】参照)
有効期間
検定合格日から10年(最終有効年月日は外箱等に表示)

基準名

日本薬局方
乾燥ボツリヌスウマ抗毒素
生物学的製剤基準
乾燥ボツリヌス抗毒素

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること

**製法の概要及び組成・性状

**製法の概要
 本剤は、A型,B型、E型及びF型ボツリヌストキソイドでそれぞれ別々の馬を免疫して得た血漿を精製処理し、4種の抗毒素を混合して凍結乾燥したものである。
 なお、本剤は製造工程でブタの胃由来成分(ペプシン)を使用している。
組成
 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)20mLで溶解した液剤1mL中に次の成分を含有する。
有効成分
ボツリヌス抗毒素(ウマ免疫グロブリン)
**160mg以下
 
・A型抗毒素
500単位以上
 
・B型抗毒素
500単位以上
 
・E型抗毒素
500単位以上
 
・F型抗毒素
200単位以上
**添加物
**塩化ナトリウム
**8.5mg
**添加物
**pH調節剤
**適量

製剤の性状

 本剤は、ボツリヌス抗毒素を含むウマ免疫グロブリンの白色ないし淡黄色の乾燥製剤である。添付の溶剤を加えると、無色ないし黄褐色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる。
 pH:6.8〜7.4
 浸透圧比(生理食塩液に対する比):約1

原則禁忌

 ウマ血清に対しショック、アナフィラキシー(血圧降下、喉頭浮腫、呼吸困難等)及びその他の過敏症の既往を有する者
 ただし、本剤の投与を必要とする場合は、ウマ血清過敏症試験及び除感作処置等を行うこと。

効能・効果

**効能・効果に関連する使用上の注意

 中毒がE型ボツリヌス毒素によることが明らかな場合には、乾燥ボツリヌス抗毒素「E型」を使用すること。
 ボツリヌスの治療及び予防

用法・用量

 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)20mLで完全に溶解して使用する。
◎治療:通常、症状にもよるが、なるべく早期に20〜40mLを筋肉内(皮下)又は静脈内に注射するか、あるいは生理食塩液等で希釈して点滴静注する。
なお、症状が軽減しないときは3〜4時間ごとに20mLないしそれ以上を追加注射する。
◎予防:中毒の原因食を食べた者に対して予防に使用するときは、なるべく早期に5〜10mLを筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する。

用法・用量に関連する使用上の注意

 ウマ血清過敏症試験(適用上の注意参照)を行い、反応陰性あるいは軽微の場合は、本剤の1mLを皮下に注射して30分間反応を観察し、異常のない場合には、所要量を以下のとおり注射する。
筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する場合には、ゆっくり時間をかけて注射すること。ショックは5〜10分の間に発現することが多いがその間は勿論、さらに30分後まで血圧を測定する。著しい血圧降下がおこったら、直ちにエピネフリンの注射等、適切な処置を行う。
点滴静注する場合は、本剤を生理食塩液等で10〜20倍に希釈して1分間1〜2mL位の速さで注射し、血圧測定その他の観察を続けること。

使用上の注意

重要な基本的注意2),3)

本剤の投与により血清病(ショック、アナフィラキシー及びその他の過敏症)があらわれることがあるため、使用前に必ず次の事項について問診を行うこと。
以前にウマ血清の注射を受けたことの有無及びその際の異常の有無
薬剤アレルギーの有無
蕁麻疹の既往歴の有無
アトピー性素因の既往歴及び家族歴の有無
問診終了後、ウマ血清過敏症試験を行うこと。
本剤の使用にあたっては、あらかじめ血清病に備えて、エピネフリン、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤、リンゲル液及び血圧計等の準備をしておくこと。

副作用

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(頻度不明):急激な血圧降下、喉頭浮腫、呼吸困難等があらわれることがあるので、投与後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと1),4)

その他の副作用

過敏症(頻度不明):本剤投与後30分から12日ごろに、全身あるいは局所に蕁麻疹様発疹、発赤、腫脹、疼痛、発熱、関節痛等が10%程度にあらわれることがある1),4),5)

高齢者への投与

一般に高齢者では、生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

適用上の注意

投与前(血清病の予防)
ウマ血清過敏症試験
 本剤を添付の溶剤で溶解した後、さらに生理食塩液で約10倍に希釈して試験に用いる。
 下記の(a)、(b)のいずれかの試験を行い、反応陰性あるいは軽微の場合は、本剤の1mLを皮下に注射して30分間反応を観察し、異常のない場合には、所要量を全量筋肉内(皮下)又は静脈内にゆっくり注射する。
 この試験においても、ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、慎重に試験を行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと3)
 なお、抗毒素治療の既往歴又は高度の過敏症の者に本剤の使用は危険であるが、やむを得ず使用するときは、(2)の除感作処置を行う。
(a)皮内試験法
10倍希釈液0.1mLを皮内に注射して、30分間全身症状の有無及び注射局所の反応を観察し、下記の判定基準により判定する。
[判定基準]
陽性:高度の過敏症;著しい血圧の降下、顔面蒼白、冷汗、虚脱、四肢末端の冷感、呼吸困難などの全身症状の発現
軽度の過敏症;直径10mm程度の紅斑、発赤又は膨疹
陰性:上記の判定基準未満
(b)点眼試験法
10倍希釈液の1滴を片眼に点眼後、20〜30分間観察し、下記の判定基準により判定する。
[判定基準]
陽性:過敏症の兆候;粘膜充血、そう痒
陰性:上記の判定基準により明らかに軽微又は無反応
除感作処置
 本剤を添付の溶剤で溶解した後、さらに生理食塩液で100〜1,000倍(上記の過敏症試験で特に強い症状を示した者には1,000倍から始める)に希釈して、その0.1mLを皮内に注射後、30分間観察し、血圧、全身症状等に異常がなければ、次に10倍希釈液の0.1mLを皮内に注射し、30分間異常がなければ、本剤の1.0mLを皮下に注射する。さらに30分間観察し、異常がなければ最後に所要量全量を注射する。
 上記の除感作処置のいずれかの段階で異常が見られたら、その後1時間経過してから異常を起こした前の段階にもどして、以後反復して増量していく。
 強度の過敏症を示した場合には、エピネフリン、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤等を注射して様子を見る。全身症状がみられなくなったら次の段階に移る。
投与時
ボツリヌスの治療は、なるべく早期に抗毒素を注射することが重要である。重症患者には呼吸麻痺に対する処置が必要である。
投与後(血清病の治療)
本剤投与後ショック、アナフィラキシーを起こし、急激な血圧降下、喉頭浮腫、呼吸困難等を示した場合は、エピネフリン等を注射する。治療を速やかに行うほど予後は良好である。
 緊急時には、蘇生バック、咽頭鏡・吸引器、気管内チューブ、酸素ボンベを使用し救急蘇生を行う2)
 軽度の血清病は多くの場合予後良好であり、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤等の投与を行う。
本剤投与後30分から12日ごろにも血清病が発現することがある。これは数日で消失するが急性腎炎を伴うこともある。
 全身の皮膚そう痒のため睡眠できないときは、抗ヒスタミン剤、エピネフリン及び睡眠剤等の投与が望ましい。腎障害にはその治療を行う。
 なお、血清病はいったん治癒した後、再発することもある。

薬効薬理6)

 抗毒素は毒素を特異的に中和して、その毒作用を止めることにより毒素性疾患には特効的である。しかし、生体内で遊離状態にある毒素は完全に中和するが、組織に結合してしまった毒素は中和しにくい。
 したがって、治療に際し、発病後できるだけ早期に本剤を投与するのが効果的である。
(参考)
 マウスを用いた抗毒素による治療効果の成績では、毒素注射後、抗毒素投与までの時間が長くなるにしたがい、治療に必要な抗毒素の量は大量となり、ある程度以上の時間が経過した後は、いくら大量の抗毒素を投与しても治療効果が示されないという報告がある。

取扱い上の注意

保存時
 溶剤が凍結すると容器が破損することがある。
使用前
 溶解時に内容をよく調べ、沈殿及び異物の混入、その他異常を認めたものは使用しないこと。
使用時
 本剤の溶解は使用直前に行うこと。
 なお、本剤は保存剤を含有していないので、溶解後は直ちに使用し、残液を保存して再使用することは厳に避けること。

包装

瓶入(A型、B型、E型ボツリヌス抗毒素はそれぞれ10,000単位以上、F型ボツリヌス抗毒素は4,000単位以上含有):1本
溶剤(日本薬局方注射用水)20mL添付:1本

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
海老沢功ほか:The SNAKE 5 151,1973
2
森 眞章ほか:日本産蛇毒類カラー写真図譜並びに日本産蛇毒咬傷の治療 p63〜67,1982
3
飯田広夫ほか:微生物 1(2)26,1985
4
真栄城優夫:救急医学 3(10)1378,1979
5
沢井芳男:医学のあゆみ 153(4)179,1990
6
近藤 久:臨床と細菌 7(4)59,1980

文献請求先

**,*一般財団法人 化学及血清療法研究所 医薬営業部門 営業推進部
〒860-8568 熊本市北区大窪一丁目6番1号
電話 096(345)6500

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売
*一般財団法人 化学及血清療法研究所
*熊本市北区大窪一丁目6番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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