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エンテカビル錠0.5mg「タカタ」

抗ウイルス化学療法剤

1錠 220.8円

作成又は改訂年月

2018年8月改訂
(第2版)
2017年2月作成

日本標準商品分類番号

87625

薬効分類名

抗ウイルス化学療法剤

承認等

販売名

エンテカビル錠0.5mg「タカタ」

販売名コード

6250029F1105

承認・許可番号

22900AMX00441

薬価基準収載年月

2017年6月

販売開始年月

2017年6月

貯法・使用期限等

貯法
気密容器に入れ、室温保存
使用期限
外箱等に表示(2年)

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・分量
1錠中
エンテカビル水和物:0.53mg
(エンテカビルとして0.5mg)
添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン

性状

性状白色〜微黄白色の三角形のフィルムコーティング錠
外形
表面
垂線
裏面
重さ
側面
厚さ
識別コードTTS-212

一般的名称

エンテカビル水和物錠

警告

エンテカビル製剤を含むB型肝炎に対する治療を終了した患者で、肝炎の急性増悪が報告されている。
そのため、B型肝炎に対する治療を終了する場合には、投与終了後少なくとも数ヵ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行うこと。経過に応じて、B型肝炎に対する再治療が必要となることもある。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

本剤投与開始に先立ち、HBV DNA、HBV DNAポリメラーゼあるいはHBe抗原により、ウイルスの増殖を確認すること。

効能又は効果/用法及び用量

B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制

用法及び用量

本剤は、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口投与する。
通常、成人にはエンテカビルとして0.5mgを1日1回経口投与する。
なお、ラミブジン不応(ラミブジン投与中にB型肝炎ウイルス血症が認められる又はラミブジン耐性変異ウイルスを有するなど)患者には、エンテカビルとして1mgを1日1回経口投与することが推奨される。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤は、投与中止により肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化を起こすことがある。本内容を患者に説明し、患者が自己の判断で投与を中止しないように十分指導すること(【警告】の項参照)。
本剤は食事の影響により吸収率が低下するので、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に投与すること。
腎機能障害患者では、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、下記を参考にして、クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の患者並びに血液透析又は持続携行式腹膜透析を施行されている患者では、投与間隔の調節が必要である(「慎重投与」の項参照)。
腎機能障害患者における用法・用量の目安
クレアチニンクリアランス(mL/min):30以上50未満
通常用量:0.5mgを2日に1回
ラミブジン不応患者:1mgを2日に1回
クレアチニンクリアランス(mL/min):10以上30未満
通常用量:0.5mgを3日に1回
ラミブジン不応患者:1mgを3日に1回
クレアチニンクリアランス(mL/min):10未満
通常用量:0.5mgを7日に1回
ラミブジン不応患者:1mgを7日に1回
クレアチニンクリアランス(mL/min):血液透析注)又は持続携行式腹膜透析(CAPD)患者
通常用量:0.5mgを7日に1回
ラミブジン不応患者:1mgを7日に1回
注)血液透析日は透析後に投与する。

使用上の注意

慎重投与

腎機能障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある。](〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
肝移植患者[シクロスポリン又はタクロリムス等の腎機能を抑制する可能性のある免疫抑制剤が投与されている肝移植患者では、本剤の投与開始前と投与中に腎機能の観察を十分に行うこと。]
*非代償性肝硬変患者[国内における使用経験が少ない。

重要な基本的注意

本剤によるB型慢性肝疾患の治療は、投与中のみでなく投与終了後も十分な経過観察が必要であり、経過に応じて適切な処置が必要なため、B型慢性肝疾患の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで使用すること。
腎機能障害作用のある薬剤又は尿細管分泌により排泄される薬剤と本剤を併用する場合には、副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察すること(「相互作用」の項参照)。
本剤の投与中は定期的に肝機能検査を行うなど十分注意すること。
抗HIV療法を受けていないHIV/HBVの重複感染患者のB型肝炎に対して本剤を投与した場合、薬剤耐性HIVが出現する可能性があるため、抗HIV療法を併用していないHIV/HBV重複感染患者には本剤の投与を避けることが望ましい。
本剤による治療により他者へのHBV感染が避けられることは証明されていない旨を患者に説明すること。

相互作用

エンテカビルは主に腎から排泄されるため、腎機能を低下させる薬剤や尿細管分泌により排泄される薬剤と併用した場合には、本剤又は併用薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。このような薬剤と併用する場合には副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察すること。なお、ラミブジン、アデホビルピボキシル又はフマル酸テノホビルジソプロキシルとエンテカビル製剤を併用した場合に、相互作用は認められなかった。本剤を主に腎から排泄される薬剤又は腎機能に影響する薬剤と併用投与した場合の相互作用は、これまでのところ知られていない。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

肝機能障害
頻度不明
本剤での治療中にAST(GOT)、ALT(GPT)が上昇することがある。AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇が認められた場合、より頻回に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。検査値等の経過から、肝機能障害が回復する兆候が認められない場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
投与終了後の肝炎の悪化
頻度不明
本剤の投与終了により肝炎の悪化が認められることがある。本剤の投与を終了する場合には、投与終了後少なくとも数ヵ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行うこと。ヌクレオシド類縁体未治療の患者を対象とした海外での臨床試験において、エンテカビル製剤投与終了後の観察期間中にALT(GPT)上昇(>10×ULNかつ>2×参照値(投与前又は投与終了時のいずれか低い値))が6%(28/476)の患者に認められた。これらの試験において、HBe抗原陽性の患者での発現率は2%(4/174)、HBe抗原陰性の患者での発現率は8%(24/302)であった。また、ラミブジン不応の患者を対象とした海外での臨床試験において、エンテカビル製剤投与終了後の観察期間中にALT(GPT)上昇(>10×ULNかつ>2×参照値)が12%(6/52)の患者に認められた。
アナフィラキシー
頻度不明
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
乳酸アシドーシス
頻度不明
乳酸アシドーシスがあらわれることがあり、死亡例も報告されている。乳酸アシドーシスが疑われる臨床症状及び検査値異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用(類薬)

脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)
死亡例を含む脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が、ヌクレオシド類縁体の単独又は抗HIV薬との併用療法で報告されている。

その他の副作用

次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
胃腸障害
頻度不明
下痢、悪心、便秘、上腹部痛
全身障害及び投与局所様態
頻度不明
怠感
感染症及び寄生虫症
頻度不明
鼻咽頭炎
筋骨格系及び結合組織障害
頻度不明
筋硬直
神経系障害
頻度不明
頭痛、浮動性めまい
皮膚及び皮下組織障害
頻度不明
発疹、脱毛
臨床検査
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、血中ビリルビン増加、血中アミラーゼ増加、リパーゼ増加、血中ブドウ糖増加、血中乳酸増加、BUN上昇、尿潜血陽性、尿中白血球陽性、白血球数減少、好酸球数増加

高齢者への投与

本剤は主に腎から排泄されるが、高齢者では若年者よりも腎機能が低下していることが多いため、患者の腎機能を定期的に観察しながら投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。生殖発生毒性試験において、ラットでは母動物及び胚・胎児に毒性が認められ、ウサギでは胚・胎児のみに毒性が認められた。ラット及びウサギの曝露量は、ヒト1mg投与時の曝露量のそれぞれ180倍及び883倍に相当する。]
妊娠の可能性がある婦人に対しては避妊するよう指導すること。[胎児の発育に影響を及ぼすおそれがある。]
新生児のHBV感染を防止するため適切な処置を行うこと。[本剤が母体から新生児へのHBV感染に及ぼす影響についてはデータがない。]
授乳婦への投与
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されている。本剤がヒトの乳汁中に分泌されるか否かは不明である。]

小児等への投与

*小児等に対する安全性と有効性は確立していない。(使用経験がない。)

過量投与

過量投与の報告は限られている。過量投与がみられた場合には、患者を十分観察し、必要な対症療法を実施すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

がん原性
2年間がん原性試験がマウス(エンテカビルとして:0.004、0.04、0.4及び4mg/kg/日)とラット(エンテカビルとして、雄:0.003、0.02、0.2及び1.4mg/kg/日、雌:0.01、0.06、0.4及び2.6mg/kg/日)で行われている。雄マウスの0.04mg/kg以上、雌マウスの4mg/kgの投与量で肺腺腫の発生率上昇が観察された。雌雄マウスの最高用量群で肺癌の発生率上昇が観察された。腫瘍発生に先立ち肺胞細胞の増殖が認められたが、ラット、イヌ及びサルでこのような変化が観察されていないことから、肺腫瘍はマウスに特有な所見であり、ヒトの安全性との関連は低いと考えられた。これ以外に高用量群で、雄マウスの肝癌、雌マウスの良性血管腫瘍、雌雄ラットの脳神経膠腫、並びに雌ラットの肝腺腫及び肝癌の発生率が上昇した。これらは、臨床用量での曝露量と比べて高い曝露量で観察されたことから、ヒトの安全性に関連を持つものではないと考えられた。
変異原性
培養ヒトリンパ球にin vitroで染色体異常を誘発したが、微生物を用いた復帰突然変異試験(Ames試験)、哺乳類細胞を用いた遺伝子突然変異試験及びシリアンハムスター胚細胞を用いた形質転換試験で、遺伝毒性は認められていない。また、ラットを用いた経口投与による小核試験とDNA修復試験も陰性を示している。
生殖毒性
ラットの生殖発生毒性試験において受胎能への影響は認められなかった。げっ歯類及びイヌを用いた毒性試験において精上皮変性が認められた。なお、臨床用量での曝露量と比べて高い曝露量で1年間投与したサルでは、精巣の変化は認められなかった。

薬物動態

生物学的同等性試験1)
本剤と標準製剤(錠剤、0.5mg)をクロスオーバー法により、健康成人男子20名にそれぞれ1錠(エンテカビルとして0.5mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.17、0.33、0.5、0.75、1、1.25、1.5、2、3、6、12、24、48及び72時間に前腕静脈から採血した。LC/MS/MSにより測定したエンテカビルの平均血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、評価パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)〜log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。

薬効薬理

エンテカビルはHBVポリメラーゼを選択的に阻害するグアノシンヌクレオシド類似体である。
エンテカビルは細胞内でリン酸化されることが必要である。エンテカビル三リン酸は内在性のデオキシグアノシン三リン酸と競合し、HBVポリメラーゼ(逆転写酵素)の塩基のプライミング、プレゲノムmRNAからのマイナス鎖の逆転写、HBV DNAのプラス鎖の合成の3つの活性すべてを阻害する。2)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
エンテカビル水和物(Entecavir Hydrate)
化学名
9-[(1S,3R4S)-4-Hydroxy-3-(hydroxymethyl)-2-methylenecyclopentyl]guanine monohydrate
構造式
分子式
C12H15N5O3・H2O
分子量
295.29
性 状
白色〜灰白色の粉末である。
NN-ジメチルアセトアミドにやや溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
旋光度
[α]20D:+24〜+28°(脱水物に換算したもの0.1g、NN-ジメチルホルムアミド/メタノール混液(1:1)、10mL、100mm)

取扱い上の注意

安定性試験3)
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、60%RH、24ヵ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。

包装

エンテカビル錠0.5mg「タカタ」
PTP包装:28錠(14錠×2)、70錠(14錠×5)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
武士仁彦他:診療と新薬,54(3):313,2017.
2
高折修二他監訳:グッドマン・ギルマン薬理書(第12版),p.2101(2013)
3
高田製薬(株)社内資料(安定性)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

高田製薬株式会社 学術部
〒336-8666 さいたま市南区沼影1丁目11番1号
電話 0120-989-813
FAX 048-816-4183

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売
高田製薬株式会社
さいたま市西区宮前町203番地1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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