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閲覧履歴

フルコナゾール静注液100mg「サワイ」

深在性真菌症治療剤

1瓶 1134円

作成又は改訂年月

**
2023年5月改訂
(第23版)
*
2022年9月改訂

日本標準商品分類番号

87629

日本標準商品分類番号等

2012年3月

薬効分類名

深在性真菌症治療剤

承認等

販売名

フルコナゾール静注液50mg「サワイ」

販売名コード

6290401A1129

承認・許可番号

22300AMX00208000
FLUCONAZOLE

薬価基準収載年月

2011年6月

販売開始年月

2011年6月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱等に表示

基準名

日本薬局方
フルコナゾール注射液

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成及び性状の表

有効成分・含量添加物剤形・性状pH浸透圧比
1バイアル(50mL)中
日局フルコナゾール 50mg
塩化ナトリウム無色澄明の注射液5.0〜7.0約1
(生理食塩液に対する比)

販売名

フルコナゾール静注液100mg「サワイ」

販売名コード

6290401A2192

承認・許可番号

22000AMX01892000
FLUCONAZOLE

薬価基準収載年月

2008年12月

販売開始年月

2003年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱等に表示

基準名

日本薬局方
フルコナゾール注射液

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成及び性状の表

有効成分・含量添加物剤形・性状pH浸透圧比
1バイアル(50mL)中
日局フルコナゾール 100mg
塩化ナトリウム
pH調節剤
無色澄明の注射液5.0〜7.0約1
(生理食塩液に対する比)

販売名

フルコナゾール静注液200mg「サワイ」

販売名コード

6290401A3180

承認・許可番号

22000AMX01893000
FLUCONAZOLE

薬価基準収載年月

2008年12月

販売開始年月

2003年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱等に表示

基準名

日本薬局方
フルコナゾール注射液

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成及び性状の表

有効成分・含量添加物剤形・性状pH浸透圧比
1バイアル(100mL)中
日局フルコナゾール 200mg
塩化ナトリウム
pH調節剤
無色澄明の注射液5.0〜7.0約1
(生理食塩液に対する比)

禁忌

次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、キニジン、ピモジド、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ロミタピド、ブロナンセリン、ルラシドン(「相互作用」の項参照)
本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能又は効果

カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症
真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

用法及び用量

成人
カンジダ症:通常、成人にはフルコナゾールとして50〜100mgを1日1回静脈内に投与する。
クリプトコッカス症:通常、成人にはフルコナゾールとして50〜200mgを1日1回静脈内に投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回静脈内に投与する。
小児
カンジダ症:通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回静脈内に投与する。
クリプトコッカス症:通常、小児にはフルコナゾールとして3〜6mg/kgを1日1回静脈内に投与する。
なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。
造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回静脈内に投与する。
なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
ただし、1日量として400mgを超えないこと。
新生児
生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。
生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:
好中球減少症が予想される数日前から投与を開始することが望ましい。
好中球数が1000/mm3を超えてから7日間投与することが望ましい。

使用上の注意

慎重投与

薬物過敏症の既往歴のある患者
腎障害のある患者〔血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。〕
肝障害のある患者〔肝障害を悪化させることがある。〕
心疾患又は電解質異常のある患者〔心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある(「重大な副作用」の項参照)。〕
ワルファリンを投与中の患者(「重要な基本的注意」及び「相互作用」の項参照)

重要な基本的注意

腎障害のある患者に投与する場合は、投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、投与量及び投与間隔に十分注意すること。
本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されている。本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。(「相互作用」の項参照)
本剤の投与に際しては適宜、血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査等を行うことが望ましい。
本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

相互作用

本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する。

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
トリアゾラム
(ハルシオン等)
トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇、作用の増強及び作用時間延長の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
エルゴタミン
(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の副作用を起こすおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
キニジン
(キニジン硫酸塩)
**ピモジド
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、torsade de pointesを発現するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
アスナプレビル
(スンベプラ)
ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル
(ジメンシー配合錠)
これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
アゼルニジピン
(カルブロック)
オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン
(レザルタス配合錠)
イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている。本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ロミタピド
(ジャクスタピッド)
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ブロナンセリン
(ロナセン)
ルラシドン
(ラツーダ)
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンプロトロンビン時間の延長、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。(「重要な基本的注意」の項参照)本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェニトイン
イブプロフェン
フルルビプロフェン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
セレコキシブセレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ロサルタンロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある。本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
フルバスタチン
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
アトルバスタチン
シンバスタチン
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
カルバマゼピンカルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ミダゾラム
エプレレノン
メサドン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
カルシウム拮抗薬
ニフェジピン等
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬
ビンクリスチン
ビンブラスチン
エリスロマイシン
これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
タクロリムス水和物
シクロスポリン
これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により腎障害の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファブチンリファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
*リトナビル
ニルマトレルビル・リトナビル
リトナビルのAUC上昇の報告がある。
ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇のおそれがある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
オキシコドンオキシコドンのAUC上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トルバプタントルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強するおそれがある。やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始すること。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
イブルチニブ
ラロトレクチニブ
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。
やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
レンボレキサントレンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断すること。なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5mgとすること。本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
**バレメトスタットバレメトスタットの副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
フェンタニルフェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
リバーロキサバンリバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。
テオフィリンテオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
経口避妊薬エチニルエストラジオール、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
スルホニル尿素系血糖降下薬
クロルプロパミド
グリベンクラミド
スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により低血糖の報告がある。
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ナテグリニドナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トレチノイン中枢神経系の副作用が発現するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジアゼパムジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
トファシチニブトファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
シクロホスファミドビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある。本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。
アブロシチニブアブロシチニブの作用が増強するおそれがある。可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮すること。本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある。
アミトリプチリン
ノルトリプチリン
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
ジドブジンジドブジンの血中濃度上昇の報告がある。本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
リファンピシン本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある。リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。
三酸化二ヒ素QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬剤性過敏症症候群1):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
血液障害:無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害が報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝障害:黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。投与にあたっては、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
意識障害:錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
痙攣:痙攣等の神経障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症:高カリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
心室頻拍、QT延長、不整脈:心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、ビリルビンの上昇、黄疸
皮膚発疹注)、剥脱性皮膚炎
消化器嘔気、食欲不振、下痢、腹痛、嘔吐、口渇、しゃっくり、腹部不快感、消化不良、鼓腸放屁
精神神経系頭痛、手指のこわばり、めまい、傾眠、振戦
腎臓BUNの上昇、クレアチニンの上昇、乏尿
代謝異常低カリウム血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖
血液好酸球増多、好中球減少
その他発熱注)、浮腫、脱毛、倦怠感、熱感、血管痛、味覚倒錯、副腎機能不全
上記のような副作用が認められた場合は、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
注)発現した場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

催奇形性を疑う症例報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
母乳中に移行することが認められているので、授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。

小児等への投与

新生児においては、腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長することから、投与間隔に留意すること。

過量投与

症状
外国の癌患者での過量投与(フルコナゾール1200〜2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾール1600mg/日投与例において、肝機能検査値上昇がみられた。
また、2000mg/日投与例において、中枢神経系障害(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形性紅斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告がある。
フルコナゾール8200mg経口摂取後、幻覚、妄想行動の症状があらわれ、48時間の経過観察が行われた結果、症状は回復したとの報告がある(自殺企図例)。
処置:(1)、(2)とも対症療法を行う。フルコナゾールは、大部分が腎から排泄される。3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される。

適用上の注意

調製時:本剤は生理食塩液に溶解してあるため、注射用アムホテリシンBと併用すると白濁を生ずるので混注を避けること。
投与速度:静注する場合は、1分間に10mLを超えない速度で投与することが望ましい。

薬効薬理

フルコナゾールはトリアゾール系抗真菌剤で、カンジダ属及びクリプトコッカス属に対し抗真菌作用が認められている。その作用機序は、選択的に真菌のチトクロームP450に作用し、真菌の細胞膜構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することによるとされている。
各種臓器、組織への移行性が良好であり、1日1回投与による治療が可能となっている。
マウス実験的カンジダ症(Candida albicans)感染モデルにおいて、治療効果を検討したところ、本剤投与群は無治療群に比して用量依存的に有意な生存率の上昇を示した。2)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
フルコナゾール(Fluconazole)
略号
FLCZ
化学名
2-(2,4-Difluorophenyl)-1,3-bis(1H-1,2,4-triazol-1-yl)propan-2-ol
分子式
C13H12F2N6O
分子量
306.27
融点
137〜141℃
構造式
性状
フルコナゾールは白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。希塩酸に溶ける。

取扱い上の注意

・安定性試験
50mg:バイアルに充てんしたものを用いた加速試験(40℃75%RH、6ヶ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。3)
100mg/200mg:バイアルに充てんしたものを用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。4)、5)

包装

フルコナゾール静注液50mg「サワイ」:5バイアル
フルコナゾール静注液100mg「サワイ」:5バイアル
フルコナゾール静注液200mg「サワイ」:5バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
2
徳永哲洋他,薬理と治療,32(9),537(2004).
3
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
4
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
5
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]

*文献請求先

〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999
FAX:06-7708-8966

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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